Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」-THE NORTH-ゲネプロレポート。苦境に陥るノースセクターで，大事件が発生！

　Happy Elementsのカカリアスタジオが手掛けるヒーロー育成コマンドバトルRPG「エリオスライジングヒーローズ」（iOS / Android）を原作とした舞台の第3弾，Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」-THE NORTH-の東京公演が，2025年1月11日に幕を開けた。

　東京公演は品川プリンスホテル ステラボールにて1月11日〜1月19日まで，大阪公演は1月25日と26日に森ノ宮ピロティホールにて上演される（1月11日，26日公演は配信あり）。今回，物語の中心となるのはノースセクターの『ヒーロー』たちだ。

　本稿では，関係者/マスコミ向けに行われた取材会並びにゲネプロ公演の様子をお伝えする。なお，物語に関する記述，公演中の写真が含まれるので，観劇予定でネタバレを避けたい人は注意してほしい。

バラバラだけど心はつながっているノースセクター

　ゲネプロ公演前に行われた取材会には，ノースセクターのキャストである富本惣昭さん（マリオン・ブライス役），菊池修司さん（ヴィクター・ヴァレンタイン役），佐藤祐吾さん（如月レン役），木村優良さん（ガスト・アドラー役）が参加し，作品への想いを語った。

――本作の注目してほしいポイントを教えてください。

マリオン役 富本惣昭さん（以下，富本さん）：
　本作の見どころとしては，やっぱりアクションステージということで殺陣ですね。殺陣師の方に教えていただきながら，僕たちキャストがそれぞれのキャラクターと向きあって工夫してきたので，注目してほしいです。

ヴィクター役 菊池修司さん（以下，菊池さん）：
　ノースの4人が，結構バラバラなキャラクター性かつ，それぞれの思いがある中で，最終的に一致団結して戦って事件を解決するっていうお話自体もとても面白いものになっています。

　ノースならではの空気感が，存分に出ているものになっていると思いますので，そのあたりを楽しんでいただきたいです。

レン役 佐藤祐吾さん（以下，佐藤さん）：
　僕は初演（第1弾：Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」）以来の出演です。そのときは，ノースとしてはガスト役のまさ（木村優良さん）と2人での出演でした。そして今回は，初めてノース全員揃っての出演となります。新しいキャラクターが加わった中での関係性だとか，そういうものに注目してほしいですね。

ガスト役 木村優良さん（以下，木村さん）：
　ノースはもちろんなんですけども，それ以外の大人組が，僕らでは出せない色気というか“メジャーヒーロー”としてのあり方を見せてくれます。その活躍があってこそ僕たちにつながっていたと思うので，注目していただきたいです。

――役作りで苦労した点はどこですか？

富本さん：
　マリオンは最年少メンターで，すごく実力のあるキャラクタ―です。かっこいいのはもちろんなんですけれど，その中に「どうやって可愛さ，少年らしさを出したらいいんだろう」というところに苦戦しました。吉谷さん（演出：吉谷晃太朗氏）から助言をたくさんいただいたり，自分で「こうしてみよう！」というのがあったり，いろいろと模索しましたね。

菊池さん：
　僕が演じるヴィクターは，所作や佇まいなどに，より色濃くキャラクター性が出ていると思っています。ヴィクターとして，ほかのキャラクターとは1個違う存在であるべきだなと個人的に考えていたので，研究熱心なヴィクターを演じられるように意識しました。また，殺陣をしているのですが，髪が長いので，蹴りの仕草などでの“なびかせ方”もぜひ注目してもらえたらなと思っております。

佐藤さん：
　いい意味で初演と変わらずと言いますか，レンの目的自体も一緒なので，気持ち作り的には変わらずです。今回はノースの物語なので，レンだけではなく，マリオンたちのストーリーも同時に進行していきます。その中で自分はどういう立ち位置で，どう動いたらいいんだろうなっていうのはすごく苦労しました。

木村さん：
　初演の時は，レン役の（佐藤）祐吾と2人で一緒に役作りしていました。今回，ガストの過去が原作ゲームで明かされたことで，これまで（役を）作ってきたものとは，また違うベクトルでガストを演じました。それがものすごく難しかったですね。

　あと，ノースのメンバーは，本当に個性強くて，自我も強くて，そんなバラバラな人たちをまとめるガストの忍耐力がすごいなと。役作りというか，今回の作品をとおしてこのヒーローたちと絡んで，あらためて気づけたところは多くありました。

