［GDC 2019］Wiz系ダンジョンRPG「Operencia」など，「ID@Xbox GDC Showcase」で出展された注目のインディーズゲームを紹介

　北米時間2019年3月19日，アメリカ・サンフランシスコにあるLoft Oneにて，MicrosoftのID@Xboxチームが主催する「ID@Xbox GDC Showcase」が開催された。今回は，同イベントに出展された注目のインディーズゲームをいくつか紹介しよう。

Operencia: The Stolen Sun

　「Operencia: The Stolen Sun」（PC / Xbox One）は，Zen Studiosが手がける新作タイトルだ。Zen Studiosと聞くと，真っ先に「Pinball FX」シリーズを思い浮かべてしまうが，本作はピンボールではなくウィザードリィ風のダンジョンRPGになっている。こういうのも作れたのか，と思ってしまったのはここだけの秘密。


　本作は，太陽の王であるNapkiralyが行方不明になったことで，闇に支配されてしまった世界「オペレンシア」が舞台となっている。フィールドでの移動は一人称視点で，ダンジョンには謎解き要素が多めに用意されている。敵はシンボル状態で動いており，接触すると戦闘が始まるという流れだ。


　本作の戦闘はターン制を採用しており，コマンドとターゲットを選択して攻撃していくクラシカルなスタイルになっている。ターン順はあらかじめ決められているが，スタンなどの状態変化によって順番が入れ替わることもあるので，なるべく敵にターンを回さないように戦術を組み立てていきたい。

　また列と射程の概念があり，近接キャラクターだと最後尾にいる敵に手が出せないといったこともあるので，パーティ内でのクラスバランスも大切だ。攻撃時には命中率も確認できるが，80％とかでも普通に外すのはお約束といったところか。


　キャラクターのレベルが上がるとスキルポイントがもらえ，キャラクターごとに用意されたスキルツリーからアビリティをアンロックできる。また，アビリティには特性もあり，それを解除することで性能が上がるなど，育成要素は奥深いものになっている。


　今回は特別に，主人公のキャラクターメイキングに触らせてもらえたが，ここで面白かったのが難度の調整である。本作では，「Cartographer」「Battle-Hardened」「Permadeath」という3つの項目を，それぞれノーマルにするかハードにするか選択でき，「戦闘を難しくする代わりにマップ探索を簡単にする」といった感じで，ゲームの難しさをプレイヤー好みに味付けできるのだ。


　「Operencia: The Stolen Sun」は，PCとXbox One向けに2019年3月29日に発売予定となっているので，王道のダンジョンRPGが好きな人はチェックしておこう。

Silver Chains

　ロシアのCracked Head Gamesが手がける「Silver Chains」（PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch）は，一人称視点のホラーアドベンチャーゲームだ。ある嵐の晩，車を運転していた主人公のピーターは事故を起こし，イギリスのどこかにある古い大邸宅で目を覚ます。邸宅を探索するうち，ここに隠された秘密に触れ始め，その謎を解決しなければ出られないことを悟る。


　プレイヤーは，暗くて薄気味悪い邸宅をランプ片手に探索していくのだが，Unreal Engine 4の為せる技か，明暗の表現がとてもリアルであり，それがさらにおどろおどろしさを高めている。
　クローゼットの前で「HIDE」と表示されたとき，何かしらに追いかけ回されるのだろうと察したが，開発者達が見ている手前，怖いからやめていいですかとは言えず（言ったら言ったで喜ばれるかもしれないが），しばらく探索を続けていると高身長の老婆と遭遇した。こいつか！


　この手のゲームは走れば撒けるものだが，本作では老婆のほうが足が速いので，クローゼットを活用することになる。老婆はプレイヤーを見失うと煙のように消えるので，神出鬼没なのかもしれない。
　今回プレイした範囲では，出現前に必ず演出が入っていたので，そこまで驚かなかったが，本編ではどのように追い回されることになるのか，ちょっと楽しみでもある。


　そんな本作は2019年内にリリース予定となっており，今回確認した限りでは日本語もしっかりとサポートされている。「Amnesia: The Dark Descent」のような屋敷探索系のホラーゲームが好きな人は，今のうちから情報を追いかけておくといいだろう。

