ないは本日(2025年11月12日),ムー編集部が監修したボードゲーム「
都市伝説ダウト『証拠より論』」を
Amazonで発売した。価格は4950円(税込)。
本作は,社会問題化している「陰謀論」にハマらないための耐性を身につけることを狙いとしたゲームだ。プレイ人数は
4人から6人で,プレイ時間は
約20分。
プレイヤーは,都市伝説テラーとして,配られた
「都市伝説カード」の内容を披露していくが,カードのなかにはお題が書かれた
「ナシ伝説カード」がある。このカードを持っている場合は,お題や併記された豆知識にそって,その場で都市伝説を自作し,披露しなければならない。語り手はナシ伝説なことがバレないように話をし,聞き手はそれを見破っていく。
陰謀論にハマらない人の特徴である「熟慮性」を高めるために開発された本作だが,鹿児島大学の大薗博記准教授と昭和女子大学の榊原良太准教授と共同で効果検証を行った結果,
陰謀論耐性が高まるという効果は統計的に確認できなかったとのこと。
逆に,一部の指標では,ゲームを遊んだあとに
陰謀論を信じやすくなる傾向が弱いながらも見られた。この現象は,“実在する都市伝説にはダウト(嘘)を宣言しない”というゲームの特性上,都市伝説=本当と受け取ってしまう構造に起因している可能性が考えられる。
陰謀論耐性の強化を狙った
「ムー」監修のボードゲーム
都市伝説ダウト「証拠より論」販売開始
鹿児島大学・昭和女子大学の調査で“逆効果”が判明
「つまらない」「みっともない」など、あらゆる「ない」からコンテンツの企画・制作を行う「ない株式会社」(所在地:大阪市淀川区、代表:岡シャニカマ)は、11月12日に「ムー」監修のボードゲーム「都市伝説ダウト『証拠より論』」をAmazonにて販売開始いたします。当商品ではありもしない都市伝説をでっちあげたり、それを見破る体験を通して、社会問題化している「陰謀論」にハマらないための耐性を身につけることを狙いとしています。
プレイヤーは都市伝説テラーとして配られた「都市伝説カード」の内容を披露していきますが、カードの中にはお題が書かれた「ナシ伝説カード」があります。このカードをもっている場合はお題や、併記された豆知識にそって、その場で都市伝説を自作し披露しなければなりません。テラーはナシ伝説がバレないように話し、聞き手はそれを見破るというのが、基本的な遊び方になります。
 エンボス加工により傾けると浮かび上がるタイトル |
 パッケージ裏面 |
 都市伝説カード・ナシ伝説カードのサンプル |
 モザイク柄のカード裏面 |
遊び方
「都市伝説カード」と「ナシ伝説カード」がランダムに2枚ずつ配られたあと、5分間のシンキングタイムを設け、各自がエピソードの準備を行います。「ナシ伝説カード」にはお題にそった豆知識が記されており、プレイヤーはこれをヒントにしてありもしない都市伝説を創作します。良質な嘘ほど事実を巧みに織り交ぜているため、聞き手は惑わされやすくなります。
またナシ伝説を語っていても、それが実際に存在する都市伝説と重なる可能性があります。その疑いがある場合はネット検索で裏取りを行うことができ、この検索体験そのものが「本当のところはどうなのか」と疑う姿勢を育み、陰謀論への耐性を強化すると考えています。
商品情報
●商品名:都市伝説ダウト「証拠より論」
●価格:4,950円(税込)
●発売日:2025年11月12日
●内容:都市伝説カード・ナシ伝説カード(60枚)、説明書(1枚)
●プレイ時間:約20分
●プレイ人数:4〜6名
●監修:ムー編集部
●販売サイト:Amazon(https://www.amazon.co.jp/dp/B0FZLNL37Y)
※2025年11月23日の「文学フリマ東京41」(東京ビッグサイト南1-4ホール)の「ムー」出展ブースでも少数、販売します
陰謀論にハマらない人の特徴「熟慮性」を高めるために開発
