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【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら
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印刷2025/02/06 18:00

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【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら

RAM RIDER /  アーティスト /  音楽プロデューサー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら

RAM RIDER「明日なにあそぶ?」

公式サイト:https://ramrider.com/


第8回:iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら


「REPLAY THE MAGIC」情報まとめページ
画像集 No.002のサムネイル画像 / 【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら
 昨年(2024年)はデビュー20周年を迎え,アルバム「REPLAY THE MAGIC」をリリースし,記念のワンマンライブもどうにか成功と,非常に充実した一年でした。
 だが心のどこかにぽっかりと穴が空いているような感覚が。は! そうだ,この連載! ということで近況から表題のテーマについて長々と書かせていただきます。

 私ことRAM RIDERは2009年にiPhone 3GSを購入して以来のiPhoneユーザー。それまでお気に入りだったソニー・エリクソンのガラケーと1年ほど併用した後,当時のキャリアメールやiモードの専用サービスと決別し,純粋なiPhoneユーザーになって15年が経った。

 iPhone 4Sを手に入れて以降は,後ろに「S」のついたモデルが出る度に買い替えていたが,ここ数年は機種変更をしないままiPhone 13 miniを使い続けていた。このサイズがすっかり手になじんでいるのに,以降のモデルに同様の選択肢がなかったためだ。その後もminiモデルの復活を期待したが,最新モデルのiPhone 16まで5.4インチモデルはラインナップされていない。

 とはいえですよ,歳を重ねるにつれ少しずつ目は衰えているわけで,「いや〜やっぱり手になじむね」などとも言ってられない現実もあります。そもそも男性としては手も大きいほうで,多少スマホが大きくたって困ることはない。

 ということで,あらためてiPhone 16のラインナップや噂されるiPhone 17シリーズのリーク情報などを眺めていると,やはりこう,なんというか,そこまでの目新しさを感じない。使えばきっとストレスはないだろう。写真もきっときれいだろう。
 そういえば昨年,苗場のスキー場でDJをした晩,スタッフと外へ出て夜空を撮影したところ,旧モデルにもかかわらず自分のiPhoneの手持ち撮影が一番きれいだった。
 ただやっぱり指紋認証が付き,顔認証でそれがなくなり,広角レンズ,望遠ズーム,そしてまた小型化,と買い替える度に感じた分かりやすい新鮮さが感じられない。「もしかしてiPhoneて15あたりで完成してしまったのかも?」とすら思う。


過去,私の体を通り抜けていった電話達。まるで都市鉱山
画像集 No.003のサムネイル画像 / 【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら
 加えてエコシステムの問題だ。スマートフォンは,もっといえばPCを含むコンピュータ全般とそれに関連する自らのデータは,常にどこかのサービスにひも付いて初めて機能する時代になってしまった。
 それは受け入れるしかないとして,せめて一つの企業にすべてを委ねるのは(それはそれで気楽だが),どうしても避けたい。使う道具を自由に選ぶための選択肢を手元に置きたい。iCloudという毎日温かいスープとパンの出る家を飛び出して冒険してみたい,そんな気分。
 それは「Dにする? SHにする? いややっぱりSOだよね?」「次のモデルはワンセグが付くらしいよ?」と期待に胸を踊らせたあの頃の気持ちに似ているのかもしれない。

 つまりはここで一度Androidに身を委ねてみたい,と思ったのです。

 そんな気分で家電量販店へ足を運ぶと,景色がまた違って見える。ほとんどコンデジみたいなデザインの大型レンズを有するモデル,ガラケーのように折り畳めるもの,横に開くと小さなタブレットサイズになるタイプもある。
 もちろんこれらの存在は以前からチェックしていたが,どこか他人事のように眺めていたわけで,自分の機種変の対象になりうると思うと少々熱い視線を送ってしまう。AI搭載? そんなのはどうでもいいのです。大事なのはガワです。

