連載
デッキを育てながらデジタル要塞を攻略する「Into The Grid」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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俺たちハッカーに許された選択肢は一つ。企業の裏ネットワークに潜入し,奴らのデータを盗み,書き換え,破壊する。危険な“不正行為”だけが,俺たちの存在証明だ。
本日紹介するのは,Flatline Studiosが手掛ける「Into The Grid」。本作は,サイバーパンクの世界でデジタル要塞「グリッド」に侵入するハッカーの戦いを描くローグライトカードゲームだ。
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ゲームは大きく分けて,迷路のようなマップを探索するパートと,カードを使った戦闘パートで進んでいく。
プレイヤーはまず,見下ろし視点で描かれたサーバールーム「クラスター」を移動する。どのルートを選ぶか,どこで資源を使うかといった判断が常に求められ,敵に遭遇するとカードバトルへと切り替わる。
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戦闘では「プログラムカード」と呼ばれる手札を使い,敵のシステムを攻撃する。特徴的なのは,カードを使うたびに「VIM」という専用の資源が溜まっていく点だ。このVIMを消費することで,プレイヤーは「コマンド」と呼ばれる強力な技を発動できる。
たとえ手札が理想的でなくても,VIMとコマンドの運用次第で困難な状況を切り抜けられるわけだ。
探索と戦闘を繰り返しながら,不要なカードを削除し,手に入れた新たなカードを組み込み,自分だけの「デッキコード」を構築していく。こうして,各エリアの最後に待ち受けるボスを目指すのだ。
運に左右されないVIMシステム
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本作における戦闘は運だけでは決まらない。各カードが持つ「VIM」という資源の管理が重要だ。カードを使うことでVIMが蓄積し,これを消費して放つ「コマンド」が戦局を左右する。
手札がそろわない苦しい時でも,VIMをうまく貯めて強力なコマンドを発動すれば,一気に形勢を逆転できる。どのタイミングでVIMを使い,どのコマンドを選ぶか。この判断が,戦闘の駆け引きを熱くしている。
デジタルダンジョンを歩く手触り
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サイバーパンクな世界を表現する手法も面白い。探索パートは見下ろし視点で,ネオンが光る施設や工場のようなデジタル空間を進んで行くのだが,戦闘になると視点は一人称に切り替わる。
戦闘画面は3DダンジョンRPGを思わせるデザインになっており,目の前の敵に対してカード(プログラム)を叩き込んでいく形だ。アニメーションやエフェクトも相まって,なかなかに臨場感のあるバトルが楽しめる。
ハッカーの「流儀」と「物語」
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ハッカーたちは単なる戦闘ユニットではない。それぞれが異なる派閥に属し,巨大企業を襲う独自の理由を持っている。エリアを突破するたびに,彼らの背負う過去や,グリッドの汚れた真実が明かされていく。
カードを使った無機質な攻防の裏に息づく泥臭い人間ドラマ。その物語の厚みが,繰り返される戦いに意味を与え,プレイヤーを先へと駆り立てるわけだ。
「Into The Grid」の本質は,配られた手札に一喜一憂する運試しではない。不利な状況を計算とリソース管理で強引に覆す点にある。それはまさに,堅牢なセキュリティの穴を突き,システムを出し抜くハッカーの仕事そのものだ。
なお,本作は早期アクセスが始まったばかりで,選べるハッカーもまだ2名にとどまる。新たな仲間や物語は今後のアップデートで追加されていく予定だが,現時点でも十分に楽しめる作品になっているので,デッキ構築型ローグライトが好きな人はぜひ遊んでみてほしい。
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