ニュース
「ARC Raiders」や「Call of Duty: Black Ops 7」に対応した「AMD Software 25.11.1」リリース
![]() |
WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるAMD Software 25.11.1は,次の新作3タイトルに対応したドライバだ。
いずれも性能向上はアピールしていないので,AMDが動作を確認したという理解でいいだろう。
そのほか,AMD製CPUの新製品「Ryzen 5 7500X3D」への対応が明記されている。
Ryzen 5 7500X3Dは,Ryzen 7000シリーズ(開発コードネーム Raphael)の6コアモデルに,容量64MBの3D V-Cacheを搭載して,L3キャッシュ容量を96MBに拡大したCPUだ。
CPUコアアーキテクチャに前世代の6コアモデルを使用した,ミドルクラスの3D V-Cache搭載製品といったところろだろう。
ただ,Ryzen 7000シリーズは電力対性能比に優れているので,3D V-Cache搭載モデルは低消費電力ながら,高いゲーム性能が得られていた。価格次第では,Ryzen 5 7500X3Dは,PCゲーマーにとって価格対性能比のいい選択肢になるかもしれない。
なお,前バージョンから引き続き,AMD Software 25.11.1も,RDNA 2/1世代とRDNA 4/3世代で,ドライバパッケージが異なる。ダウンロードするときは注意しよう。
すでにAMD Softwareを利用しているRadeonユーザーなら,AMD Install Managerを使ってインストールするのが最も安全だ。
関連情報をチェックしていたRadeonユーザーならご存知だろうが,前バージョンのリリース後,海外のニュースサイトを中心に,「AMDがRDNA 2/1世代の新作ゲームサポートを終了した」とか,「ドライバがメンテナンス状態に移行した」という情報が出回って,ちょっとした騒ぎになった。
これらのサイトからの質問に対するAMDの曖昧な回答も,騒ぎの一因になっていたように思う。
最初のRDNAアーキテクチャである「Radeon RX 5000」シリーズが発売となったのは,今から6年前の2019年である。
ライバルのNVIDIAが,11年前に発売となったMaxwell世代のサポートを継続している※のを考えれば,新作ゲーム対応の打ち切りが早すぎると見られるのは無理もない。
※現在のメジャーバージョンをもって,新作対応は終了の予定だ(関連記事)
また,ライバルにはない事情として,AMDには,Ryzen 6000シリーズなどRDNA 2世代のGPUを統合したAPU製品が存在がある。現役製品のドライバサポートを収束状態に移行させるのは,いくらなんでも乱暴と見られて当然だろう。
そこでAMDは,公式Blogにて,ドライバパッケージを分離した経緯を説明するとともに,RDNA 2/1世代のサポートを継続することを表明して,事態の沈静化を図った。
ブログの内容を簡単にまとめると,RDNA 2/1世代の新作ゲームサポートやゲームへの最適化,セキュリティやバグフィックスは,これまでどおり継続するという話だ。
ドライバパッケージを分けたのは,RDNA 2/1世代とRDNA 4/3世代のソースコードツリーを分離したためであるという。コードの分離によって,RDNA 4/3世代に対する変更が,RDNA 2/1世代に影響を与えるリスクを抑えることができ,RDNA 2/1世代の安定性を維持しやすくなるという理屈だそうだ。
ソースコードツリーが膨れ上がると,メンテナンスは困難になる。分離して整理するのは,理にかなった変更と言っていい。
ただ,裏を返すと,今後,RDNA 2/1世代には,新しい機能が搭載されにくくなることも予想できる。AMDが海外ニュースサイトに,メンテナンスへの移行を匂わす回答を行ったのも,それが理由だろう。
古いアーキテクチャのGPUに新しい機能が搭載できないのは,ある意味で当然でもあるので,こればかりは致し方ないところだ。
より直接的な影響としては,新作対応のタイミングや対応タイトル数が,RDNA 2/1世代とRDNA 4/3世代とで変わる可能性あろう。
今回のAMD Software 25.11.1が対応した3タイトルについては,リリースノートに世代の明記がないので,Radeon RX 5000シリーズ以降のすべてが対応したと解釈していいと思うが,今後も同様とはいかないかもしれない。
RDNA 2/1世代のユーザーは,リリースノートをこれまで以上にチェックする必要がありそうだ。
●AMD Software 25.11.1の対応GPU
- Radeon RX 9000シリーズ
- Radeon AI PRO R9700シリーズ
- Radeon RX 7000シリーズ
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
●AMD Software 25.11.1の対応APU
- Radeon AI 300シリーズ
- Ryzen 9000シリーズ
- Ryzen 8000シリーズ
- Ryzen 7000シリーズ
- Ryzen 6000シリーズ
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)
●AMD Software 25.11.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAMD Software 25.10.2)
- Display Driver Version:25.20.29.01-251106a-421109C-AMD
-Soft ware -Adre nalin -Edi tion (←25.20 .21.01 -251 013a -420 422C -AMD -Soft ware -Adre nalin -Edi tion) - UI:2025.1013.1251.2083
- AMD Windows Driver version:32.0.22029.1019(←32.0.22021.1009)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D Driver:9.17.11.0284
- OpenGL Driver:32.0.22029.1019(←32.0.22021.1009)
- Audio Driver:10.0.1.41(←10.0.1.40)
- Vulkan Driver:2.0.364
- Vulkan API:1.4.325
●AMD Software 25.11.1における最適化
- 記載なし
●AMD Software 25.11.1における新要素
- Call of Duty: Black Ops 7,Anno 117: Pax Romana,ARC Raidersに対応
- Ryzen 5 7500X3Dに対応
●AMD Software 25.11.1で解決した問題
- 「Easy Anti Cheat」対応ゲームをプレイしているときに「Radeon Overlay」を使用すると,断続的にゲームがクラッシュすることのあった問題
- 「AMD Install Manager」を使ってAMD Softwareを更新後,AMD SoftwareにCPU情報やチューニング情報が表示されないことのあった問題
●AMD Software 25.11.1における既知の問題
- 「Cyberpunk 2077」において,パストレーシングを有効にした状態でゲームのセーブデータをロードしようとすると,ゲームのクラッシュやドライバのタイムアウトが発生することがある。AMDは開発者と協力して,この問題をできるだけ早期に解決できるよう取り組んでいるとのこと
- Radeon AI 9 HX 370で「Battlefield 6」をプレイ中,断続的にゲームがクラッシュしたりドライバのタイムアウトが生じることがある
- Radeon RX 7000シリーズで,「Roblox Player」対応ゲーム(「Car Zone Racing & Drifting」)をプレイ中に,メディア間のタスク切り替えを行うと,断続的なゲームのクラッシュやタイムアウトが生じることがある
- 一部のAMD製GPUで,AMD Softwareの録画やストリーミング機能を使用して「Battlefield 6」をプレイすると,テクスチャのチラツキや破損が見られることがある
- 高帯域幅のHDMI 2.1対応ディスプレイを接続している環境で,ディスプレイスタンバイ中に断続的にシステムがクラッシュすることがある。この問題が発生した場合は,HDMIの代わりにDisplayPort接続の利用を推奨するとのこと
- 関連タイトル:
AMD Software
- この記事のURL:
(C)2019 Advanced Micro Devices Inc.




