 ただ一つiPhoneと共通しているのは,もはや5インチ台は大型モデルですらなく,4インチ台に至っては絶滅状態,ということだ。iPhone 6が登場したときにはあまりの画面のデカさに腰を抜かしたものだが(嘘だが),それでも4.7インチ。今は6インチ台が主流で,時代は完全に大型化の流れになっている。

 いろいろ調べた結果,「いいでしょう,それならいっそ,デカいのいったりましょう!」とLeica監修のカメラを搭載しているXiaomiの6.67インチモデル「Xiaomi 14T」を購入してみた。キャリア販売で手頃な価格な割に良いSoCを積んでいて,ベンチマークも悪くなさそうだったからだ。

ということで6.67インチの新しい相棒。支える小指が若干つらい
画像集 No.004のサムネイル画像 / 【RAM RIDER】iPhone歴15年のガジェット&ゲーム好きがメインスマホをAndroidにしてみたら
 ただ本稿は「長年iPhoneを使ってきた人間がAndroidに移行した話」を主軸にしたいので,できるだけ端末自体の話は避けたい。
 一応書いておくと,Xiaomi 14Tはカメラモードが多彩でフォーカスの追従性も高く,写真の仕上がりに味がある……が,動作はやや不安定。OS自体はHYPER OSというAndroidをカスタマイズした独自スタイルで,プライベートと仕事でまったく違うプロファイルを切り替えて使うなど,iPhoneユーザーからすると信じられないような便利な機能が搭載されており,そしてやっぱり全体的にやや不安定,といったところだ。この辺はアップデートに期待したい。
 しかしちょっと前までUSB充電の扇風機を出していたようなメーカーが,いつの間にかスマホのメインストリームに躍り出てしまうのだから,この世界はほんとに何が起こるか分かりませんね。

 さて,ここまでまるで「初めてのAndroid」みたいな言い方をしているが,書き方が悪かったかもしれない。僕自身は初期のGalaxyから時々Androidスマホを所有しているし,同OSを搭載した中華タブレットやゲーム機を毎年何かしら買っているので,ここ10年ぐらいのほぼすべてのバージョンを触っている。
 ただそれらはサブアカウントだったり,時にはいわゆる「捨て垢」だったりして,メインのスマホにはしてこなかったというのが正確な話だ。つまりタッチ決済や電子マネー,二段階認証なども含めた生活の基盤に据えたことはなく,今回はそれをやろう,ということなのだ。

 まずは通信。こちらは物理SIM,eSIM共に何の問題もなし。ただiPhoneだったらダウンロード一発だったAPN設定が一部手入力だったりして,若干日陰者感があった。

 次に決済系。QRコード系の決済はまず問題なく移行できた。モバイルSuicaもiPhone側から削除するときに若干指が震えたが問題なし。某犬っぽい鳴き声のチャージ式決済がiOS〜Android間の移行を認めておらず,これはNG。近所での買い物に使っていたのだが,面倒くさがりな僕は一回でできるMAXの金額を自動チャージする設定にしていたため,まだ3万円以上残っている。これを使い切るまでiPhoneも持ち歩かなければならない。わお〜ん!!!!

 銀行等の生活インフラや資産系は堅牢なセキュリティが求められる。が,これは認証システムアプリとSMSの2段階,3段階認証のおかげですんなりと,だが確実に移行できた。法人サービスは一部郵送による手続きを余儀なくされ,若干モヤるが,まあこれもセキュリティ上しょうがないだろう。問題なし。

 SNSもとりあえずは問題なし。ただサービスによってメッセージの保存がローカルだったり,オンラインだったりするのでその辺は各自調べたほうがいいかもしれない。個人的にSNSのメッセージは誕生日のやりとりぐらいしかないのであまり気にせず。

