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プレイヤーが戦場を変える。「Battlefield 6」の破壊表現と自由度の進化を体験。“Portal”のアップデートにより,マップ編集ツールも公開
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「Battlefield 6」,2025年10月10日にリリース決定。多彩なゲームモードやマップをフィーチャーした最新作は,8月にオープンβテスト実施

Electronic Artsは本日(2025年8月1日),シリーズ最新作「Battlefield 6」を10月10日にリリース予定であること,さらにマルチプレイヤーモードの詳細を公開した。アメリカで開催されているイベントで明らかになった情報をお伝えする。
「Battlefield 6」公式サイト
「こちら」の記事でも紹介しているように,「Battlefield 6」は10月10日に発売予定であり,8月にはオープンβテストの実施がアナウンスされている。ゲームエンジンやマルチプレイの開発を担うスウェーデンのDICE,マルチプレイやビークルを手がけるイギリスのCriterion Games,コア体験の調整を担当するロサンゼルスのRipple Effect,そして前作「Battlefield 2042」になかったシングルプレイヤーキャンペーンを開発するMotive。4社のスタジオが,Battlefield Studiosとして共同開発を進めている。
さらに,「Battlefield Labs」と名付けられたコミュニティ主導型の開発体制を採用し,これまでに何度もクローズドβテストを繰り返している。先日公開されたシネマティックトレイラーは,公開から1週間で850万以上の再生回数となり,シリーズ最新作への期待の高さがうかがえる。
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イベントの初日に公開されたのは,エジプトの首都カイロを舞台にした「Siege of Cairo」,ニューヨークをモチーフにした「Empire State」,中央アジア高地を思わせる「Liberation Peak」,そしてヨーロッパの田舎町風の「Iberian Offensive」という4種のマップ。ゲームモードはConquest,Team Deathmatch,Breakthrough,そしてDominationである。オープンβテストと同じ内容であると思われる。
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本稿では,試遊して分かった「Battlefield 6」のポイントと筆者の印象をまとめておこう。
原点回帰したゲームシステムや臨場感の高さ
「Battlefield 6」はシリーズの再起をかけた原点回帰の作品である。これは,Battlefield Studiosのゼネラルマネージャーであるヴィンス・ザンペラ(Vince Zampella)氏が以前から発言していることだが,開発陣は「Battlefield 3」「Battlefield 4」の時代をシリーズの黄金期と位置付け,古参のファンに応えるべく,現代的な要素と過去作のプレイフィールの融合を目指してテスト段階から作り込みを行ってきた。
具体的には,重厚な銃撃戦の感触やUIは「Battlefield 4」に近く,物理ベースの環境破壊は「バトルフィールド:バッドカンパニー2」や「Battlefield 3」のそれに通じる。多くのプレイヤーが「Battlefield 3」を“シリーズの理想型”とするのも,粉塵と弾丸が飛び交うリアルな戦場の臨場感が大きな理由だろう。
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また,Conquestの最大プレイヤー数を128人から64人に半減させたことで,より緻密でタイトなマップを練り上げている。今回のイベントで「Battlefield 6」のConquesモードに飛び込んだ際の圧倒的な臨場感は,まさにシリーズの黄金期を想起させる高揚感があった。
昨今のFPSにありがちな,金ピカの銃や奇抜なカラーリングの装備,非現実的なガジェットなどは,少なくとも現段階では報告されていない。もちろん,試遊でも微塵も感じられなかった。
兵士たちは多様な人種で構成されているが,地に足のついたリアルなキャラクターデザインと武器の描写が徹底されている。2027年という近未来を舞台に,NATOと民間軍事企業Pax Armataが衝突する設定も説得力を持って描かれ,浮いたところはない。遊びじゃないのよ,戦場は。
