連載
バグった世界をホウキで掃く「Babushka's Glitch Dungeon」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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日課の掃除中に足元の世界が裂け,極彩色のバグが蠢く地下迷宮へと落ちてしまったのだ。
なぜ世界は壊れたのか。歪んだ空間を元に戻すため,彼女は愛用の箒を握りしめ,得体の知れない「汚れ」に立ち向かうことを決意する。
本日は,pets club 2が手掛ける「Babushka's Glitch Dungeon」を紹介しよう。本作はバグ(グリッチ)をテーマにしたパズルアクションゲームだ。プレイヤーは魔法使いのおばあちゃんとなり,崩壊した地下世界の最奥を目指す。
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このゲームの特徴は,一見すると探索型アクションのように見えるが,その実態は思考を重視したパズルである点だ。おばあちゃんは道中で様々な魔法を手に入れるが,それらは敵を倒す武器というよりも,移動手段としての道具に近い。空中を歩く,壁を登るといった能力を駆使して,複雑に入り組んだ部屋の出口を探すことになる。
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面白いのは,これらの魔法が単なるパワーアップではなく,パズルを解くための「鍵」として機能する点にある。特定のエリアを通過すると持っていた魔法はリセットされ,その部屋をクリアするために必要な魔法を現地で調達し直さなければならない。
つまり,アクションの腕前で強引に突破するのではなく,用意された手札をどう切るかという手順の組み立てが求められるのだ。
画面上のノイズすらも足場や障害物として機能するこの世界で,プレイヤーはおばあちゃんと共に頭をひねり続けることになる。
シンプルながらも奥深い謎解き
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おばあちゃんが一度に持てる魔法は二つだけだ。しかも特定のゲートをくぐると魔法は強制的に解除される。一見すると不便に思えるが,実はこれが「この部屋はこの魔法を使えば解ける」という強力なヒントになっている。手持ちの札が限られているからこそ,正解への道筋が明確になり,解法を思いついた瞬間の喜びが際立つのだ。
バグを遊びに変える逆転の発想
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画面が乱れ,ブロックが点滅する。通常のゲームなら不具合として処理される「グリッチ」が,本作では世界観を形作る重要な要素だ。ノイズが走る場所は危険地帯であり,同時に攻略の足がかりでもある。デジタルの崩壊を視覚的な演出としてだけでなく,遊びのルールとして落とし込んだデザインは,唯一無二の個性を放っている。
おばあちゃんが主役という奇妙な安心感
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崩壊した世界を探索するのが屈強な戦士ではなく,おばあちゃんである点が本作の空気を決定づけている。シリアスになりがちな設定も,彼女が箒でセコセコと掃除をする姿を見れば,どこか間の抜けたコメディに見えてくる。そのシュールな絵面だけで十分に楽しめる間口の広さも魅力の一つだ。
見た目のインパクトに惹かれた人も,硬派なパズルを求める人も満足できる一作だ。アクションの難しさに頼らず,純粋なひらめきで勝負させてくれる丁寧な作りは,多くのプレイヤーに勧められる。奇妙で優しいバグの世界へ,ぜひ飛び込んでみてほしい。
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