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DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応。GDC 2025で発表する話題をNVIDIAが明らかに
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印刷2025/03/13 22:00

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DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応。GDC 2025で発表する話題をNVIDIAが明らかに

画像集 No.009のサムネイル画像 / DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応。GDC 2025で発表する話題をNVIDIAが明らかに
 米国時間2025年3月17日から,米国・サンフランシスコで行われる世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference 2025」(GDC 2025)に先立ち,NVIDIAは,GDC 2025で発表予定の話題を明らかにした。本稿ではその中から,注目の話題をまとめてみよう。


DirectX 12がNVIDIAのニューラルシェーダに正式対応


 今回の発表で大きな話題は,Microsoftが,ゲーム向けAPIセット「DirectX 12」で,「Neural Shader」(ニューラルシェーダ)に対応することだ。
 ニューラルシェーダとは,NVIDIAがGeForce RTX 50シリーズの先進的な機能として実装したもので,シェーダプログラム内でAIの推論処理を利用できる仕組みだ。要は,プログラマブルシェーダから,GeForce RTXシリーズのAIアクセラレータ「Tensor Core」を利用して,さまざまなグラフィックス処理にAIを活用できるようにする技術である。
 詳しくは西川善司氏による解説記事を参照してほしい。

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 Blackwellアーキテクチャを採用するGeForce RTX 50シリーズは,アーキテクチャ的な視点で見ると,業界初のレイトレーシング対応GPUであるGeForce RTX 20シリーズ並みに見どころが多い。Blackwell解説後編では,先進的機能である「Neural Shader」を中心に解説していこう。

[2025/02/26 08:00]

 当該記事で西川氏は,「ニューラルシェーダの本格的な活用が始まるのは,DirectXが対応してからになるだろう」とまとめていたが,まさにそれがGDC 2025において発表となるわけだ。
 NVIDIAによると,2025年4月にMicrosoftがプレビューとしてリリース予定のDirect X12ソフトウェア開発キット「Agility SDK」において,ニューラルシェーダに対応するという。

早くも2025年4月のSDKで,DirectX 12がニューラルシェーダに対応する
画像集 No.002のサムネイル画像 / DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応。GDC 2025で発表する話題をNVIDIAが明らかに

 Agility SDKのプレビューリリースに盛り込まれる新機能は,MicrosoftのDirectX Developer Blogに詳細が掲載されるのが恒例なので,興味がある人は,4月のリリースに向けて同Blogをチェックしておくといいだろう。

 ニューラルシェーダがどのような形でDirectX 12に取り込まれるかといった詳細は,現時点で明らかではない。その詳細は,GDC 2025で公表されるだろう。
 また,西川氏の解説記事にあるとおり,ニューラルシェーダはGeForce RTX 50シリーズ限定ではなく,Tensor Coreを搭載するGeForce RTXシリーズGPUで利用できる技術だ。DirectX 12に正式に取り込まれる以上,AMDやIntelのGPUも,いずれ対応することになると思うが,それらの動向についても,今後明らかになっていくはずだ。

 やや余談だが,NVIDIAがGPUにTensor Coreを集積した第1世代となる「GeForce RTX 20」シリーズが登場したのは2018年のこと。当時は,AIアクセラレータをPC向けGPUに集積することについて懐疑的な反応もあった。「NVIDIAは,貴重な半導体を割いてTensor Coreを載せてしまったから,仕方なく超解像技術DLSSを推しているのだ」という,ネガティブな意見も珍しくなかったと記憶している。

 DLSS 3.5における「レイの再構成」(Ray Reconstruction)で,Tensor Core活用を一歩踏み込んだな,という印象があったが,ついにDirectX 12のレンダリングパイプラインにも,AIアクセラレータが組み込まれることになったわけだ。NVIDIAによる7年越しの努力が実ったと見れば,なかなか感慨深いものがある。


過去の名作を最新技術でリマスタする「RTX Remix」が正式版に


 NVIDIAが,旧作ゲームのリマスター版開発を支援するプラットフォーム「RTX Remix」は,これまでオープンβ版として提供されてきた。それがGDC 2025で,正式版をリリースすることが発表となる。

