ミュージック フロム ゲームワールド：Track 159 「二ノ国II レヴァナントキングダム」「ロード オブ ヴァーミリオン IV」

Illustration by しなぷう

　いよいよ夏本番，今年も音楽フェスが熱い時期がやって来ました。筆者は今年も，2018年9月2日に東京・お台場で開催される「夏の魔物」に参加しようと思っています。2年ぶりに伊藤賢治氏の出演が決定していることもあって，今から待ち遠しい！　まだ少し先ではありますが，「夏の魔物」に遊びに行く方は一緒に楽しみましょう！

　それでは，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」で2枚の新作ゲームミュージックサントラを紹介します！

久石 譲氏による，スケールの大きい楽曲が堪能できる1枚

「二ノ国II レヴァナントキングダム オリジナルサウンドトラック」

タイトル	二ノ国II レヴァナントキングダム オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年6月6日
価格	3300円（税抜）
発売元	FRAME
コピーライト	（C）2018 LEVEL-5 Inc.

　今週の1枚めは，2018年3月にリリースされた「二ノ国II レヴァナントキングダム」（PC/PS4）の楽曲を収録した，「二ノ国II レヴァナントキングダム オリジナルサウンドトラック」を紹介します。前作に続いて，作・編曲は映画やCMなどで数多くの楽曲を手掛けてきた久石 譲氏が担当。聴き手の琴線に触れる壮大なオーケストラサウンドが堪能できます。

　1曲めは「二ノ国IIメインテーマ」。閉じた空間から徐々に世界が開けていく情景を描いた穏やかなメロディは，まるで映画のオープニングのよう。4曲めの「戦闘開始」はストリングスを前面に出し，打楽器は控えめという，戦闘曲としては意外性のあるアレンジ。6曲めの「夢の中の少年」は童謡テイストのノスタルジックなメロディを，浮遊感ある演奏で聴かせます。

　7曲めの「広大な大地」はフィールド曲らしく，開放感のある爽快な曲。ときに旅情や勇ましさを感じさせる感動的なメロディも素敵。9曲めの「フニャ」は優しく緩いメロディと不思議な空気感のアレンジが魅力の曲。14曲めの「欲望の町」は，異国情緒の中に危険な雰囲気も感じさせる，さまざまな顔を持った曲です。

　24曲めの「果てしない空」は，優雅かつ神秘的なメロディを堪能できる曲。個人的にお気に入りの曲で，何度も繰り返し聴いてしまいます。そしてラストは，エンディング曲「希望の未来」。随所にオーケストラを取り入れつつ，ピアノとコーラスがメロディを形作っていくポップステイストな曲で，流麗なコーラスが聴き手のイマジネーションをこれでもかと刺激します。

　オーケストラを主体にしつつも，ほぼすべての曲に歌えるメロディが付いていることは特筆に値します。久石 譲氏が作り上げた音楽世界を，すべてのゲームミュージックファンに届けたい1枚です。

「二ノ国II レヴァナントキングダム」公式サイト

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新たな刺激をもたらす，近未来デジタルサウンド！

「ロード オブ ヴァーミリオン IV オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	ロード オブ ヴァーミリオン IV オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年6月27日
価格	2800円（税抜）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）2007-2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

　今週の2枚めは，アーケードで稼働中の「ロード オブ ヴァーミリオン IV」のCD2枚組サントラ，「ロード オブ ヴァーミリオン IV オリジナル・サウンドトラック」をご紹介。「IV」はシリーズ初の現代を舞台とした作品で，音楽も世界観に合わせた近未来シンセサウンドで構成されているのが特徴。音楽は，主にアニメ音楽を多く手掛けてきた岩崎 琢氏がシンセサウンドの使い手としての一面を存分に発揮しています。

　DISC1の1曲めはメインテーマの「V-Rain［Main Theme］」。女性コーラスや8bit音に，ぶ厚いギターサウンドによる豪快なリフを加えたインダストリアルなナンバー。ときおり顔を覗かせる，ガラスのように繊細なピアノフレーズも印象的！　4曲めの「YAHMAN Run-LORD!」はラップをフィーチャーした，ゴリゴリのシンセミクスチャー。アイリッシュなフレーズを盛り込んでいたりと，全体的にカオスな曲です。8曲めの「Downfall World［Theme: 日々河公園］」は轟音オルタナサウンド。暴力的なギターリフと不規則な音符が並ぶ電子音の絡みにゾクゾクします。

　DISC2の1曲めは「With their fingers entwined.」。情緒感あふれるバイオリンのフレーズが主役のミディアムテンポな曲で，無機質なリズムパートとの絡みがいっそうの退廃感を演出します。8曲めの「the Power of the Hero」は，力強い男性コーラスを交えたヒロイックなナンバー。アッパーなメロディも最高です！　20曲めは弦楽曲の「Painful Past」。ひたすらメロディの美しさを追求したような曲に仕上がっています。

　ハードコアテクノやダブなど，多彩な音楽ジャンルを詰め込んだ刺激的なこのサントラ。退屈な音楽に飽きている人には，とくにオススメしたい強烈な1枚です！

「ロード オブ ヴァーミリオン IV オリジナル・サウンドトラック」特設サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して隠居するのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。世界の半分を手に入れることを目的にした限界地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースもまったりやっています。