
レビュー
3サイズ展開のゲーマー向けマウス,つかみ&かぶせ持ち派は試す価値あり
ZOWIE ZA(ZA11,ZA12,ZA13)
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基本的な仕様や使い勝手が気になるという人は,まずファーストインプレッションに目を通してから,あらためて本稿に戻ってきてもらえればと思う。
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ZOWIE GEAR新型マウス「ZA」ファーストインプレッション。つかみ持ち派とかぶせ持ち派は試してみる価値がありそうだ
センサー性能は総じて良好ながら,FK1と比べるとテスト結果には若干の違いも
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LEDインジケータは本体底面のボタン部にあるだけなので,普通にマウスを使っている限り,ZAシリーズは「光らない」マウスということになる。このあたりの仕様はFKシリーズからまったく変わらずだ。
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USBのレポートレートは,「決められたボタンの組み合わせを押下しながらPCにマウスを差すことで行える。これもFKシリーズと同じだが,念のため確認しておくと,以下の組み合わせによって,予め用意された125
- 有効なサイドボタンを両方押しながら接続→125Hz
- 有効なサイドボタンの奥側(=マウス前方側)を押しながら接続→500Hz
- 有効なサイドボタンの手前側(=マウス後方側)を押しながら接続→1000Hz
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変更方法は以下のとおりで,「ボタンを押下しながらPCと接続」することで,「Cloth Mouse Pad Mode」と,「Plastic Mouse Pad Mode」の2つから選択できる。
- Cloth Mouse Pad Mode(布製マウスパッド最適化モード):左メインボタンと左サイドの手前側(=マウス後方側)ボタンを押しながら接続
- Plastic Mouse Pad Mode(プラスチック製マウスパッド最適化モード):右メインボタンと左サイドの手前側(=マウス後方側)ボタンを押しながら接続
以上を踏まえつつ,今回は,下に示したテスト環境および設定でテストを行いたい。
●テスト環境
- CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
- マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結 - メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
- グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
- ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
- サウンド:オンボード
- OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1
●テスト時のマウス設定
- ファームウェアバージョン:6.1.7600.16385(※デバイスマネージャで確認)
- DPI設定:400/800/1600/3200 DPI(※主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
- レポートレート設定:125/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
- Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
- Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効
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FK1のレビュー時と同じく,より安定しているのは標準のCloth Mouse Pad Modeのほうで,Plastic Mouse Pad Modeはややピーキーな挙動を示した。「間違いなくPlastic Mouse Pad Modeのほうがよい」という場合はともかく,基本的にはCloth Mouse Pad Modeのまま使ったほうがいいように思う。そのスコアも,14枚中10枚で2mm以下なので,光学センサー搭載モデルとしては上等と評していいだろう。
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続いては,「MouseTester」を使って,ネガティブアクセルの有無をチェックしていきたい。
ここでは,マウスパッドを「ARTISAN 隼XSOFT」で,レポートレートをデフォルトの1000Hzをそれぞれ固定したうえで,標準のCloth Mouse Pad Modeを選択し,DPI設定を400・800・1600・3200と順番に切り替えながら,センサーの挙動を追うことにする。
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スペック的にも,ゲームにおける体感的にも,FKシリーズとZAシリーズで,センサー性能面での違いは感じないのだが,ではなぜ,FK1と比べてZA11はやや不安定になったようなグラフになっているのかだが,正直に言うと,まったく分からない。ただ,個体差でないなら,テスト時期が時期だけに,湿度が高く,それがマウスパッドに影響を与えている可能性はあるだろう。また,基板あるいはファームウェアのちょっとしたアップデートが影響している可能性もあると思う。後者については後段で検証したい。
最後に直線補正の有無も確認しておきたいと思うが,ここではZA11で,Windows標準の「ペイント」を使って線を引き,補正の有無を判断することにしている。その結果が下の画像で,少なくとも体感できるレベルの補正はないようだ。ZOWIE GEAR製マウスの伝統がそのまま引き継がれていると判断して問題ないだろう。
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内部構造はFK1とほぼ同じながら
若干の違いも
センサー類のテストを終えたところで,代表してZA11を分解してみたい。ここまでのテストから,ZAシリーズはFKシリーズをベースとした形状バリエーションモデルと思われるだけに,内部構造がどこまで似ているかというのも,1つのチェックポイントになるはずだ。なので,適宜,FK1のレビュー記事も参照しつつ,確認してもらえればと思う。
というわけで,ZA11の底面部に貼られたソールを剥がし,さらに4本のネジを外して,筐体の上面部とカバー側を,底面部から取り外した状態が下の写真だ。ぱっと見の印象は,FK1からまったく変わっていない感じである。
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搭載される光学センサーがPixArt Imaging(以下,PixArt)の「PMW3310DH」,USBマイクロコントローラがCypress Semiconductorの「CY7C64215」なのは,FK1と変わっていない。
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重箱の隅を突くような指摘をすると,コンデンサ用ではないかと思われる空きパターンが,Dリビジョンだと穴開きなのに対し,Eリビジョンだとハンダで埋まっていたりして,何らかの変更が入った可能性は見て取れるのだが,それがどういう意味を持つのかは,正直,分からない。先ほど述べたとおり,FKシリーズでも最新ロットだとEリビジョンになっている可能性があるので,このあたりは詮索してもしょうがない気はする。
“よくできすぎ”で,まとめに困るZA
FKの形状がしっくり来ない人は試すべき
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製品レベルでは,リフトオフディスタンスが光学センサーらしいバラつきを見せ,また,相変わらずPlastic Mouse Pad Modeはツメが甘い印象を受けるものの,標準で設定されているCloth Mouse Pad Modeで利用する分には,大きな不満はない。FK1との挙動の違いも,少なくとも体感できるレベルではなく,センサー性能は良好と述べていい。
総じて「よくできていて,とくに言うことがない」というのが正直なところであり,〆の言葉に困ってしまうくらいだが,ZOWIE GEARが主張するとおり,「つかみ持ち」「かぶせ持ち」派であれば,試す価値がある。とくに,FKシリーズのデザインが自分には合わなかったという人にこそ,一度触ってみてほしい製品だと断言して,本レビューのまとめに代えさせてもらいたい。
ZOWIE GEARのZAシリーズ製品情報ページ(英語)
ZOWIE GEAR日本語公式Twitterアカウント @ZOWIEGEARJP
パソコンショップ アークのZA11販売ページ
パソコンショップ アークのZA12販売ページ
パソコンショップ アークのZA13販売ページ
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ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)
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- ライター:BRZRK
- カメラマン:佐々木秀二

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