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【case.II 裏辻リノ】音楽一家に生まれた彼の“罪”とは――“蓄音機”として扱われる「OVERNIGHTZ」被験報告

 Rejetの新作シチュエーションCDシリーズ「OVERNIGHTZ」(オーヴァーナイツ)は,2025年10月に発売された「case.I 鷹司アオ(CV.小野友樹)」を皮切りに,全3作で展開される。

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 名家の御曹司 鷹司アオが示す愛は,“犬”として躾けるという独特なかたち。新作シチュエーションCD「OVERNIGHTZ」case.Iは,10月22日発売予定だ。本稿ではその“歪んだ愛”を被験報告として整理し,露わになる彼の執着を観察記録としてお届けする。

[2025/10/08 18:00]

 4Gamerでは本作の魅力をより深く伝えるべく,全3回にわたり“被験報告”の形式でレポートを掲載していく。実際に聴取して得られた観察結果や注目点を整理し,記録としてまとめる形だ。

 第2回となる今回は,11月26日発売予定の「case.II 裏辻リノ(CV.吉野裕行)」を紹介する。記事の最後には,一足先に本編を試聴した関係者からのコメントも掲載しているので,あわせてチェックしてほしい。



被験者概要:才能に恵まれなかった,音楽一家の嫡男


 今回,被験者として選定されたのは,音楽一家の嫡男である裏辻リノ。両親からの期待とは裏腹に才能に恵まれず,その苦悩や孤独が随所に描かれている。静かな狂気と繊細な感情が交錯する,印象的な人物像だ。

裏辻リノ(CV:吉野裕行)
名家・裏辻家の一人息子。
著名なチェロ奏者の父とピアニストの母を持ち、上流階級で育てられた。
しかし、彼自身が音楽の才能に恵まれなかったことから、両親は仲違いをし、家庭は荒れ果てていく。そんな中、父の弟子として父親の甥である少年が裏辻家に現れた。
リノは嫉妬と孤独を感じ、幼少期から慣れ親しんだ蓄音機のある部屋に閉じこもり、ある計画を立てる────。
蓄音機である<貴女>は、彼から優しい女神と称されるが……。
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PROFILE
年齢 18歳 身長 172cm
体重 63kg 好きなもの/嫌いなもの ラムネ/ビフテキ


case.II 裏辻リノのあらすじ


 チェロ奏者として大舞台に立つ夢を抱くリノは,両親不在の屋敷で<貴女>と穏やかな日々を過ごしていた。

 <貴女>のことを“女神”と呼ぶリノだが,彼にとって<貴女>は人ではなく,幼いころに父から贈られた“蓄音機”として存在している。丁寧に手入れを欠かさず,大切に扱っているように見えるが──。

 ある日,彼のもとに“探偵”を名乗る人物から1本の電話が届く。父の所在を尋ねる探偵に,なぜ今さらと疑問を抱くリノ。<貴女>との静かな暮らしを守るため,彼はある行動に出ようとする……。


家族から見捨てられたリノの“願い”とは


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 前作「case.I 鷹司アオ」から聴取している読者はすでに予想がついているかもしれないが,物語序盤の“扱いの違和感”は今作でも健在だ。

 <貴女>のことを女神と呼び,優しく語りかけるリノ。しかし,油を差してお手入れを行うなど,一種の“物”として接している姿には,どこか歪な美しさがある。穏やかな声の裏に潜む執着が,静かに聴く者を惹きつけてやまない。

 また,随所で見られる“感情の起伏の激しさ”も印象的だ。お手入れの最中に怪我を負い,「ゴミ! ガラクタ!」と罵声を浴びせる場面では,穏やかに見えるリノのなかに潜む激しさが際立つ。

 その表情の変化や声の温度差からは,彼の不安定さと同時に,人間らしい痛みや執着が垣間見える。現在公開中の「被験者記録音声」でもその片鱗を感じ取れるが,本編ではより深く描かれているため,ぜひ注目してほしい。

 作中でリノは<貴女>に「僕には女神だけなんだ」と語る。必死に練習を重ねても報われず,家族から見放された彼にとって,<貴女>は唯一の理解者であり,救いそのものだった。
 そんな彼の“願い”と“罪”の行方は,ぜひ実際に聴取して確かめてほしい。

彼の倒錯した愛に支配される CD BLACKBOXCD「OVERNIGHTZ」case.II
・発売日:2025年11月26日(水)
・出演:吉野裕行
・仕様:CD2枚組
・価格:4500(税込)
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被験結果:case.II 裏辻リノ 各エンディングの考察


