企画記事
三国志への思いを,システムが全肯定してくれる。「三國志8 REMAKE with パワーアップキット」を全三国志ファンに遊んでほしい理由
――ああ,これはゲームを「より高度に,複雑に」するものではなく,「三國志が好き」という気持ちを全肯定する方向でパワーアップしたのだな,と。
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コーエーテクモゲームスが2024年10月に発売した,「三國志」シリーズのナンバリング第8作のリメイク版「三國志8 REMAKE」(以下,三國志8RE)。それから1年が過ぎた2026年1月29日に,同作にさらなる新要素を追加した「三國志8REPK」はリリースされた。
発売直前,その内容に期待を込めてこのような企画(リンク)で本作を紹介したが,やはり実際にプレイしてこそ見えてくるものがある。
本作は「三國志8 REMAKE」を未プレイの人や,久しぶりに「三國志」シリーズに触れる人はもちろん,歴史シミュレーションが初めての人,漫画や小説などで「三国志」は好きだけどゲームはやってこなかったという人でも楽しめるのではないだろうか? そんな思いが湧き上がった。
なぜそのように思ったのか。パワーアップキットの新要素を生かした,二人の人物の“ロールプレイ”をとおして伝えたい。
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「三國志8 REMAKE with パワーアップキット」発売間近。いま遊べるシリーズ作品とともに,8リメイクへと至る歩みとPKの見どころを紹介
「三國志8 REMAKE with パワーアップキット」がいよいよ発売を迎える。三國志の世界で“乱世を生きる体験”ができる「武将プレイ」が特徴の「三國志8 REMAKE」がどのような流れで生まれ,PKによってどう広がっていくのか。現行機で遊べるシリーズ作品を振り返りながら,その歩みとPKの注目ポイントを紹介しよう。
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- PC:三國志8 REMAKE
- プレイ人数:1人
- CERO B:12歳以上対象
- 戦略級
- 企画記事
- ライター:高橋祐介
- PC:三國志13 with パワーアップキット
- PC:三國志13
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- PC:三國志14
PKの前に「三國志8RE」の育成の楽しさをおさらい
本題に入る前に,ベースとなる「三國志8RE」について,なるべく簡単に伝えておこう。
本作は三國志に登場した1000人以上の君主,猛将,知将,あるいは平凡な武将や官僚として生きる感覚を味わえるゲームだ。よく「武将の視点で人生を楽しめる」と語られることが多いが,まさにその通りである。
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また特筆しておきたいのは,「三國志」シリーズがリアルタイムSLGをメインに展開する前の,コマンドベースの時代の作品がベースにあることであることだ。
久しぶりにSLGを遊ぼうという人に,部隊に忙しく指示を出し,刻一刻と変化する戦局に対応するのはなかなかつらい。
しかしコマンドベースであればじっくり考えて進められるし,なんなら横山光輝の「三国志」や王 欣太の漫画「蒼天航路」,四葉夕卜 / 小川亮の「パリピ孔明」といった,三国志関連の本を片手に遊ぶことだってできる。
いやいや,吉川英治の小説も捨てがたいな。あと北方謙三も……。おっと,止まらなくなるところだった。
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歴史上の人物の立場でドラマを楽しみつつ,自己鍛錬しつつ仲間を増やしていく。
そうやって戦乱の世を渡る準備を整え,武将から太守(都市を任される立場),都督(複数都市を任される軍団長)へと出世し,自陣営を天下統一に導くのが王道の遊び方となる。
なにより,自分自身で物語を描いて遊べる点は,漫画や小説,ドラマや映画といった三国志の作品が好きな人に刺さるはずだ。
似た感覚を楽しめる作品を挙げるなら「ファイアーエムブレム 風花雪月」や「パワプロ」シリーズのサクセスモードなどだろうか。
「……えっ?」と思うかもしれないが,普段は交流と特訓で自身と仲間(チーム)を磨き,合戦や試合といった「いざ本番!」という場面でその成果を爆発させると考えていただくと,なんとなく分かってくれると思う。
大きな違いは,愛でる対象が「士官候補生」か「球児」か,「ヒゲの武将」かくらい(?)だ。
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「それでも,戦略を立てて勢力を拡大していくのは難しいのでは?」と思う人もいるだろう。
しかしそこも心配なく。オート機能や全体マップ上での簡易処理でも進められるので,そういった勢力の運営はそこそこに,三国志の時代を生きるというところに重きを置いてゲームをプレイできる。
筆者自身も直接指揮をとるのは,それこそ官渡や赤壁クラスの,その後の勢力図に大きな影響を与えるような戦いくらいで,小規模戦闘や数で押せる戦いはオートで済ますことが多い。
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年代が進み,主人公に選んだ武将が寿命を迎えたとしてもゲームは終わりではない。
絆を結んだ武将の立場で志を継いでゲームを続けることもできるし,結婚して生まれた子供に次世代に統一を託すことだって可能だ。
物語は続いていくので,例えば主人公の周りに綺羅星のごとき将軍や美女を侍らせたいなら,天下統一はできるだけ引き延ばす……というプレイスタイルもオススメできる。
そして,ドラマチックな人生を生きるためなら,イベントの発生条件を崩さないよう敵勢力は滅ぼさず,生かさず殺さず残しておくことも常だ。
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さらにはオリジナル武将まで作成できる。
「三國志時代に転生したら無双してしまった件」みたいなノリで完全無欠の人物を作り,「転生もの」「追放もの」「悪役令嬢もの」などをイメージしてゲームを楽しむのもアリだと思う。あくまで“無双”ではなく歴史SLGだけど!