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「Tactical Destruction」に進化した破壊表現
建物の倒壊などの破壊表現は,「バトルフィールド:バッドカンパニー2」以来の伝統ともいえるフィーチャーだが,「Battlefield 6」ではFrostbiteエンジン最新版によって「Tactical Destruction」へと進化を遂げた。
4月に公開されたムービーでは,ロケットランチャーが撃ち込まれた4階建ての建物の壁面が崩れ落ちる様子が確認できる(関連記事)。それだけであれば,ほかの作品でもよく見る描写に留まるのだが,「Battlefield 6」では崩れた瓦礫がほぼそのまま残り,プレイヤーは瓦礫の上を駆け上がっていくことが可能になっている。破壊をより戦術的に利用できるのだ。
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今回の試遊では,いろいろなところにロケットランチャーを発射したり,C-4を使ったりして破壊してみたが,すべての建物が破壊できるというわけではなさそう。ほかのプレイヤーの銃撃も激しく,破壊のその先の効果を確認する機会を作れなかったが,マップを熟知すれば,破壊を利用して戦術的にプレイしたり,劣勢を一気に跳ね返したりできるかもしれない。
サーバーの刷新により,レスポンスを改善
「Battlefield 6」は技術面でも大きな進化がある。サーバーは60Hzのティックレートに対応し,毎秒60回の更新によってプレイヤーの動きやヒット判定の精度を高めている。これは対戦の同期性や公平性に大きく寄与しており,他社では20Hzのタイトルもあるが,ゲーマーにとって議論の種になることもある。
サーバーの刷新によるゲームプレイの改善も明らかであり,エイムのうまい相手に狙われると走っていようが飛んでいようがしっかりとキルされる。全般的に武器のハンドリングも向上し,発射トリガー/クリックからの弾丸が画面に映り出すまでの遅延が前作と比べて短縮されており,その反応はスムーズに感じられた。
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また,武器ごとのリコイルパターンが設けられており,撃ち方や狙いどころ,その制御なども個性があり,カメラや手元の揺れといった感覚的/視覚的なフィードバックが向上している。ゲームをやり込んで武器を使いこなせば,いわゆる“マッスルメモリー”(筋肉記憶)に記録されて,慣れが生じるはずだ。
アクションでは,うつ伏せ走り(Crouch Sprint),突進伏せ(Combat Dive),着地ロール(Landing Roll),飛び越え(Vault)からの射撃移行もスムーズになっている。スピーディな「Battlefield 2042」の動きと,「Battlefield V」の滑らかなアニメーションがうまく融合している。
細かい部分に目を向けると,Supportクラスが倒れた味方を安全な場所まで引きずり,応急処置を行うアニメーション演出は見事な臨場感だ。ビークルの操作感も格段に良くなり,全般的に搭乗人数が増えたことで自由度が上がっている。
戦車の背後に2人の兵士がつかまった状態で移動もできる。前方がまったく見えないので,手を放す場所を考慮しなければならないが,装甲車やヘリを過剰に強力にするのではなく,スクワッドが揃って移動しやすくなっているようだ。
一方で,装甲車はロケットランチャーや空上からの攻撃に脆くなっている印象も受けた。
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マップ編集ツールを公開
「Battlefield Portal」はゲーマーの憩いの場に
コミュニティ向けの要素としては,「Battlefield Portal」の一新が挙げられる。マップ編集ツールの公開と,MODを統括するためのポータルへの進化だ。空間編集,AIとスクリプトによる災害や破壊の演出,建物の一部破壊を可能にするツール「Mutators」など,多彩な機能が利用できるという。
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サーバーブラウザも分かりやすくなり,武器の制限(オープン武器/クローズド武器),ハードコアモード,ビークルの有無など,自前のルールをカスタマイズしてプレイできるとのこと。MODマップの投票やコミュニティイベントなどが開催されるのは間違いなく,ローンチ後のコミュニティの中心になるはずだ。
まだ利用したことがないプレイヤーは,今のうちに「Battlefield Portal」をチェックしておくといいだろう。
「Battlefield 6」公式サイト
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