カフカの「変身」をモチーフにしたアドベンチャーゲーム，「Metamorphosis」のトレイラー公開

　ポーランドのAll in! GamesとOvid Worksは，フランツ・カフカの小説「変身」をモチーフにした新作「Metamorphosis」を，2020年内にリリースすると発表し，トレイラーを公開した。対応機種はPCおよびPlayStation 4，Xbox One，Nintendo Switchが予定されている。

「Metamorphosis」公式サイト

　1915年に発表された小説「変身」は，ある朝目を覚ますと人間サイズの毒虫になってしまった主人公グレゴールが，家族に不気味がられながらも生活を続けていくという内容で，近代ヨーロッパの不条理文学の代表作として知られている。
　ゲームは，グレゴールが小さな昆虫になったという設定で，友人のジョセフが理由も分からないまま逮捕されたことから，彼を救出するために難攻不落の「塔」に潜入していくことになるという，カフカの「審判」や「城」の要素も組み込んだ設定になっているようだ。


　戦争に疲弊した20世紀初頭のヨーロッパを思わせる世界を，昆虫の視点からシュールに描いた本作。トレイラーでは粘着性の手足を使って壁を登るなど，パルクール移動を駆使する様子も見られる。全体的としてはパズルに比重が置かれているようで，ジョセフを救出しながら自分の身に起きたことを解明していくとのこと。


　開発のOvid Worksは，1970年代のSF映画を題材にしたVRゲーム「Interkosmos」（2017年）でデビューした新しいデベロッパで，現在，17人ほどのメンバーが在籍するという。本作は，2020年2月にボストンで開催されたゲームイベント「PAX East」に出展されており，それなりの評価を得たようだ。Steamのストアページによればインタフェースとテキストが日本語に対応するとのことで，本作の奇妙な世界に飛び込める日を楽しみにしたい。