企画記事
マックスとクロエ,待望の再会に心がざわつく! 本日発売「ライフ イズ ストレンジ リユニオン」を楽しむために振り返る,2人のエモすぎな“これまで”
「ライフ イズ ストレンジ」シリーズのファンにとって,これほど心がざわつき,そして歓喜に沸くニュースがあるだろうか。本日(2026年3月27日)発売のシリーズ最新作「ライフ イズ ストレンジ リユニオン」(PC / PS5 / Xbox Series X|S,以下,リユニオン)では,タイトルが示すとおり,マックスとクロエがW主人公となって再び巡り会う。
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シリーズ1作目「ライフ イズ ストレンジ」(以下,LIS)は,青春ドラマとSFミステリーを融合させた,アドベンチャーゲームの金字塔。正しい選択とは何かという根源的な問いを突きつけられ,1人の少女を救うために必要な犠牲の大きさに葛藤し,涙したプレイヤーが数え切れないほどいるはずだ。
だからこそ,その後の「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」(以下,DE)で描かれた,クロエがいない世界に,寂しさを覚えた人は多いだろう。あの展開に胸を痛め,理由が気になっていたファンからすれば,今回の「リユニオン」での再会は待ちに待った展開に違いない。
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……と,いきなり熱く語ってしまったが,本シリーズを未プレイの人にとっては,当然ながらこの特別な感情,マックスとクロエの絆は実感しづらいだろう。第1作からじっくりと物語を味わってもらうのが一番だが,せっかくの最新作発売なのだから,このタイミングでリユニオンをプレイしてもらいたい気持ちもある。
ということで,本稿では最新作の発売を記念し,この数奇な再会がいかにして果たされるのかを振り返ってみたい。作品ごとに移り変わる2人の関係性や,彼女たちを取り巻く過酷な運命を整理し,「リユニオン」へと至る軌跡と再会が持つ意味を紐解いていく。
なお,本稿ではメインストーリーの核心となる部分はなるべく避けているが,記事の性質上ネタバレを多分に含んでいるので,それを了承のうえで読み進めてほしい。
また,まとめの内容には筆者の解釈によって補完している箇所もあり,すべての内容が公式の見解というわけではない。本稿の内容は1つの解釈として楽しむにとどめてもらえれば幸いだ。
マックスとクロエ
どれくらい仲が良かったの?
マックスとクロエの軌跡を振り返る前に,2人の人となりや,ベースとなる関係性をおさらいしておこう。
作中に登場する思い出の品々が物語るように,2人は自他ともに認める大親友だ。マックス13歳,クロエ14歳の頃までは,互いの家へ遊びに行っては海賊ごっこに精を出し,週に一度は家に泊まり合うほどの仲だった。2人だけの冒険と称して家を抜け出したり,片付けと称して人形を爆破する,やんちゃな遊びに胸を躍らせていた。
まさにズッ友な関係を築いていたものの,その後は気まずさからの音信不通,運命的な再会,そして再びの離別と,作品ごとに2人の関係性は移り変わっていく。
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マックス (Maxine Caulfield)
まっすぐで誠実,だけど心の内は毒舌家。自分のセンスや腕前を人前でアピールすることを避けがちな,内向的な性格だ。
「LIS」の作中にて時間を巻き戻す能力に目覚め,周囲の人々や自分自身の運命を変えていく。ブラックウェル高校時代はポラロイドカメラを常に携帯し,自撮り写真を撮ることにハマっていた。その10年後が舞台の「DE」では,小規模ながら賞を獲得する写真家へと成長し,カレドン大学で講師を務めている。
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マックスの家族
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クロエ (Chloe Price)
勝ち気で外向的な性格。マックスと海賊ごっこに没頭する少女時代を過ごすも,最愛の父親が亡くなったことを機に自暴自棄になり,向こう見ずな行動が目立つようになる。
マックスにとっては幼いころからの友達であり,「LIS」では決して失いたくない大切な親友として描かれるものの,「DE」においてはマックスの心を締め付ける存在となっている。
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クロエの家族
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物語の時系列順に見るマックスとクロエの軌跡
ここからは各作品での2人の関係性や背景に注目していこう。紹介順は物語の時系列に沿って,ボーナスエピソード「さよなら」「BTS」「LIS」「DE」の順としている。
<物語のあらすじ>
シアトルへの引っ越しは3日後。今日こそはクロエに別れを告げようと決意するマックスだったが,親友との楽しい時間を台無しにできないと,なかなか言い出せずにいた。クロエの部屋の片付けを手伝い,思い出の手紙を見つけたことで親友としての絆を再確認する2人。だがその直後,クロエの人生を一変させる悲しい出来事――父・ウィリアムの訃報が2人のもとに届けられる。
「ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム」(以下,BTS)のボーナスエピソードとして収録されている「さよなら」は,「LIS」の5年前にあたる話だ。マックスは13歳,クロエは14歳という設定で,短いながらも2人の絆の原点が見られるエピソードになっている。その後のクロエの心情への理解を深めるため,ここで描かれた2つの別れに注目してみたい。
●高校生活に馴染めないクロエ
この頃のクロエは,ブラックウェル高校へ通い勉学に打ち込んでいる。「LIS」での彼女しか知らない人には意外かもしれないが,ウィリアムが死去する以前の彼女は真面目で優秀な生徒だった。ジュニアハイスクール時代の成績は体育を除いてA評価で,科学コンテストで優勝するほどの勤勉家である。
となれば,さぞ充実した学校生活を送っていそうなものだが,どうやらそうではなかったらしい。様子のおかしいクロエを問い詰めると,クラスメイトにお気に入りの服をバカにされ,実験中に仕返しをしたところ,校長からお咎めを受けてしまったようだ。
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●クロエの心を引き裂いた父の死
3日後にシアトルへ引っ越すことを告げた直後,クロエとマックスのもとにウィリアムの訃報が届けられる。この時点で詳細な描写はないが,ウィリアムはジョイスを愛車で迎えに行く途中での交通事故によって亡くなったことが「LIS」にて語られている。
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プライス家にとってのウィリアムは,まさに太陽のような存在であった。マックスとクロエが隠したタイムカプセルを保存し直し,幼児教育の道に進みたいジョイスに快く大学への進学を勧め,頭ごなしに怒鳴ることなくユーモアを持って娘と接する。作中に残された断片的な情報だけでも,家族のために一生懸命な父親であったことがうかがえるだろう。
だからこそ,14歳の少女がそんな最愛の父を失った喪失感は計り知れない。ウィリアムの死は,のちのクロエの人格形成に強く影響を及ぼしたできごとであり,大きなトラウマとして残ることになる。
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●ずっと一緒だからね?
マックスはクロエに引っ越しのことを告げたものの,親友との別れの時間を十分にとれぬまま,葬儀の直後にシアトルへと旅立ってしまう。そのシーンを見るに,棺を見つめるクロエに直接なぐさめの言葉をかけることはできなかったようだ。
だが,マックスはこっそりとクロエの部屋にボイスメッセージを残していた。親友からのメッセージに涙し,すがるようにカセットを抱きしめるクロエ。マックスが引っ越してもこの2人ならきっと大丈夫,と思いきや……?
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<物語のあらすじ>
最愛の父を事故で失い,心に深い傷を負ったクロエ。ダイナーで働きづめの母とはすれ違い,心の拠りどころであった親友のマックスとも音信不通になってしまう。やり場のない孤独と喪失感を抱えた彼女は,父の死という現実に反発するように,かつての成績優秀な生徒から,タバコとクスリに依存する不良少女へと転じていく。
人生のどん底を漂い,誰からも理解されない暗闇のなか,クロエはレイチェル・アンバーと運命的な出会いを果たす。誰からも愛される完璧な優等生であるレイチェルもまた,アルカディア・ベイという小さな世界に息苦しさを感じていた。
正反対でありながらどこか同じ孤独を抱えた2人は,急速に惹かれ合っていく。その出会いが,やがてアルカディア・ベイを揺るがす悲劇的な事件へとつながっていくとも知らずに。
クロエにはマックスのような時間の巻き戻し能力はなく,一度選んだ選択をやり直すことはできない。だが彼女には,論戦で相手の言葉尻を捉えて反撃する話術「バックトーク」が備わっている
「BTS」の舞台は「さよなら」から2年後のアルカディア・ベイ。16歳となったクロエの視点で物語が描かれる。「LIS」の前日譚にあたる作品であるため,メインストーリーにマックスが直接登場することはなく,クロエとレイチェルの“出会いから親友に至るまで”のドラマにフォーカスされている。ここでは,「LIS」へつながるマックスとの気まずい関係と,クロエを変えた運命の出会いを中心に見ていこう。
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●「ずっと一緒」の約束の行方
「さよなら」のラストにて,マックスは「ずっと一緒だからね?」と言っていたはずだが,シアトルへと越してからはなんと音信不通気味になっている。メールのやりとりによれば,マックスは新しい環境に慣れることに精一杯で連絡をなかなか返せなかった,というのが言い分らしい。
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忙しかったのは決して嘘ではないだろうが,その後の「LIS」でつづられたマックスの日記を見ると,当時の心境として「引っ越しが決まって,私,正直ホッとしたのかも」と書かれている。ウィリアムの訃報が届くまでは「週1で手紙を書いたらやりすぎかな? 書くことなくなっちゃうかも」と考えていたぐらいなので,この状況は心理的な気まずさからきていると思われる。
