紹介記事
アトラス×ヴァニラウェアの新作「ユニコーンオーバーロード」の物語や遊び方の“基本”を紹介。じっくり進めることでゲームの面白さが見えてくる!
そんな本作の世界観や物語,ゲームの進め方などの基本をまとめたので,20時間ほどプレイした感想と合わせてお届けしよう。最初は「覚えることが多くて難しそう……」となるかもしれないが,じっくり進めて仕組みを理解することでゲームの面白さが見えてくる!
「ユニコーンオーバーロード」公式サイト
世界観と物語
ゲームの舞台となるのは大陸フェブリス。この大陸には,コルニア王国,ドラケンガルド王国,エルヘイム,バストリアス,アルビオン教国という5つの大きな国があり,人間やエルフ,獣人,有翼人といった多様な種族が各々の国や地域で独自の文化を育んでいる。
ユニコーンオーバーロードの物語は,聖歴895年にコルニア王国で発生したヴァルモア将軍の反乱から始まる。自らを古代ゼノイラ帝国の末裔でフェブリスの支配者となる者・ガレリウスと称する将軍の強大な力によって,コルニアの王都グランコリヌは陥落。さらに戦火は大陸全土に広がり,ガレリウスが興した新生ゼノイラ帝国によって大陸全土が支配されてしまう。
コルニアの滅亡からおよそ10年のときが経ったころ,ゼノイラと戦うため一人の若者が立ち上がった。若者の名前はアレイン。グランコリヌ襲撃の際,女王イレニアによってパレヴィア島へと密かに逃がされたコルニアの王子だ。以来,剣術や軍隊戦術を学んできたアレインは,大陸を闇の支配から解き放つべく,解放軍を率いてゼノイラに戦いを挑む。母イレニアに託された一角獣の指輪が持つ不思議な力に招かれるように。
ゲーム進行とシステム:フィールド探索
ゲームの基本的な部分となるのが,広大なフィールドを行き来しながら行う探索だ。フィールドを歩き回っていると,敵と遭遇したり,困っている人に話しかけられたりといった形でいろいろな出来事(クエスト)が発生する。
メインストーリーが進む「MAIN QUEST」のほか,ゼノイラの支配下にある町や拠点を解放する「LIBERATE QUEST」や新たな人物との出会いがある「SUB QUEST」,町の復興物資の納品や橋の修復といったお願いごとなどをこなす「FIELD QUEST」,入手した地図をヒントに宝を探す「TREASURE QUEST」など,バトルに探し物,調査とその種類もさまざま。クエストが発生しても即チャレンジとはならず,すべてリスト化されて地図上にアイコンで表示されので,いつ進めるかはプレイヤー次第だ。
優先的に進めたいのが町の解放と復興だ。クエストのバトルでゼノイラ軍に勝利して町を解放することで,武器屋や道具屋といった町の施設が使えるようになる。また敵が撤退することで町の周囲を探索しやすくなり,エリアによっては戦力強化に欠かせない砦も開放される。
支配によって荒廃した町は,資材を納品して復興させよう。港町ではほかの島に行ける港,城塞都市などの大きな町では食事をとれる宿屋といったように,復興させることで利用できる施設や機能が追加される。復興に必要な資材は,フィールドの各地にある採取ポイントで集めよう。
町に守備兵を任命するのも忘れずに。復興させた町には,仲間を1人だけ守備兵として配置させられる。守備兵を配置すると,ステージクリアの際に報奨金がもらえるようになり,また発見済みの採取ポイントがあれば自動で採取を進めてくれる。なお,守備兵として配置した仲間は戦力から外れることはなく,ほかの仲間と同様にバトルに編成できるので,気兼ねなく仲間たちに町の守備を任せよう。
さまざまなクエストをクリアし,町を復興させていくことで解放軍の「名声」が上がっていく。さらに「名声ランク」がアップすると,傭兵の雇用や自軍ユニットの編成枠の拡張,ユニットのクラスチェンジといった機能が開放される。町をゼノイラの支配から解放し復興させることで名声を得,さらなる強敵との戦いのために戦力を増強させよう。