 そして今回最大の難関,LINE

 メッセージアプリのLINEは多くの方がご存知のように,何も準備をせずに機種変更を試みると最新の2週間分のバックアップしか復元されない。しかしiCloudやGoogle Driveにバックアップしておき,それを復元することで完全な移行を実現できる。
 ここで問題なのが異なるOS間での機種変更だ。なんとLINEは公式にその移行をサポートするサービスやツールを提供していない。つまりiOSからAndroid,AndroidからiOS,そのどちらも2週間より古いやりとりはすべて消えてしまうのだ。
 これまでていねいにバックアップを重ね,機種変更をしてきた僕のLINEには初インストール以来,約14年分のすべてのやりとりがストックされている。過去の仕事の経緯を調べるのに使うことも多く,気軽に割り切って捨てられるものではない。何より消すわけにはいかないのが,この14年間で亡くなっていった友人や仕事仲間とのやりとりだ。彼ら,彼女らが生きていた痕跡を「機種変のワクワクを味わいたい」などというどうでもいい理由で失いたくない。

 そこでスタッフ,調べました。探しました。
 OS間で自由にLINEのログが移行できる方法を。

 まず1に,怪しい海外製のWindows用有料ソフト。月額から買い切りまであるが,開発元も聞いたことがない,いつ開いても限定セール! 今なら50%オフ! みたいなことをやっているデータ移行アプリ。YouTubeなどにも使用方法がUpされており,実際に移行できたという声もある。だがな〜,セキュリティ的にちょっと不安。保留。

 2にSamsungが独自提供するGalaxy向けデータ移行アプリ「Smart Switch」。「LINEの全トーク履歴が移行できるのはGalaxyだけ」と言い切っているだけあり,かなり安心だが,これはGalaxy専用アプリ。
 つまり一度iPhoneからGalaxyへ移行し,そこからGoogle Driveにアップロード,自分の端末で復元,という手順が必要だろう。相当面倒だが確実そうではある。そこで友人から古いGalaxyを借り受け,試したところOSが古すぎて非対応。次にフリマアプリでそのバージョンに対応しているOSを搭載した一番安いGalaxyを購入し,試してみた。
 信じられないと思うが,バックアップに丸2日,復元に1日かかった。が,結果は失敗。またもや適当に購入したGalaxyのストレージが足りず,復元の最後の最後でエラーが出てしまった。

 3。こちらはちょっと敗北宣言にも近いが,「移行しない」という選択肢。つまり新しいLINEアカウントを作って1から運用する。そして古いログはiPhoneと共に大切に思い出として保管し,必要があれば取り出す。最も確実で安全な保管方法ではあるし,さすがに増えすぎた謎のグループや友達リストの整理には良いかもしれない。
 ただやはり,過去の仕事の経緯や記憶をたどりたいときに充電して起動して…..というのを想像すると,やはり現実的ではない。

10年以上前のLIVEメンバーとのやりとり。バンドカーでのスケジュール調整をしていたようだ
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 結局のところ心が折れかけた僕は1の移行アプリを購入し,慎重かつ大胆に使ってみることにした。iPhone 13 miniとXiaomi 14TをPCにつなぎ,ソフトウェアの通信状況などもチェックしながらスマホのロックを解除して待つこと数時間。移行はあっさりと成功した。
 まだ少し違和感のあるAndroid版LINEのインタフェースの中で10年前の会話を確認できたときには心の底から安堵した。正直他人にオススメできる方法かと言われると自信がないので具体的なソフト名は伏せるが,もしまたiPhoneに戻りたくなったとして,前述の「Smart Switch」を使ってもAndroidからiPhoneへのLINE過去ログ移行は不可能なので,現状自由に移行させるにはこの方法しか見当たらない。

 最大の難関,LINEを乗り越えたらあとのアプリは楽勝だ。iPhoneで慣れ親しんだゲームや,録画機器の再生など一部の機能解除のアプリ課金が二重になってしまうのがちょっともったいない気もするが,「一つのエコシステムからの脱却」にかかるコストだと思えば安いものだし,そもそもここにくるまで無駄にGalaxy端末やソフトを購入してしまっているのだから..…。

