連載
1990年代のレンタルビデオ店をイチから育てる経営シム「Retro Rewind」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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棚にはまだ数えるほどしかないビデオテープ。看板を灯せば,あなたはこの小さなビデオ店のオーナーだ。
1990年代――レンタルビデオ全盛の時代に,自分だけの一軒を繁盛させる物語が始まる。
本日は,Blood Pact Studiosが手掛ける「Retro Rewind - Video Store Simulator」を紹介しよう。
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本作は1990年代のレンタルビデオ店を舞台にした経営シミュレーションゲームだ。プレイヤーは小さなビデオ店の新米オーナーとなり,ほぼ空っぽの店舗をビデオテープの仕入れや内装の整備で少しずつ拡大しながら,街一番のビデオショップへと育て上げていく。
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ゲームの流れは「朝の準備→営業→閉店」を1日サイクルで回す形になっている。朝はまず,夜のうちに返却されたビデオテープの確認から始まる。
1本ずつチェッカーに通して巻き戻しの有無を調べ,されていなければ巻き戻し機にかける。事前に予約が入っているものは予約棚に分けて保管する。
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それらが済んだらPCからビデオテープを注文して品揃えを補充し,届いた商品を棚に並べていく。仕入れは単品のほか10本まとめパックもあり,何が届くかわからないガチャのようなワクワク感がある。
新作映画を卸すと宣伝用のポップが一緒についてきて,店内に飾れるのも面白い。店先の看板をOPENにして開店すると客が来店し,レジでの会計や予約品の受け渡しに対応する。閉店するとその日の売上が表示され,1日が終わるといった感じだ。
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このゲームの特徴は,こうしたレンタルビデオ店ならではの実務がそのままゲームシステムになっている点にある。面倒な作業も含めて当時の店舗業務を丸ごと追体験できる作りだ。
さらに,カレンダーが進むにつれて天候やイベントが変化し,雨の金曜夜にはレンタルが急増するなど,状況に応じた在庫やスタッフの配置を考える必要がある。
タグで広がる接客のやり取り
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ビデオテープにはジャンルだけでなく,「古い映画」「評価の高い映画」「評価の悪い映画」といったさまざまなタグが付いている。
営業中,客がカウンターにやってきて「今こういう気分だからこんなジャンルの映画が観たい」とおすすめを求めてくることがあり,タグを手がかりに棚から探して渡す。なかには「あえて不評な作品がいい」というリクエストもあって,このやり取りがなんとも楽しい。
配置が経営を左右するレイアウト設計
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壁や床のデザイン変更,ポスターやフィギュアといった装飾に加え,棚の形状や配置も自由にいじることができる。入口付近の目立つ棚に新作を並べるか,レジ前にスナック類を置くか。
客の導線や作業効率に関わるため,見た目を整えるだけでなく,どこに何を置くかが売上にも影響する。
季節やイベントで変化する客足と需要
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ゲーム内の時間が進むと四季や天候,休日が移り変わり,それに合わせて客の流れや求められるジャンルが変動する。
ハロウィンにはホラーが,クリスマスにはファミリー映画がよく出るなど,時期を読んだ在庫の入れ替えが経営の手腕を問われるポイントになっている。
「Retro Rewind - Video Store Simulator」は,ビデオテープを棚に並べ,巻き戻し機を回し,客のリクエストに応えて1本を選ぶ――そんなレンタルビデオ店の日常を,面倒くささごと愛情をもって再現した一作だ。
派手な展開で引っ張るゲームではなく,日々の営業を繰り返すなかで店がじわじわ大きくなっていく手応えを味わうタイプのゲームである。
なお,本作は日本語には対応していないが,客のリクエストもビデオテープのタグを見れば内容がつかめるので,英語が得意でなくても十分に楽しめるだろう。90年代のビデオ屋に足を運んだ記憶がある人はもちろん,あの時代の空気に触れてみたい人にも勧められる。
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