第5回「ドラゴンクエストウォーキング＜東北＞」＆「ドラゴンクエストウォーク秋祭り」レポート。秋の仙台が「DQウォーク」で彩られた4日間。次回開催日も発表

　スクウェア・エニックスは，サービス中の位置情報RPG「ドラゴンクエストウォーク」（iOS / Android。以下，DQウォーク）のリアルウォーキングイベント，「ドラゴンクエストウォーキング＜東北＞」（以下，DQウォーキング東北）を2025年11月1日〜2日の2日間にわたって開催した。
　会場となったのは宮城県仙台市泉区の「やまいちサステナパーク七北田公園」と「ユアテックスタジアム仙台」だ。



　5回目のリアルウォーキングイベントとなる今回は，ファン待望の東北エリア，宮城県仙台市での開催が実現。
　さらに市の協力により，中心部にある6つの商店街において「ドラゴンクエストウォーク秋祭り」（以下，DQウォーク秋祭り）と銘打った，広範囲でのイベントも10月31日〜11月3日に行われた。本稿ではそれらの模様をレポートしていく。

イベントのもう一つの舞台となった，仙台市街の商店街。DQウォーキング参加者だけではない，一般客も巻き込むイベントとなった

　会場となった“杜の都”仙台は，前日の10月31日から始まったDQウォーク秋祭りに沸いていた。イベントに参加した商店街は「ハピナ名掛丁商店街」「クリスロード商店街」「マーブルロードおおまち商店街」「サンモール一番町商店街」「ぶらんど〜む一番町商店街」「一番町四丁目商店街」の6つで，距離で計測すると約1.6kmに及ぶ。

商店街には「DQウォーク秋祭り」の横断幕やちょうちんが下げられた。DQウォークのプレイヤーのみならず，「ドラクエ」シリーズを知っていれば誰でもワクワクするようなお祭りだ

　商店街のアーケードには，DQウォーク秋祭りの横断幕やちょうちんが無数に飾られ，各商店街にはランドマークとしてモンスターの立像も設置。誰でも参加できるスタンプラリーのスタンプ台が併設され，すべてのスタンプを押すと記念のクリアファイルがプレゼントされた。

街中に溶け込んだモンスター達。フォトスポットとしても賑わった

特定のスタンプ台が置かれた場所で，スライムの形をしたスタンプカードを配布

立像に合わせたモンスターの柄がうれしい。台紙はプレゼントと引き換え後も，持ち帰ることができた

ぶらんど〜む一番町商店街にある「BLUE LEAF CAFE（仙台）」は秋祭りの拠点といえるポイントで，専用の休憩スペースや公式ショップを設置。スタンプラリーのゴール地点でもあり，スタンプをコンプリートした人には特製クリアファイルがプレゼントされた

　また，商店街の67もの店舗がこの秋祭りに参加。各店舗では商店街ごとにデザインの異なるステッカーが配布されたほか，DQウォーキングの参加パス2種の特典「パルプンテカード」を提示することでサービスを受けられた。

街中で配布された「冒険のしおり」には，立像の場所と参加店舗が掲載。参加者はこれを頼りに秋祭りを楽しんだ

「ファミリーパス」か「ウォーキングパス特」の所有者は，対象店舗で「パルプンテ！」の呪文とともにデジタルカードを提示することでサービスを受けられた

　筆者が現地入りしたのは秋祭り初日の10月31日の夕方だったが，当日は週末とハロウィンが重なったことで商店街は大にぎわい。現地や遠征組の熱心なプレイヤーは，当日の朝早くからスタンプラリーやステッカーの入手に奔走していたようだ。

店舗を利用すると配布された特製ステッカー。スタンプと同様，商店街ごとに違うデザインが用意されていた

　メインイベントのDQウォーキングは11月1日より2日間開催された。
　会場は，仙台中心部から地下鉄で約15分で行ける「やまいちサステナパーク七北田公園」だ。サッカースタジアム「ユアテックスタジアム仙台」を内包する約22ヘクタールの広さを誇る公園で，木々の紅葉が深まるすがすがしい環境で冒険ができた。
　事前の天気予報では，初日は雨の恐れもあったが，幸いそれが前日の夜にずれ，当日の会場は秋晴れに恵まれた。

