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ラピッドトリガー&SOCD対応の10キーレスキーボード「Corsair K70 PRO TKL」を検証。どんなゲームでも快適な汎用性が魅力だ【PR】
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印刷2024/11/30 12:00

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ラピッドトリガー&SOCD対応の10キーレスキーボード「Corsair K70 PRO TKL」を検証。どんなゲームでも快適な汎用性が魅力だ【PR】

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 今回紹介するのは,Corsairの新型10キーレスキーボード「K70 PRO TKL High-Performance Hall Effect Programmable Gaming Keyboard with Rapid Trigger」(以下,K70 PRO TKL)だ。
 Corsair独自の磁気ホールセンサー式キースイッチ「MGX Hyperdrive」を採用して,可変アクチュエーションポイント機能やラピッドトリガー,そしてFPSゲーマーの注目を集める「SOCD」(Simultaneous Opposing Cardinal Directions)機能の「FlashTap」を備えるなど,同社製10キーレスキーボードの中でもハイエンドな製品である。

K70 PRO TKL(型番:CH-911921G-JP)
メーカー:Corsair
メーカー想定売価:3万円弱(税込,※2024年11月30日現在)
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 2週間ほど使っただけだが,いきなり結論から述べてしまうと,「これ,かなりいい」という感じである。


外観をチェック。Corsairらしい高品質な仕上がり


 最初にお断りしておくと,K70 PRO TKLは発売後にファームウェアを更新するアップデートが行われたため,本稿執筆時点で最新のファームウェア(v.1.6.37)を適用してテストしている。本アップデートには,アクチュエーションポイント設定範囲の増加や,FlashTap機能の追加などが行われているため,製品を入手したら,必ずアップデートを行ってほしい。

製品ボックス(左)と,その中身(右)。付属品は着脱式パームレストにUSBケーブルとシンプルだ
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 まずは外観からチェック。今回使用したのは,K70 PRO TKLのホワイトカラー,日本語配列モデル(型番:CH-911921G-JP)だ。ほかにブラックモデル(型番:CH-911911G-JP)も存在するが,本稿執筆時点で正規に国内販売が行われているのは,日本語配列モデルのみとなる。

K70 PRO TKL本体
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 写真を見てのとおり,形状は純粋な10キーレスキーボードそのものだ。eスポーツゲーマーに支持を集める60〜75%という小ささ重視の製品ではないため,「キーボードを用途ごとに使い分けるのは面倒だな」という人なら,まさに適任といえる。フルサイズキーボードやほかの10キーレスキーボードを使っていて,「より高性能なキーボードに買い換えたい」という人でも,すんなり乗り換えられると思う。

 実測の本体サイズは,約365(W)×135(D)mmで,ゲーマー向け10キーレスキーボードの一般的なサイズ感である。
 本体の高さはキーの列によって異なる。キースイッチを含まない実測では,[Space]キーの列が約18mmで,ファンクションキーの列が約24mm。キースイッチやキーキャップを含めると,それぞれ実測で約32mm,約40mmとなる。

左側面から見た状態。天板上にキースイッチを並べたフローティングデザインを採用する
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 高くも低くもない標準的な高さという印象だが,人によっては,付属するパームレストを使用したほうが使いやすい場合もあるだろう。

パームレストは着脱式。磁石で本体に貼り付くタイプで,使っていてズレるようなことはなく,取り外しも簡単だ
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 天面の傾斜角は,底面側のチルトスタンドで調整可能だ。スタンドを立てた状態ではキースイッチ・キーキャップを含めた実測で,ファンクションキーの列が約50mmまで持ち上がる。使用状況に応じての使い分けが可能だ。底面の滑り止めも安定している。筆者のデスクは非常にツルツル滑るのだが,K70 PRO TKLの滑り止めはしっかりしており,検証中にズレたことは一度もなかった。

底面のチルトスタンドは1段式。左がスタンドを立てない状態で,右はスタンドを立てた状態だ
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 重量は,実測で約966g。全体的な品質や,2層の消音レイヤーを備えた内部構造を考えれば妥当なところか。それなりの重量による安定感もある。デスク上を掃除するときに持ち上げるのが面倒という重さでもない。頻繁に持ち運ぶタイプのキーボードではないが,オフライン大会やイベントなどへの持ち運びも十分行えるはずだ。