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まずはいにしえの悪来の再来「典韋」にて
と,これで大まかな楽しみ方は伝わったかと思う。
ここからは「三國志8REPK」における“ロールプレイ”を,典韋と崔琰(読みはさいえん。後でちゃんと紹介するのでご安心を)という二人の,各々の人生を通して伝えたい。
三国志の世界の花形といえば,やはり一騎当千の猛将。まずは,曹操が「古の悪来」とまで称えた武人,典韋で始めてみよう。
彼は夏侯惇にスカウトされて曹操軍に加わり,許褚と並んで主君の左右を固めた「三國志最強」の一角だ。
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開始年は197年。詳しい方ならピンとくるだろうが,「三国志演義」の典韋はこの年,主君・曹操を逃がすために全身に矢を浴び,ハリネズミのようになって壮絶な戦死を遂げている。今回は果たしてどうなってしまうのか?
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「歴史シミュレーションは数字が多くて難しそう」という人にとっても,典韋のような猛将プレイなら難しいことはない。
普段は主君のいる許昌で,治安維持や城壁の補修に汗を流すだけ。難しいことは知略に長けた仲間に任せればいい。見るべき数字はわずかだ。
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また,曹操とは最初から仲が良いので,評定(会議)で「城壁を直したいです!」と提案すれば,ほぼほぼ通る。
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仕事の合間には(行動力の余りで),最初から親友扱いの許褚と実力を認め合ったり,城壁補修のコツを教わるために軍師・郭嘉のもとへ通って交流したり。部活動のようなノリで,着実に「戦乱を生き延びる基礎」を固めていく。
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そうこうしているうちに,袁術が仲(ちゅう)を建国して調子に乗り始めた。ここで汝南への出兵を提案する。「特権」(提案を必ず通すパワー)も溜まっていたので,惜しげもなく使ってみた。
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戦場では,当たり前だが操作するのは典韋のみ。部隊編成や配置もおまかせ,というか口出ししなくてもOK。
進軍が始まると,総大将の曹操と上司の夏侯惇が二手に分かれた。どちらについていくべきか? そんなのは考えるまでもない,「殿の御身は俺が守る!」とばかりに,曹操の周囲で暴れ回るのが典韋らしいだろう。
ほどなく,汝南は曹操軍によって制圧された。
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続いては,運命の地・宛(えん)への出兵。
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史実ではここで果てるはずの典韋だが,ゲームでは一騎打ちで胡車児(こしゃじ)を討ち取り,彼の部隊を壊滅させる大殊勲を上げる。
なにか起きないかとも少しハラハラしたが,じつは内政画面で確認できるイベントリスト(演義伝)に「宛城の戦い」「張繡の離反」などの文字はない。本作の典韋はハリネズミになる心配はないわけだ。
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なお対呂布戦,袁紹戦は演義伝にて,一戦もすることなく進展していく。相手ははるか遠方。曹操本人は荊州・新野にまで進出しているため,彼に付き従う典韋にはあまり関係なく進行していった。
こんな調子で,評定や内政で人間模様を楽しみつつ,演戯伝で敵を片付けて行くのもひとつのプレイスタイル。三国の鼎立を経て,260年代ごろには統一へ向かう、そんな大河ドラマ的な楽しみ方もまた一興である。
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新システム「宝珠」がもたらした展開
だが,せっかくの「三國志8REPK」。もっと新規システムを使い倒した遊びはできないか? そう考えた筆者の目に止まったのは,PKで追加された「宝珠」だ。
宝珠をはめる盤のひとつ,「悪漢」の系統をながめていると,なかなか物騒なスキルを発見した。武将本人を直接襲える「襲撃」,悪名を伸ばすことで誰とでも会えるようになる「強行開門」の2つだ。
古来より「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」と言う。では,国を得んと欲すれば,先ず何を射るべきか──将を射るのである。
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ここで典韋,一念発起して野に下った。「襲撃」「強行開門」を開放するために胆力を上げ,悪名を積み重ねて,ついに修羅の力を手にする。
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悪名が低いうちは大物には会えない事も多い。だが,(袁紹から代替わりした)袁尚に属する「会える武将」を斬るうちに,次第に名のある将も面会してくれるようになっていった。これが強行開門の威力だ。