――ノースセクターの関係性を教えてください。

木村さん：
　僕は，2人（富本さん，菊池さん）と出演するのは初めてで。そうちゃん（富本さん）は，初対面と変わらない真面目な子なんだなと思いました。しゅうちゃん（菊池さん）は，「変わった人かな？」と思ったら，変わった人だったからそのとおりでした（笑）。

　チームとしては，そんなに「作り上げよう」というのはなかったのかなと。ちょっとした座談会やシーンの話をしただけで，気が付いたらすごく仲良くなっていたという印象ですね。

佐藤さん：
　キャラクター間で言うと，バラバラで個性が強く，でも実力はあるという感じなんです。だから台本上でもそんなに一緒に行動するシーンがなくて，セリフの関わり合いで相談して仲良くなるというのはなかったですね。

　でもプライベートでは相性が良いというか，楽屋でもみんな一緒にずっと固まってしゃべっているくらい不思議と仲良くなれました。そのため物語最後のノースがちょっと打ち解けあったような空気感も，自然に出るのかなと思って。すごく居心地はいいですね。

菊池さん：
　それぞれのセクターに色があって，いいなと思っています。ノースは本当にバラバラなんですけど，心だけはすごくつながっている4人だなっていうのが，セリフだったり，行動だったりで表れていて。お互いのことをリスペクトして，気にかけていて，すごくステキなセクターだなと。そういったところを本編で楽しんでいただければと思います。

　プライベートは，そうですね……。いつの間にか仲良くなれたのは，ノースセクターというチームがあったからだと僕は思っているので，そのあたりにも感謝しつつ，最後まで楽しんでいけたらなと思っております。

富本さん：
　ノースセクターは，ひと言で言えばバラバラなチームだなと思います。だからこそ，チームの関係性を作るうえでどうしようかと，とくに何か悩むこともなかったです。いい意味で，各々のことをしていても「良い作品を作り上げよう」という気持ちは一緒なので。周りのお兄さんたちの力も借りてっていうのもありますけれども，自然とチームになっていった4人だなと思っています。

――最後に代表して，富本さんご挨拶をお願いします。

富本さん：
　3作目ということで，初演に負けないような熱量を持って僕たち全員が稽古をしてきました。すでに4作目となる「-THE EAST-」（2026年1月・2月上演予定のAction Stage「エリオスライジングヒーローズ」-THE EAST-）も発表されていますので，次の作品につないでいけるような作品にできたらなと思っております。応援のほど，よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

写真左から木村優良さん，菊池修司さん，富本惣昭さん，佐藤祐吾さん

苦境に陥るノースセクターで，大事件が発生！

　物語の舞台は，50年前に宇宙より飛来した高エネルギー体【サブスタンス】の力で発展した，大都市ニューミリオン。近未来的な雰囲気の都市で，本ステージの映像演出とも相性抜群だ。

　エネルギー源として街に恩恵を与える一方，さまざまなトラブルの原因にもなる【サブスタンス】の対策として設立された機構「HELIOS（エリオス）」は，【サブスタンス】より発見された能力型結晶石を用いることで，特殊能力を持つ『ヒーロー』を誕生させた。

　3年に1度行われる『ヒーロー』になるための選抜試験で合格した新人『ヒーロー』を，先輩『ヒーロー』であるメンターが教育するチームワーク研修プログラムを採用している。

　街の平和を守る『ヒーロー』たちは，4つのセクター「サウスセクター」「ウエストセクター」「イーストセクター」「ノースセクター」にそれぞれ所属し，街の平和を象徴するセクターランキングを競っている状態だ。

　本ステージは2部制で，1部はノースセクターの『ヒーロー』たちがメインとなる物語が描かれる。ステージ第3弾ということで，物語や人間関係が複雑に絡み合っている部分も多い。

　初めて本作の世界に触れる人は，事前に原作の公式サイトで世界観や『ヒーロー』たちの能力を見ておくと，物語をより楽しめるだろう。


　セクターランキングで不動の1位を誇っていたノースセクターだったが，ほかのセクターの活躍もあり首位から陥落してしまう。最年少メンターになるほど優秀なマリオンは，そのことでプライドを傷つけられ，自らの感情をコントロールできないほど苛立っていた。


　最初はツンツンした印象のマリオンだが，育ての親であるノヴァに対する心を開いた様子や，ある人物への嫉妬など，19歳の若者らしさが垣間見えて，何度もかわいいなとほっこりしてしまった。