K70 PRO TKL本体のUSBポートはType-Cだ
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 接続方式はUSBによる有線のみで,キーボードに付属するUSB Type-C to Type-AケーブルでPCに接続する。ケーブルの長さは約1.8mほどあるので必要十分だろう。
 なお,K70 PRO TKLは,最大8000HzのUSBレポートレート(ポーリングレート)に対応する「CORSAIR AXON Hyper-Processing Technology」に対応しているので,PCとはUSB 3.xで接続する必要がある。キーボードをUSB 2.0ポートにつなぐ習慣のある人は多いと思うが,この点は注意しよう。

 キー配列は一般的な日本語キーボードそのもので,省スペースタイプのキーボードでは省略されることも多い[無変換]キーもある。一般的なキーボードレイアウトをそのまま10キーレス化した,ゲーマーに限らず,多くのユーザーが戸惑わずに使えるレイアウトだ。MMORPGなどでは,ゲーム内で日本語チャットを打つ場面も多々あるので,個人的には非常にありがたい。

オーソドックスな日本語配列。天面は銀色のパネルで覆われている
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 外観における最大の特徴は,キーボード奥側の右に並んだ「マルチ機能回転式ダイヤル」と,2つのボタンだ。ダイヤルは,基本的に音量調整(左右に回すことで音量調整,押し込むことでミュート)に用いるものだが,キーボードの明るさ調整や上下左右のスクロール,拡大縮小など,5種類の機能から選んで任意のものを割り当てられる。

マルチ機能回転式ダイヤルと2つのボタン。それぞれ任意の機能を割り当てられる
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 残る2つのボタンのうち,左側のスピードメーターのようなボタンは,ゲーム中に誤爆したくないキーを無効化できる「ゲーミングモード」のオン/オフを切り替えるものだ。ゲーミングモード時の動作は,iCUEで設定できる。
 ダイヤルの左隣にあるCorsairマークのボタンは,デフォルトではなにも動作しない。これは,iCUEで機能を割り当てる前提のボタンであるためだ。こちらも詳細は後述しよう。
 ボタンやダイヤルに割り当てる機能は,[Fn]+[F12]キーで切り換えられる。また,各機能のオン/オフは,後述する設定ソフトであるiCUEでも設定できるので,多用する機能のみを有効化すればさらに使いやすくなるはずだ。

 全体的な質感はCorsair製キーボードらしく,品質の高さを感じさせる仕上がりと言えよう。筐体は樹脂製だが,目に触れることの多い天板には,ヘアライン加工を施したアルミニウム合金製のパネルを貼り付けて,高級感の演出に一役買っている。LEDイルミネーションの光り具合も,落ち着きがあって品がある。油断すると安っぽくなりがちなホワイト系の製品ではあるが,本製品は高級感を感じさせてくれるので,優れたプロダクトデザインではないだろうか。

 また,内部にはシリコンゴム製の消音性レイヤーが2枚組み込まれており,打鍵時に派手な音や安っぽい音を響かせることがない。底打ちした場合の反響も抑えられており,ゲームだけでなく,あらゆる用途で無理なく使えるだろう。


打鍵感は良好。ストレスなくゲームに打ち込める


 次は打鍵感をチェックしていこう。まず,K70 PRO TKLで特徴的なのは,キーボードに2種類のキースイッチを使っていることだ。

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 右の画像で,赤色で覆われているキーには,Corsair独自の磁気ホールセンサー式キースイッチのMGX Hyperdriveを採用している。このキースイッチは,1億5000万回の打鍵寿命があり,磁気式ならではの可変アクチュエーションポイントやラピッドトリガーを利用できるのは,MGX Hyperdriveのキーだ。

 それ以外のキーは,Corsair独自のメカニカルキースイッチ「CORSAIR MLX」を採用している。こちらはキーストローク寿命が8000万回で,リニアな打鍵感のメカニカルスイッチだ。メカニカル式なので,ラピッドトリガー機能は使用できない。
 とはいえ,主要なキーにはMGX Hyperdriveが使用されているため,よほど特殊な使用方法でもなければ,「ファンクションキーやカーソルキーでラピッドトリガーが使えなくて困る……」ということはないだろう。

右[Shift]キーと[←]キーのキーキャップを外してみたところ。左の軸がグレーのスイッチがMGX Hyperdriveで,右の赤い軸はCORSAIR MLXだ
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 なお,K70 PRO TKLのキースイッチは,「潤滑済み」となっている。これは,キースイッチの製造時に潤滑材を塗布していることを意味する。潤滑材を塗布することで,スイッチのスムーズな動作に一役買っているわけだ。もともとは,キーボードマニアがキースイッチをバラして自ら塗布していたものを,スイッチメーカー側が取り込んだもので,最近では特段珍しいものではない。本製品のキースイッチの滑らかな動きに,効果をもたらしているのは間違いないだろう。