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 RTX Remixは,DirectX 9やそれ以前の固定パイプラインを用いたゲームを,レイトレーシングを始めとする現代的な技術で美しく表現する技術だ。同時に,NVIDIAにとっては,最新技術のテクノロジーショーケースにもなっている。
 NVIDIAによると,正式版に移行するRTX Remixには,以下の技術を盛り込んでいるという。

  • ニューラルシェーダとニューラルレンダリング技術
  • 「DLSS」の新しいトランスフォーマーモデル
  • 4K解像度のテクスチャを効率的に扱える新しいテクスチャストリーミング

 次に示すスライドは,NVIDIAがRTX Remixに盛り込んでいるニューラルレンダリング技術によって,「Portal」のリマスタ版「Portal with RTX Remix」のフレームレートが,β版と比べて正式版でどの程度向上したかを示している。

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 スライドにある「Neural Radiance Cache」とは,AI技術を使って大局照明を実現する技術のこと。間接光を厳密に計算するのではなく,AIによる推論で計算することで,リアリティを損なうことなく品質と高速化を両立させるという。それに先述の新しいテクスチャストリーミングと,トランスフォーマーモデルを使用した超解像/フレーム生成技術「DLSS 4」を組み合わせることによって,スライドのようなフレームレートが得られるというわけである。

 そのほかにもRTX Remixの正式版には,キャラクターのスケルトン(骨格)を破綻なくGPUで再構成する機能や,「ReSTIR」アルゴリズムで再構成したボリュメトリック(間接光)システム「RTX Volumetrics」といった,NVIDIAによる最先端のグラフィックス技術が盛り込まれているそうだ。

 RTX Remixの正式版をフルに使ったタイトルとして,「Half-Life 2 RTX」のデモ版が,3月18日にSteamで公開するそうだ。同作のオリジナル版を持っているゲーマーなら,無料でフル版をプレイできるそうなので,GeForce RTXシリーズのGPUを持っているゲーマーは,期待しておくといいだろう。

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「ACE for Game」やDLSS 4採用タイトルの新情報も


 GDC 2025でNVIDIAは,AI技術を使ってゲームのNPCにリアリティをもたせる「ACE for Game」や,GeForce RTX 50シリーズで利用できるDLSS 4採用タイトルに関する追加情報を公開する。

 ACE for Gameについては,活用事例として以前から挙げられていたライフシミュレーション「InZOI」や,アクションアドベンチャー「NARAKA: BLADEPOINT」,GDC 2025で発表予定の新作FPS「Black Vultures: Prey of Greed」,シューティングゲーム「Fate Trigger」が採用するそうだ。

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 InZOIでは,「Smart ZOI」と呼ばれるNPCが,ACE for Gameによる大規模言語モデルで行動したり喋ったりするとのこと。

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 一方,NARAKA: BLADEPOINTでは、ACE for Gameを用いたAIチームメイトが参加するそうだ。プレイヤーは,声を出して話すAIチームメイトと会話もできるという。ただ,NARAKA: BLADEPOINTにACE for Gameを実装するのは,中国で先行リリースされるmobile PC版からで,グローバルでのサービス開始は2025年後半になるという。

 また,DLSS 4については100タイトル以上が対応し,新たな対応タイトルも発表されると,NVIDIAは予告している。

新しいDLSS 4対応タイトルの例
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 余談だが,NVIDIAは,GeForce RTX 50シリーズ発表時に,DLSS 3に対応しているタイトルは,NVIDIA Appに新設された機能「DLSSオーバーライド」を使うことで,DLSS 4に対応させられるとアピールしていた。だが,蓋を開けてみると,DLSSオーバーライドの項目がグレーアウトしており,設定できないタイトルが非常に多い。
 NVIDIAによると,以前のDLSS SDKには,前方互換性(※今後リリースされる可能性がある新機能に対する互換性)が組み込まれていなかったそうだ。そうした古いSDKで開発されたゲームでは,DLSSオーバーライドが機能しないのが理由である。

 NVIDIAは現在,ゲームデベロッパに「SDKの更新が可能かどうか」と,問い合わせを行っているという。現時点でDLSSオーバーライドを利用できないタイトルでも,今後は利用できる可能性があるようだ。DLSSオーバーライドが使えないタイトルがあまりにも多い現状だが,今後の対応に期待しておこう。

NVIDIAのGDC 2025特設Webページ(英語)

  • 関連タイトル:

    GeForce RTX 50

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