連載
剣闘士を育て,皇帝に復讐する「Bloodgrounds」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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かつて奴隷剣闘士であった「私」は今,都市の領主たるパトロン(スポンサー)となった。だが,この荒廃した地を支配する暴君・皇帝への憎悪は消えない。
父の仇を討つため,最強の剣闘士団を組織し,復讐の舞台であるアリーナへと歩みを進める。
本日紹介する「Bloodgrounds」は,戦略RPGにローグライト要素と都市運営シミュレーションを融合させた作品だ。舞台はローマ風のダークファンタジー世界。プレイヤーは,かつて奴隷剣闘士だった都市の領主(パトロン)となり,父の仇である暴君・皇帝への復讐を誓う。
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ゲームの目的は,剣闘士を雇用・育成して最強のチームを作り上げ,アリーナでの戦いを勝ち抜き,最終的に首都キャピタルで皇帝との直接対決に挑むこと。ゲームの進行は,大きく分けて「都市運営パート」と「アリーナバトルパート」の2つを繰り返すサイクルで構成されている。
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運営パートでは,剣闘士を雇い,訓練や装備の準備を行う。同時に,診療所やマーケット,訓練場といった都市の施設を建設し,アップグレードしていく必要がある。バトルパートでは,グリッド(マス目)で区切られたアリーナを舞台に,ターン制の戦術バトルが展開される。
バトルで得た報酬は,再び都市の発展や剣闘士の強化に使用する。剣闘士が戦闘で死亡すると二度と復活しない「パーマデス(永久死亡)」が採用されており,常に緊張感のあるリソース管理と戦略判断が求められるのだ。
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死がすべてを左右する「パーマデス」
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本作の最大の特徴は,戦闘で死亡した剣闘士が二度と蘇らない「パーマデス(永久死亡)」システムだ。失われるのは剣闘士本人だけでなく,彼らが身につけていた装備もすべてロストする。手塩にかけて育てたエースを失うことは,戦力の大幅なダウンに直結する。この常に死と隣り合わせの緊張感が,アリーナでの一つ一つの選択を重いものにしており,プレイヤーに慎重なリスク管理を強いる歯ごたえあるゲームデザインの核となっている。
戦略の基盤となる都市運営システム
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剣闘士の育成は,アリーナでの戦闘だけで完結しない。プレイヤーは都市の領主として,施設への投資やアップグレードを行わなければならない。例えば,治療所を発展させれば戦闘で負った傷やトラウマからの回復が早まり,鍛冶屋やマーケットを拡張すれば,より強力な装備の入手が可能になる。このように,都市運営の成果が剣闘士の育成効率やチームの地力に直接反映されるため,戦闘と運営を両輪で考える戦略的な視点が不可欠だ。
地形や罠を利用する奥深い戦術バトル
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アリーナでの戦闘は,マス目状のマップで行われるターン制バトルだ。近接,遠距離,魔法など9種類存在するクラス固有のアビリティを駆使するだけでなく,マップにランダムで配置される障害物やトラップの活用が勝利の鍵を握る。時には犯罪組織と取引するなど,「裏」の要素も勝利のために必要となるだろう。単なる戦力差だけでなく,状況に応じた柔軟な戦術が求められる奥深さが,本作の戦闘の魅力といえる。
「Bloodgrounds」では,仲間を失う痛みを乗り越え,地道な育成と都市開発を続け,復讐という一つの目的に向かって進む。そのようなシビアな難易度と達成感を求めるプレイヤー,とくに「XCOM」や「Darkest Dungeon」といった歯ごたえのある戦略ゲームやローグライト作品のファンにこそ,挑戦してもらいたい一作である。
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