 病室で意識を取り戻した被験者リノは,謎の獣人 たふねからある問いを受ける。その瞬間を境に,物語は大きな転換期を迎えることとなる。以下に,各エンドの観察結果を記す(気になるエンドをクリックまたはタップしてほしい)。

I:02-001-22148323622192


 希望に満ちたエンディングのようにも思えるが,全編をとおして聴取すると“最も狂気的な結末”ではないかと推測される。夢と現実の境界が曖昧になっていく姿は,強い余韻を残すだろう。
II:02-002-4513622513


 蓄音機を贈ってくれた父との思い出が色濃く語られ,彼の解像度がより深まるエンディング。Rejetらしさが際立つ結末ともいえ,聴取後には胸の奥に静かな虚無感が広がる。
 吉野裕行さんの演技が生み出す繊細な感情の揺らぎにも注目したい。
III:02-003-41041221033412


 リノを想い行動する<貴女>の優しさに,彼自身が気づく過程が描かれる。3つのエンドのなかでも“切なさ”が際立つ構成であり,彼女に対する独占欲と執着が交錯するさまは,聴取中に胸が締め付けられるようだった。

 今作では,前作と異なり“<貴女>が抱えるもの”も大きな鍵になっている。どの結末が彼らにとっての幸福なのか――聴き終えたあとも,しばらく思索を誘う一作だった。


先行被験者のコメント


 ここからは前回同様,4Gamerスタッフおよび関係者によるコメントを記録する。実際に聴取した者たちの率直な印象をまとめたものであり,購入を検討している読者や,すでに予約を済ませている人にとっても参考となるだろう。


4Gamer さがさん
 見た目のかわいさに油断していると,思わぬ“感情の爆発”にハッとさせられる一枚です。
 子どもっぽさもありながら,どこか危うさを感じさせる不思議なキャラクター性で,気づけば聴き入っていました。
 全体をとおして張り詰めたような緊張感と激しい感情の揺れが続き,強く印象に残るセリフや演技に引き込まれます。
 もしかすると,この子をまるごと受け止めるには,少し覚悟がいるかもしれません。
 イヤフォンでの視聴中,不意に飛び込んでくるセリフもあるので,音量はあげすぎないように……(笑)。




4Gamer ばしょう
 外見が儚げでキレイめなリノですが,紹介文の「キレやすく闇を抱えた,彼」という言葉通り,作中で何度もキレていて,本当に怖かったです。
 穏やかな瞬間もあるのですが,その時との差が吉野さんの演技でうまく表現されていました。
 今回の<貴女>は蓄音機。嫉妬と孤独を感じて,ちょっとしたことでキレまくるリノと過ごす時間は,Rejetらしい緊張感を感じられるかも。




4Gamer 芥川
 一度でも素晴らしい感動に出会ってしまうと,欲が出て,もっともっとと期待してしまうものです。
 私の心も,1作目に触れたあの日から,密かに高まる期待を日々募らせておりました。

 真っさらな気持ちで作品(アナタ)と向き合えない自分が,少し恥ずかしくもあり……「許してください」と頭を垂れて押した再生ボタン。

 嗚呼,やっぱりさすがです,Rejet様。
 私の浅ましさなどすべてオミトオシ。
 開幕1秒からトップギアで飛ばしてきてくださいます。

 私の欲しいものなど分かっていると言わんばかりに押し寄せる偏愛の声。
 コレです! いや,私の想像なんて全然足りてませんでした!!
 もっと翻弄してください! アナタの世界で思いきり振り回してください!!

 この素晴らしさを,もっと多くの人に届けたいという使命感と,誰にも知られたくないという独占欲とで,いま私の心は揺れっぱなしです。

 ひとつだけお伝えします。
 この扉を開けたらもうどこへも戻れません。

 今日もまた,アナタの声で私は生きています。
 それだけで,もう十分幸せです。
 ありがとうございます。




ステラワース スタッフ
 こんなに煌びやかな世界観なの!?
 名家の一人息子でチェロ奏者の父とピアニストの母を持つ,というキャラクターの事前情報は知っていましたが,冒頭から流れてくるクラシックとBGMからコンサートホールやダンスホールなどの豪華な建物が見えてくるような優雅さに早速心を掴まれました。

 そんな明るい空気感と豪奢な雰囲気も束の間,「OVERNIGHTZ」の世界観を思い出させてくれるような “裏辻リノ”くんの喋り方に感じる不安定さ。
 無機物として彼の言葉を受け止める事になろうとは……どこか恍惚とした様子でヒロイン(蓄音機)に喋りかけてくるのが印象的で,彼に罵られようとも可愛く思え,彼の安定剤,女神になれるのならば私も音楽を勉強して蓄音機になりたいなと思いました。

