連載
敵を買収して戦力にしていくデッキ構築型ローグライト「Gold and Graves」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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信じられるのは,懐にある硬貨と,金で雇った傭兵たちだけ。モンスターが徘徊する死地へ足を踏み入れ,命を賭して富を奪い,生きて再び太陽を拝む。それが,墓荒らしである君の日常となる。
本日は,Yoonが手掛ける「Gold and Graves」を紹介しよう。本作は,死と欲望が渦巻くダンジョンを題材にしたデッキ構築型ローグライトゲームだ。プレイヤーは一獲千金を狙う探索者となり,危険な迷宮の奥深くへと潜り,富と戦力を蓄えて無事に帰還することを目指していく。
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このゲームの特徴は,敵対するモンスターを「金」の力で強引に自軍へと引き入れるシステムにある。通常の戦闘では剣や魔法で敵を倒すが,本作では懐のゴールドを直接相手に投げつけ,その場で買収して戦力に加えることができるのだ。昨日までの敵は,今日からの忠実な部下となる。
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戦闘は,プレイヤーが使うカードと,仲間にした傭兵たちの自動行動によって進行する。プレイヤーはカードを使って英雄を操り,攻撃や移動,支援を行うが,傭兵たちはそれぞれの判断で戦う。彼らが十全に力を発揮できるよう,カードで戦場を整えてやることが勝利への鍵だ。
そして,ダンジョンの深部には「出口」が存在する。ボスを倒してさらなる富を求めるか,あるいは手に入れた戦利品を持って早々に撤退するか。その引き際を見極める緊張感が,探索のスパイスとなっている。
強い敵は金で味方に
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本作で特にユニークな点は,画面上の所持金表示をドラッグし,敵に直接投げつけるという直感的な買収アクションだ。弱らせてから金を握らせるその手触りは,まるでポケットサイズのモンスターを捕獲するような駆け引きがある。買収した敵は即座に味方となり,HPも回復して次の戦闘から最前線で体を張ってくれる。敵の強さがそのまま自分の資産になる快感は,デッキ構築型ローグライトというジャンルにおいては珍しく,本作ならではの魅力だ。
目指すは脱出
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ダンジョンには明確な「出口」が用意されており,そこへ到達すれば探索を切り上げて拠点へ帰還できる。獲得したカードや傭兵をすべて持ち帰れるわけではなく,持ち出し可能な「コスト」の上限と相談しながら,次回の探索のために何を持ち帰るかを選別する時間が悩ましい。少しずつ初期戦力を充実させていく過程は,一回の挑戦で終わらない,長い目で見た攻略の楽しみを与えてくれる。
カードバトルとオートバトルの融合
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戦闘フィールドには前列と後列の概念があり,前列なら近接攻撃,後列なら遠距離攻撃が強化される補正が存在する。プレイヤーは自身の移動こそ自由にできるが,傭兵たちは半ば自動で動くため,思い通りにならないこともある。どこに誰を配置し,どの敵を優先して排除させるかという,現場指揮官のような判断力が常に求められるわけだ。
「Gold and Graves」は,デッキ構築の奥深さと,脱出ゲーム特有の「失う恐怖と持ち帰る喜び」が見事に噛み合った良作だ。敵を倒す爽快感よりも,敵を自軍に取り込んで運用する「軍団運営」の楽しさに重きが置かれている。じっくりと腰を据えて戦力を拡大し,自分だけの最強軍団を作り上げたい人に,ぜひ手に取ってほしい。
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