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Ryzenの実効性能はこれからまだ上がる? AMDがRyzenの利点をアピールする説明会を開催
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印刷2017/04/14 20:30

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Ryzenの実効性能はこれからまだ上がる? AMDがRyzenの利点をアピールする説明会を開催

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 2017年4月14日,AMDの日本法人である日本AMDは,東京都内にて新世代CPU「Ryzen」に関する記者説明会を開催した。
 説明会といっても,ハイエンド市場向けのRyzen 7シリーズとミドルクラス市場向けのRyzen 5シリーズは,どちらも(※発売の遅れた一部を除いて)すでに販売中であり,4Gamerでも「Ryzen 7 1800X」と「Ryzen 5 1600X」,「Ryzen 5 1500X」のレビューを掲載済みだ。マイクロアーキテクチャの特徴もすでに公表済みなので,実際,説明会で明らかになった新情報というものはなかった。
 しかし,会場には日本で販売中,あるいは今後登場予定のRyzen対応AM4マザーボード製品が展示されていたので,それらの紹介と合わせて,簡単にイベントの様子をレポートしよう。


Ryzen 5を大きくアピール。パッチで性能が向上したゲームもあり


 Ryzenの紹介を担当したのは,AMDにてデスクトップPC向けCPUのマーケティングマネージャーを務めるDon Woligroski氏だ。氏のスピーチは,Ryzen 7から始まり,Ryzen 5,そしてAM4プラットフォームという順番で展開していった。
 中でも,氏が大きなウェイトを置いていたのは,4月11日に第1弾製品が登場したばかりのRyzen 5シリーズだ。発売後すでに1か月が過ぎたRyzen 7については,競合となるIntel製CPUとの性能比較結果を示したスライドを示した程度で,ほとんどの時間をRyzen 5のアピールに費やしていた。

Don Woligroski氏(左,Desktop Processor Marketing Manager,AMD)。右写真は,Ryzen 7シリーズと,競合となるCore i7シリーズの性能比較を示したスライド。Kaby Lake世代のCore i7を上回り,史上最速の8コアCPUであると,Woligroski氏は胸を張った
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 「Ryzen 7は優れた性能を有するものの,市場は大きくない。300ドル前後のCPUを使っているユーザーは,その2倍もいる」と述べたWoligroski氏は,Ryzen 5の投入によって,「破壊的な変革をその市場にもたらしたい」と意気込む。とくに,6コア12スレッドの「Ryzen 5 1600X」と「Ryzen 5 1600」は,「今まで,この性能にアクセスできなかったセグメント(ユーザー層)に,優れた性能を提供するものだ」と述べていた。

 ゲームにおける性能の優秀さもアピールしている。DirectX 12ベースの「Ashes of the Singularity」(以下,AoS)では,競合の「Core i5-7600K」と比べて約15%,DirectX 11ベースの「F1 2016」では約6%性能で上回るなど,DirectX 12とDirectX 11のどちらを使うゲームでも,Ryzen 5は競合より優れていると主張していた。

Ryzen 5 1600XとCore i5-7600Kで,ゲームにおける性能を比較したスライド。比較対象のゲームは,左からDirectX 12ベースのAoSと「Civilization 6」,DirectX 11ベースの「Mafia 3」とF1 2016である
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 4Gamerのレビューでは,Ryzen 5シリーズが,常に性能面で競合を上回れるわけではないことが明らかになっている。しかしWoligroski氏は,既存のゲームがアップデートによってRyzenシリーズに最適化したことによりフレームレートが向上した例を挙げたうえで,ゲーム開発者もRyzenの性能に注目しており,最適化済みタイトルが今後も増えるであろうことを示唆した。

アップデートでRyzenに最適化したゲームで,どれくらいフレームレートが向上したのかを示したスライド。「Total War: WARHAMMER」は,アップデート前と比較して11%,AoSは33%,「Dota 2」では15%のフレームレート向上を実現したという
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 Ryzenの性能を引き出せるようにPCを最適化することで,ゲームのフレームレートを向上させることも可能であると,Woligroski氏は述べる。氏が例に挙げたのは,「Counter-Strike: Global Offensive」(以下,CS:GO)で,「High Precision Event Timer」(HPET)を無効にしたり,Ryzenに最適化したWindows 10用電源プラン「AMD Ryzen Balanced」を導入したりすることで,フレームレートが向上したというスライドを示した。
 もっとも,CS:GOは,最適化前でさえフレームレートが300fpsに達しているので,評価の対象として適当なゲームかどうかは疑問が残る。

