連載
仲間からスキルを学べる自由度高めの3DダンジョンRPG「THYSIASTERY」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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出口はどこにもなく,正気すら信じられない。壁の向こうに何がいるのかもわからないまま,かすかな灯りだけを頼りに一歩を踏み出す。
飢えた迷宮が,また新たな獲物を呑み込んだ。
本日は,フィンランドのインディースタジオDIRGAが手掛ける「THYSIASTERY」を紹介しよう。
本作はダークファンタジーを背景にした,ターン制の3DダンジョンRPGだ。
プレイヤーは「烙印(Brand)」を持つキャラクターたちの小隊を率い,謎の巨大迷宮「Labyrinth」からの脱出と,その秘密の解明を目指していく。
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このゲームの特徴は,クラシックなグリッド移動型の3Dダンジョン探索に,パーマデスや自動生成マップといったローグライクの仕組みを正面から組み合わせている点にある。
迷宮は周回のたびにレイアウトが変わり,出会う仲間やスキル,装備もそのつど異なる。
最大4人パーティで一マスずつ進みながら,宝箱やオブジェクト,NPCとの接触を通じてアイテムやイベントの断片を拾っていく。
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戦闘はタイムラインに沿って行動を選ぶ方式で,弱点を突けば次の手番が早まり,ミスや吸収を食らうと大きく遅れる。
どのスキルを誰に使うかがタイムラインの並びを直接動かすため,一手ごとの判断が戦局を左右するのだ。
もうひとつ見逃せないのが「スキル伝授」の仕組みである。本作ではキャラクターが覚えたスキルを別の仲間に教えることができ,時間経過と経験値を通じて習得させられる。この自由度の高さが,周回ごとに違うビルドを試す原動力になっているわけだ。
接敵する前から始まる戦い
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迷宮内には敵シンボルが徘徊しているが,本作は移動も含めて完全ターン制なので,こちらが動かなければ時間は止まる。
つまりは,敵に気づかれても角まで引き返してバフを重ね,待機でターンを送りつつ態勢を整えてから迎え撃つ,という立ち回りができるのだ。
エンカウント式でもなく,リアルタイムで斬り合うわけでもない。準備と接敵のタイミングをこちらが選べる仕組みが,探索と戦闘のあいだに独特の駆け引きを生んでいる。
タイムラインを読む戦略性
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弱点を突けば手番が早まり,ミスや吸収で大きく遅れる。この仕組みがある以上,ただ火力の高いスキルを選ぶだけでは勝てない。
次の手番をどこに置くかまで含めた行動選択が求められるため,戦闘は常にパズルを解くような手触りになる。
一手の読み違いでパーティが崩壊するというバランスが,ターン制でありながらまったくだれない緊張感を支えている。
周回するたびに変わるプレイ
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スキル伝授によって極端な編成が組める一方,敵の耐性が厳しいため,偏りすぎれば自分で自分の首を絞めることになる。
偏らせるか分散させるか。その判断が周回ごとの手応えを変えてくれるわけだ。
さらに迷宮の奥には埋もれた森や水没した都市といった異なる環境が広がり,そこに散らばる遺物やテキストから「Labyrinth」の正体が少しずつ浮かび上がる。
ビルドだけでなく世界の読み解きも,何度も潜るからこそ見えてくるものがある。
「THYSIASTERY」は,3DダンジョンRPGの骨格にローグライクの緊張感とビルドの自由度を持ち込んだ一作だ。
仲間の死は覆せず,迷宮は毎回姿を変え,スキル伝授が「今回だけの最適解」を探す動機になる。
ターン制の戦闘もタイムライン管理を通じて歯応えがあり,考えることが尽きない。難度は細かく調整できるので,3DダンジョンRPGかローグライク,どちらかに少しでも引っかかるなら,ぜひ遊んでみてほしい。
- 関連タイトル:
THYSIASTERY
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