東京ゲームショウ2006(以下,TGS 2006)開幕前日の,9月21日に大型アップデート
「トワイライト・フォージ」が導入されたばかりで,今がまさに旬の
「ダンジョンズ&ドラゴンズオンライン:ストームリーチ」(以下,DDO)。本作を引っさげて,TGS 2006に初出展を行ったさくらインターネットのブースで,DDOの今後の展開予定と,同社の日本展開タイトル第2弾となる,MMORPG
「The Lord of the Rings Online: Shadows of Angmar」(以下,LotR Online)に関する
プレスカンファレンスが行われた。レポート前半となるこの記事では,まずDDOに関する部分をお伝えする。
さくらインターネット代表取締役社長兼CEO 笹田亮氏
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カンファレンスではまず,さくらインターネット代表取締役社長兼CEO
笹田亮氏が登壇し,データセンター事業を行う同社の概要について,改めて紹介した。その中で笹田氏は,同社が持つ回線・設備・技術といった資産をオンラインゲームのサービスに生かし,データセンターをもっと身近なものにしたいと語った。そして同社が提案する「レベニューシェアモデル」によって,ゲームメーカーの負担を減らし,お互いの強みを発揮することで,オンラインゲームへの参入を手助けできることを強調した。このあたりの話は,7月に行われた同社の
プレスカンファレンス記事に詳しいので,併せて目を通してほしい。
続いて笹田氏によって,DDOの作品紹介が行われた。本作は,多くの読者にとって今さら説明するまでもないだろうが,テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界観を,美しいグラフィックスと,アクション性の高い戦闘で再現したオンラインRPGだ。クローズドβテストの
当選倍率が約14倍になった記憶も新しい本作だが,8月に正式サービスを開始して以来,登録者数はすでに3万人に達しているとのこと。
そして,プレイヤーならば気になるDDOの今後の予定について,ここで発表が行われた。その主な内容は以下の三つ。
・無料拡張パッケージのリリース
・ナレーションボイスの切り替え
・各種コラボレーション企画の実施
まず無料拡張パッケージだが,これは冒頭で紹介した「トワイライト・フォージ」のことではなく(もちろんこれも含むのだが),
モジュール3.0と呼ばれている次の大型アップデート
「フォーサケン・ランド」のこと。この「フォーサケン・ランド」が,2006年初冬,11月前後に早くも導入されるというのだ。まだ「トワイライト・フォージ」の概要もつかみ切れていないうちのこの発表に,プレイヤーは嬉しい悲鳴を上げるのではないだろうか。「フォーサケン・ランド」の目玉には,
・専用エリアで行うPvPの実装
・レベル上限が12へアップ
・オークションハウスの導入
といったものがある。もちろん,続報が入り次第4Gamerでも取り上げていくので,まずは「トワイライト・フォージ」をじっくりとプレイしながら,続報のチェックも欠かさないでおこう。
次のナレーションボイスの切り替えとは,現在英語で提供されている,“ダンジョンマスター”のナレーションを日本語に切り替えられるようにするというもの。しかも,ただ日本語に切り替え可能にするだけではない。この日本語ナレーションを担当するのは,
赤い彗星の
シャア・アズナブル役などで知られる,
池田秀一氏。渋みと落ち着きのあるあの声でナレーションが聞けるなんて,なかなか心憎い演出ではないだろうか。英語ナレーションのまま楽しみたいという人のために,日本語/英語の切り替えができることも嬉しい配慮だ。こちらはすでに吹き替えが進行中で,「フォーサケン・ランド」の導入後に実装されるとのことなので,ファンは期待して待ってほしい。
残る,各種コラボレーション企画とは,AMDプロデュースによる
「DDO推奨スペックモデル」や,Saitek社のDDOクライアント付ゲームパッドのこと。後者のコントロールパッドは,9月15日に全国発売されたばかりなので,すでに店頭で見かけた人がいるかもしれない。
このゲームパッドには,クライアントのほかに,移動速度の上がるゲーム内アイテム「Boots of Minor Striding」引き替えコードが付属する。意外と知られていないことだが,各種パッケージに付属する,これらゲーム内アイテム引き替えコードは,一つのユーザーIDに対して重複して登録できる。すでにDDOをプレイしていて,ゲームパッドも購入しようと思っていた人は,こちらの製品を購入すれば,ゲーム内アイテムと,1500円分のプレイチケットまで手にできるので,特典のつかないほかの製品を購入するよりも断然お得だ。ゲームパッド購入の際は,ぜひ選択肢の一つに加えてほしい。
ここまでの発表内容や,これまで実際に行われてきたDDOのアップデートの迅速さなどから,さくらインターネットが本作にかける本気度がひしひしと伝わってくるのではないだろうか。確かにこれまでも,本作では大なり小なりの不具合が生じていたが,今回の発表を見れば,それも遠からず必ず改善されるであろうと信じさせるものがあった。骨のあるゲームが好きな人には,一度は本作をプレイすることをお勧めしたい。(ginger)