冒険のスタート地点はユアテックスタジアム仙台。Jリーグのベガルタ仙台のホームスタジアムでもある

今回は秋祭りの開催もあり，参加したプレイヤーには，イベントオリジナルデザインの特製「はっぴ」がプレゼントされた

　イベントは従来どおり，ゲーム内のポータルから始めるスタンプラリー形式で行うスタイル。リッカやカンダタなど，おなじみのメンツのほか，宮城県の「おみやげ」の1つに登場する「独眼竜スライム」も登場。
　相棒のスラミチも同じ兜と眼帯を身に着けて，冒険に出発した。

最初のチェックポイントにいるリッカは，なんとスタジアムのピッチに登場。客席側から声をかけたプレイヤーに笑顔を振りまいていた

伊達政宗風の兜を身に付けたスラミチ（左）とご当地モンスターの独眼竜スライム（右）

イベントはリッカのいるAポイントからスタート。彼女がいるポイントにはイベント参加者しかたどり着けない仕組み

　前日夜からの雨は朝までに上がったものの，11月という季節柄，気温は高くなかったため，いくつかのチェックポイントがある公園中心部の芝生エリアのほとんどはぬかるみの状態。見えないところに水たまりなどもあって，筆者も含め靴が泥だらけになってしまった勇者は多かったはず。
　しかしこれもまたリアルウォーキングイベントの醍醐味で，“草原を歩いていたら毒の沼にはまった”みたいな疑似体験ができたのではないだろうか。

紅葉した樹木も見える七北田公園の様子。運営陣は今回も事前に晴天の祈願をしたそうで，そのおかげか会期中の2日間雨はほぼ降らなかった

イベントではおなじみとなった，子供達に風船を配るあらくれ冒険者は，仙台市民には懐かしいCMソングの替え歌を歌っていた

仙台のグルメを前にごきげんのカンダタ。お裾分けをもらったスラミチはそれを「もぐもぐの書」に記録した

パワースポット？　となっていた虹の宝箱。筆者もここでふくびきを50連ほど回してみたが，目当てのものは何も出なかったよ，スラミチ……

杜の都に突き刺さった伝説の剣。その後ろには意味ありげなメッセージが刻まれた石碑がある

再び登場のカンダタは，奥州・仙台 おもてなし集団 伊達武将隊の皆さんと合流。左は剣を携えてノリノリの松尾芭蕉さん

スタンプを6個押せばウォーキングイベントは終了。今回はルイーダさんのスタンプだった

DQウォーキングの参加者は，この後商店街に移動して専用のポータルかくれモンスター探しを行える

　イベントはこの七北田公園だけで終わらず，DQウォーク秋祭りの会場まで及び，モンスターの立像が設置されたポイントの近くには「かくれご当地モンスター」のARスポットも用意された。
　ゲームのAR機能を使って撮影をすると，ご当地モンスターと共に「あいことば」が現れ，すべてを集めることでミッションコンプリートとなった。

これは商店街周辺の様子。中心部のBLUE LEAF CAFEがある場所には巨大な独眼竜スライムのバルーンが浮かぶ

かくれご当地モンスターは6種類。モンスター立像の近くのARパネルに隠れている

パネルにARカメラをかざすと，かくれモンスターが出現する

すべてのモンスターを見つけてあいことばを入力すれば，全ミッションがコンプリートに

　スクウェア・エニックスと仙台市の街ぐるみのタッグで開催された今回のリアルウォーキングイベント。DQウォーキング会場と秋祭り会場はかなりの広さがあり，会場をハシゴしたり，最寄りのランドマークに立ち寄ったりしたプレイヤーはかなりの歩数を歩けたのではないだろうか。ちなみに筆者は11月1日，約2万3000歩を歩いていた。