Raji：An Ancient Epic

　インドのインディーズ系デベロッパ，Nodding Heads Gamesが手がける「Raji：An Ancient Epic」は，古代インドを舞台にしたアクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは，神に選ばれた女の子「Raji」となり，悪魔の王マハバラスラの手下と戦いながら，さらわれた弟の奪還を目指すことになる。


　ゲームそのものは，よくある見下ろし型のアクションゲームといった感じだが，ゲーム内のテクスチャがすべて手塗りなので，独特の雰囲気が醸し出されている。建造物などは，中世のラージャスターンをイメージして作られており，見下ろし視点ながらもちょっとした観光気分で楽しめるのも1つのポイントだ。


　Rajaが扱う杖のような武器は，近接攻撃はもちろん，投げやりのようにして遠くの敵を攻撃することも可能で，基本的にはこの武器1つで進めていくようだ。杖は，ゲーム中に手に入るポイントでアップグレードでき，攻撃時に雷を落としてスタンさせるといったことも可能になる。


　戦闘はヒット＆アウェイが有効で，ヒットポイントが残りわずかの敵にはフィニッシュブローでトドメを刺せる。アクションのテンポが早いので，ハック＆スラッシュばりにサクサクと進めていけるのも良いところだ。


　「Raji：An Ancient Epic」の発売は2020年第1四半期の予定となっているが，Steamではデモ版が配信されているので，古代インドの世界観興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。

Devil's Hunt

　1C Entertainmentが2019年内に発売を予定している「Devil's Hunt」（PC / PS4 / Xbox One）は，天使と悪魔の戦争を描く三人称視点のアクションゲームだ。開発を手がけるポーランドのLayopi Gamesは，小説家であるパヴェル・レズニアック氏が自身の作品であるダークファンタジー小説「Equilibrium」をゲーム化するために立ち上げたチームである。


　ゲームの物語は，一流企業の御曹司として自由気ままな生活を送っていた青年デスモンドが，ある偶然で魔界の力を得てしまったことをきっかけに，天界と魔界の戦争に巻き込まれるという内容になっている。
　ただ，魔界の力を持っているからといって悪魔側につく必要はなく，ゲーム内での選択によっては天使の味方をすることも可能だという。


　ゲームエンジンにはUnreal Engine 4が採用されており，パーティクルエフェクトがふんだんに使われている。
　戦闘は，［RB］［RT］ボタンで攻撃をしかけ，反撃されそうになったら［LB］でパリィするといった感じで進めていく。パリィのできない攻撃は［A］ボタンで回避し，体力が減ってスタン状態になっている敵には［R3］ボタンで処刑アクションを実行できる。


　また，［X］［Y］［B］ボタンには必殺技が割り当てられており，雑魚敵であれば簡単に一掃できる爽快感もある。小説が原作なだけに，序盤から重厚なストーリーが展開されていくのもポイントで，この手の題材が好きな人であればじっくりと楽しめるだろう。

Stela

　Microsoft Studiosと縁の深いカナダのインディーズ系デベロッパ，SkyBox Labsが手がける「Stela」（PC / Xbox One）は，テキストがまったく登場しない横スクロールのアドベンチャーゲームだ。少し前に流行った言葉を使わせてもらうと，いわゆる“雰囲気ゲー”という奴である。


　終焉の日を迎える古代の世界がゲームの舞台となっており，プレイヤーは主人公の女性を操作して，荒廃していく世界を探索していくことになる。ゲーム内でできることは，「移動」「ジャンプ」「掴む」の3つだけなので操作は簡単だが，その代わりに初見殺しのギミックがたくさん用意されている。


　初見殺しに引っかかるのは仕方のないことだが，先に進むためには，なぜ死んだのかを理解することが重要だ。結構焦らされる場面も多いので，冷静に周りを見渡すのはなかなか難しいが，どうすれば先に進めるかに気づいたときのしてやったり感はなかなかのもの。

　「Steala」はPCとXbox Oneに向けて，2019年内に発売予定となっているので，気になる人は引き続きチェックしておこう。

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