結のほえほえゲーム演説：第245回「BitSummitで気になった個性派ミステリーアドベンチャー3選」

　ごきげんよう。インディーゲームを年間100本以上クリアする女，結です。とくにミステリーアドベンチャーが大大大好物なのですが，7月18日から20日にかけて開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」にも，一風変わったミステリーアドベンチャーが出展されていました。今回は，とくに気になった3タイトルを紹介していきます。

「TIMEMOON」

　本作の主人公は，タクシー運転手。しかし乗っているのは普通のタクシーではありません，なんと過去や未来を行き来できるタイムトラベルタクシーなのです。

　主人公はタクシーの乗客と会話をしながら情報を収集します。密室に二人きりで存在しているけれど，お互いの表情はハッキリと読めない……そんなタクシー特有の状況のせいか，会話の駆け引きに緊張感が走ります。正面で向かい合って話すよりも，腹の探り合いをしている感じがしますよねぇ。

　しかも乗客はなんと全員が「大統領暗殺事件の容疑者」なんですってよ！　おいおいそんな奴らの言うことを素直に信じていいのか……？

　乗客をタイムトラベルタクシーで，「過去」「未来」のどちらに連れて行くのかを選択するのはプレイヤー次第。言葉のウラとオモテを上手に探って，乗客の真意を見極めたいですね。気になるSFミステリーです。

「天使機構執行部魂救済課」

　本作の舞台は，まるで霊の仕業としか言いようがない怪奇現象が増加し，いつしかそれが「霊害事件」と呼ばれるほどに日常化した世界。主人公は霊害事件を調査する組織「天使機構執行部魂救済課」に所属するツジツマです。

　天使機構執行部魂救済課って……。

　こんなのワクワクしちゃうに決まってるだろ!!

　しかもツジツマは一見堅物で，バディの相方は軽薄でヘラヘラした後輩（タレ目でギザ歯）ときたもんだ。何を隠そう私が本作に興味を持ったキッカケは，彼のビジュアルです。

　ツジツマは霊の記憶を視る力があり，記憶と証言の矛盾を見つけて推理するのだそう。本作は会話パート，推理パート，救済パートを行き来しつつ，事件の真相をつきとめるのが目的のようですが……救済パートってなんだ!?

「There is NO PLAN B」

　本作の舞台は，2070年のサイバーパンク世界。家の外に出られない「安楽椅子電脳探偵」になり，遠隔対話で事件を捜査する……というゲーム。なんて斬新な設定なんでしょう。

　インドア派の探偵「B」は，相棒ロボットの「A.I.」の能力により，部屋から出ないまま事件を捜査します。訪問や事情聴取は通話で，現場捜査はA.I.による現場再現で行える……というわけですから，まさに「調査は足で」の逆をいく探偵です。

　本作は「ダンガンロンパ」「逆転裁判」の影響を受けているそう。たしかにクライマックス推理のようなパートも見受けられますね。


　といった感じで，インディーゲーム界で待ち受けるさまざまな事件を早く解決したくてウズウズしています。リリースが楽しみですね。

■■結（女優・タレント）■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ，数多くのゲーム番組でMCを務め，イトキチ（糸吉）の愛称で親しまれている。

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