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[E3 2014]「Battlefield」シリーズ最新作「Battlefield: Hardline」を一足早くプレイ。クリエイティブディレクターへのインタビューも合わせて紹介
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印刷2014/06/10 05:00

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[E3 2014]「Battlefield」シリーズ最新作「Battlefield: Hardline」を一足早くプレイ。クリエイティブディレクターへのインタビューも合わせて紹介

 Electronic Artsは本日(日本時間2014年6月10日),ロサンゼルスで開催されたプレス向けイベントで,「Battlefield」シリーズの最新作となる「Battlefield: Hardline」を大々的にアピールした。制作そのものについては,すでにティザーサイトが公開され(関連記事),その翌日には日本語訳のページもオープンしているので,ご存じの読者も多いはず。

画像集#009のサムネイル/[E3 2014]「Battlefield」シリーズ最新作「Battlefield: Hardline」を一足早くプレイ。クリエイティブディレクターへのインタビューも合わせて紹介

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 2002年にリリースされた「Battlefield 1942」に始まる「Battlefield」シリーズでは,「Battlefield Vietnam」「Battlefield: Bad Company」といった外伝的なシリーズが展開されてきたが,この「Battlefield: Hardline」は,これまでのような国家間の戦争ではなく「警察vs.強盗」という,かなり毛色の異なる設定になっている。そんな本作の試遊イベントが,E3での発表に先立ってElectronic Arts本社で開催された。試遊イベントの段階では明らかになっていない情報も多かったのだが,取材を通して判明した部分を中心に,ここで紹介していきたい。さらに,本作のクリエイティブディレクターにもインタビューする機会を得たので,その模様も合わせてお伝えしよう。

 ちなみに,試遊に使われたのはPC版で,同じビルドのものがE3会場でプレイアブル展示される予定とのことだ。



乗り物をうまく使って相手勢力を出し抜け


 今回のイベントのために用意されたのは,「High Tension」と名付けられたマップで,記事後半のインタビューにもあるように,ロサンゼルスのダウンタウンをイメージしたものだ。

 ロビーで「警官チーム」もしくは「強盗チーム」のどちらかに自動で振り分けられるのだが,いずれも「Operator」「Mechanic」「Enforcer」「Professional」という4つのクラスが用意されており,そこから自由なものを選択できる。近距離向けのショットガンをメインウェポンにする「Enforcer」は,シールドを使うことも可能になっており,どちらかといえば建物の内部で活躍しそうな雰囲気。ただ,サイドウェポンのピストルは威力,射程ともに手頃で使いやすいので,屋外でも活躍しそうだ。「Professional」は狙撃ライフルをメインに,爆発系のトリップマインを携行できる。「Enforcer」同様,サイドウェポンのセミオート銃Tec-9もなかなかパワフルで,メインウェポンとしての利用価値もあるといった感じだ。どのクラスを選んでも,それなりにみっちり仕事をこなせそうだった。

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 用意されたゲームモードは「Heist」「Blood Money」の2つで,簡単に説明すると,まず「Heist」では,強盗チームが金庫から金を盗み出し,2か所の目標地点へ向かうことになる。警察チームは,それを防ぐわけだ。
 また「Blood Money」はすでに破壊された金庫や現金輸送車から,強盗チームが金を盗み出す一方,警官チームも金が強盗の手に渡らないように回収を試みるというもの。マップの両端に置かれた輸送トラックに,先に50万ドルを運び出したチームが勝利となるのだが,一回にボストンバッグに詰め込める金額はそう多くないため,仲間と協力しながら往復する必要がある。ただし,相手の輸送トラックを襲撃して運んだ金を盗むことも可能であるため,チームメンバーの配置に戦略性を求められそうだ。

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 マップ中央に高速道路が走る「High Tension」は,割と起伏の大きな地形であるうえ,乗用車など,路上に置かれたオブジェクトも多く,見通しはあまり良くない。ビルのテラスや陸橋など,高低差のある場所も多いほか,エレベーターを利用して,一部の高層ビルの上層階に行くことも可能で,スナイパーに向いたポジションが適度に用意されている。

 ビルの上層階もそれなりに広く,工事用に張られた鉄線がジップラインとして使えるため,フックを引っ掛けてビルからビルへの移動もできるし,鉤縄(グラッピングフック)を撃ち出す専用の銃も携行可能だ。さらに,外壁を洗浄する作業用のゴンドラにフックを引っ掛け,ゴンドラの作動ボタンを押して一気に高層ビルの屋上に登ることもできる。

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 「Battlefield」シリーズらしく,本作でも乗り物の要素が大きなポイントになっている。それぞれのチームに,バイク,セダン,バンが複数台あり,さらに警官専用の乗り物としてヘリが一機あった。しかも,警察向けの「Mobile Command Post」と,強盗向けの「Syndicate Crew Cab」と呼ばれる装甲車まで用意されており,これらには2人〜4人が同時に乗車できる。それぞれの装甲車にはマシンガンが搭載されているほか,リスポーンポイントでもあるので貴重な存在だ。敵のロケットランチャーの餌食にならないように装甲車を守りつつ,ホットスポットの近くに置ければ,戦局を有利に運べるはずだ。

