パッケージ
The Movies 日本語版公式サイトへ
レビューを書く
海外での評価
84
Powered by metacritic
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
[GC 2005#12]モリニュー氏新作 映画会社経営シム「The Movies」
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2005/08/19 05:49

ニュース

[GC 2005#12]モリニュー氏新作 映画会社経営シム「The Movies」

何かとにぎやかだったActivisionブース
 「The Movies」が映画作成+映画会社経営シミュレーションゲームであることは,何度も報じてきたとおりだ。耳にすれば「ああそうですか」といった感じだが,実際に本作がどんなゲームなのかを具体的にイメージできる人は少ないことと思う。
 個人的にはプレイする気にさせる部分というか,プレイヤーのモチベーションをどのように維持していくつもりなのかが今一つ見えてこないと常々思っていた。ソフトはかなり完成に近づいているようだし,今回はそのあたりを知ることができればと期待しつつ,解説を受けながらのプレイに挑んだ。
 ゲームの舞台となるのは"スタジオ"である。このスタジオというのは撮影を行う建物のみを表すのではなく,撮影現場であるセットから管理用の建物,シナリオライターの事務所に現像所や大道具の製作所まで,すべての集まった地域のことを指す。さらに「The Movies」のスタジオ内には俳優の住まいであるトレーラーハウスや娯楽目的のバーなども含まれているため,見方を変えれば,スタジオ自体が一つの小さな町のような感じである。そのスタジオの経営者であるプレイヤーは町長のような存在だといえるかもしれない。
 プレイヤーは,スタジオ内にいる人々に仕事を与えられる。このあたりの操作はいかにもモリニュー氏的で,ひょいっと人物をつまみ上げ,該当の建物にドロップすることで割り当て可能だ。未来のスターを夢見てオーディションの列に並んでいる女性をつまみ上げ,"採用"の機能を持った建物(建物の外壁はマウスオーバーで消えるので,正確には"Create Actor"の機能を持った床)にドロップすると,彼女はとても喜んだ。人の運命を神のように決定していくこの感覚もモリニュー作品らしいものだ。



 スタジオ内にはさまざまな仕事が存在する。俳優と監督はもちろん存在し,それ以外にはシナリオを作るスクリプトライター,セットを作るビルダーも欠かせない存在である。音響効果の専門家も必要だし,変わったところでは現像所で働く化学者なども必要になる。
 人が集まれば必ずゴミが出るというわけで,掃除夫も必要だ。これらの人々がスタジオという場に集まり,相互に影響を与えながら生活することで,そこには小さな社会が形作られる。俳優同士が恋に落ち,そして破局を迎えれば,その後同じ映画に出演した際にはどんなことになるのか……想像することは簡単だろう。ただ単に映画を作るというだけでなく,この小さな社会の面倒を見ていくという部分にゴッドシムライクな楽しさが込められているようである。

 実際に映画が完成するまでには,さまざまな作業を経なければならない。スクリプトライターにシナリオを書かせ,スタッフを揃え,セットを組み上げ,配役を決定してようやく撮影ができる。撮影はゴールではなく,そのあとフィルムは現象し,上映の媒体や規模を決め,さらに宣伝もしなければ利益はあがらない。
 そういった作業は大変そうだが,このあたりの操作には楽しさこそあれ,煩わしさは見当たらない。実際にその一連をデモしてもらったが,操作の基本がドラッグ&ドロップであることに変わりはないようだった。人物やできあがったシナリオ,撮影済みのフィルムなどをあっちの建物こっちの建物とつまんで移動させていくのだ。それをいまどこに運ぶべきかはインジケータが教えてくれるので,ゲームに慣れていないうちでもスムースなプレイができそうだった。

 そしてついにフィルムは完成。試写室で上映してみることに。「映画を作るゲーム」だというからどんな大作ができあがるかと思っていたが,実際に完成したのは上映時間1分程度の小品だった。しかしあなどってはいけない。これがなんだかやけにオモシロイのだ。
 なんか知らないけど女性がふるえながら墓場に行くとガイコツに襲われて,逆にやっつけたと思ったら倒したガイコツが起きあがって女性を後ろから襲ってオシマイ。言葉で説明すると身も蓋もないが,このヘンテコリンな映画が自分のプロデュースでできあがってしまったのだと思うと,額に手を当てつつも愉快な気分がこみ上げてきた。
 何かを作り出すという行為は,作るモノがなんであれきっと面白い。アクションゲームをクリアする楽しさが「運動系の部活動的な楽しさ」だとすれば,この面白さは「文化系部活動的な楽しさ」かもしれない。いずれにしてもこんな面白さを感じさせてくれるゲームは滅多にない。
 もちろんこのような"内輪ウケ"的な楽しさを感じる映画だけでなく,やろうと思えばキチンとした映画だって作れるのだろう。きっとThe Moviesは,それだけ懐の深い作品なのである。発売までもう秒読み段階に入ったと思われる本作の発売が本当に待ち遠しい。(ライター:星原昭典)

  • 関連タイトル:

    The Movies 日本語版

  • この記事のURL:
AD(最終更新日:2022/12/18)
THE MOVIES 日本語版
Software
発売日:2006/04/20
価格:¥1,980円(Amazon)
amazonで買う
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:12月25日〜12月26日