陰謀論とは、科学的な根拠や証拠に乏しい主張であり、特定の組織や人物が社会を裏で操っているといった根拠不明の説や信念を指します。新型コロナの流行期には「ワクチンにICチップが入っている」といった噂がSNSで拡散し、社会の分断や混乱を招いたことは記憶に新しい事例です。国内外で陰謀論は今もなお社会問題化しており、情報リテラシー教育の必要性が高まっています。
こうした状況を背景に、鹿児島大学の大薗博記准教授と昭和女子大学の榊原良太准教授が共同で行った研究では、陰謀論にハマりにくくするには熟慮性(立ち止まってよく考える力)を高めることが重要だと示唆されました。この研究結果を踏まえ、本商品は「都市伝説」という不確かだけど魅力的なストーリーを疑いながら聞く体験を通して、熟慮性が向上するという仮説のもと企画されました。
また、自分自身が“でっちあげの都市伝説”を作り他者を騙す役割を担うことで、自分も同じように騙されているかもしれないという逆説的な気づきも得られます。こうした健全な懐疑心の育成こそが、陰謀論耐性を強化する鍵だと考え、本プロダクトの開発がスタートしました。
「陰謀論」の研究者と行った効果検証で“逆効果”が測定
2025年6月、大薗准教授・榊原准教授らと共同で効果検証を行いました。大学生36名を対象に、ゲーム実施前後で陰謀論に対する態度や信念の変化を測定する調査を実施。単に繰り返し態度や信念に回答してもらう「統制群」と比較することで、ゲーム実施の効果を分析しました。
その結果、本商品によって「陰謀論耐性が高まる」という効果は統計的に確認できませんでした。逆に一部の指標では、ゲーム後に陰謀論を信じやすくなる傾向が弱いながらも見られました。この現象は“実在する都市伝説にはダウト(嘘)を宣言しない”というゲームの特性上、「都市伝説=本当」と受け取ってしまう構造に起因している可能性が考えられます。本商品のコンセプトと実際の効果測定の結果には矛盾が生じたため、「この商品を遊ぶと陰謀論対策になる」という前提自体が、証拠を欠いた一種の“陰謀論”になっているとも言えます。この結果そのものが「論より証拠」の重要性を体現しているのではないでしょうか。
詳細な調査結果はこちら
https://note.com/firm_crocus3834/n/na30b4e7db339
関係者メッセージ
効果検証調査:鹿児島大学法文学部人文学科 大薗博記准教授
ゲームのルールを聞いて、単純に「面白そう!やってみたい!」と思った反面、リテラシーが向上するかは正直よくわからなかったので、きっちりとデータを取って検証することになりました。結果は、全くそのような効果は認められず、「学術的には、リテラシーの向上が期待できます」などとテキトーにコメントしなくてよかったなと思ってます。やっぱり「論より証拠」ですね。プロモーション的にはネガティブかもしれない結果でも面白がって正直に公開する、そんな高度のリテラシーを持ったゲーム開発者の岡さんが一番印象的でした。
効果検証調査:昭和女子大学人間社会学部心理学科 榊原良太准教授
都市伝説や陰謀論の危うさが話題となる中、あえてそれをゲームにする発想に驚きと面白さを感じました。実験参加者たちも、慣れないタスクに最初は少し戸惑っていたものの、徐々にゲームにのめりこんでいき、終わるころには立派な都市伝説テラーになっていました。実験結果はまさかの“逆効果”の可能性も…?この“逆効果”が真実になるかならないかは、あなた次第かもしれません。思いっきりゲームを楽しみつつ、疑いの目を持つこと、根拠を確かめることの大切さに、ときどき思いを向けてみてください。
監修:webムー編集長・望月哲史
AIハルシネーションのような、もっともらしい理屈で関連や推測を促すように語ることの体験。これは罪深いゲームです。そして、ここでナシ伝説として語られたことが数年後に都市伝説になることもありえなくもないというややこしさ。ともあれ、こういった仮説や異説を唱える際、語り手の世界観、社会観が反映されます。虚実に入り混じる願望の心地よさと後ろめたさを忘れずに、都市伝説のあやしさに溺れてください。