 個人的に“裏辻リノ”くんから感じる脆さが推しポイントで,激昂するシーンがとても大好きです…!
 支えたい・傍にいてあげたい,どこか“共犯者”とも思えるような関係性が心地よく,陶酔にも似た気持ちで聞き入ってしまいました。




アニメイト渋谷M.K
 私は数々のRejet作品にお世話になりましたが,今作のコンセプトが過去一番にイかれてるんじゃないかと思いました(愛を込めて,全力で褒めてます)。
 今回裏辻リノくんを視聴させていただいたのですが,現実世界で慣れ親しんでいたとする蓄音機が幻想世界ではリスナーがその概念として成り代わっており,リノくんの異様な執着具合がひしひしと感じられました。
 また,リノくんの感情の起伏が激しく,現実と幻想においてリスナーを失うことへの恐怖心を煽るような描写があるため,彼の内面の幼さが如実に表れているように感じます。

 ストーリーはとにかく重いです(とても好きです最高です)。今までにない,リスナーが別概念として愛されるという新感覚を体感したい方はぜひ聞いていただきたい一枚です……!!!!!!!!!!!!




アニメイト和歌山M.O
 これぞRejet! 本当に蓄音機として聞けるシチュエーションCD,ほかにはありません!
 飴と鞭の使い方が上手いです。どれだけ怒鳴られても,それ以上にたくさん愛をくれるし,彼の弱さを見せられてしまっては,気づいたら「この子は私が守ってあげないと…」となっていました。「ミステリートリックホラー」ということで全編通してじっとりした怖さがあり,ただ甘いだけじゃないところがRejet作品らしくとても魅力的です。




アニメイト高槻M.I
 吉野裕行さんの狂った演技を余すところなく堪能できる素敵な作品です。
 著名なご両親を持つプレッシャーに押しつぶされそうになっている繊細な少年が,傷つき,狂い,耽る。
 虚構と現実が入り乱れる世界で倒錯した愛に溺れたい方は,必聴です。




Rejet広報スタッフ
 初めてDisc1を聴き終わったときにまず出た言葉は「すごいです……これはとんでもないです……」でした。あえて“何が”とは言いませんが,とにかく語彙がぶっ飛ぶくらい凄いです。

 最初はただただ「お子ちゃまなんだなぁ」などと思っていたのに,彼のバックボーンや内面を知るとどんどん「私が守ってあげるからね」「一人じゃないよ」と,こう……庇護欲が湧いてきます。

 また可愛らしい少年ような見た目とは裏腹に,蓄音機を大切にお手入れする様はそれはそれは色っぽく……本当にいろんな表情を見せてくれる,ジェットコースターのような子です。
 リノくんもアオさん同様にたくさんの愛をくれますが,それ以上に愛してあげたくなる。
 一時たりとも目が離せない魅力があります。今はとにかく,彼にたくさんの愛とオルタンシアを――。




Rejet販売スタッフ
 両親が音楽家ということもあり,BGMからクラシックを感じられる点にまずは惹かれてしまいました。
 アオくんの「犬」の時とは異なり,今回は「蓄音機」として。物として見られる,話しかけられることの斬新さ,先が早く聴きたくなる展開,時間を気にすることなく最後まで一気に聴いてしまいました。

 リノくんから感じられる脆さ,儚さ,狂気,不安定さから「OVERNIGHTZ」という作品の世界観をより感じました。ダークさの中にある甘さから,支えたいという感情が生まれるのは,子どもっぽいリノくんだからなのでしょうか。そこも含めてリノくんの物語ならではなのかなと思いました。




Rejet営業スタッフ
 実年齢のわりに,少年っぽい残酷さが残ってるリノ。
 でもそれが逆に,人間としての純粋さであり 理想を守るために現実を力づくでねじ曲げようとするその真っ直ぐさが魅力。 彼はいつだって全力です!

 ヒステリーの描かれ方もリアルで,「あ〜いるいるこういう人……」となります。 感情が爆発してるのに,どこかで自分を少しだけ俯瞰してる感じがあって……吉野さんすごすぎます。
 感情表現も全力すぎるリノに,ぜひ振り回されてください。
 最近は乾燥も気になる季節になってきたので,ぜひこの記録で保湿されましょう(←聞けば分かります)



 次回は,12月発売予定の「case.III 広幡カイシャ(CV.鳥海浩輔)」を取り上げる。3本すべての記録を聴取することで,物語の真相に近づくことができるのか──。次回の結果に期待したい。

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