 K70 PRO TKLのキーキャップは,ABS樹脂製で,刻印が消えにくい2色射出成形のものだ。直近のCorsair製ハイエンドキーボードでは,耐久性に優れる「PBT」(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のキーキャップを採用する製品も多かったため,ここはちょっと残念だ。なおUS配列では,10ドルほど高いがPBTキーキャップのモデルも存在する。

 さて,MGX Hyperdriveを実際に打鍵して真っ先に感じたのは,かなり滑らかで「突っかかり」がないこと。押し込むときにこわばった感じがしたり,変な重さを感じたりすることがなく,一定の感覚で押し込むことが可能だ。これがラピッドトリガー機能を有効にしたときの扱いやすさにもつながっている。たとえば,キーがオフになるリセットポイントを0.1mmに設定した場合でも,かなりイメージに近い状態で操作できるだ。
 ゲームをプレイしているとたまに起こる,押し込みが甘かったり,斜めから押し込んでしまったりした場合でも,K70 PRO TKLの入力は安定していた。

 CORSAIR MLXは,いかにも上質なリニアタイプのメカニカルキーといった感触だ。MGX Hyperdriveと比べると,打鍵時に若干重さのような感触があるものの,打鍵感はわりと似ているので違和感を覚えることは少ないはずだ。逆に,このモサっとした感覚が,「しっかりキーを打った」という感覚にもつながっている。ファンクションキーにスクリーンショットなどを割り当てている人なら,かえって好都合かもしれない。


ラピッドトリガーやアクチュエーションポイントの設定方法は


 K70 PRO TKLは,Corsair製ゲーマー向けデバイス共通の統合設定ソフトiCUEを用いることで,さまざまなカスタマイズが可能となっており,個人でより扱いやすい設定に変更できる。ただ,基本的なカスタマイズ要素は既存のCorsair製キーボードと変わっておらず,4Gamerでは過去にiCUEについて何度も取り上げているので,基本的な解説は省く。

K70 PRO TKLを接続した状態のiCUE起動画面
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 K70 PRO TKLにおいてiCUEでカスタマイズできるのは,主に以下の5点だ。

  • 照明効果:LEDイルミネーションのパターンをカスタマイズする
  • キー割り当て:キーに別のキーやマクロなどを割り当てる
  • キー動作:ラピッドトリガー機能やアクチュエーションポイント,二次動作ポイントを設定
  • パフォーマンス:[Windows]キー無効化時の動作を設定する

 そのほかに,ダイヤルの機能は「コントロールダイヤル」でカスタマイズできる。

コントロールダイヤルの機能は[Fn]+[F12]キーで切り替えられる。[F12]キーには,起動中のコントロールダイヤル機能の色が表示される仕組みだ
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 これらの設定をプロファイルで管理して,ゲームやアプリケーションによって動作を自動で切り替えるというのが,iCUEの基本的な使い方になる。ここからはK70 PRO TKLを用いるうえで,とくに重要な部分を取り上げたい。

 まず「キー割り当て」は,任意のキーに別のキーの機能を割り当てるリマップや,キー自体の無効化,マクロの設定などを行える。先に述べたダイヤル横のボタンの動作も,キー割り当てで割り当てる仕組みだ。ゲーム中に押して誤爆したくないキーなどは,そもそも無効化してしまうのがお勧めである。

ダイヤル横のボタンに「再生/一時停止」を割り当ててみた
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 ゲーマー的にはもっとも重要なのは,「キー動作」の項目だ。ここで設定できるのは,一次動作ポイント(アクチュエーションポイント),二次動作ポイントの有効化と設定,リセットポイント,そしてラピッドトリガーだ。本稿では,一次動作ポイントとラピッドトリガー機能の設定について述べる。

 一次動作ポイントは,単純に「どの程度キーを押すと入力と判定するか」を設定するもので,0.1〜4.0mmまでの間で設定できる。ただ,Corsairが安定した動作のために推奨している範囲は,0.4〜3.6mmだ。もちろん,値はキーごとに設定できるので,移動のキーは軽く押すだけで反応するようにしたり,スキルの発動キーは深めにしたりといったことができる。

キー動作における一次動作ポイントの設定画面
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 次にラピッドトリガーだが,こちらは感度値(0.1〜1.0mmで設定可能)が主な設定項目だ。追加設定の「個別押し/リリース感度」をオンにすると,入力とリリースの感度値を個別に変更できる。筆者は主に移動系のキーである[W/A/S/D]キーや[Space]キーなどでラピッドトリガーを有効化して,感度値は入力,リセットともに0.1mmにしたが,動作は安定していた。

ラピッドトリガーの設定画面
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 なお,キーボード上のゲーミングモードボタンを押すことで,有効と無効が切り替わる「ゲーミングモード」だが,この設定はiCUEでデバイス名の右に表示される歯車アイコン(デバイス設定)から行う。

デバイス設定にあるゲーミングモードの設定画面。ゲーミングモードでラピッドトリガーを有効化すると,全キーが感度値0.1mmになるようだ。「静的カラー強制」は,ゲーミングモード有効時のキーボード全体のLED発光色で,「表示」は,ゲーミングモードボタンの発光色を設定する項目だ
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 注意すべきなのは,ゲーミングモードを有効にすると,すべてのプロファイルを上書きして動作するという点だ。たとえば,プロファイル側で[W/A/S/D]キーだけにラピッドトリガーを設定していたり,誤爆を防ぐためにスキルを割り当ているキーのアクチュエーションポイントを深めに設定したりしても,ゲーミングモードを有効にした時点で,一律でゲーミングモードの設定が優先されてしまうわけだ。

 ゲーミングモードは,プロファイルほどの細かいカスタマイズはできないため,かなり大味な設定になる。そのため,ソフトやアプリケーションごとに細かいカスタマイズをしたプロファイルを作成している場合は,ゲーミングモードを有効にするメリットはあまりない。一方で,そうした細かい設定が面倒だとか,一律でラピッドトリガーのオン/オフを切り替えたいという場合には,ゲーミングモードが役に立つだろう。


ゲームで使用感をチェック。FPSからMMORPGまで役に立つ


 実際にゲームをプレイして,K70 PRO TKLのフィーリングを確かめてみよう。今回は,基本的にそれぞれのゲームで個別にプロファイルを作成しており,ラピッドトリガーを有効にしているキーもあれば,無効にしているキーもある。運用上まったく問題がなかったため,ポーリングレートは8000Hzで固定した。

「いかにも!」という具合のイルミネーションにしてみた
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 まずはCoDシリーズ最新作の「Call of Duty: Black Ops 6」(以下,CoD BO6)からだ。「オムニムーブメント」と呼ばれる新しい移動システムが導入されたことで,戦闘時の爽快感が一段と増したのが見どころだ。参考までに,筆者が用いた主な設定を紹介しておこう。

iCUEでCoD BO6向けのキー設定を行っている様子
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  • [W/A/S/D],左[Ctrl](しゃがみ),[C](伏せ),左[Shift](ダッシュ):一時動作ポイント0.4mm,ラピッドトリガー有効,感度値0.1mm
  • [Q](タクティカル),[E](リーサル),[X](フィールドアップグレード):一時動作ポイント2.0mm,ラピッドトリガー無効
  • [R](武器リロード):一時動作ポイント1.5mm,ラピッドトリガー無効

 ムーブメントのレスポンスを向上しつつ,誤爆を避ける方向性で調整したセッティングだ。「前方へのスライディング後に,後ろへ向かってジャンプする」といった複雑なキャラクターコントロールが行えるCoD BO6だが,K70 PRO TKLは,複雑な操作にも機敏に反応してくれる。

飛び込みからの180度回頭で,射撃してキル……といった具合に,K70 PRO TKLなら思いのままに操作できる
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 移動キーに設定したラピッドトリガーを,オンとオフで切り替えて感触を確認してみた。オムニムーブメントで飛び回るプレイスタイルだと,有効にしたほうがイメージどおりに動きやすい印象だった。

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 次に,MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」でもテスト。こちらは[W/A/S/D]の主な移動キーのみ,一時動作ポイントを0.4mmに設定して,ラピッドトリガーは感度値0.1mmで有効化。移動面でのレスポンスを向上させた。
 それ以外のスキル発動に関するキーは,誤爆を避けるために一時動作ポイント2.0mm,ラピッドトリガーを有効化して感度値を0.1mmにセットした。誤爆を防ぎつつ,連打での先行入力が快適になるセッティングだ。

 筆者は,頻繁に使うスキルをキーで発動し,そこまで使用頻度の高くないスキルはマウスクリックで発動するという,いわばハイブリッドスタイルで本作をプレイしているのだが,かなりいい感じだった。あくまでも筆者の感想であるが,とくに恩恵を感じるのは移動面で,8000Hzというポーリングレートから来る少ない入力遅延や,0.4mmという一時動作ポイントの恩恵で,それはもう思いのままに移動できる(※本稿検証環境での結果であり,環境によって異なる可能性があります)。