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 「Mechanic」クラスが乗車したままでもこれらの車を修理できるのは,シリーズではおなじみのフィーチャーだろう。乗車位置を変えることで,窓から身を乗り出して攻撃したりできるが,ドライバーの腕前によっては,身を乗り出した状態で壁にぶつかって,仲間をキルしてしまうこともあるため,注意が必要だ。
 こうした乗り物はプレイヤーのリスポーンポイントの近くでリスポーンされるため,シリーズ従来作と同様,ホットスポットまで何百メートルも走りたくなければ,仲間と同乗するなどビークルをうまく活用していくことが必要になる。

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 さらに,路地やガレージなど,マップのあちこちに,搭乗可能な乗り物が隠されるように配置されているほか,高層ビルの屋上にヘリコプターがあったり,爆破すれば敵に大きなダメージを与えられる燃料輸送車などが存在したりしているので,これらを戦闘や,逃走/追跡にうまく使っていくことが重要になりそうだ。
 このように,「警察vs.強盗」という言葉から連想される小火器を使った単純な撃ち合いではなく,「Battlefield」シリーズらしい規模の大きな戦いが堪能できる作品になっている。
 というわけで,続いては本作の開発者へのインタビューをお届けしよう。


クリエイティブディレクター,Ian Milham氏にインタビュー


クリエイティブディレクターのIan Milham(イアン・ミラム)氏
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 インタビューに応じてくれたのは,「Battlefield: Hardline」のクリエイティブディレクターを務めるIan Milham(イアン・ミラム)氏。同氏はゲーム開発者として18年のキャリアを持ち,Visceral Gamesでは「Dead Space」シリーズのアートディレクターを務めてきた人物だ。まずは,どのような経緯でVisceral Gamesが「Battlefield」シリーズの開発をすることになったのかを聞いた。

4Gamer
 Visceral Gamesは,Electronic Arts社内の開発スタジオとして,「Dead Space」シリーズなどを制作してきたことでゲーマーに知られています。今回は,どういう経緯で「Battlefield: Hardline」のプロジェクトを始めることになったのですか。

Ian Milham氏(以下,Milham氏):
 はい。「Dead Space 3」を開発していた頃,「Battlefield 3」のプロトタイプを入手する機会がありました。我々は,そのプロトタイプの上で走らせられるオートバイなどを作っていたのですが,それが,当初計画されていなかった「Battlefield 3」のDLC第5弾,「End Game」になったのです。

4Gamer
 えっ,「End Game」ってVisceral Gamesが作ったのですか。それは驚きました。

Milham氏
 いや,あくまで制作協力という感じです。すでに言ったように,そのときは「Dead Space 3」の開発を進めていましたから。ただ,そんな経緯がありましたので,「Dead Space 3」のリリース後,「Frostbite 3」エンジンを使って何をしようかと考えたときに「Battlefield: Hardline」のアイデアが生まれてきたのです。

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4Gamer
 「Battlefield: Hardline」は,我々の知っている「Battlefield」シリーズと,かなり違うテーマを採用していますね。

Milham氏
 アイデアそのものは,「End Game」の制作に協力していた段階ですでにありました。「Dead Space」シリーズでSFはさんざんやりましたし,「Battlefield」も過去の戦争から現代戦,そして近未来の戦いまで扱っています。ライバルタイトル(Call of Dutyシリーズ)では核武装したテロリストが世界を脅かすとか,地球文明が崩壊するとか,規模が大きくシリアスな話になっています。今さら同じことをしても仕方ありませんから,何か毛色の違う内容にしたいと考え,そこから生まれたのが,「警官vs.泥棒」という図式なのです。

4Gamer
 EA DICEは本作について,どう考えているんでしょう。

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Milham氏
 我々も,ストックホルムで初めてプレゼンテーションしたときは非常に緊張したのですが,説明している途中から,EA DICEの人々が自分達のファイルを調べ始め,そこからパトロールカーのデッサンとか,ギャング風なキャラクターのアートワークとか,さまざまなものを出してきたんです。それらは,企画としては結局まとまらなかったものの,デザイナーやアーティスト達が作り溜めていたものだそうです。彼らは,15年近くも同じチームでゲーム開発を続けていますから,そうした,使っていないアイデアやアセットがいっぱいあったんですね。そういう面で,ずいぶんと後押ししてくれました。

4Gamer
 銀行強盗モノのFPSとしては,「Payday」シリーズがありますね。

Milham氏
 同じテーマのFPSですから,同じように見えるかもしれませんが,我々のゲームではプレイヤーが「強盗団」としてもプレイできます。すみませんが,詳しい説明はE3のあとで,改めてさせてください。

