連載
AIと自由に言葉を交わして真実を探る「ハイマー2000」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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リサイクル業者のフランクは,そこに遺棄されたAI「ハイマー」の人格モジュールを回収するため,端末の前に座る。モニターの向こうで待つのは,古びた電子頭脳。
ただの解体作業のはずが,画面に文字列が浮かんだ瞬間,底知れぬ闇への扉が開かれた。
本日は,doBellが手掛ける「ハイマー2000」を紹介しよう。このゲームの最大の特徴は,AIに対して自分の言葉を直接投げかける対話システムにある。用意された選択肢を選ぶのではなく,キーボードで単語や文章を打ち込み,ハイマーに質問や命令を行うことでゲームが進んでいくわけだ。
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こちらの問いかけに対し,AIは時に素直に,時に曖昧に答えを返す。その反応から重要なキーワードを拾い上げ,データベースを検索することで,過去の会話ログや隠された資料が次々と明るみに出る仕組みになっている。
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画面は古いPCのOSを模しており,プレイヤーはフォルダを漁り,断片的な顔のイラストやメモを収集して情報を整理していく。
時にはアルゴリズムを用いたミニゲームでデータの解析も行うが,すべてはハイマーという存在の真実を暴くための手段に過ぎない。対話と検索を繰り返し,嘘と事実の隙間を縫って真相へ近づくことが,このゲームの目的だ。
自分の言葉でAIを問い詰める
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決まった台詞を選ぶだけのゲームとは違い,ここではプレイヤー自身の発想が鍵を握る。「殺人」「嘘」「記憶」など,思いついた単語をぶつけると,ハイマーはそれに応じた反応を見せる。
的外れな質問には冷たく,核心を突けば動揺するような挙動は,まるで人間を相手にしている錯覚を覚えるほどだ。自分の言葉で相手を追い詰め,秘密を吐かせる過程には,既存の推理ゲームでは味わえない生々しい手応えがある。
断片をつなぎ合わせる推理
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AIから引き出した言葉は,さらなる情報の呼び水となる。過去のログを検索し,そこに登場した人物や出来事を調べることで,施設で起きた陰謀や腐敗の全体像が少しずつ浮かび上がる。
膨大なテキストデータや不気味な顔のイラストといった断片的な情報を,自分自身の手で整理し,線で結ぶ作業が求められる。あえて説明を省き,プレイヤーの洞察力に委ねる潔い作りが,探求心を強く刺激するのだ。
廃墟のPCを覗き込む孤独感
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画面全体が架空のOSとしてデザインされており,本当に古い端末を操作している気分になる。ノイズ混じりの画面,冷たく機械的なフォント,そして静かに流れる環境音が,廃墟に取り残された孤独を際立たせる。
モニターの光だけを頼りに,得体の知れない電子知能と対峙する緊張感は,この徹底されたビジュアル作りによって支えられている。現実と虚構の境目が曖昧になる感覚こそが,本作の醍醐味だ。
自分の言葉が通じる驚きと,そこから真実を手繰り寄せる快感。本作は,AIとの対話という形式を借りた,極めて硬派なミステリーだ。用意された正解をなぞるだけの遊びに飽きている人や,画面の向こう側の存在と本気で向き合ってみたい人にこそ,この奇妙な回収任務をおすすめしたい。
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