Ryzen用にPCを最適化したときに,CS:GOのフレームレートがどれだけ向上するかを示したスライド。オレンジ色のグラフが最適化を施したもので,左からHPETを無効にした状態,電源プラン「AMD Ryzen Balanced」を導入した状態,そしてDDR4-3200対応のメモリモジュールを使用した状態となっている。DDR4-3200では300fpsが357fpsへと向上したので,19%の性能向上となる
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 現状では,Intel CPUに勝ったり負けたりといったRyzenシリーズではあるが,今後のゲームでRyzenを考慮したタイトルが増えていけば,さらに高い性能を引き出せるようになるだろう。AMDによるゲーム開発者取り込みの努力に期待したいところだ。


Ryzen対応AM4マザーボードが勢揃い


 冒頭でも触れたとおり,説明会場にはPCメーカー各社のRyzen搭載PCや,マザーボードメーカーのAM4マザーボードが多数出展されていた。ほとんどが発売済みの製品ばかりであるが,4Gamerで取り上げたことのないものも多いので,簡単ではあるがまとめて紹介しよう。なお,掲載順はメーカー名のアルファベット順である。


ASRock


ASRockは7製品のAM4マザーボードを出展。左側に並ぶ3製品がゲーマー向けマザーボードだ
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 まずはASRockの製品から見ていこう。同社は3種類のAM4対応ゲーマー向けマザーボードを会場に持ち込んでいた。ラインナップは,「X370」チップセット搭載モデルが2製品と,「B350」チップセット搭載モデルが1製品の計3製品。いずれもATX仕様の製品だ。

Fatal1ty X370 Professional Gaming:X370チップセット搭載のハイエンドマザーボードで,実勢価格は3万7000円前後
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ASUSTeK Computer


 ASUSTeK Computerは,会場に3種類のAM4マザーボードを持ち込んでいたが,ゲーマー向け製品は「ROG CROSSHAIR VI HERO」の1種類のみ。X370チップセット搭載ではあるが,エントリー市場向けに位置付けられたATXマザーボードである。実勢価格は3万8000円前後だ。

ROG CROSSHAIR VI HERO:ROG製品らしく,派手なヒートシンクやI/Oパネル部のカバーが特徴的だ。I/Oパネル部カバーとチップセット上のヒートシンクには,LEDイルミネーション機能があるのだが,デモ機では光っていなかった
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BIOSTAR MICROTECH


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 会場に一番多くのゲーマー向けマザーボードを持ち込んでいたのが,BIOSTAR MICROTECHだ。その数はなんと6製品にもなる。
 とくに注目は,X370チップセットを採用する発売前のMini-ITXマザーボード「RACING X370GTN」。Mini-ITX仕様でX370を搭載する製品は,おそらくこれが国内初の製品となるだろう。Ryzenを使って小型ゲームPCを作ろうと考えている人なら,見逃せない製品となりそうだ。

RACING X370GTN:メモリスロットは2つでPCI Express x16も1つ,M.2スロットはマザーボード裏面に装備という製品だが,発売となれば注目を集めるだろう
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RACING X370GT7(左):ATX仕様のX370搭載ハイエンドマザーボード。PCI Express 3.0 x16を3スロット備える。実勢価格は2万6000円前後
RACING X370GT5(右):ATX仕様のX370搭載マザーボードだが,こちらはPCI Express 3.0 x16が2つとなっている。実勢価格は1万8000円前後
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RACING X370GT3(左):X370搭載のMicro-ATXマザーボード。実勢価格は1万6000円前後
RACING B350GT3(右):B350搭載で低価格が売りのMicro-ATXマザーボード。実勢価格は1万3000円前後
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GIGA-BYTE TECHNOLOGY


 GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)は,B350チップセット搭載でATX仕様の「GA-AB350-Gaming 3」と,Micro-ATX仕様の「GA-AB350M-Gaming 3」を出展していた。
 なお,GIGABYTEのRyzen対応AM4マザーボードについては,Ryzen 7発売後にラインナップを紹介済みなので(関連記事),そちらも参照してほしい。

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GA-AB350-Gaming 3:実勢価格は1万5000円前後
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GA-AB350M-Gaming 3:実勢価格は1万3000円前後


MSI


 MSIは,X370チップセット搭載マザーボードを2製品,B350チップセット搭載マザーボード1製品を出展していた。

X370 SLI PLUS(左):X370搭載のATXマザーボード。実勢価格が2万1000円前後と,X370マザーボードとしては安価だ
X370 GAMING PRO CARBON(右):チップセットやI/OパネルカバーなどにLEDイルミネーション機能を備える。実勢価格は2万6000円前後
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B350 TOMAHAWK ARCTIC:白い基板が特徴のB350チップセット搭載ATXマザーボード。実勢価格は1万6000円前後
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AMD 公式Webサイト


  • 関連タイトル:

    Ryzen(Zen,Zen+)

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