［TGS 2014］11月13日発売予定の人気シリーズ最新作「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア」の最も大きなテーマは「革新性」

　スクウェア・エニックスから2014年11月13日に発売される予定の人気FPSシリーズ最新作，「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア」（PC / Xbox 360 / PS4 / Xbox One / PS3）（以下，「アドバンスド・ウォーフェア」）が，千葉・幕張で開催中の東京ゲームショウ2014のマイクロソフトブースに出展されている。前作「コール オブ デューティ ゴースト」に引き続いてゲーム世界の背景設定を近未来とし，数々のハイテク武器/兵器を用いて戦っていく本作だが，TGS 2014を機に来日した，デベロッパのSledgehammer GamesのジェネラルマネージャーGlen Schofield氏が本作のプレゼンテーションを行ったので，その内容を簡単にまとめてみたい。

Sledgehammer GamesのジェネラルマネージャーGlen Schofield氏

　Schofield氏はまず，「アドバンスド・ウォーフェア」における3つの大きな特徴を挙げた。それは，「革新性」「3年の開発期間」，そして「次世代機へのフォーカス」であり，これによりプレイヤーは未来のソルジャーとして新たな戦いに挑めるようになるという。
　まず「革新性」だが，これは，何か新しいコール オブ デューティをプレイしたいというユーザーの声に応じたものだ。具体的には後述するが，シリーズ第1弾の「コール オブ デューティ」から11年，途中でゲームの背景を第二次世界大戦から現代へ，そして近未来へと移して新味を加えてきたが，今回はそれ以上の新しさが盛り込まれているという。
　また今回，開発期間として通常の2年ではなく3年間もらえたのも初めてのことであり，この1年間の追加により，ゲームをさらに作り込むことができたとSchofield氏は述べた。そして，次世代機（厳密には現世代と呼ぶべきだが）をメインプラットフォームに据えたのも，今回が初めてになる。


　次に「革新性」についてだが，シングルプレイでは今まで以上に没入感のある物語が用意されており，またマルチプレイでは，以前に比べてプレイヤーがより熱中できるものになり，それこそ，毎日プレイしたくなるはずだとSchofield氏は自信をうかがわせた。
　ユーザーインタフェースは，プレイを阻害するような要素を極力廃したものになっており，さらにコール オブ デューティシリーズで常に注目される武器/兵器にも力が注がれている。とくに近未来の武器/兵器については，専任のチームを編成し，Direct Energy Weaponなどゲームの雰囲気にふさわしいものを多数用意した。銃声などの音にもかなりこだわっているので，ぜひそのあたりにも注目してほしいとSchofield氏は言う。


　さらに，「アドバンスド・ウォーフェア」の大きなセールスポイントになっているエクソスケルトン（強化外骨格。パワードスーツのような戦闘用装備）を使うことで，これまでになかったような動きが可能になった。大きく飛び上がれるブーストジャンプ，壁に張り付いて，そこを登れるマグネティックグラブ，そしてグラップリングフックなどにより，新しい形の戦闘ができるのだ。エクソスケルトンは一定時間空を飛ぶホバーや，姿を消すクロークなど多数の機能を持っており，さらに新たなムーブも用意されているため，これにより，これまでの縦方向の移動を強調した戦いができるようになった。
　ちなみに筆者はマイクロソフトのブースで，「アドバンスド・ウォーフェア」の試遊を行ったが，確かに思いもよらない方向や，普通では行けそうもない高い場所から攻撃されたりして割と驚いたりした。


　乗り物にも，そうした「縦の要素」が加味されており，ホバーバイクやホバータンク，そして未来のヘリコプターであるウォーバードなどによる，3次元的でスピーディなアクションが可能。もちろん，アビリティやパークもエクソスケルトンに関連したものが数多く追加されているとのことだ。

　コール オブ デューティシリーズの中で最も自由度が高いと謳われるカスタマイズ機能も，「アドバンスド・ウォーフェア」の特徴だとSchofield氏は胸を張る。マルチプレイでは，所定のポイントを消費する形で，頭から足まで，好きなパーツ/装備を組み合わせて多種多様なカスタマイズができるとのこと。ひっくるめて“Create-an-Operator”と呼ばれているが，これにより，自分のプレイスタイルに合ったキャラクターの作成ができるという。


　シングルプレイのストーリーは，これまでのような国家間の争いではなく，このところ台頭著しいPMC（Private Military Company＝民間軍事会社）が主役となる。世界中で同時テロが発生し，政府や軍隊は機能を停止，代わって世界の秩序を保つ役割を負ったのがPMCであり，とりわけ「アトラス」と呼ばれるPMCはその代表格だ。物語はそのアトラスを中心に展開していくようであり，代表はハリウッドスターのケビン・スペイシーさんを精密に3Dモデル化したものになっているなど，キャラクターの造形にも力が入っている。
　さらに今回，主人公は1人になるという。複数のキャラクターそれぞれの視点から，戦争の全体像を多層的に浮き上がらせるというのがこれまでのシリーズ作品の手法だったが，「アドバンスド・ウォーフェア」では，主人公であるミッチェル二等兵の成長を追う物語になる。
　映画やドラマのように，主人公に密接に絡む多数の脇役が登場し，それぞれのキャラクターにも深いバックグラウンドが用意され，自由とは？　仲間を失うこととは？　といったテーマのストーリが繰り広げられるようだ。
　最近，とくに欧米のメディアでは「FPSのシングルプレイのストーリーが面白くない」ため，シングルプレイはもう終わりだといった論調が見かけられるが，その流れに一石を投じることができるだろうか。


　多数の武器/兵器，多数のアビリティやパーク，そして驚くほど自由度の高いカスタマイズ機能など，さまざまな要素が詰め込まれた本作。これまでの作品を楽しんでいたプレイヤーでも戸惑ってしまうのではないかと質問したところ，Schofield氏はプレイヤーの声に応えて，3年間かけて作り上げてきた本作だけに，大切に思っている。大きな変化にプレイヤーは戸惑うかもしれないが，ぜひ時間をかけてゲームを楽しんでほしいとして，プレゼンテーションを締めくくった。
　メガヒットシリーズの最新作となれば，開発のプレッシャーも大きいはずだが，その中でSledgehammer Gamesが出してきた一つの答えがこの「アドバンスド・ウォーフェア」。どのような作品になっているのか，発売を楽しみにしたい。

「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア」公式サイト

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