連載
まばたきと表情で家族を救う赤ちゃんの奮闘劇「Goodnight Universe」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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テレキネシス,マインドリーディング。
家族は私を愛しているが,誰も本当の私を知らない。そして,その力を嗅ぎつけた何者かの影が,この家に近づいていた。私は家族を守れるだろうか。
本日紹介するのはNice Dreamが手掛ける「Goodnight Universe」だ。主人公は,生後6か月の赤ちゃん「アイザック」で,超能力(サイキック)に目覚めたばかりだ。
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本作の最大の特徴は,ゲームプレイにWebカメラを使う点にある。プレイヤー自身の「まばたき」でライトをつけたり,「目を閉じる」と登場人物の心の声が聞こえたりする。顔の表情でこちらの感情を伝えることも可能で,もちろんコントローラでの操作も可能だ。
アイザックは物理的には非力な赤ちゃんだが,その代わりに「テレキネシス(念力)」で物を動かし,「マインドリーディング(思考を読む)」で家族の悩みを知ることができる。
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ゲームは物語を重視したアドベンチャーであり,派手な戦闘などはない。プレイヤーは赤ちゃんとして振る舞いながら,その不思議な力を使って,家庭内で起こるさまざまな出来事や,外から迫る脅威に立ち向かっていくことになる。
自分の「顔」がコントローラに
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このゲームは,プレイヤーの「まばたき」や「表情」そのものを操作に取り入れている点が面白いポイントだ。多くのアドベンチャーゲームがボタンやスティックで選択肢を選ぶのに対し,本作では目を閉じて相手の考えを探ったり,顔をしかめて会話の調子を変えたりする。
これにより,プレイヤーは画面の中のアイザックと強く結びつき,「自分が体験している」という感覚を得られる。物語への関わり方が,これまでとはまったく違う手触りになっているのだ。
「赤ちゃん」でしか越えられない冒険
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主人公は生後6か月の赤ちゃん。大人の知性を持ってはいるが,自由に動けず,言葉も話せない。しかし,彼は同時に超能力者でもある。物が動かせない代わりに念力で扉を開け,家族の悩みを言葉で聞けない代わりに心を読む。
この極端な制約と万能さが同居するアンバランスさが,家庭内というありふれた舞台を,予測不能な冒険の場に変えている。
家族の秘密と「愛されたい」願い
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本作は,ただ超能力で問題を解決する話ではない。アイザックが何より望んでいるのは「家族に受け入れてもらうこと」だ。プレイヤーは彼の力で,両親の後悔や姉の葛藤,亡き祖父の記憶といった,家族が抱える心の傷に触れていく。
超能力という非日常を描きながら,その中心にあるのは「孤独」や「理解されたい」という誰もの心にある感情だ。だからこそ,この家族の物語が強く心に残る。
「Goodnight Universe」は,「まばたき」や「表情」という自分自身の動きで物語に関わっていく,とてもユニークなアドベンチャーゲームだ。赤ちゃんという無力な存在が,超能力という強大な力を使って家族の絆を取り戻そうとする。その過程で描かれる家族それぞれの悩みや愛情の形は,きっと多くの人の胸を打つだろう。
派手なアクションや難しい謎解きを求める人には向かないかもしれない。だが,一本の映画を観るように,あるいは一冊の小説を読むように,深く心に残る物語を体験したい人には,ぜひ触れてみてほしい一作である。
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