Irisワールドの”Greensleeves”が国内最強ギルドの栄冠を勝ち取った，RJC2011の全7試合を振り返る

　去る6月4日に開催された「ガンホーフェスティバル」では，「ラグナロクオンライン」の国内最強ギルド決定戦「Ragnarok Online Japan Championship 2011」（RJC2011）の決勝トーナメントが開催された。
　4Gamerでは，以下にガンホーフェスティバルのレポート記事を掲載済みだが，RJC2011についてお伝えしたのは，その結果のみだった。開催からしばらく間が空いてしまったが，ここであらためて，予選を勝ち抜いた8ギルドにより，どのような戦いが繰り広げられたのか，全7試合を振り返る詳細レポートをお伝えしておこう。

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決勝トーナメントの組み合わせは，代表のギルドマスター達によるくじ引きで決定された。

“鉄板”構成は“鉄板”じゃなかった!?　RJC2011のルールと戦術を軽くおさらい

　試合レポートの前に，RJC2011の概要を，軽くおさらいしておこう。
　RJC2011では，2010年に開催されたRJC2010でのコスト制が廃止され，ルールが一部変更されている。クライアントが2010年7月のリニューアル後の仕様となっていること，一部を除き消耗品の入手に制限がないこと，そして3本勝負の2本先取（決勝戦のみ5本勝負の3本先取）であることが大きく変更された部分。予選に参加したギルドからは，運の要素が減って本当の意味での実力勝負ができると，おおむね好評だったようだ。
　決勝トーナメントに使われたマップは，1回戦が狭い通路の中央に像があるクロス，2回戦が障害物が多いカジノ，3位決定戦は狭いホール，決勝戦は広く障害物のないガーデンだった。なおルールの詳細は，RJC2011公式サイトを参照してもらいたい。

「RJC2011」公式サイト

　なお，以前に掲載した，RJC2011予選ブロック決勝戦レポートでは，アサシンクロス/クラウン/クリエイター/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーが“鉄板構成”だったが，決勝戦では趣が異なっていたので，先に説明しておこう。
　決勝戦に出場した各ギルドのメンバー構成において，中核を担っていたのは防御の要であるパラディンとプロフェッサー，サポート役のクラウンの3クラスで，残りの4人はマップや相手ギルドの構成によって変えるというパターンが多かった。加えて，練習で手合わせした経験や当日の試合運びなどから，相手の構成や戦術を予想したり，作戦の変更を行ったりしていたとのことである。

　それでは，一回戦から順を追ってレポートしていこう。

一回戦第1試合／Jumpin' Now! vs. +Nirvana+

一回戦で使われたマップ「クロス」。狭い通路と中央の像が特徴的だ

Jumpin' Now!（0勝2敗） クラウン クリエイター スナイパー ジプシー チェイサー ハイプリースト プロフェッサー

+Nirvana+（2勝0敗） アサシンクロス クラウン クリエイター ジプシー ハイプリースト パラディン プロフェッサー

　RJC2011の開幕戦となる第1試合は，ギルドの経歴を伏せて不気味な雰囲気を漂わせるJumpin' Now!と，強豪の一角である+Nirvana+の対戦となった。
　Jumpin' Now!は，クラウン/クリエイター/スナイパー/ジプシー/チェイサー/ハイプリースト/プロフェッサーという，これまでお目にかかったことのない構成。
　一方の+Nirvana+は，アサシンクロス/クラウン/クリエイター/ジプシー/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーという構成だった。

　試合が始まると，Jumpin' Now!はスタート地点付近にブラストマインを敷き詰め，+Nirvana+の進軍を待ち受けた。アローシャワーでブラストマインを叩き込み相手に負担をかけるという作戦のようだったが，あえなく突破されてしまい逃げることもできず全滅。+Nirvana+が1ラウンド目を先取した。

　両ギルドとも構成を変えることなく始まった2ラウンド目では，Jumpin' Now!の狙いが見事に当たり，まずは+Nirvana+のパラディンを撃破。Jumpin' Now!もクリエイターとチェイサーが倒されてしまうものの，+Nirvana+のアサシンクロスを倒し，4対3の数的優位に持ち込むことに成功する。
　ここでマップ中央に下がる+Nirvana+をJumpin' Now!が追う形になったのだが，ここでなんと，Jumpin' Now!のハイプリーストがブラストマインを踏んで自爆してしまい，会場は笑いに包まれた。
　その後もしばらく，Jumpin' Now!が追い+Nirvana+が下がるという状況が続き，2ラウンド目はタイムアップで引き分けかと思ったその瞬間，Jumpin' Now!のジプシーがブラストマインを踏み抜いてしまう。もちろん会場は大爆笑だ。審議の結果，時間内に決着がついたという判定で+Nirvana+が勝利となり，準決勝に進出した。

一回戦第2試合／Greensleeves vs. anomie

Greensleeves（2勝0敗） アサシンクロス クラウン チャンピオン ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

anomie（0勝2敗） アサシンクロス クリエイター クラウン ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

