LEGOブロックがデンマークに誕生してから,今年でちょうど50周年となる。世界的に愛されている定番玩具の一つだが,アメリカでは久々にブームの兆しを見せ始めている。ゲームでは,LucasArts Entertainmentとのコラボで数年前から「
LEGO Star Wars」シリーズが大ヒットを飛ばしており,2008年は「
LEGO Indiana Jones」や「
LEGO Batman」などの新作が投入される。
そしてもう一つ,ゲーム関連の新作として期待されるのが,「
Jumpgate Evolution」などのMMORPGの開発元と知られるNetDevilが手掛ける,「
LEGO Universe」だ。The LEGO Group本社からビジネス開発ディレクターの
Mark Hansen(マーク・ハンセン)氏がGDC08に出席し,
「Bringing the Brick Online: Inside LEGO Universe」(ブロックをオンライン世界へ:LEGO Universeの内側)という講演を行った。ビジネスサイドからのトークではあるが,ほとんど情報のないLEGO Universeに,少しだけ光が当てられたので紹介しておく。
「MMOGの“次の大ヒット”が出るために,何よりも大事なことはコミュニティだ」と語るハンセン氏。なるほど,過去50年にわたって子供から大人までを魅了し続けるレゴらしい発言だ。実際レゴに関してはホビーストから教育現場まで,同社がサポートもするコミュニティが世界中にあるし,フラッシュゲームもできるオンラインサービス「
LEGO Club」も,オープンしてから160万人ほどの登録がある。これらが,必ずLEGO Universeにも生きてくるというのがハンセン氏の考えるところなのである。
ハンセン氏によると,LEGO Universeは
(1)ブロック組み立て
(2)社交性
(3)気軽に遊ぶ
の三つを柱としたMMOGになるという。対象年齢は8歳から12歳で,女の子や青少年,大人の参加ももちろんできるのだが,子供をターゲットにしているだけあり,「何でもできるフリーダム」はなく,何らかのルールをもってプレイヤーにガイダンスを与えていくスタイルになりそうだ。
講演では,LEGO Universeの実際に動いている光景が公表されなかったのは残念だ。ただ,コンセプトアートなどはスライドで多数公開され,何か「
Spore」を連想させるような惑星をずっとクロースアップさせていくことで,異なる都市に到達するような短いムービーも紹介されていた。
このほか,キャラクターカスタマイゼーション,キャラクターレベル,ロールプレイング性,ペット,チーム/ギルドなどがあることも発表された。「ストーリーライン」と表現されたクエストやゾーンには,パイレーツ,未来世界,恐竜時代,宇宙,海底,中世騎士などのテーマがあるようだ。
このように,今回も情報はほとんどリリースされなかったものの,LEGO Universeは今秋にもβテストが開始されるという。世界的にファンの多いレゴだけに,正式リリースされると,子供を中心とした大きなコミュニティに成長していくのは間違いないだろう。子供用のブロックといえども,レゴはれっきとした「ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ」であり,それを子供でも楽しめるレベルにまで持っていくというのは,開発チームにとっても大きなチャレンジであるはずだ。