筆者もイベント当日の早朝に「伊達政宗騎馬像」と「日本三景展望台（松島）」のランドマークを訪れ，おみやげをいただいた

　また，このDQウォーキング開催を記念し，全プレイヤー対象のゲーム内イベント「足軽スライム討伐チャレンジ」や，「DQウォーキング東北開催記念パス」の販売も行われた。
　現地に行くことのできなかったプレイヤーも，一緒に冒険をしている気分を味わうことができたのだ。

イベントモンスターとして3日間限定で出現した「足軽スライム」。会期中の討伐チャレンジの結果は“789万7985石”だった

記念パスには「ウォーキングとうばつ手形」が付属し，仙台の会場に行っていなくてもメガモンスター「ウォーキング」と戦えて，「ウォーキング・東北のこころS」をもらえた

DQウォーク プロデューサー 柴 貴正氏

　非常に規模の大きなイベントとなった今回のDQウォーキング東北。今回も現地を訪れていたプロデューサーの柴 貴正氏に開催経緯を聞いたところ，「仙台市の観光課から『一緒にイベントをやりませんか？　全面的にバックアップします』というラブコールがあり，こちらとしても東北でのリアルイベントはぜひやりたいと考えていたので，渡りに船ということで一緒にやらせていただくことにしました」とのことだった。

　また，「紅葉がきれいな季節なので“秋祭り”をコンセプトに商店街の皆さんにもご協力いただき，横断幕やちょうちんを用意してくださいました」という。
　6つの商店街は「まちくる仙台」という商店街活性化のプロジェクトによって支援されていて，こうしたイベントにも柔軟に対応し，横断幕やちょうちんなどもデザインを用意すると，あとはお任せで制作してくれたそうだ。


　各店舗にも商店街から話が通っていて，さらに昨年，別のタイトルで行われたイベントでも大きなにぎわいを見せたことから，店舗側の理解は深く，交渉もスムーズだったとのこと。
　一番町四丁目商店街の仙台三越では，店頭のトレードマークであるライオン像を“アストロンの呪文を唱えたライオン”に見立てるなど，ノリノリで協力してくれたそうだ。

ドラゴンクエストウォーク秋祭り×ライオン像
コラボ装飾?#ドラゴンクエスト #仙台 https://t.co/OVVdVjBuW5 pic.twitter.com/OIqW8iYCEF

— 仙台三越【公式】 (@mitsukoshi_sd) October 31, 2025

　今回のDQウォーキングの参加者は約2万人とのことだが，秋祭りには一般客も多数参加していて，タイトルの訴求や経済効果はかなり高かったのではないかと柴氏は予測していた。
　「DQウォークのプレイヤーではない人達も一緒に楽しんでいて，あまり見たことのない光景を見ることができました。HD-2D版『ドラゴンクエストI＆II』（PC / PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch）が発売されたばかりということもあって，あらためて『ドラゴンクエスト』というタイトルの偉大さを実感しました」と語る。


　次回の開催地は未発表だが，日程は2026年4月18日〜19日であることも明かされた。
　「いつものことですが，イベント当日はもう次回のことを考えています（笑）」と言う柴氏は，「（リアルイベントの）回を重ねてアップデートをしてきて，規模がかなり大きくなってしまったので，次回はまた違う形のアップデートをしてみたいですね」と話す。
　すでに決まっているという場所にこれから何度か足を運び，メインとなるイベントの内容は踏襲しつつ，その場所ならではの新しい遊びを考えていきたいとのことだ。


　開催地の協力のもと，大きなトラブルもなく終了した今回のリアルウォーキングイベント。
　プレイヤー以外の方や商店街を巻き込んだ大規模な内容も個人的には実に楽しく，大成功であると感じられた。今回のように地元や会場となる場所を参加者が強く意識できる，リアルイベントならではの体験ができる内容を次回も期待したい。

リアルウォーキングイベント「ドラゴンクエストウォーキング＜東北＞」は終了いたしました。
やまいちサステナパーク七北田公園／ユアテックスタジアム仙台に多数のご来場ありがとうございました。

次回「ドラゴンクエストウォーキング」は2026年4月18日・19日に開催予定です。… pic.twitter.com/Cq0AzAyA4C

— ドラゴンクエストウォーク公式／ドラクエウォーク (@DQWalk) November 2, 2025