彼女の性格から考えるに,傷ついた親友にどんな言葉をかければいいかが分からず,先送りにしているうちに気まずさが増してメールを返さなくなった……というのが本音ではないだろうか。つらい時期にクロエに寄り添えなかったこの出来事は,彼女との再会後もマックスの中に深い悔恨として残り続ける。
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●届くことはなかったマックスへの手紙
この頃のクロエの日記を見ると,その内容はマックスへの近況報告を兼ねた手紙のようなものになっている。その文面からは「絶交されたクロエ」「行方不明の元・大親友のマックス」と,自虐と皮肉が感じられるが,心の支えは変わらずマックスだったようだ。
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クロエはマックスに手紙を出したいと思いつつも,返事をもらえずショックを受けるのが嫌で,日記に書くことにしたらしい。このときのクロエにとっての日記は,ありのままの自分を受け入れてくれたマックスの代わりであり,素直な気持ちを吐き出せる場所だった。
手紙が届かなくとも,メールを既読スルーされても,友達でいたいという思いが詰まったクロエの日記は,読めば読むほど胸が苦しくなる。
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●いい子ちゃんなんてクソ食らえ
最愛の父の死は,どれだけの年月が経ってもクロエの心に大きなトゲを残したままだった。カウンセリングを受けても,クスリに手を出しても,ウィリアムを失った事故のフラッシュバックは消えてくれない。クロエは変わらず父の死に向き合えないでいた。
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娘がそんな状況であるにも関わらず,母ジョイスは恋人のデイビッドを家に招き入れるようになる。父との日々を忘れてしまったかのように家族写真をしまい込み,思い出の婚約指輪を売り払おうとする母の行動にクロエは反発を強めていく。
作中でジョイスに言い放った「期待することをやめればいい」という発言や,退廃的な行動の数々。これらは“これ以上傷つきたくない”クロエなりの逃避であり,家族を置いて死んでしまった“完ぺきな父”への反抗の表れだったように思う。アタシは完ぺきなんかじゃない,学校なんて無意味だと勉学を放り出したクロエは,奨学生にもかかわらず成績はガタ落ち。不登校気味になり,ついにはブラックウェル高校を退学処分となってしまう。
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●暗闇に差した光,レイチェル・アンバーとの出会い
羊のように群れるのを嫌いながらも居場所を求めていたクロエにとって,レイチェルとの出会いは運命といえるものだった。成績優秀,ルックスも抜群,誰からも愛されるスクールカーストの頂点である彼女は,クロエからすれば大嫌いなタイプ……であったはずなのに,なぜか心惹かれるのを止められない。不可能なんてものはないと思わせるレイチェルに感化されるように,クロエは次第に前へ進む決意を固めていく。
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この出会いは殻に閉じこもっていたクロエに翼を授け,アルカディア・ベイからロサンゼルスへ移住する選択肢を与えた。そうしてレイチェルに手を引かれるように,クロエは地獄から抜け出す一歩を踏み出し始める。それが生きる希望であるかのように……。
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<物語のあらすじ>
ブラックウェル高校に通うマックスは,ある日,女子トイレで青髪の少女が撃たれる瞬間を目撃してしまう。その凄惨な光景を前に時間を巻き戻す能力に目覚めたマックスは,少女の命を救うことに成功する。その少女こそが5年間も音信不通になっていたかつての親友,クロエであった。奇しくも運命的な再会を果たした2人だったが,見知ったはずの親友は別人のように荒れ果てていた。
父の死後,唯一の心の支えであったレイチェルまでもが失踪し,クロエは再び絶望の淵に立たされていたのだ。そんな彼女を救い出すため,クロエとともにレイチェルの捜索に乗り出す。巻き戻し能力によって選択を何度もやり直し,クロエに降りかかる死の運命を拒絶しながら,2人は失踪事件の真相へとたどり着く。しかし,運命を書き換えるその行為は,アルカディア・ベイを呑み込む嵐を引き起こしてしまうのだった。
5年ぶりの気まずい再会,巻き戻し能力の発現,ブランクを感じさせない親友との日々など,「LIS」には語りどころがたっぷりあるのだが,ここではマックスにとっての能力,そしてラストの選択が示唆するものを考察してみたい。
●連絡しようと思ってはいた
シアトルからアルカディア・ベイへと移り住み,ブラックウェル高校に通い始めたマックス。入学から1か月も経っているにもかかわらず,クロエに連絡をとれずにいた。音信不通であった気まずさ,慣れない環境に山のような課題……忙しさにかまけているうちに2人は再会の日を迎えてしまう。
