
連載
そうだ アニメ,見よう:第242回は異能バトルアクション作品「ガチアクタ」。天界から奈落に落とされた少年の復讐劇
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「週刊少年マガジン」で連載中の異能バトルアクション漫画「ガチアクタ」(講談社コミックス/既刊15巻)は,漫画家の裏那 圭氏とグラフィティアーティストの晏童秀吉氏がタッグを組んだ異色の作品だ。「次にくるマンガ大賞2022」のコミックス部門では,Global特別賞を受賞している。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第242回のタイトルは,同作をアニメ化した「ガチアクタ」(毎週日曜日23:30〜TBS系列全28局ほか)。制作はボンズフィルム,シリーズ構成は「進撃の巨人」や「呪術廻戦」の瀬古浩司氏が担当。監督は「有頂天家族」や「THE FIRST SLAM DUNK」を手がけた菅沼芙実彦氏が務める。
「ガチアクタ」
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ある日,ルドはレグト殺害の濡れ衣を着せられ,廃棄物や犯罪者が捨てられる「奈落」へと落とされてしまう。ゴミの山に落ちたルドは,汚染された空気で呼吸もままならないなか,巨大な怪物「斑獣」に襲われるが,エンジン(CV:小西克幸)と名乗る男に救われる。
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エンジンは,特殊な力を持つ能力者・人通者(ギバー)だった。同じく人通者としての力に目覚めたルドは,エンジンから,ゴミから生まれた斑獣を倒す「掃除屋」という組織にスカウトされる。
これまで住んでいた場所が「天界」,現在いる場所が「地上」だと知らされたルドは,上に戻る方法を探すため,これを承諾。能力を使いこなすため,教育係のザンカ(CV:松岡禎丞)に教えを乞うが,いきなり揉めてしまう。
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なんとかザンカと和解したルドは「掃除屋」の本部を訪れ,「天界」に戻る方法を知るという掃除屋のボスと面会することになる。
しかし放浪癖のあるボスは不在。ルドは,見習いとしてリヨウ(CV:花守ゆみり)らと一緒に“斑獣狩り”に同行するのだった。
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物の力を引き出す「人通者(ギバー)」
「物に魂が宿る」という考え方は,生物・無機物を問わず,あらゆるものに魂や霊が宿るという思想(アニミズム)として世界各地に信仰されている。日本でも古来より,八百万の神の信仰や,道具に魂が宿る「付喪神(つくもがみ)」として信じられており,日本人にはなじみ深い概念だ。
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本作でも,長い間心を込めて使用した物には思念が宿るとされており,その物を「人器」と呼んでいる。「ガチアクタ」は,その人器の力を引き出す異能力者・人通者(ギバー)たちの活躍を描いた異能バトルストーリーだ。
主人公のルドは,生まれた時から両腕が黒ずんでおり,それを隠すためにレグトからもらった手袋を愛用していた。その手袋「3R」が人器となり,ルドに超常の力を与えている。通常,人通者は大切にしていた物の力を引き出せる。エンジンは傘,ザンカは相棒,リヨウはハサミとなるのだが,ルドは手袋が触れた物を人器にできる。
破格の能力を持つルドは,その力を見込まれてエンジンが所属する「掃除屋」のチーム「アクタ」にスカウトされることになるのだ。
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空のかなたにある「天界」と,そのゴミが雨のように降り注ぐ「地上」がなぜ生まれたのか。レグトを殺した仮面の男は何者なのか。ミステリアスなストーリー展開と,さまざまな能力を持った人通者たちの人知を超えた戦いが,本作の見どころとなる。
原作のグラフィティをアニメで再現
原作となる漫画「ガチアクタ」は,裏那氏のセンスあふれる画力と,晏童氏が監修するストリート風のグラフィックデザインが融合した,独特のアート“グラフィティ”が魅力だ。制作を担当するボンズフィルムは,クセの強い画風を驚くほど丁寧にアニメーションに落とし込んでいる。
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制作にあたって監督の菅沼氏は,原作の良さをそのまま生かしつつ,手書き感を意識して画面を作っているという。登場キャラクターたちの衣装や,背後の街並みの景観,物から生まれた斑獣たちなど,こだわり抜いたアニメ版の世界観に注目したい。
なお,アニメ公式サイトでは,自分の好きなワード(欧文)をグラフィティにして壁紙にできる「GRAFFITI MAKER」コーナー(リンク)が常設されている。登場キャラクターはランダムで選ばれるので,推しキャラクターが出るまでチャレンジしてみよう。
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「荒らし屋」との能力バトルが始まる
7月からスタートした本作は,連続2クールで放送される。天界人であるルドを狙う,ジャバー(CV:新祐樹)たち「荒らし屋」が登場し,人通者たちの戦いは一層ヒートアップしていく。やっぱり,山田風太郎氏の「甲賀忍法帖」のような能力バトルは,展開を読めなくて面白い。
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もうひとつの見どころは,ルドの成長だろう。満足に笑顔を作ることもできない不器用なルドが,エンジンたち「掃除屋」の面々と触れ合うことで,大人へと成長していく姿にぐっとくる。“幸せ”という言葉からほど遠い生き方をしてきたルドが,仲間たちの中でそれを見つけることができるのか。後半クールも見逃せない作品となりそうだ。
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TVアニメ「ガチアクタ」公式サイト
TVアニメ「ガチアクタ」公式X
放映データ |
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2025年1月〜毎週土曜24:00〜TOKYO MXほか |
キャスト | |
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ルド:市川 蒼 | |
エンジン:小西克幸 | |
ザンカ:松岡禎丞 | |
リヨウ:花守ゆみり | |
タムジー:斎賀みつき | |
デルモン:岩崎征実 | |
ブロ:高木 渉 | |
ディア:佐藤はな | |
グリス:日野 聡 | |
フォロ:浦 和希 | |
トウム:東城日沙子 | |
コルバス:小山力也 | |
セミュ:園崎未恵 | |
オーガスト:宮野真守 | |
エイシア:石見舞菜香 | |
ゾディル:武内駿輔 | |
ジャバー:新 祐樹 | |
クトーニ:高垣彩陽 | |
レグト:森川智之 | |
チワ:伊藤美来 | |
アリス(ババア):中尾隆聖 | |
レムリン:三瓶由布子 | |
アモ:花澤香菜 |
スタッフ |
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原作:ガチアクタ(漫画:裏那 圭 graffiti design:晏童秀吉 講談社「週刊少年マガジン」連載中) |
監督:菅沼芙実彦 |
シリーズ構成:瀬古浩司 |
キャラクターデザイン・総作画監督:石野 聡 |
サブキャラクターデザイン・総作画監督:松本よしの |
斑獣デザイン:山森英司 |
人器デザイン:保科有沙 |
美術デザイン:小木斉之 |
美術監督:伊藤友沙(草薙) |
色彩設計:中野尚美(ステラ) |
動画監督:羽田智織 |
撮影監督:池上真崇 |
3DCG監督:三宅拓馬 |
編集:髙橋 歩 |
音響監督:郷文裕貴 |
音響効果:上野 励 |
音楽:岩﨑 琢 |
プロダクション・スーパーバイズ:ボンズ |
アニメーション制作:ボンズフィルム |
製作:「ガチアクタ」製作委員会 |
主題歌OP:「HUGs」Paledusk |
ED:「灯火」DUSTCELL |
(C)裏 那圭・晏童秀吉・講談社/「ガチアクタ」製作委員会 |
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