「ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜」の発売日は6月30日。3週連続インタビュー企画の第2回“原画・sheepD氏編”が公開

　合同会社HAVENは本日（2021年6月23日），新ゲームブランドLily spinelのPC（Steam）向け恋愛アドベンチャー「ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜」の発売日が，6月30日予定であることを明らかにした。これに合わせて，制作チームインタビューの第2回「原画・sheepD氏編」が公開されている。

　鎌倉のお嬢様学校「私立桔梗女学園」を舞台に，少女・湊 汐里（CV：門脇舞以）と倉橋海琴（CV: 倉知玲鳳）の“少女同士の恋”が描かれる本作。3週連続インタビュー企画の第2回は，原画を担当したsheepD氏が登場。学生の制服が大好きだというsheepD氏は，キャラクターデザインより先に制服デザインを提出し，頼まれてもいないのにエンブレムまでデザインしたとか。
　そんなsheepD氏のこだわりのポイント，制作時のエピソードなどがインタビューでは語られている。


　3週連続インタビューの最終回となる次回は，発売日となる6月30日に掲載。シナリオを手掛けた御厨みくり氏が登場の予定だ。

「ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜」公式サイト

『ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜』
制作インタビュー 第2回　原画　sheepD氏

２０２１年初夏、新ゲームブランドLily spinelより、あなたをすきになっていく百合恋愛ADV『ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜』のリリースが発表されました。

舞台は梅雨の鎌倉。私立桔梗女学園は、携帯電話・スマホ一切の持ち込みが禁止されおり、今でも手紙文化が主流として残るエスカレーター制のお嬢様学校です。

一通の脅迫状によって導かれた、手芸が趣味のどこにでもいる女の子 湊 汐里（CV：門脇 舞以）と、学内で人気の少女 倉橋 海琴（CV: 倉知 玲鳳）。二人の歪んだ恋が始まっていきます……。

この耽美な世界を見事表現した原画を担当されましたsheepDさんに『ツユチル・レター〜海と栞に雨音を〜』制作秘話をインタビューしていきます！

sheepDさん、よろしくお願いします！

●『ツユチル・レター』について

――初めて企画を聞いたときの印象はいかがでしたか？

sheepDさん：
これは……まさにわたしの理想の百合世界！！　となりました。伝統校女子校！　閉ざされた乙女達の世界で続いている古めかしくも奥ゆかしい慣習……。理想オブ理想です。

――『ツユチル・レター』にはどのようにして参加することになったのでしょうか？

sheepDさん：
突然オファーのメール連絡をいただきました。驚きました。

――ゲームの原画を担当されるのは初めてだとお伺いしましたが、実際にはいかがでしたか？

sheepDさん：
不慣れゆえにたびたびご迷惑をおかけすることに（汗）。イベントCGに表情差分が付くことすら思い至らないレベルの素人でしたので、最初から最後まで根気強く丁寧にご対応くださった制作スタッフの皆様には感謝しかありません。今回は本当に色々勉強させていただきました。

●キャラクターデザインについて

――キャラクターデザインをする際、どんなことを手がかりにして制作されたのでしょうか？

sheepDさん：
基本はいただいた企画書や発注書の内容からキャラクターの容姿などを考えていくのですが、各キャラの設定がとても詳細でしたので、そこから自分なりの肉付けをしていきました。


例えばヒロインの汐里は趣味でレース編みをするので、髪にリボンをつけて「自分で編んだレースリボンかな？」などと想像しながらデザインしたり、制服の着こなしも各キャラで違っているのですが、性格などからキャラ達が好みそうなアレンジを考えさせていただきました。

靴はストラップシューズとローファーの2種、ソックスも違うので見ていただけたら。ここポイントです（笑）

――ご自身のイラストの強みや特徴を、キャラクターに反映させる際に意識されたことなどはありますか？

sheepDさん：
学生制服が大好きなので、制服デザインには拘りました。キャラクターデザインより先に制服デザインを提出したくらいです（笑）。

頼まれてもいないのにエンブレムまでデザインしまして、採用されて嬉しかったです。わたしは漫画制作もしているのですが、元々閉鎖的な女子校世界の学生百合を描いていて、今回の世界観にはすんなり馴染んで制作することができました。

ある意味得意分野ですので、キャラクターデザインを考えるのはとても楽しかったです。

――一番難産だった子はどのキャラクターですか？ それはまたなぜでしたか？

sheepDさん：
凪紗（伏見凪紗 CV：岡本理絵）ですね。唯一ショートカット指定のキャラで、ショートで個性を出すには……とかなり頭を捻りました。

伏見凪紗

――逆にデザインをしていく上で「ここは上手くいった」と思うところなどありますか？

sheepDさん：
制服ですね！（笑）。自分史上最高に気に入っています。どなたかコスプレとかしてくださらないかな？と思ってます（笑）

●原画制作について

――どれくらいの期間で制作されたのでしょうか？

sheepDさん：
キャラクターデザインは昨年夏から、イベントCGは年末あたりからですから、通して8ヶ月くらいでしょうか。わたしの手が遅くて、予定より長引いてしまいました。

――制作期間中の印象的なエピソードなどあれば教えて下さい。

sheepDさん：
OPムービーを見せていただいた時、キャラが動いていたのでびっくりしました。え？　なんで髪なびいてるの？　って（笑）。今後は動かしやすいようにパーツを分けて描こうと心に決めました。

――制作中、一番大変だったことはどんなことでしたか？

sheepDさん：
動かすことを考えていなかったので、レイヤー未統合ファイルをお渡しする段になってレイヤーマスクを作り直したりする羽目になり、すごく大変でした。自分の不勉強さを呪いました。

――百合作品のイラストを描かれる際、一番こだわる部分はどんなところですか？

sheepDさん：
2人以外誰も入り込めない空気感を出したいと思って描いています。あとは手です。女性のパーツの中でもとても綺麗に感情を表現できる部分だと思います。


――sheepDさんのお気に入りの一枚は？

sheepDさん：
今回描かせていただいたジャケット絵です！

●ファンの皆様へ

――sheepDさんの思う一番の見どころはどんなところですか？

sheepDさん：
キャラクター達の繊細な心の機微に注目いただきたいです。百合で最も大事なのは心の動きや感情の流れだと思っています。それがとても丁寧に書かれている作品なので、ヒロイン達と一緒に感情の波に揉まれていただきたいです。

――この作品がどんな人に届くといいと思いますか？

sheepDさん：
少しクラシックで王道な百合を楽しんでいただける方にぜひお届けしたいです。こういった世界観を未体験の方にも届いたらいいな？　そして気に入っていただけたらいいな？　と思っています。

――最後に作品を待つファンの皆様へメッセージをお願いします。

sheepDさん：
今後も精進を重ねつつ素敵な百合をお届けできるようにがんばりますので、お付き合いいただけますと幸いです。いつも応援していただきありがとうございます。

――ありがとうございました！

sheepDさん：
ゲーム原画という新しいチャレンジの中で生まれたかわいいキャラクター達と一緒に、脅迫状から始まる物語の行方を見届けてくださいね！

文責・真鶴コウ


sheepD
埼玉県在住のイラストレーター／漫画家。主に百合ジャンルで活動させていただいています。空気感のある作風を目指しています。

Twitter : @sheepD_