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クロエから語られるこれまでの日々は,幼かったマックスが想像し得ないものであった。もちろん親友の頼みではあるが,無茶ぶりだらけなレイチェルの捜索を手助けし続けたのは,クロエを孤独にさせてしまった5年間への憂い,後悔,償いといった感情もあったからだろう。
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●マックスにとっての時間を巻き戻す能力
「これまでとは違う自分になりたい」と願っていたマックスは,幸か不幸か青髪の少女がネイサン・プレスコットに銃殺されるのを目撃したことで,時間を巻き戻す能力に目覚める。立ちはだかる問題をその能力をもってして解決し,ヒーローと持て囃されるマックスだったが,その力は自分の願いを叶える万能なものではないことを思い知らされる。
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その最たる例が,苦しむ親友を慮りウィリアムが事故死する過去を改変したことだ。過去へ遡り事故を防いだマックスを待っていたのは,カオス理論によって引き起こされる予期せぬ未来,そして残酷な現実だった。
元の時間軸で目にしたのは,何もかもが変わり果てた世界。ウィリアムの死を回避したことで,その運命の矛先はクロエに向かっていた。交通事故によって身体の自由を奪われた彼女は,両親の介護がなければ生き続けることが難しく,また高額な医療費にプライス家の生活は困窮していた。
変わり果てた世界でクロエと邂逅を果たすも,生きることに疲弊した彼女は自分の人生をマックスの手で終わらせてほしいと懇願する。親友の幸せを願ったマックスの選択は,違った不幸に突き落とすだけの“おせっかい”に過ぎなかったのだ。
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この凄惨な経験は,マックスの心に1つの覚悟を植え付けた。何があってもクロエに寄り添い,クロエだけは絶対に守ると。同時に,マックスにとっての巻き戻し能力が,“普通じゃない自分でいられる特別な力”から,“欠陥だらけの疫病神”に変わっていく。
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●そして少女は大人になる
物語のラストで待ち受ける選択は,自分にとってよりよい選択をしたはずのマックスに残酷な現実を突き付ける。女子トイレでクロエの運命を変え,幾度となくその死の運命を拒絶した反作用によって,アルカディア・ベイに未曾有の嵐が到来したのだ。
ここでマックスは究極の選択を強いられる。クロエ1人を生かすために「アルカディア・ベイを犠牲にする」,もしくは町の人々を生かすために「クロエを犠牲にする」ことを。
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マックスの選択を見守ってきたプレイヤーからすれば,それまでの彼女の行動がすべて無意味であるように映ったことだろう。積み重ねてきた物語をちゃぶ台返しでぶち壊す展開に見えるが,この選択にも意味がある。
この選択のシーンは,ありのままの現実を受け入れ“大人になるための通過儀礼”を描いている。マックスがクロエを失う事実を拒絶し,何度も時間を巻き戻すのは“目の前の現実を受け入れられないから”であり,彼女がまだ子供であることを物語る。現実を受け入れる行為は,すなわち大人になるための通過儀礼,そしてラストの選択はそのメタファーなのだ。
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●「LIS」はクロエのための物語でもある
これまでのまとめを踏まえて嵐のシーンを見返すと,「LIS」はマックスが大人になる物語であると同時に,クロエの成長物語でもあったように思う。
父が死んだ過去に囚われ,後ろばかりを見ていたクロエ。そんな彼女を変えたのは,自分の死を回避するために何度も時間を巻き戻し,1人苦しむマックスの姿だった。
思えば作中のマックスは,向こう見ずな行動をとるクロエを幾度となく救い,困難な状況を前にしても「私がいるから大丈夫」と,スマートに解決してみせた。巻き戻し能力のないクロエからすれば,どんな状況でも解決できる完全無敵のスーパーヒーローそのものだ。
そんなマックスが嵐を前にして「私のせいで町の人たちが死んじゃう」と自身の選択に苦しみ,クロエの前ではじめて弱音を吐く。
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だからこそクロエは,すべてのはじまりである“青い蝶”の写真を受け渡す。親友がこれ以上傷つかないための方法,「クロエを犠牲にする」選択肢を与えるために。「マックスがどんな選択をしても,それが正解だよ」というクロエの言葉に背を押されたことで,マックスもまた自らの選択を受け入れる覚悟を決めたのだ。
クロエのそれは,決して破滅願望からの自己犠牲ではなく,2人の運命を受け入れる覚悟だったように思う。「こんな町,爆弾落としてフッ飛ばしてやりたい」と口にしていたあの頃のままであれば,自分の命と引き換えに町の人々を救う提案はしなかったのではないだろうか。
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●「LIS」での1週間は無駄だったのか?
