「HELLGATE」の正式サービス開始は12月10日に決定。ゲームバランスを損なわないための新たなビジネスモデル「コース課金」と「コンテンツ課金」に注目

HUE HELLGATEプロデューサー中尾圭吾氏

HUE PRチーム 村松直也氏

　ハンビットユビキタスエンターテインメント（以下，HUE）は本日（12月3日）都内のネットカフェで，同社が正式サービスを予定しているMMORPG「HELLGATE」のプレス向けカンファレンスを開催した。カンファレンスでは，現在実施中のオープンβテストの状況を報告すると共に，HELLGATEの正式サービス開始日が2010年12月10日であること，そしてオンラインゲームではあまり例のない，新しいビジネスモデルが紹介された。

　カンファレンスの後には，実装予定の上級プレイヤー向けコンテンツ「最古の地獄『Abyss』」の先行体験会も行われた。以上のように，非常に盛りだくさんの取材だったのだが，ここでは取り急ぎ，カンファレンスのポイントを速報としてお届けしよう。Abyssのプレイレポートを含む詳報に関しては，のちほどたっぷり紹介するつもりだ。

　カンファレンスはまず，ファンにはすっかりおなじみになったコンビ，つまりHUEのHELLGATE担当プロデューサー，中尾圭吾氏と，PRチームの村松直也氏による，オープンβテストの状況報告から始まった。OBTは前評判に違わずの好調ぶりで，11月30日には同時接続者数が1万人の大台を突破したという。一人あたりのプレイ時間も，これまでHUEが手がけたタイトルと比較して長く，多くの人が一日3〜4時間ほどプレイするという。

「HELLGATE」公式サイト

　中尾氏は，OBTが予想以上に好調である理由として，HELLGATEのコア向けのゲーム性が潜在的ユーザーにしっかりと届き，プレイした人からほかのプレイヤーへ口コミで広まっていったこと。運良く，新作オンラインゲームタイトルのテストが少ない時期だったということ。そして，「評価・改善テスト」のフィードバックを適切に行ったことで，早い段階からHELLGATEの方向性が固められたことを挙げた。


　今回のカンファレンスにおける最大のトピックは，HELLGATEの正式サービスの開始日が，12月10日に決定したことだが，合わせてサービス開始と同時に，新コンテンツである，最古の地獄「Abyss」などが実装され，新たな課金システムも導入される予定となっていることが明らかにされた。本作の課金システムは，これまで見られなかったようなビジネスモデルを採用するという。

　具体的には，アイテムの直接販売を行わず，その代わり，プレイを快適に行うためのさまざまな機能やサービスをセットにして，それを30日単位の「コース」として販売する。また，まるでゲームセンターで遊ぶように，小額の費用を払って挑戦するコンテンツも現在検討しているとのことだ。

　具体的なラインナップとして，以下の3つのコースと，それらに含まれる機能/サービスの一部が紹介された。

・「バリューコース」
　インベントリの拡張（小）
　倉庫スロットの拡張（小）
　アカウント間のキャラクターの共有倉庫（小）

・「スタンダードコース」
　アイテムの自動分解機能
　インベントリの拡張（中）
　倉庫スロットの拡張（中）
　アカウント間のキャラクターの共有倉庫（中）

・「プレミアムコース」
　アイテムの自動分解機能
　アバター用のコスチューム
　インベントリの拡張（大）
　倉庫スロットの拡張（大）
　アカウント間のキャラクターの共有倉庫（大）

※インベントリの拡張/倉庫スロットの拡張は，アカウント内の全キャラクターに対して有効


　価格は，バリューコースが500円（30日）で，スタンダードコースが2000円（30日）だが，プレミアムコースは未定。各コースを購入すると特別なポイントが得られ，そのポイントを使って復活用スクロールや，スキルやステータス値を初期化するためのアイテムなどが入手できる。このあたりは，多くのオンラインゲームでよく見かけるものだ。

　中尾氏のイメージでは，「スタンダードコース」を契約すれば十分快適にゲームが遊べるという。それでも飽き足らない熱烈なファンに向けて「プレミアムサービス」を提供するわけだ。もちろん，一切お金を払わなくても，上記各コースのサービスが受けられないだけであり，通常のプレイは問題なくできる。それでちょっと物足りないようなら，バリューコースを選べばいい。つまり，プレイヤーのハマり具合によって，コースをチョイスすることになるのだ。


　ちなみに，各コースのサービス内容は暫定的なもので，正式サービス開始までに変更/追加される可能性は高い。あくまでも本作の独特な課金システムと各コースのイメージを把握してもらう例として提示されたものと考えたほうがいいだろう。このあたりの詳細に関しては，12月8日もしくは9日に，改めて発表される予定だ。

　現在のオンラインゲームは，ほぼ「基本プレイ無料＆アイテム課金」と「月額課金」に分けられる。しかし，HELLGATEというタイトルには，どちらのビジネスモデルもそぐわず，そのためにこのような課金システムが考えられたと中尾氏は語る。

　つまり，高性能なアイテムを販売してしまうと，本作の繊細なゲームバランスが崩れる可能性が高いが，月額課金ではプレイヤーのハードルがやや高くなり，復帰時にも面倒を感じてしまうというわけだ。こうした従来型のビジネスモデルでは，HELLGATEの良さを十分に生かすことができず，ではどうするのか，と中尾氏は連日連夜悩みに悩み抜いたとのことだ。

　とりあえず，速報としてお伝えする情報は以上のとおり。詳しいカンファレンス内容に関しては，後日お伝えしたいので，ぜひ楽しみに待っていてほしい。