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2022年のハイエンドiPhone「iPhone 14 Pro Max」をテスト。順当な性能向上だが価格が最大のネックに
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印刷2022/10/05 21:00

レビュー

順当な性能向上だが価格が最大のネックに

Apple iPhone 14 Pro Max

Text by 林 佑樹


 搭載SoC(System-on-a-Chip)やタッチパネルにおけるサンプリングレートの向上などによって,Androidスマートフォンがゲーム用途で進化したこともあり,必ずしも「ゲーム用途ではiPhoneがベスト」とも言えなくなってきた(リズムアクションゲームは,いまだにシビアな点もあるが)。とはいえ,一応は統一された環境であるiPhoneに,ゲーム用途での利点があることに代わりはない。なにせ,ゲームスタジオは,確実に新型のiPhoneでゲームの動作を検証するからだ。
 そんなiPhoneの2022年最上位モデルとなる「iPhone 14 Pro Max」を,ゲーマー視点で検証していこう。

iPhone 14 Pro Max
メーカー:Apple
税込直販価格:16万4800円から
画像集 No.002のサムネイル画像 / 2022年のハイエンドiPhone「iPhone 14 Pro Max」をテスト。順当な性能向上だが価格が最大のネックに

 iPhone 14ファミリには,「iPhone 14」と「iPhone 14 Plus」のiPhone 14シリーズと,「iPhone 14 Pro」およびiPhone 14 Pro MaxからなるiPhone 14 Proシリーズがある。
 iPhone 14シリーズのほうは,「iPhone 13 Pro」のマイナーチェンジ的な存在であり,たとえば,iPhone 13からiPhone 14に変更すべき積極的な理由はない。しいて言えば,GPUコア数が4基から5基に,メインメモリ容量が4GBから6GBへと増えたことくらいだが,SoC自体は,iPhone 13シリーズとほぼ変わらないし,メインメモリチップも同じLPDDR4Xのままだから,大きな変化がないのである。
 そうした理由で,筆者はiPhone 14 Pro Maxをチョイスした次第だ。

 なお,すでにiPhone 14 Proシリーズを導入したゲーマーもいると思うが,本稿を執筆した2022年10月上旬時点では,「iOS 16」を導入すると,ゲームをプレイ中に3本指で画面をタッチしたときに不具合が起こるという大きな問題がある。それゆえに,リズムゲームや一部TPSのプレイヤーには,「iOS 15」のまま静観している人が多いだろう。本稿が掲載されるころには,OSアップデートで問題が解消しているかもしれないが,現状ではそういう問題があることは認識しておいてほしい。


アウトカメラの大型化以外は,いつものiPhoneと変わらない外観


 iPhone 14 Pro Maxは,公称本体サイズが77.6(W)×160.7(D)×7.85(H)mmで,公称本体重量が約240gという大型のスマートフォンだ。ディスプレイパネルには,6.7インチサイズで解像度1290×2796ドットの有機ELパネル「Super Retina XDRディスプレイ」を採用しており,最大リフレッシュレート120Hzにも対応する。なお,タッチパネルのサンプリングレートは未公開だ。
 一方,iPhone 14 Proは,公称本体サイズが71.5(W)×147.5(D)×7.85(H)mmで,公称本体重量が約206gとなっている。200gを超えてはいるが,6.1インチサイズと持ちやすい標準的なサイズといえる。ゲームを頻繁にプレイする前提で選ぶなら,どちらのサイズが自分に適するかを考えて選び,次にストレージ容量を検討することになるだろう。
 iPhone 14 Proの内蔵ストレージ容量は,両モデルとも128GB/256GB/512GB/1TBの4種類がある。最近のゲームアプリが肥大化していることを考えると,256GB以上がおすすめだ。

iPhone 14 Pro Maxの前面(左)。ノッチから横長のパンチホールになったところが大きな違いだが,それ以外は今どきのスマートフォンな見た目だ。背面は,より専有面積を増やしたカメラモジュールが特徴である。なお,背面の色は角度によって見え方が変わる
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上側面。アンテナを区切る樹脂部分があるだけ
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下側面には,左からスピーカー孔兼マイクとLightningポートがある。なお,スピーカーは前面受話口にもあるので,ステレオスピーカー仕様だ
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左側面。左からSIMカードスロット,音量調整ボタン,サウンドのオン/オフスイッチがある。eSIMへのシフトが進んでいるため,2023年に登場するであろうiPhoneでは,SIMカードスロットが姿を消している可能性もありそうだ
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右側面。「電源/スリープ」ボタンがあるだけだ
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 外観は近年のiPhoneそのもので,アウトカメラの巨大化とでっぱりが目立つようになった点以外には,大きな違いはない。インカメラとセンサーを含めた部分がノッチから,大きめのパンチホールとなったが,横長であるため,ノッチよりも気になりやすいのは,筆者だけだろうか。