ゲーム進行とシステム:バトルと育成
フィールドでステージ出撃のアイコンを選択するとバトル開始だ。
ステージ(戦場)では,敵味方ともにユニットがリアルタイムで行動する。プレイヤーは青い旗が立つ自拠点からユニットを出撃させて,移動や戦闘の指示を出しながらステージクリアを目指す。制限時間内に敵将撃破や拠点の制圧といった勝利条件を満たすとクリア。逆に制限時間を超えたり,敵に自拠点を制圧されたりするとゲームオーバーとなる。
1ユニットに編成できるのは1人〜5人で,前述のとおり編成できる人数は名声ランクによって開放される。キャラクターにはそれぞれ兵種(クラス)が決められており,それぞれに得意とする武器やスキル,ほかのクラスとの相性の良し悪しがある。また,移動タイプは,一般的な「歩兵」と移動速度が速い「騎馬」,川や山を飛び越えて移動する「飛行」という3つの移動タイプがあり,ユニットのリーダーによってタイプは変化する。
ユニットは拠点内で編成を変えられるので,各ステージの敵ユニットとの相性を考慮しながら出撃させるユニットを再編成することも可能だ。
敵と接触するとエンカウント状態となり,「戦闘」を選択するとバトルに移行する。戦闘の決着がつかなかった(どちらも倒れなかった)場合,戦闘後の残りHPが少ないユニットが敗北となり,弾き飛ばされて「ウェイト状態」に。状態が解除されるまでの一定時間行動できなくなり,また攻撃されると必ず先制攻撃を取られるので,これは避けたいところ。近くに仲間ユニットがいれば「チェンジ」で戦うユニットを切り替えられるので,敵ユニットとエンカウントしたときは,味方の状況や敵との相性などに応じてチェンジを活用しよう。
敵ユニットとのバトルは,さまざまなルールを元にオートで進む。戦闘の行動順は各キャラクターの「行動速度」によって決められ,行動順が回ってきたキャラクターは,赤い宝石で表示されるAP(アクティブポイント)を消費して「アクティブスキル」を発動。敵味方双方がAPを使い果たすか,どちらかが全滅すると戦闘は終了する。
戦闘中のスキルにはもうひとつ,PP(パッシブポイント)を消費して発動する「パッシブスキル」もある。こちらは「戦闘開始時」「攻撃を受けたとき」といった条件で自動で発動するスキルで,先制攻撃やダメージ回避,仲間の回復,バフ/デバフなどその種類もさまざまだ。
戦闘を有利に進めるためにしっかり考えたいのが,キャラクターごとに使用するスキルの優先順位や使用条件を設定できる「作戦」だ。作戦ではスキル使用の優先順位だけではなく,そのスキルをいつ誰に使うのか,隊列や兵種,編成人数,残りHPの割合といった状況に合わせてかなり細かく発動条件を設定できる。スキルごとに2つまで設定でき,お気に入りの作戦はクラス別で5つまで保存可能だ。
なお,作戦の指定がない場合は基本的に正面の敵を狙う。作戦と装備は「おまかせ」で自動でセットできるので,設定が難しいと感じた人はまずおまかせで試しながら覚えていくといいだろう。
ゼノイラの支配から世界を解放するには,ともに戦う仲間たち(ユニット)の強化と育成を進めることが重要だ。
シャーマンのセルヴィを仲間にすることで開放されるフリーステージ「古代の魔法陣」に挑む,ステージの報酬やフィールド探索で入手できる「指南書」などの育成アイテムなど,経験値獲得やレベルアップの手段は複数ある。バトルが苦手で推奨レベルでもなかなかステージをクリアできないという人は,それらを活用してキャラクターを育てるといいだろう。
また,親密度が高いキャラクター同士を同じユニットに編成すれば,「編成ボーナス」によって特定のステータスが上昇する。親密度は,同じユニットで戦い続けたり,宿屋で一緒に食事をしたりすることで上昇するので,このあたりを意識してゲームを進めるといいだろう。