曹操軍の脅威となる敵将を,野に下った典韋が斬って排除する。表の歴史には残らないものの,曹操の勢力拡大の裏に典韋あり,だ。
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だが,順調すぎる曹操に対して,馬騰が諸侯に号令,諸侯連合を作って対抗しはじめた。これは中華の北半分を制圧しつつある曹操にとってもかなりのピンチ。このままだと四方八方から,十万を超える軍勢に攻められてしまう……。
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ここで典韋,かつての主君・曹操のためさらに奮起。といっても幕下に戻ったわけではない。連合の盟主,馬騰の下にダメ元で乗りこんでみた。すると……悪名が十分に上がっていたため会えてしまった(笑)。
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父・馬騰の窮地に,娘の馬雲騄(ばうんりょく)も割って入るが,典韋は親娘もろともに斬り伏せる。嗚呼……。
「全肯定」にもほどがあるというか,なかなかとんでもないことになってきたぞ。
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そして新システム「転機」によるしっぺ返し
これで連合軍も瓦解するかと思いきや,もうひとつの新要素である,機運の高まりに応じて発生するランダムイベント「転機」が強烈なしっぺ返しを食らわせてきた。もちろん君主の死もまた,転機を誘発する大きなトリガーのひとつである。
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なんと関中の馬超,荊州の劉表,益州の劉璋が転機によって「合従」し,ひとつの大勢力になってしまったのである! これでは諸葛孔明が描いた,関中と荊州から中原を叩く「天下三分の計」の完成,あるいはそれ以上にヤバい状況ではないか。
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こうなったらもう一刻の猶予もない。典韋は,馬超→馬休→馬鉄→馬雲騄と,馬騰の後継者を次々に斬っていく。その合間に荊州に手を伸ばしてきた孫権本人,その将である黄蓋,蒋欽,周瑜,呂蒙,陸孫……などなどを斬り続け,大喬と小喬の“二喬”をも手にかけた。
――典韋はただ曹操のため,鬼に,いや悪来と化したのだ。
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「悪来の再来? いやいや,悪来こそがそれがしの前座にござってな」
典韋がそううそぶいたかは定かではないが,こうして曹操軍の勢いを止められる者はいなくなり,213年10月,孫呉の最後の都市が陥落。中国は曹操によって統一されたのである。
なお典韋は無理がたたったのか(元々寿命が短い),209年に亡くなっている。天下統一を見届けたのは息子の典満であった。
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典韋伝,これにて一巻の終わりである。
いや,まだ崔琰が残っているのだが。
修羅の道の次は「崔琰」で乱世を渡る
さて。典韋では歴史の裏側で血の雨を降らせ,曹操の天下を導いたが,本作にはまだまだ多くの生き方があり,宝珠システムがそれらを肯定してくれる。
そこで次は,全く逆のベクトルで乱世に挑んでみた。選んだのは,袁紹,曹操と渡り歩いた文官・崔琰(さいえん)。「蔡文姫」として知られる……って,それは同じ“さいえん”でも蔡琰のほう。
今回の主人公・崔琰は,曹操に直言をはばからなかった「正論」の人であり,司馬懿の才能をいち早く見抜いた慧眼の持ち主でもある。
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その最後もまさに「壮絶」だ。建安21年(216年),崔琰はかつて推挙した人物が世間から非難されたときに,彼を励ますような手紙を出した。
だが,その文章の一部だけを悪意を持って切り取られ,「曹操の政治への批判である」と讒言されてしまう。晩年,疑心暗鬼にかられ苛烈さを増していた曹操はこれに激怒し,崔琰に死を賜る。
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あるいは,申し開きをすれば助かったのかもしれない。だが,彼は言を翻すことなく,死を選んだ。
正確な情報の大切さや,言葉の重みを知る稼業の端くれとして,筆者は彼の「折れない生き方」にどこか襟を正したくなる。だからこそ,この「三國志8REPK」の新システムを通じて,彼の生き方を味わってみようと思ったわけだ。
「上奏」の宝珠が能力を補う
さてゲーム開始は時を遡り,崔琰が曹操の陣営に身を寄せた204年の鄴(ぎょう)から。彼は政治85と文官としてはまずまず一流だが,知力は73と謀略は得意ではない。だが,PKで追加された「宝珠」がその限界を突破させてくれる。
特に強力なのが,一般武将の系統で開放される「上奏」だ。これがあれば,自分が得意ではない高度な謀略を,賈詡のような謀臣に頼んで実行してもらうことができる。
