2025年11月22日より,東京・上野の森美術館で
「シティーハンター大原画展〜FOREVER,CITY HUNTER!!〜」が開幕した。
この原画展は,1985年〜1991年に週刊少年ジャンプで連載された漫画
「シティーハンター」(北条 司)の連載開始40周年を記念して開催されるものだ。規模としては作品史上最大となる
400点以上の貴重な直筆原画を展示している。
さらにファンにはお馴染みの「新宿駅の伝言板」や,等身大の冴羽 獠が迎える「喫茶キャッツアイ」,槇村 香の100tハンマーなどのフォトスポットも充実しており,「シティーハンター」の世界へ没入できる体験型の展示となっている。
本稿では,
内覧会で見た展示会の様子をフォトレポートでお届けする。会場内の雰囲気を少しでも感じてもらえれば幸いだ。なお,
これから来場予定の人は,可能であれば鑑賞後に記事を読んで楽しんでほしい。
「シティーハンター」とは
新宿駅東口の伝言板に書き込まれる「XYZ」のアルファベット3文字──それは“もう後がない”という依頼人からの切実なメッセージだ。
腕は超一流ながら無類の美女好きの冴羽 獠と,そのパートナー槇村 香のコンビが,裏社会の始末屋(スイーパー)「シティーハンター」として活躍し,時に依頼人の美女にもっこりしながら,さまざまな依頼を解決していくアクションコメディ作品である。
「週刊少年ジャンプ」に1985年から1991年まで連載され,2025年2月26日に連載開始から40周年を迎えた。総発行部数は5000万部超。アニメ化,舞台化,実写化など多角的に展開され,その人気は国内のみならず世界へ広がり,世代を超えて愛され続けている。
【コミックス情報】
ゼノンセレクション「CITY HUNTER」全29巻発売中
北条 司
発行:コアミックス
価格:880円(税込)
全7章で構成された展示スペースは,
作品の物語を追体験できるような内容に
「シティーハンター大原画展〜FOREVER,CITY HUNTER!!〜」は,主人公の冴羽 獠とヒロインの槇村 香の運命的な出会いから,個性あふれる仲間や依頼人との出会い,そしてさまざまな出来事を経て獠と香が互いをかけがえのないパートナーと認め合うまでの軌跡を,プロローグとエピローグを含む全7章で構成している。
来場者は直筆原画を巡りながら,名シーンや名ゼリフを壁面演出や造形物などをとおして楽しめる。
上野の森美術館の外壁には,「XYZ」の文字が描かれた巨大な掲示板が展示されていた。迫力満点だ
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なお,本展には
スペシャルナビゲーターによる音声ガイドが用意されており,アニメ版「シティーハンター」で声優を務めた
神谷 明さん(冴羽 獠役),
伊倉一恵さん(槇村 香役),
玄田哲章さん(海坊主役)の3人が担当している。
音声ガイドは別料金(ひとり1台1000円)だが,原画を見ながら聞くとより一層本展を楽しめるので,ぜひ利用してほしい。
展示の中には,解説とともに番号が書かれたパネルが設置されており,端末でその番号を押すことで,その場所の音声ガイドを聞ける。音声ガイドは全22か所で,合計約23分というボリュームだ
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会場に入ると,
プロローグにあたるエントランスが来場者を迎える。ネオンが煌めく新宿の街並みをイメージした壁面を進むと,作品タイトルでもある「CITY HUNTER」のロゴが映え,その先には
新宿駅東口の“あの伝言板”が登場。掲示板には“XYZ”の書き込みが……。
こうして来場者は「シティーハンター」の世界へと誘われていく。
掲示板には“XYZ”の書き込みがあり,入口からエントランス付近では,小比類巻かほるさんが歌うアニメ「シティーハンター」のオープニングテーマ「City Hunter〜愛よ消えないで〜」がBGMとして流れている。これだけでも,否応なく気分が盛り上がってしまう
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エントランスには,なんと100tハンマーも展示されており,実際に持って撮影できるフォトスポットにもなっている。訪れた際は,ぜひ撮影してほしい
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エントランスを抜けると,獠と香の運命的な出会いや,個性豊かな仲間,そして依頼人との出会いを振り返る
第1章「運命の出会い」に足を踏み入れる。
展示の中には,ところどころに北条 司先生のコメントもある。キャラクターに関するものから漫画の技術に関するものまで,漫画を描く人の参考になる内容も見られた
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獠と香が住む“冴羽アパート”の地下にある射撃場も再現されており,フォトスポットとして楽しめる。銃のパネルを持って構えれば,ふたりと並んで記念撮影ができる
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第2章「合言葉はXYZ!」は,魅力的な美女たちや依頼人との出会いを,起こった出来事とともに振り返るエリアだ。
漫画だけでなく,1枚イラストなども展示されているほか,表紙を飾った週刊少年ジャンプ本誌も並んでいた
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また,海坊主が営む
“喫茶キャッツアイ”のカウンターがフォトスポットとして再現されており,
海坊主のパネルと等身大の冴羽 獠が来場者を出迎えてくれる。
“喫茶キャッツアイ”のカウンターを再現したフォトスポットでは,等身大の冴羽 獠フィギュアが椅子に座り,コーヒー片手に来場者を迎えてくれる
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もちろん椅子に座って一緒に写真撮影もできるので,ぜひ獠と並んで記念撮影してほしい!