そして,名声ランクをB以上にすることで実行できるクラスチェンジ。それ相応の勲章を消費しなければならないが,そのぶんステータスは大きく上昇し,さらに新たなスキルも追加される。まずは名声ランクBの達成というなかなかの大きな目標があるが,町の解放と復興,さまざまなクエストをクリアしながら名声と勲章を獲得し,それを達成しよう。
覚えることはたくさん。じっくり遊んで仕組みを理解し王道ファンタジーゲームを楽しもう
今回,発売前に開発中のバージョンを20時間ほど体験できたのだが,プレイしてまず感じたのがフィールド探索の面白さだった。
あちこちで発生するクエストはもちろんなのだが,ただ歩いているだけで「えっ,こんなところに行けるんだ」「この遺跡はなんなのだろう」という発見がたくさんあって楽しい。ゼノイラ支配下にある(敵が襲ってくる)エリアでも,敵の動きをかわしながらけっこうごり押しで探索できるのもスリル感込みでとても良い。
なにより,(推奨レベル40なのでそのままではほぼ無理だが)やろうと思えば序盤でガレリウスとの最終決戦に挑めるというのもニヤリとする。メインクエストを進めることによって探索できるエリアが広がっていくという,ある程度は導かれたゲーム進行にはなっているが,その範囲でできることの多さと自由さは,本作の大きな特徴と言えるだろう。
バトルのシステム周りは,段階的にかつ丁寧に説明が入るものの,なにせ覚えることが多い。それだけプレイヤー自身が思考して楽しめる部分が多いわけではあるのだが,物語メインで楽しみたい人や初めて本格的なシミュレーションRPGを遊ぶという人は,ハードルの高さを感じるかもしれない。また情報量が多く,ユニット編成やキャラクターの作戦編集などでできることもたくさんあるぶん,操作やUIへの慣れが必要でもある。
なお,難度を低めに設定すれば,作戦はいじらずレベルとユニット編成を気にする程度でゲームを進められる。が,それだとバトルが同じことの繰り返しのようになって退屈してしまうと思うので,個人的にはぜひともじっくりシステムを理解し,手応えのある難度で作戦の設定込みで楽しんでほしい。
最初にいっぺんに仲間を増やしてしまうと,誰がどういう特徴を持つキャラクターか収拾がつかなくなる(実際,筆者がそうなった)ので,システムを理解するまでは,ひとり仲間が増えたらその兵種やスキルの特徴を覚えてまた次の仲間を増やしていく……というように,じっくり進めていくのがオススメだ。
そして世界観とストーリーは,ビジュアルや物語のイントロダクションでイメージできるとおり,これぞ“ファンタジーの王道”と言えるものだ。なるべくまっさらな気持ちで物語を楽しんでほしいので詳しくは語らないが,仲間になる者,相容れない者それぞれにドラマがあり,クエストをとおして描かれるさまざまな物語や出来事を追うことで,世界全体が見えてくるところが本作の世界観とストーリーの特徴と言えるだろう。
そしてゲーム全体のボリューム。今回の試遊ではひとつのステージで違うユニット編成で挑んだり,難度を変えたりといろいろ試していたぶんプレイ時間は長くはなっているが,最初に開放されるコルニア一帯のクエストをいくつか残しつつ,次に進めるようになるドラケンガルド王国とエルヘイムそれぞれのメインクエストを1つ進められたくらいだった。低めの難度であればもう少しサクサク進むかもしれないが,それでも相当なボリュームだと言えるだろう。
覚えることがたくさんあるシステム面は人を選ぶところはあるが,ファンタジー作品が好きな人,時間をかけてじっくり遊ぶゲームを探している人にはオススメできる一作だ。なお各プラットフォームにて,ゲームの序盤を想像以上にたっぷり(約5時間)遊べる体験版が配信されている。セーブデータは製品版に引き継げるので,気になる人はまずそれから試してみるといいだろう。
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