4Gamer
 分かりました。ところで今回の試遊には,2つのゲームモードと,マルチプレイ用マップが1つ用意されていました。これらについて,解説してもらえますか。

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Milham氏
 喜んで。まずゲームモード「Heist」は,最大で64人(32人対32人)のプレイヤーをサポートしており,強盗チームがある場所から金を盗み出し,それを2つの目的地に運んでいくという内容です。警官チームはもちろん,それを阻止するわけです。ゲームの最初は,警官チームが銀行や護送車のある場所を守るディフェンス役になるわけですが,強盗チームが金を奪うことに成功すると,今後はオフェンスとして強盗を追跡することになるという,攻守の切り替えが面白いと思います。
 もう一つの「Blood Money」は,すでに「強盗イベント」が発生したあとの話です。銀行の金庫は破壊され,集金車は横倒しになっているといった状況で始まり,双方のチームが,相手より早く所定の金額を強奪,もしくは回収することが目的です。

4Gamer
 なるほど。では,マップについてはいかがでしょう。

Milham氏
 今回使用されていたのは,「High Tension」と名付けられたマップで,ベースとなっているのはロサンゼルスです。E3が開催されている場所であるのも理由の1つですが,高層ビルが立ち並ぶ広大な都市のディテールがしっかり表現できているということで,このマップが公開第1号に決まりました。道路が碁盤の目のようにつながっていますので,初めてプレイした人でも方向が分かりやすいはずです。また,建物の内部も作られていますので,敵の意表を突くルートを開拓できたりするでしょう。

4Gamer
 本作は基本的に,ロサンゼルスのような都市を舞台にしたものになるのでしょうか。

Milham氏
 いや,そうでもありません。都市ばかりだと,どうしても同じような風景ばかりになってしまいますしね。このあたりはかなり考えて,さまざまなマップをデザインしています。広大な世界が描ける「Frostbite 3」ならではのマップもありますので,今後の発表に期待してほしいですね。

画像集#001のサムネイル/[E3 2014]「Battlefield」シリーズ最新作「Battlefield: Hardline」を一足早くプレイ。クリエイティブディレクターへのインタビューも合わせて紹介

4Gamer
 ちなみに,マップ中央に黄色いクレーンがありました。

Milham氏
 ええ。マップの中央を走る高速道路に隣接しているので,両勢力のスナイパーがポジションを取り合うことになるでしょう。

4Gamer
 しかも,「Battlefield 4」Levolutionのように,破壊可能なんですね。

Milham氏
 そう,まさしくLevolutionの仕組みを利用したものです。あのクレーンが倒れたために,ホットスポットである中央部分の形状が大きく変わってしまったのはお分かりになったでしょう。高速道路は寸断され,立ち込める煙で見通しも利かなくなります。破壊の前と後で,プレイの仕方が大きく変わってしまうのです。このほかにも,いろいろと仕掛けがあるんですけどね。

4Gamer
 大規模な破壊が可能なオブジェクトが複数あるんですか。試遊ではアンロックされていたんでしょうか。

Milham氏
 いや,もう用意されていますよ。皆さんで見つけてください。

※結局,今回のイベントでは,誰もクレーン以外のオブジェクトを発見することはできなかった。

4Gamer
 あなたは「Dead Space」シリーズのアート面を監修されてきたわけですが,アーティストとしての視点から,この「Battlefield: Hardline」はどのような作品であると言えるでしょうか。

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Milham氏
 まず言えるのは,この作品がゴア表現のきついSFではないということです(笑)。現代の都市空間を舞台にしているため,SFに比べてよりリアルな表現が必要になります。ただし,スキンテクスチャにこだわったりして,警官は野暮ったくならないように,また強盗はコソ泥っぽく見えないよう配慮しています。また,乗り物もリアリティを失わない範囲でできる限りカッコよくデザインしていますし,シェーダ効果などもアップグレードさせています。

4Gamer
 クラン向けのカスタマイズ機能などはありますか。

Milham氏
 ええ,もちろん。今はまだ企画段階ですが,多くのカスタマイズ要素が実装されることになるでしょう。クラン向けのスプレータグを用意し,マップ内で実際にスプレーできるようにするといったことも考慮中です。

4Gamer
 今のところ詳細が発表されていない,シングルプレイ用キャンペーンについてもお話ししてもらえますか。

Milham氏
 少しだけですけどね。我々は,マルチプレイとシングルプレイは,大きく異なるものになるべきだと考えています。「Dead Space」で我々が築いてきたストーリーテリングのスキルを使って,これまで「Battlefield」シリーズの弱点とされてきたキャンペーンを,しっかりドラマチックに描きたいですね。自分のスタイルを追求できるマルチプレイに対して,シングルプレイではストーリーに沿った,特定のガジェットを使って危機を乗り切るといった場面も出てくるでしょう。アイテムについては,マルチとシングルが相互に影響するようなものに仕上げる予定です。

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4Gamer
 分かりました。では最後に「Battlefield: Hardline」について,何かコメントがありましたら,お願いします。

Milham氏
 はい。この「Battlefield: Hardline」は,従来の「Battlefield」とはまったく異なるアプローチを採用した作品ではありますが,核となる部分はシリーズの伝統を引き継いでいます。もちろん,これまでのFPSとは違う感覚を味わうこともできますので,プレイしてそれらを感じてもらえれば,嬉しいですね。

4Gamer
 本日はどうもありがとうございました。

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