連載
呪われたWin98を使って人類を滅亡へと導く「Execute」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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ウィンドウの隙間を逃げ惑う棒人間たち。彼らはただの数字であり,資源でしかない。
BGMすらない静寂の中,マウスをクリックする乾いた音だけが,絶滅へのカウントダウンを刻み始める。
本日は,Payne Robinson氏が手掛ける「Execute」を紹介しよう。本作は「呪われたWindows 98」を舞台にしたインクリメンタルゲームだ。プレイヤーは謎の管理者となり,画面上を徘徊する80億の人類をすべて処分することを目指す。
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このゲームの特徴は,あまりにブラックな「生産ライン」の運用にある。初期状態では,ギロチンによる処刑速度よりも毎秒の出生数が遥かに多く,放っておけば人口は増え続ける一方だ。
プレイヤーは手動で人間を捕獲し,ギロチンへ送り込む。そこで流れた血は潤滑油へ,労働力は鉄へ,電気ショックによる処刑は熱源へと変換される。
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これらの資源を投じて設備を拡張し,ようやく自動化への道が開かれるのだが,リソースは常に枯渇気味だ。特に自動化に必要な熱源の確保はシビアで,最初は一か所しか自動化できないなど,どの工程を優先して機械化するかという判断が常に求められる。
ただ数字が増えるのを待つのではなく,人口増加という奔流に抗いながら,最適解を模索し続ける忙しさがここにはある。
減るどころか増える絶望
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ゲーム開始直後,プレイヤーを襲うのは無力感だ。必死にクリックして数人を処分しても,その脇で数十人が産まれてくる。80億という数字が減るどころかカウントアップしていく様は,これまでの努力をあざ笑うかのようだ。
この圧倒的な「負け戦」から始まり,システムを整えて徐々に減少トレンドへ持ち込んでいく過程に,強烈な達成感がある。
人間を資源と見なす狂気
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本作における人間は,単なる燃料に過ぎない。血を絞って機械を滑らかにし,死ぬ気で働かせて鉄を得て,最後は焼いて熱に変える。
この徹底した「モノ扱い」が,簡素な棒人間のグラフィックスと相まって独特の乾いた残酷さを生んでいる。感情を排して効率だけを追い求めるプレイ感は,まさに冷徹な管理者のそれだ。
黙々と遊べる事務処理感
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画面上では凄惨な行いが繰り広げられているにもかかわらず,悲鳴もなければ,盛り上げるBGMも一切ない。聞こえるのはクリック音やシステム音だけ。
この淡々とした静けさが,狂気じみた作業を単なる「事務処理」のように錯覚させる。ドラマチックな演出を排除したことで,逆にプレイヤーの行いの異様さが浮き彫りになっているのだ。
80億人を0にする。その字面だけで忌避感を覚える人もいるだろう。そんな倫理観を一度デスクトップのゴミ箱に捨てて,悪趣味な計算を楽しめる人には,忘れられない数時間になるはずだ。
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