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そうだ アニメ,見よう:第244回は柴田ヨクサル氏原作の「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」。40歳独身男が挑む本気の“仮面ライダーごっこ”
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「エアマスター」や「ハチワンダイバー」などで知られる漫画家・柴田ヨクサル氏。熱い作風で知られる柴田氏が「月刊ヒーローズ」で連載を開始し,現在はウェブコミックサイト「コミプレ」で連載中のヒーローコミックが「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」(ヒーローズコミックス/既刊16巻)だ。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第244回のタイトルは,同作をアニメ化した「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」(毎週土曜日24:30〜TOKYO MXほか)。制作はライデンフィルム,シリーズ構成は「昭和元禄落語心中」や「真・侍伝YAIBA」の待田堂子氏が担当し,監督を「SHOW BY ROCK!!」や「新幹線変形ロボ シンカリオンZ」の池添隆博氏が務めている。
「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」
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いつの間にか熊とも戦える戦闘力を手にしていたが,そんな東島も今年で40歳。集めた大好きな仮面ライダーグッズが,孤独死した後に取り残され,無造作にゴミ袋へ入れられていく様子を思うと耐えられず,すべて手放してしまう。
そんな中,「ショッカー現る」というニュースが彼の目に飛び込んできた。それはショッカー戦闘員のコスプレをして犯罪を行う,ただの強盗だった。意気消沈する東島だったが,偶然,夏祭り会場でショッカー強盗と遭遇する。
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熱い気持ちを抑えきれない東島は,その場にいたお面売りから「仮面ライダー1号」のお面を購入し,それをかぶることで仮面ライダーへと「変身」。なぜか変身前よりも高い身体能力を発揮し,ショッカー強盗たちを一掃するのだった。
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ところが,東島の事件を報じる「仮面ライダー現る!」のニュースを観て,苦々しい思いを抱いている女性がいた。それは「電波人間タックル」に憧れる女性教師・岡田ユリコ(CV:茅野愛衣)である。彼女は,自分が最初にショッカー強盗を捕えたいと思っていたのだった。
仮面ライダーになりたくて
初代「仮面ライダー」が放送されたのは,1971年4月から1973年2月まで。今から50年以上も前に登場した仮面ライダーは,当時の子供たちの間で爆発的にヒットし,その後「仮面ライダーV3」や「仮面ライダーX」,令和でも最新作「仮面ライダーゼッツ」が放送されるほど,国民的なヒーローとなった。
主人公の東島も,幼いころはそんなヒーローに憧れる少年の一人だったのだが,彼の場合はちょっと方向性がおかしかった。仮面ライダーになるために,40歳までひたすら体を鍛え続けたのだ。
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もちろん仮面ライダーシリーズを愛し,グッズなどを収集する“大きな子供”の仮面ライダーファンは数多く存在するが,東島の場合は「仮面ライダーになりたい」という思いを突き詰めた。
その結果,結婚もせず,定職にも就かず,アパート暮らしの40歳独身男が誕生したわけだが,そんな彼にも転機が訪れる。ある事件に遭遇した東島は,本気の“仮面ライダーごっこ”へと足を踏み入れるのだ。
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本作は,ヒーローに憧れ続ける,ちょっとアレな大人たちの情熱と,現実とのギャップから生まれるドラマを,コメディタッチかつ“熱苦しく”描いた作品となる。ちなみに東島が憧れているのは初代仮面ライダー(1号ライダー)で,タックルとは「仮面ライダー ストロンガー」に登場する女性の改造人間のことだ。
ヨクサル節全開のアニメ化
原作の柴田氏は,独特な言葉遣いとカオスな世界観で根強いファンを持つ漫画家だ。中でも,誌面からあふれるほどの顔アップや,いい歳をした大人の涙などが特徴となるが,アニメ化にあたって制作陣はそこにこだわっているという。
公式Xアカウントでは,涙やエフェクトを施した撮影処理前と処理後の比較画像を公開している。第1話のラストを飾る,東島渾身の「ライダーキック」がどのように変化しているのか,ぜひ確認してほしい。
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— アニメ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』公式|好評放送_配信中! (@tojima_rider) October 6, 2025
#東島ライダー
第1?話
撮影処理??
━━??_??━━
第1?話より撮影処理前と処理後の
比較画像を公開??https://t.co/kzeAzgQlWx pic.twitter.com/VzxLBNkFqu
また,石森プロ・東映の全面協力のもと制作されている本作には,原作ファンが思わずニヤリとしてしまうカットが盛りだくさんだ。第1話では,作中のテレビ番組の本郷 猛役の声優として,俳優の藤岡 弘、さんが特別出演している。
その藤岡さんに加え,劇場版「仮面ライダー ディケイド オールライダー対大ショッカー」(2009年公開)でショッカー戦闘員役を演じたこともある,東島役の声優・小西克幸さんのメッセージ動画も公開中だ。
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V3やライダーマン好きも参戦
第2話でタックルに憧れる女性・岡田ユリコが登場しているが,第3弾PVによれば,今後も仮面ライダーV3を目指す島村一葉(CV:鈴村健一)や,ライダーマン好きの島村三葉(CV:斉藤壮馬)など,新たなメンバーが登場する模様だ。
そして,本物のショッカーや,ついには怪人まで出現するらしい。東島を中心に,濃すぎるメンバーたちが集結し,予想もつかないストーリーが展開される本作。彼らが繰り広げる“仮面ライダー愛”あふれる行動に共感できるかどうかは視聴者次第だ。ともあれ,“おっさんホイホイ”なのは間違いない作品である。
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「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」公式サイト
「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」公式X
放映データ |
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2025年10月〜毎週土曜24:30〜TOKYO MXほか |
キャスト | |
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東島丹三郎:小西克幸 | |
岡田ユリコ:茅野愛衣 | |
島村一葉:鈴村健一 | |
島村三葉:斉藤壮馬 | |
ユカリス:ファイルーズあい | |
中尾八郎:津田健次郎 | |
伊藤さとし:鶴岡 聡 | |
石毛ふくし:落合福嗣 | |
佐藤だいすけ:阪口大助 |
スタッフ |
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原作:柴田ヨクサル(ヒーローズ「コミプレ」連載) |
協力:石森プロ・東映 |
監督:池添隆博 |
シリーズ構成:待田堂子 |
キャラクターデザイン:Cindy H. Yamauchi |
キーアニメーター:清水伸太郎 |
プロップデザイン:氏家嘉宏 |
美術監督:渋谷幸弘(石垣プロ)・会津綾乃(石垣プロ) |
美術監修:佐藤 勝(石垣プロ) |
美術監督補佐:川﨑かなえ(石垣プロ) |
美術設定:谷内優穂 |
色彩設計:岡 亮子 |
撮影監督:髙津純平 |
撮影監督補佐:鈴木智昭 |
編集:坂本久美子 |
音響監督:山口貴之(もぶわぶ) |
音響効果:小山恭正 |
音楽 TeddyLoid |
アニメーションプロデューサー:横田幸介 |
アニメーション制作:ライデンフィルム |
オープニングテーマ「Wanna be」TeddyLoid feat. Shigeru Matsuzaki&TOPHAMHAT-KYO |
エンディングテーマ「ワンモアタイム」TeddyLoid feat. 時任良治 |
(C)柴田ヨクサル/ヒーローズ・Tojima Rider Project |
(C)石森プロ・東映 |
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