　第2試合の組み合わせは，RWC2010準優勝の実績を持つGreensleevesと，RO唯一のPvPワールドであるUrdr出身のanomieの対戦。
　Greensleevesは，アサシンクロス/クラウン/チャンピオン/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーというやや攻撃的な構成。anomieはアサシンクロス/クリエイター/クラウン/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーというオーソドックスな構成だった。

　1ラウンド目は，マップ中央にある像を挟んでランドプロテクターやストームガストを展開するという，定石どおりの戦いとなった。両ギルドが衝突し，やがてGreensleevesのハイプリースト，anomieのパラディンが戦線を離脱。
　守りの要を失ったanomieを攻めるGreensleevesは，阿修羅覇凰拳でanomieのプロフェッサーを撃破するも，チャンピオンを倒されてしまう。しかし，Greensleevesは攻撃の手を緩めず攻め続け，その後次々とanomieのメンバーを倒していき，1本目を先取した。

　続く2ラウンド目は，双方まったく同じ構成でスタートし，1ラウンド目と同様に中央の像を挟んで睨み合い，しばらくは牽制が続く膠着状態になった。
　Greenleevesはanomieのアサシンクロスを倒すも，その直後にチャンピオンとパラディン，さらにはクラウンをも失ってしまう。しかし，Greensleevesのアサシンクロスが的確な攻撃を続けてanomieのメンバーを着々と倒し，逆転勝利を収めた。

一回戦第3試合／それはないける vs. くまー将軍

それはないける（0勝2敗） アサシンクロス クラウン クリエイター ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

くまー将軍（2勝0敗） アサシンクロス クラウン チャンピオン ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

　初出場のそれはないけると，毎年RJCに出場して実績を積み重ねてきた，くまー将軍による一戦。
　それはないけるは，アサシンクロス/クラウン/クリエイター/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーというオーソドックスな構成。一方のくまー将軍は，アサシンクロス/クラウン/チャンピオン/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーという構成だ。

　1ラウンド目は，中央の像を挟んでにらみ合いとなったあと，くまー将軍が上側からそれはないけるに攻め入っていった。下がるそれはないけるを追うくまー将軍が，まずクラウンを撃破。くまー将軍はその後も怒濤の攻撃を仕掛け，それはないけるのパラディン，クリエイター，ハイウィザードを次々に倒していく。そのまま押し切る形で，それはないけるを全滅させたくまー将軍が1本を先取した。

　どちらのギルドも構成を変えずに始まった2ラウンド。今度は中央の像の下側付近でスキルが飛び交う戦いとなった。
　1ラウンド目同様，くまー将軍がそれはないけるを攻め立て，くまー将軍のチャンピオンが放った阿修羅覇凰拳で，それはないけるのパラディンを倒した。その後は，守りの要を失ったそれはないけるのメンバーを，くまー将軍のチャンピオンとアサシンクロスが次々と撃破。くまー将軍が誰一人欠くことなく連勝し，準決勝へと駒を進めた。

一回戦第4試合／Dramatically Defeat Sky vs. くま組

Dramatically Defeat Sky （2勝0敗） アサシンクロス クラウン クリエイター ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

くま組 （0勝2敗） アサシンクロス クラウン クリエイター ハイウィザード ハイプリースト パラディン プロフェッサー

　予選でギリギリの戦いを繰り広げ，決勝トーナメント出場を果たしたDramatically Defeat Skyと，長らくRJCに参加し続け遂に決勝トーナメント出場が叶った，くま組の対戦。
　構成は，Dramatically Defeat Sky，くま組ともにアサシンクロス/クラウン/クリエイター/ハイウィザード/ハイプリースト/パラディン/プロフェッサーという同じものとなった。

　最初のラウンドは，くま組が自陣から少し前に出たところで停止して，侵攻してくるDramatically Defeat Skyを迎え撃つ形で始まった。
　スキルが飛び交う中，ジリジリとDramatically Defeat Skyが歩を進めていき，くま組のクラウンを撃破。これを切っ掛けにDramatically Defeat Skyが攻勢に出て，1本目はそのまま勝利を収めた。

　2ラウンド目では，Dramatically Defeat Skyがハイプリーストをチャンピオンに代えた超攻撃型の構成で試合開始。くま組は，1ラウンド目と同じくスタート地点付近に陣を張ってDramatically Defeat Skyを迎え撃つ陣形。Dramatically Defeat Skyも1ラウンド目と同様に右へ向かって侵攻する。
　Dramatically Defeat Skyは，早々にくま組のパラディンを撃破したのを皮切りに，そのままクリエイター，アサシンクロス，プロフェッサーと，次々に落としていく。攻撃/防御両方の要を失ったくま組は抵抗することもままならず，2本目も敗北を喫してしまった。2ラウンドを連取したDramatically Defeat Skyが，準決勝へと進んだ。