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「『道を同じくせざるは相為に謀らず』と申しますが,我らは同じく曹操殿の元で,王朝再興の志を持つ身。……私のような朴訥な者には,どうにも工作というものは手に余る。賈詡殿,頼みましたぞ」
「なんとも白々しいものよ。承った」
なんて具合だろうか。宝珠のおかげで崔琰らしさを保ちつつ,陣営にとって必要な手を打つことができるわけだ。
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その後,内政や外交,人材登用を中心に出世を重ねていくと,周囲との関係は深まっていった。主君である曹操,自ら推挙した司馬懿,もともと仲の良かった毛玠,同じ袁紹に仕えていた張郃,比較的新参の張遼や徐晃といった名将たち。
そしてついに曹操から太守へと指名される。さらには「義兄弟にならないか」とも誘われたが……。
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ゲーム的なQoLで言えば,これらの誘いを受け入れたほうが,自己鍛錬でも,内政でも,戦場においても圧倒的に有利になれる。
だが,崔琰という男なら「私は一幕僚として,正論を吐く立場でいたい」と考えるのではないだろうか。
そう考え,筆者はこれらをすべて辞した。義兄弟になれば,かえって曹操に直言しにくくなるだろう。太守になれば,政務に追われて大局が見えなくなるかもしれない。
このように,本作のシステムは「あえて不便な道を選ぶ」こだわりすら許容してくれる。
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「転機」と「都督」の宝珠がもたらした覇道
しかし,そんな崔琰にも試練の時が訪れる。
それは典韋編でも起こった連合だ。今回のプレイでは,曹操が北方を完全制圧した段階で発生。典韋のように暗殺では解決できないため,淮南,徐州,豫州,青州,さらには長安までもが一気に落とされる。
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都督として宛や汝南,寿春あたりを任されていた「王佐の才」荀彧の軍団が消滅し,代わって崔琰が都督に任じられるという,史実ではあり得ない大抜擢を受けることになってしまった。
「こうなれば,致し方ありますまい」
ロールプレイはひとまず置いておき,ここからは怒涛の起動防御の始まりだ。
圧倒的な敵主力が攻めてきたら撤退して戦力を温存,手薄な場所を攻め返して拠点数や都市間のネットワークを維持する。もはや三國志というより,第二次大戦のドイツ装甲部隊のような趣ではあるが。
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やがて連合の期間が終わり,諸侯の軍は解散した。ここからは本格的な反撃に転じることが可能となる。
奪われた領土を回復し,孫権の軍が立て直す前に寿春に逆侵攻をかけようというところで,さらなる転機が発生。……選ばれたのは「決戦」だ!
これはルートがつながってない遠方都市から全軍が集まるという転機で,両軍の10万を超える軍勢が激突する。
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このタイミングが絶妙だった。すでに巻き返しつつあった状況で,曹操と孫権の軍が全力でぶつかったのである。
敵が一箇所に集まってくれたおかげで,各地の防衛力を効率よく削ぐことができた。決戦の発生時は身構えたが,済んでみれば「天」の助けといっても過言ではない。天佑我にあり,だ。
もはや孫権に,都督・崔琰を止める力はない……などと油断していたら,襄陽では2倍近い敵に囲まれる危なっかしい事態に。このときは筆者が直接指揮をして,なんとかしのぎきった。
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なお,都督の宝珠には都市のルートに制限されず,援軍を送り込めるようになる「精兵派遣(軍)」「戦力結集(軍)」というものがある。
これを習得すると,崔琰のいる都市から,どの都市にでも援軍を送れるようになってしまった。
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| 屯田制を越えた,常備軍のようなものだろうか |
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| この時期,曹丕や降将の甘寧ともいい関係に |
その後の崔琰は,まさに風林火山にして疾風怒濤(?)。残る孫権の領土を平らげるどころか,益州,雍州,涼州を制圧するまでに,さしたる時間はかからなかった。
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「こうなれば,致し方ありますまい」
孫権への反攻作戦以後が流れるようにスムーズだったので,ここで筆者のなかにちょっとしたいたずら心が生まれる。主君・曹操からの独立だ。折しも曹操は魏王にならんとしていた。
崔琰との間柄が「敬愛」「相性」となった武将たちを各地の太守に据えたうえで,独立を宣言すると……益州から荊州,揚州の重要都市を擁す大軍閥・崔琰軍が誕生する!