　もう1人のメンターであるヴィクターは，【サブスタンス】の研究にしか興味がなく，ルーキーのレンは家族を殺した敵対組織【イクリプス】への復讐に囚われていて，全員見ている方向がバラバラだ。ルーキーのガストはチームをよくしようと孤軍奮闘するが，うまくいかない。

　ヴィクターは【サブスタンス】のことになると明らかに反応が変わるので，どれほど彼が心を奪われているのかひと目で分かる。レンは幸せだった過去のシーンもあり，彼が抱える悲しみ，そして【イクリプス】へと怒りが伝わってきた。そんな我が道をいくメンバーたちを，ときに和ませようと冗談を言い，時に苦言を呈せるガストはとてもいい子だ。


　そんな中，ノースの街の治安が悪化し，さらに【イクリプス】も暗躍して……。【イクリプス】にいる強敵「ゼロ」を調べるため単独で行動するキースと彼を気にかけるジェイ，幼なじみであるレンを心配するウィルなど，ほかのセクターの『ヒーロー』たちも物語に深く関わってくる。

　さまざまな人間模様，そしてトラブルが立て続けに起こっていく，スピード感がある物語なので楽しみにしてほしい。


　Action Stage（アクションステージ）ということもあり，『ヒーロー』たちのカッコいい戦闘シーンもたくさん用意されている。迫力のある殺陣は，ヒーローショーさながら。ステージ上を動き回るので，目が足りなくなる。

　ムチを振るうマリオンと粒子を操るヴィクターのアクションは，本ステージで初めて見たのだが，所作は優雅で美しいのに強者感が漂う戦いぶりがとてもカッコよかった。


　2部は，華やかなライブパートになっている。スタート時にノヴァとジェイが，ペンライトの色の変え方やライブの楽しみ方を伝授してくれた。手拍子や歓声で，一緒にステージを盛り上げられるノリのいい曲がたくさんあるので，期待してほしい。

　各楽曲の前に，『ヒーロー』たちの日常をのぞけるドラマが見られるのも魅力だ。【イクリプス】のシン＆シャムスのパフォーマンスでは，2人でカラオケで過ごすワンシーンが描かれていて爆笑してしまった。本編との温度差がすごい。

　2人が「AB響喚」を歌唱中は，スクリーンに歌詞や間奏時間が映し出され，カラオケ風の演出がとても凝っていた。ほかの楽曲の映像演出も，とてもステキなものばかりだったので，ぜひ注目してみてほしい。

　また，楽曲の1つ「コンセプトカフェ」は，とてもかわいらしいメロディとダンスが楽しめる日替わり曲だ。ゲネプロ公演ではマリオン＆ノヴァだったが，ほかの組み合わせのパフォーマンスも見たくなった。



　本ステージのチケットは，イープラス，ローソンチケット，チケットぴあにて販売中だ。リピーター特典も用意されている。

　またStreaming+にて，Live配信も行われる。価格は，単品各公演は3600円（税込），1月11日（東京）通しチケット／1月26日（大阪）通しチケットは各6700円（税込），東京・大阪4公演通しチケットは1万2400円（税込）だ。アーカイブ期間はチケットごとに異なるため，公式サイトで確認しよう。

Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」-THE NORTH-

■公演日程
【東京】2025年1月11日〜1月19日
会場：品川プリンスホテル ステラボール
【大阪】2025年1月25日，26日
会場：森ノ宮ピロティホール

■キャスト（敬称略）
マリオン・ブライス役：富本惣昭
ヴィクター・ヴァレンタイン役：菊池修司
如月レン役：佐藤祐吾
ガスト・アドラー役：木村優良
ウィル・スプラウト役：蔵田尚樹
ノヴァ・サマーフィールド役：横井翔二郎
シン役：大隅勇太
シャムス役：杉江大志
キース・マックス役：稲垣成弥
ジェイ・キッドマン役：寿里

【アンサンブル】
田中慶
松崎友洸
大塚悠斗
森本竜馬
石澤友規
山口渓
山川源太
末髙伊織

■声の出演（敬称略）
ジャック02役：折笠愛
ジャクリーン役：田中あいみ
シリウス役：小野健斗
鳳アキラ役：糸川耀士郎
如月シオン役：安住奈桜

■STAFF（敬称略）
原作：『エリオスライジングヒーローズ』（Happy Elements株式会社）
演出：吉谷晃太朗
脚本：米山和仁（劇団ホチキス）
アクション監督：奥住英明（T.P.O. office）
振付：MAMORU
主催：ASエリオスR製作委員会

（C）2022 Happy Elements K.K／AS エリオス R 製作委員会

Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」-THE NORTH-公式サイト