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ちなみにこの冴羽 獠フィギュアは,「シティーハンター大原画展〜FOREVER,CITY HUNTER!!〜クラウドファンディングプロジェクト」による
「XYZ 冴羽 獠を上野の森美術館に呼びたい!!」という企画の成果によるものだ。プロジェクトは見事達成し,実現することとなった。
第3章「心近づくふたり」は,アンケートでも常に上位に名を連ねる人気エピソード
「都会のシンデレラ」や,海坊主との決闘を描く
「墓場の決闘」などを紹介するエリアだ。獠と香それぞれのバックボーンを掘り下げ,ふたりの心情変化を改めて感じ取ることができる。
印象的な場面がタペストリーとして印刷されており,中に入るとまるで作品の一コマに入り込んだような雰囲気を味わえる
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獠と海坊主の決闘シーンは,緊迫感と迫力ある演出で展示されている。槇村秀幸の墓石も再現されており,より一層その場面に没入できる
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獠の愛銃「コルトパイソン357マグナム」(右)も展示されていた
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第4章「俺たちがシティーハンター」は,本展のキャッチコピーにもなっている
「シティーハンターってのは!!おれたちふたりのことを言うんだぜ!!」というセリフが登場するシーンを含め,獠と香の絆を感じられる場面を直筆原画で堪能できるエリアだ。
連載当時(80年代)を思わせる扉絵などのイラストも展示されており,じっくりと楽しめる。そして,名シーンとして知られる
「ガラス越しのキス」もフォトスポットとして設置されている。
こちらは槇村秀幸の形見で,香が持つことになった「コルト・ローマンMK-III」。獠が香にこれを渡す際,愛の文字が半分削られているが,その意図については北条 司先生のコメントで明かされていた
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アクリルパネルを利用して演出された「ガラス越しのキス」のシーン再現。アクリルパネルがガラスのように見えるのがポイントだ
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獠が香をサポートし,香が銃を撃つシーンもフォトスポットとして再現されている。香と同じ顔の向きを作ることで,獠に支えられる香の気持ちを体験しながら撮影できるというものだ。ファンならぜひ試してみてほしい
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第5章「FOREVER,CITY HUNTER!!」は,物語のクライマックスを巡るコーナーだ。最後にはスペシャルシアターが設置されており,「シティーハンター」といえばこの曲,とも言えるTM NETWORKの名曲
「Get Wild」をバックに,ラストシーンの
スペシャルムービーを見られる。
スペシャルムービーは,ここまで巡ってきた大原画展を振り返るような内容になっているので,ぜひ最後まで観てほしい
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エピローグ「シティーハンターから愛を込めて」は,漫画以外のアニメ,ノベライズなどをはじめとした商品化関連の貴重な原画が多数展示されているほか,本展や40周年記念事業のために描かれた新作原画も展示されている。北条 司先生への1万字インタビューも読み応え抜群だ。
さらに,作品ゆかりの漫画家やアーティストから寄せられたお祝い色紙や,クラウドファンディングで該当コースを選択した支援者の名前とコメントが展示されていた。最後まで見どころたっぷりだ。
4Gamerとしてはよく知るあの人の名前も見受けられた。なお,サイン色紙は撮影NGなのでご注意を
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本展最後のフォトスポットは,爆発する映像をバックに,軽く手を上げながら去る獠と一緒に撮影できる。並んで手を上げるも良し,反対側に立ってポーズを決めるも良しだ。
きっとあなたの脳内でも,「Get Wild」のイントロと共に“止めて引く”エンディングが再生されるだろう。
原画展としてはここまでだが,会場では複製原画やオリジナルグッズの販売・展示も行われているので,最後にグッズストアの様子を紹介しよう(グッズの詳細は
こちら)。本展に訪れたら,ぜひ記念にグッズストアも覗いてみてほしい。
じっくり見ようと思うと,いくら時間があっても足りないほどのボリュームだ。取材は2時間程度だったが,正直まったく足りず,あっという間に時間が経っていた。
ここで紹介している写真はほんの一部に過ぎず,会場ではさらに多くの原画や展示を楽しめる。それほどまでに「シティーハンター」の世界へどっぷりと浸れる大満足の本展は,12月28日まで開催中。「シティーハンター」ファンで訪れることができる人は,ぜひ足を運んでみてほしい。