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 最後に,Corsair版SOCDであるFlashTap機能についても触れておこう。SOCDは,相反する2つの移動キーを同時押ししたときに――たとえば,左移動の[A]キーと右移動の[D]キー――,後から入力したキーを優先してゲームに入力するというものだ。2024年のゲーマー向けキーボードにおけるトレンドといえる機能で,各社から,異なる名称で同様の機能を持った製品が登場した。
 ゲームによっても異なるが,移動時に相反する2つのキーを同時に押す(この状態が「SOCD」だ)と,その場で静止する場合が多い。静止することが重要なテクニック(ストッピング)となるゲームもあるが,動き回るタイプのタイトルではただの棒立ちとなってしまうため,大きな隙を作ってしまう。

K70 PRO TKLでFlashTapを有効化すると,2つのキーが黄色に変化する。この発光色は変更できない
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 そこでFlashTap機能を有効にしておけば,相反する移動キーを同時押ししても棒立ちすることがなく,高速に動き回れる。それどころか,「[A]を離して[D]を入力,また[A]を入力……」といった具合に,手操作よる物理的なラグが生じないため,理論上,一切静止しないですむわけだ。
 なお,K70 PRO TKLにおけるFlashTapは,[A]キーと[D]キー(左右移動)のSOCDに対応している。

 SOCDは,人間には(ほぼ)不可能な入力を実現するため,ゲーマーコミュニティでも論争を呼んでいる。K70 PRO TKLでは,[Fn]+右[Shift]キーでFlashTapの有効と無効を切り替えられるが,使用するときには,ゲーム側,あるいは参加するイベントのルールで禁止されていないかを必ず確認してもらいたい。こうした機能が生まれたのは,技術の進歩の結果であるし,同時に機能自体が悪者ではないことにも留意してもらえればと思う。


汎用性の高い10キーレスキーボードを求めるゲーマーにおすすめ


 K70 PRO TKLは,今どきのゲーマー向けキーボードに求められるトレンドを押さえつつ,ゲーマー向けの機能だけでなく,打鍵感の良さや遅延の少なさといったキーボードの土台となる部分まで,高いクオリティで仕上がっている。
 筆者は以前,同じCorsairのラピッドトリガー対応キーボード「K70 MAX RGB Magnetic-Mechanical Gaming Keyboard」をテストしたことがある。こちらもCorsair独自の磁気ホールセンサー式キースイッチ「Corsair MGX RGB Switch」を採用していたのだが,K70 PRO TKLが使っているMGX Hyperdriveの感触は,前モデルより確実に進化したといっていい。

 正直な話をすると,すでに市場には「アクチュエーションポイントを0.01mm単位で調整できる」といった製品はある。しかし,こうした製品は「英語配列,10キーレスよりもキーを省略した小型キーボード」も多く,用途によっては使いにくかったりする。
 その点,K70 PRO TKLは,10キーレスという扱いやすいサイズ感に,多くの人が満足できる品質を備えながら,日本のゲーマーにもなじみ深い日本語配列だ。ゲームジャンルを選ばずに使えるのはもちろん,テキスト作成やワークシートの編集といった仕事用途にも支障なく使える。iCUEで設定を済ませておけば,ゲームやソフトウェアごとにプロファイルを自動で切り替えられるので,ゲームでは高速反応やラピッドトリガーを活用しつつ,画像や動画編集ソフトでは,キー配置を変えたりマクロを利用して作業効率化するといった使い方ができるわけだ。

 本稿もK70 PRO TKLを使用して執筆しているのだが,現段階で筆者がキーボードに求めている要素がすべて取り込まれており,正直かなり気に入った。原稿執筆や画像編集のキーボード,FPSプレイ用のキーボード,MMORPGプレイ用のキーボードといった具合に,都度都度キーボードを変えるのは面倒くさいものだ(お金もかかるし)。K70 PRO TKLなら,それすべてを1台でこなせる。「すごくいい」ので返却したくないほどだ(ダメですか? そうですか……)。

 競争が激化するゲーマー向けキーボード市場において,「これ!」という突出したものこそないが,多くの要素をハイバランスでまとめあげているのが,このK70 PRO TKLである。ゲームジャンルやシチュエーションを選ばずに使えるゲーマー向けキーボードを探していたり,ホワイト系の上質なラピッドトリガー対応キーボードを探している方には,ぜひ手に取ってもらいたい。

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CorsairのK70 PRO TKL製品情報ページ


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(C)SQUARE ENIX LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:(C) YOSHITAKA AMANO

  • 関連タイトル:

    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)

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