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名刀か珍刀か。ハンマー1つで終末世界を生きる鍛冶屋シム「Bladesong」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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印刷2026/02/05 07:00

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名刀か珍刀か。ハンマー1つで終末世界を生きる鍛冶屋シム「Bladesong」(ほぼ日 インディーPick Up!)

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槌音が響くたび,火花が薄暗い工房を焦がす。

外の世界では「ボイス」と呼ばれる神のような加護が失われ,狂気が蔓延しているというのに,ここエレンの砦だけは奇妙な安らぎに包まれている。

あなたは若き鍛冶師として,この最後の聖域に流れ着いた。鉄の匂いと熱気,そして訪れる人々の抱える事情。炉の火を絶やさぬことだけが,この黄昏の時代において,正気を保つ唯一の儀式なのかもしれない。


 本日は,SUN AND SERPENT creationsが手掛ける「Bladesong」を紹介しよう。本作は終末のファンタジー世界を舞台にしたシミュレーションゲームだ。プレイヤーは一人の鍛冶師となり,人類最後の砦で日々の糧を得るため,そして世界の謎に触れるため,ひたすらに鉄を打つ生活をしていく。

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 本作の特徴は,ハンマーのひと振りがそのまま剣の「設計図」になる点にある。依頼人の要望は,長さや重さ,そして重心の位置といった数値で提示される。
 プレイヤーは熱した鉄塊を叩き,伸ばし,時には削りながら,ミリ単位でその理想値へと近づけていくわけだ。

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 アクションゲームのように反射神経を競うのではない。どの部分をどれだけ叩けば重心が手元に寄るか,どうすれば指定された切れ味が出せるか。求められるのは,素材の特性を理解し,試行錯誤する工程そのものだ。

 完成した剣を納品することで物語が進み,砦の住人たちとの関係が変化していく。剣の出来栄えが,彼らの運命に小さな波紋を広げていくのだ。


依頼文から読み取る物語の背景


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 本作の依頼文は,単なる条件の羅列ではない。そこには依頼人の背景や思想,あるいは隠された殺意までもが,詳細に記述されている。

 客が本当に求めているのは,護身用の軽い剣なのか,それとも憎しみを晴らすための凶器なのか。テキストから真意を読み解き,それを踏まえて剣を設計する工程が,本作ならではの面白さにつながっている。

見た目を気にせず作れる自由な設計


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 驚くべきは,システムが許容する形状の自由さだ。数値上の条件さえ満たしていれば,刀身が蛇のようにうねっていても,常識外れに厚ぼったくても,それは「完成品」として受理される。

 見た目の美しさを追求するもよし,物理法則を無視した奇抜な形状で遊ぶもよし。この懐の深さのおかげで,プレイヤーごとのこだわりを自由に反映させることができる。

TRPGのような対話と判定


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 会話の中では,鍛冶の腕前だけでなく,観察眼や話術といった能力値に基づいた技能判定が行われる。成功すれば相手の隠し事を見抜けるかもしれないし,失敗すれば重要な情報を聞き逃してしまうかもしれない。
 ただ漫然と会話を送るのではなく,自分のステータスを頼りに相手との駆け引きを楽しむ感覚は,テーブルトークRPGのプレイ感に近い。



 「Bladesong」は,派手なアクションで怪物をなぎ倒す英雄の物語ではない。工房で鉄と向き合い,自分なりのこだわりを追求できる職人シミュレーションだ。

 反射神経よりも読解力を,爽快感よりも試行錯誤の過程を楽しみたい人におすすめしたい。自分なりの解釈を込めた一振りが,誰かの手に渡る瞬間の達成感は格別だ。

  • 関連タイトル:

    Bladesong - ブレイドソング

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