「半熟英雄」のエラベルエッグを簡単に作る驚きの方法とは。俺のコラボカフェ：Menu 061

　4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。様々なゲームに出てくる料理をプロの料理人が本気で作ったり，プロ目線で勝手に検証して発表したりする「俺のコラボカフェ」。今回もよろしくお願いします。

　「半熟英雄」というゲームを知っていますか？　1988年にファミリコンピュータ用に発売されたシミュレーションRPGで，当時としては画期的なシステムで人気を博しました。その後も続編が作られ愛されている作品です。1992年にスーパーファミコンで発売されたシリーズ2作目「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」は大ヒットとなり，私も夢中でプレイしました。

　半熟英雄の魅力は，リアルタイムで展開するテンポの良い戦闘だと私は思っています。「卵」を使ってさまざまなモンスターを召喚したり，戦闘を有利に進める「切り札」，防戦時に使える「奥の手」などをうまく使ったりして敵陣を攻略していく戦略的要素も面白かったですね。
　さらに，ストーリーや戦闘時にコミカルなギャグ要素が多分に含まれており，飽きずに楽しめました。

写真は，スマートフォン版「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」

　ストーリーにはシリアスな深みもあり，すぎやまこういち氏の手掛ける音楽も秀逸で，現在でもまったく色褪せていません。

　戦闘はリアルタイムですが，月一イベントでは新しい将軍（ユニット）を獲得できたり，ランダムイベントがあったりするのも良かったです。その時の画面構成が劇場のステージのようになっており，プレイヤーが観客の1人として観劇している形になっているのも斬新で，飽きさせないための工夫だったのかもしれません。

　さて，完成度の高いこのゲームの中でキーとなるアイテムは，やはり「卵」でしょう。半熟英雄というタイトルも「半熟卵」をイメージしてつけられているはずです。

　作中の卵はからはモンスターを呼び出せるのですが，「ワンダーエッグ」や「スーパーエッグ」など，卵によってその種類が異なるという仕組みになっていました。そして「エラベルエッグ」は召喚できるモンスターを3種類のうちから「選べ」，失敗が少ないアイテムです。

　この「エラベルエッグ」を自分で作ってみようというのが，今回のテーマです。モンスターを中に仕込むというのは現実的ではないので，いろいろな味の味玉を作って「選べる」ということで「エレベルエッグ」とさせてください。

　半熟卵は，何気なく食べているとことが多いと思いますが，作ろうとすると意外と難しいものです。感覚で作るとだいたい失敗しますね。うまく作るには温度をしっかり管理して，卵のかたまり具合を調整するのと，殻を剥きやすくする工夫が必要です。ちょっとしたおやつ，料理のトッピングとしても優秀なので作れるようになってQOLを上げていきましょう。

■材料

卵　作りたい数
めんつゆなど，味付け用の液体 卵一つにつき2ml程度

冷蔵庫から取り出した卵の底に画鋲や包丁のアゴなどで小さな穴を開ける

卵がしっかり浸かる量のお湯を沸騰させてそこに卵を静かに入れ，6分30秒茹でる

冷水にとり，しっかりと冷やす

流水で割れ目に水が入るようにしながら殻をむく

見事な半熟卵ができました。なお，最初に穴を開けることで卵の中のガスが抜け，熱膨張して殻が割れるのを防ぐとともに，むきやすくなります。

穴はごく小さくて大丈夫です。卵を切るときは糸かラップを巻いた包丁を使うと切りやすいです

　このまま食べてももちろんOKですが，今回は「奥の手」を使ってエラベルエッグにします。使うのは，100円ショップなどに売っている注射器です。決して怪しいものではなく，化粧水や香水を小瓶に移すときに使うようです。これを使って，いろいろなソースやタレを黄身部分に注入していきます。


　タレの味にもよりますが，1個あたり2mlくらいがちょうどよいです。あまりたくさん入れると卵が割れたり，汁が漏れ出たりします。

　味付け玉子は通常，つけ汁に卵をしばらく漬けるのですが，汁がもったいない＆漬かるまでに時間がかかるのが難点です。ですが，この方法なら数秒で作業完了で，汁も無駄がでづらいです。味付け玉子のような見た目の変化はありませんが，黄身に味をつけるだけでも不思議と全体に味がついているように感じます。

　「めんつゆ」を入れるとおなじみの味玉の味。おすすめは「うに醤油」と「トリュフソース」です。簡単に作れるので，複数個作って味を選べるようにください。

もう30秒長く茹でるとこのくらいに。お好みでどうぞ

　YouTubeの「COCOCOROチャンネル」の動画でも作り方を説明しているので，そちらも参考にどうぞ。


　今回のテーマはいかがでしたでしょうか？　面白いと思ったり，実際に試したりした人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。

　それでは，また会いましょう。したっけ！

■■大西哲也（クッキングエンターテイナー）■■
　あるときは，料理研究家，またあるときは，「COCOCOROチャンネル」のYouTuber，しかしてその実体は……，料理を通じて多くの人を喜ばせたいと日々奮闘する，クッキングエンターテイナーだ！　「半熟英雄」の1作目がファミコンで出ていたことや，続編が作られていたことを，今回の記事を執筆時に初めて知ったというシェフ。これまで存在をしらなかったタイトルのプレイ動画を見るのが楽しみなのだとか。エラベルエッグを食べながら見てください。

※次回の掲載は2024年3月23日を予定しています