 と,各種移行に七転八倒したのがこの年始。そしてここからがAndroidに移行して1か月が経ってみての素直な感想だ。

 まず,生活をしていて困る場面はとくになかった。これは上記のように移行を慎重に行った成果でもあると思う。店頭や,例えばガソリンスタンドなどで「ああそういえばこの店の会員アプリまだ入れてなかったな」みたいなことが多少あったぐらいで済んでいる。

 あとは画面が大きくなったことでブラウジングや動画視聴のストレスが減り,iPadを触る時間が少し減った。しかしこれはiPhone 16シリーズに機種変したとしても同じ結果だったかもしれない。

 カメラやその他の機能については機種に依存する部分が大きく,ここであまり多くは語らないが,ともあれOSのカスタマイズの自由度が根本的に違いすぎて,やはり楽しい。
 「そこまで触っていいのか」とさえ思う。アプリごとに音量を調整できたり,通常の操作をしながらマウスカーソル操作を併用できたり,ランチャーを追加できたり,サードパーティ製のアプリがOS上を横断して動作したりするので,iPhoneユーザーからすると信じられないような挙動をするソフトが山程ある。
 ただ,この「ワクワク」は常にセキュリティの危うさと背中合わせなので,そこも込みである程度「呼吸するようにセキュリティを警戒できる人」向けな気もする。

YouTubeを見ながらマウスカーソルとタッチを併用してマップを操作し,ランチャーで次のアプリを選ぶの図
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 ゲームについては「原神」がベンチマーク的に語られるが,こちらも最高画質+最大60fpsで序盤プレイは問題なし(一応ゲーム情報サイトなのでこういうことも書いておく)。エミュレータ各種もキビキビ動作した。

 一方で今回の記事のように新しいスマホ本体を撮影するために久しぶりにiPhoneに触れると,その動作の滑らかさや安定性,「人を分かってる」感じにあらためてうならされる。iPhone 13 miniですらこの画質の良さだ。iPhone 16シリーズや,ましてiPhone 17シリーズだったら,どんな仕上がりになるんだろう,という新たなワクワクも生まれる。
 また,ゲームのラインナップについてはインディー作品はiOSのみでスタート,というパターンも一部にはあり(iPhoneユーザーでいると気付かないものだ),加えてAppleがApp Storeのルールを改定したせいか昨年からエミュレータが解禁されたり,あちこちのゲームパッドが比較的容易に使えるようになったりと,部分的な優劣はあれど,こと自分自身においてはゲーム環境についての差異がほぼなくなった。
 今後,また魅力的なiPhoneが出ればあっさり戻るだろうし,折り畳みのAndroidも気になる。「いつでも好きなものを選べる」ということ自体に価値を感じる。

 あらためてになるが,本稿の目的はOSの優劣を語ることではなく,特定の企業のエコシステムから脱し,スマホやガジェットを自由に楽しみたい人間の記録でしかない。そういう意味で今回の試み自体は「成功」と言えるだろう。現在,メインPCはWindows,サブ機とLIVEはMacBook Air,タブレットはiPad Pro,そしてスマートフォンはAndroidとバラバラだが,すべての機器の同期やバックアップは各OSに依存しない形で構築してあるのは,けっこう自由だ。

 そんなことを思いながらXiaomi 14Tを取り出し,Google Mapを画面の端に出しながらNetflixを再生,着信を受けつつカメラを起動,なんてやってるととたんに動作が不安定になる。

 うーん次はやっぱりiPhoneかな?

 などと思っていたらここにきて「SteamのゲームをAndroidで動かす試みが始まっているらしい」という噂が入ってきた。今年もいろいろ楽しめそうです。

■■RAM RIDER(アーティスト / 音楽プロデューサー)■■
RAM RIDER氏は現在,YouTubeでは「オーディオギャラクシー」,Podcastでは「異業種Pたちの人生エンタメ会議室」「ストレージ2000」に出演中です。
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