ここからは曹操の手から天子を奉戴(ほうたい)し,王朝の威光を取り戻すための戦いが始まるのだ。
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史実では道理を通して死を選んだ男が,今回の歴史では最大級の軍閥を率い,己が手で漢王朝再興を目指す。
修羅の道を選んだ典韋が曹操を天下へ導いたのに対し,正道の士だったはずの崔琰が,最後に曹操をも力で従えようとする。
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そんな,ほぼ荒唐無稽とも思える歴史すらも本作は拒まない。プレイヤーが紡いだ無二の歴史と受け止め,肯定する「巨大な器」。それこそが「三國志8REPK」なのだ。
歴史を壊す力と,歴史を創る矜持――暗殺を繰り返し,巨大な合従国を誕生させ,最後には息子に天下を託して去った典韋。一方,清廉潔白を貫き,上奏で同僚を動かし,最後には主君に代わって「正道」を掲げた崔琰。
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この二人の人生を並べてみることで「三國志8REPK」の本当の姿が見えたように思う。本作は,プレイヤーに「遊び方」を一切押し付けることがない。
暗殺者として歴史を破砕しようと,文官として理想の王朝を追い求めようと,あるいは途中でいたずら心を出して主君を裏切ろうと。「宝珠」はそれに寄り添い,支え,そして「転機」は新たな遊ぶ動機を用意してくれる。
ゲームとは,歴史シミュレーションとは一体なんなのだろうか。
その問いにはっきりした答えなんて無いのだろう。自らの三國志への思いを遠慮なく開放できる「自由な遊び場」が,すべての三國志ファンの訪れを待っている。
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25年を経ても色褪せない「三國志VIII with PK」の手応え
今回の記事を書くにあたり,今もSteamで購入できるオリジナルの「三國志VIII with PK」を遊び直してみた。
約25年前,この作品がいかにすごかったのか。それを語るには,当時のPCゲームシーンを振り返る必要がある。
当時のPCゲームには,巨大な世界に生きるひとりとして,自由に振る舞う遊びの流れがあった。
古くは「ルナティックドーン」シリーズのように,世界の出来事に関わったり関わらなかったりしつつ,一人の冒険者として漂泊する体験があった。あるいは「銀河英雄伝説IV EX」のように,数多の提督の一人として艦隊を率い,昇進やクーデターに明け暮れるロマンもある。
前作「三國志VII」で芽吹いた全武将プレイの概念を,「誰で遊んでも乱世を生きる人間のドラマ」を感じられるほどに,とにかく圧倒的な物量とクオリティで成立させたのが「VIII」だったのである。
すでに崔琰でも楽しく遊べてしまう
四半世紀が過ぎたいまプレイすると,やはりグラフィックスやUIからはときの流れを感じる。しかし,特筆すべきはそのプレイフィールの「骨太さ」にある。
リメイク版が「思いを全肯定する遊び場」へ進化したのに対し,オリジナル版は少しばかりストイックだ。
人間関係を築くにも足繁く訪問を繰り返し,地道に会話やプレゼントを重ね,一歩ずつ立身出世の階段を登っていく。まるで自らの足で乱世の中原を歩んでいるような,砂まじりの風を感じなくもない。
事情により昇進も見送られる……
一方で,リメイク版でも一部で話題となっていた「隣接都市からの援軍の多さ」は,当時のファンの間でも話のタネだった。この豪快なバランスを「宝珠」でさらに圧倒できるのが,「三國志8REPK」の破天荒な魅力とも言える。
すべて燃やしてしまえ!
当時を知る人が懐かしむだけでなく,未経験の人もこの原典に触れておく意味は大きい。最新作のような手厚いガイドはないが,説明書にはチュートリアルのお姉さんの原型もいる。
骨太なシステムのなかで己を貫き,大陸を統一する満足感は,25年が過ぎても決して古びることのない最高のエンターテインメントだ。
「三國志8REPK」が気に入った人は,ぜひセール時にでも“剥き出し”の「三國志VIII with PK」に触れてみてほしい。
妻を娶ったら、天文の特技を教えてくれた。伴侶が心強いのも当時からまったく変わらない。どこか襟川夫妻のようでもある
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