クロエを犠牲にした場合,ネイサンに撃たれる日まで時間を巻き戻すことになる。それはつまり,嵐の日までにクロエと積み重ねた時間もリセットされてしまうわけで,2人の日々が無駄だったように感じるかもしれない。
だが安心してほしい。そのアンサーはクロエの口から語られており,「リユニオン」につながる伏線となっている。
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「LIS」のラストにてアルカディア・ベイを犠牲にすると,クロエが生存する代わりに町が甚大な被害を受ける。作中では瓦礫だらけになった町の風景が映し出されるのみなので,町民の全員が死んでしまったと思われがちだが,じつはそのすべてが命を落としたわけではない。
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「LIS 2」や「DE」「ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ」にて何人かの生存者を確認でき,2人のその後を語るキーパーソンとして登場する。その1人が誰あろうクロエの継父であるデイビッドだ。「LIS」から3年後が舞台の「LIS 2」の作中で登場する彼によれば,ジョイスはあの嵐で亡くなってしまったそう。彼自身は壊滅的な被害を受けたアルカディア・ベイの復興に尽力したのち,アリゾナのコミュニティに身を寄せているという。
肝心のマックスとクロエはというと,嵐が去ったあと2人で各地を旅しているそうだ。クロエとデイビッドはジョイスの死をきっかけに和解し,彼に会いにアリゾナまで遊びに来てくれるほど良好な関係を築いているという。
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<物語のあらすじ>
過去のトラウマから逃れるように,名門カレドン大学の写真講師として穏やかな日々を送っていたマックス。アルカディア・ベイでの選択を機に,彼女は時間を巻き戻すことをやめ,“普通の人”として前を向こうともがいていた。
だが運命は,彼女を再び悲劇の渦中へと引きずり込む。新たに親友となったサフィが何者かによって殺害されてしまったのだ。親友の死という残酷な現実に直面したマックスは,失意のなかで2つの異なる並行世界を移動する能力に目覚める。
一方はサフィが死んだ世界,もう一方はサフィが生きている世界。最悪の結末を回避するため,マックスはサフィの命を狙う犯人を突き止めるべく,危険な2つの現実を交錯させながらカレドン大学に隠された真実を暴いていく。
サ,サフィーーーー!!
「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」(以下,DE)は「LIS」の物語から10年後の世界が舞台。28歳となり,ティーン時代とは違った大人の風体を携えたマックスが登場する。運命とは数奇なもので,クロエとアルカディア・ベイのどちらを犠牲にしていても,この時点のマックスの隣にクロエはいない。
町を犠牲にした人ならば「なんでや!?」となるだろうし,「ライフ イズ ストレンジ 2」(以下,LIS 2)で2人が旅をしているとデイビッドから聞いた人なら「何があったんや!?」と頭を抱えるはずだ。2人は袂を分かち別々の人生を歩む,いわゆる疎遠状態にあり,決定打となった出来事についてはあまり多くは語られていない。
では,「DE」で何が描かれるかといえば,過去のトラウマと向き合い克服するマックスの物語だ。ここでは,彼女の言動や思い出の品を見つつ,そのあたりを考察してみたい。
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●時間を巻き戻さなくなったマックス先生
DEでもLISのセーブデータによって物語に若干の違いが出てくるが,アルカディア・ベイでの選択のあと,マックスはクロエの生存に関係なく旅に出ていたようだ。クロエが生きていればクロエとの2人旅となり,生きていない場合はマックス1人でのロードトリップとなる。
旅の傍ら創作活動にも力を入れていたようで,マックスはフリーのカメラマンとして小規模ながら賞を獲得するほどに。その功績を買ったカレドン大学の学長ヤスミン・ファヤードからスカウトされる形で,大学の客員アーティストとして教鞭を執ることになった。
物語の冒頭では,アルカディア・ベイでの出来事から10年経ち「こんなに幸せなのは数年ぶり」と,カレドンでの生活に満たされているマックスの様子がうかがえる。しかし,思い出の品に目をやると,その胸中には容易に人には話せないトラウマがあることが分かってくる。
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「LIS」でマックスは,ありのままの現実を受け入れる覚悟をし,大人への一歩を踏み出した。だがその選択はあまりにも重く,払った犠牲に対する自責の念に囚われ続けていた。それはもはや彼女にとってトラウマに等しく,町とクロエどちらを犠牲にしていても,あの選択の日からマックスは巻き戻し能力を使わなくなっている。犠牲を払った自分を罰するように……。
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●クロエが生きていた場合の2人の関係
カレドン大学に勤める以前のマックスは,クロエとともにアルカディア・ベイを離れ,ともに旅をしていた。どれぐらい旅していたかは不明だが,クロエからの別れの手紙をきっかけに疎遠になっている様子だ。
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トラウマを乗り越えられずにいたマックスは,クロエの顔を見るたびに故郷の崩壊を思い出し,クロエもまた自分のために罪を背負った親友の痛みを思い知る。互いを想う愛情が根底にありながらも,ともにいることで傷を抉り合うトラウマの連鎖が起きていたことは想像に難くない。
クロエはマックスがトラウマを乗り越え前へ進むのを待っていたものの,自分の存在が忘れられない過去の象徴であるがゆえ,親友の心を守るために距離を置いたと手紙の内容を解釈してみたが,果たして……。
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●前へと進みたかったクロエ
後ろ向きだったマックスに対して,クロエは早い段階で踏ん切りをつけていた様子が見られ,遅くとも嵐から3年経つ頃には前へ進む準備ができていたと推察できる。その裏付けとなるのが「LIS 2」で登場したツーショットだ。
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この写真のクロエは,アルカディア・ベイでの日々を象徴するタトゥーを黒く塗りつぶしている。それは,クロエの不安や後悔,喪失といった想いを表すとともに,選択によって失われた命を忘れず,人生を前へと進める決意の表れといえるものだ。
思えばクロエ自身は,「LIS」の時点で「どんな選択をしたとしてもそれは正解であり,どんな結果になっても自分を責めるな」とマックスに前を向くよう諭していた。それにも関わらず,クロエに責められていると感じていたマックスは,よほど深刻な心理状態だったのだろう。
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●「DE」は過去のトラウマと向き合い,克服する物語
本作はサフィの死の真相を追う物語ではあるのだが,マックスが過去に向き合いトラウマを克服するテーマもあったように思う。
過去をやり直したいという“強い後悔と執着”が巻き戻し能力の根源だとするならば,並行世界を感知し移動する能力は,選択によって起きうる複数の可能性(現在と未来)を受け入れる力と解釈できる。
その視点で「DE」でのマックスを振り返ると,過去をなかったこと(巻き戻し)にするのではなく,痛みを伴ってでも事実(並行世界)を受け入れる姿勢を見せていたように思う。「LIS」での決断から失っていた“前へと突き進む力”を取り戻し,自立した個として立ち上がるためのリハビリ,それが「DE」という物語だったのではないだろうか。
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そして物語は「リユニオン」へ
「DE」にて2つの並行世界をつなぎ合わせたことで,カレドン大学で巻き起こった数奇な物語は幕を閉じた。それが親友クロエとの再会の序章であったとも知らずに……。
「リユニオン」の舞台は,「DE」でも登場したカレドン大学。再び平穏な日々を送ると思いきや,突如としてキャンパスが炎の海に呑み込まれる。そんな絶体絶命の危機が襲うなか,あのパンクガールが帰ってくる。2つの世界線のあるはずのない記憶に悩まされるクロエは,その謎を解くべくマックスのもとを訪れた。燃える大学の謎,クロエの記憶が意味するものとは──?
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マックスとクロエが選び取る未来は,ハッピーエンドとなるのか,それとも再び別れが待っているのだろうか。2人が織りなす物語のクライマックスをぜひその目で見届けてほしい。
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- ライター:わさび
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