iPhone 12 Pro(左)とiPhone 14 Pro Max(右)を並べてみた
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iPhone 12 Pro(左)とiPhone 14 Pro Max(右)のカメラと比べてみると,巨大化がよく分かる。ただ,光学系の部材や演算処理で画像を作る「Computational photography」の発展からすると,これ以上大きくなることはなさそうだが
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Dynamic Islandの例。パンチホール部分を覆い隠して通知領域が大きく表示され,アプリに応じて見た目や機能も変わる
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 なお,iPhone 14 Pro シリーズには,横長パンチホールを利用した「Dynamic Island」(ダイナミックアイランド)という新しいユーザーインタフェースが導入された。とはいえ,別段ゲームに影響することはないようだ。技術的に可能になればだが,通知を発展させた用途として,ゲームのサブ情報を表示するような使い方を提案するゲームタイトルは出てくるかもしれない。それでも,既存の通知から大きく変わるものには(ゲーム用途においては)ならないだろう。タイマーや時計,バッテリー残量くらいは表示されてもいいのだが。

パンチホールには,インカメラや「TrueDepth」カメラなどがある。角度をつけないとカメラの存在が分かりにくい点を利用して,UIの一部として活用するのが,Dynamic Islandである
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縦画面ゲームである「ロマンシング サガ リ・ユニバース」の表示例。ゲーム側がノッチを想定したレイアウトになっているのが分かり,ゲームプレイへの悪影響はない
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横画面で表示した例。大きなパンチホールのまま存在する
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Dynamic Islandで「ポン」的なゲームを楽しめるアプリ「Hit The Island」。Haptic Engineも活用しており,ボールが当たった部分が震える感じがけっこう楽しい
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前世代との性能差を確認

大きな差が付くのはiPhone 12世代以前か


 繰り返しになるが,新しいSoCであるA16 Bionicを搭載するのはiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxだ。A16 Bionicは,プロセスルールの微細化と新設計によって性能が向上しているという。CPU構成は,高性能コア×2基と高効率コア×4基で,GPUは5コア,AI処理に用いる「Neural Engine」は16コアと発表されている。これらの数は,iPhone 14シリーズのA15 bionicと変わらない。
 一方で,iFixitなどの分解情報によると,メモリチップは容量6GBのLPDDR5メモリになっており,LPDDR4メモリを使っていたA15 bionicよりも高速だ。

 Appleは例によって,SoCの詳細をあまり公開しないのだが,ゲームに直結する強化点はあまり見当たらない。実力はどうなのか,ベンチマークテストで検証してみるとしよう。
 今回は,iPhone 14 Pro MaxとiPhone 13iPhone 12 Pro11インチiPad Pro(以下,第3世代iPad Pro)を用意して,「3DMark Wild Life Extreme」と「3DMark Wild Life Extreme Unlimited」「Geekbench 5」を実行した。第3世代iPad Proのみ,OSがiPadOS 15.7で,iPhone 13とiPhone 12 ProはiOS 15.7を用いた。なお,iPhone 13とiPhone 12 Proでは,iOS 16でも計測してみたものの,スコアは誤差範囲であった。

 先に触れておくと,すべてのテストで「Apple M1」を採用する第3世代iPad Proが,ダントツによい結果となった。これは,単純にCPUとGPUの数が多い(高性能4コア,高効率4コア,GPU 8コア)ことがてきめんに効いている。ハイエンドiPhoneの価格高騰が気になるようであれば,スマートフォンよりは製品寿命の長いiPad Proを,ゲーム用端末として検討するのもアリというわけだ。
 もちろん,タブレット端末とスマートフォンでは,生活の中での使い方が違うので,必ずしもすべての用途で代替できるわけではないが,スマートフォンの値上がりに応じてモバイルゲームとの付き合い方を変えるには,適当なタイミングかもしれない。

 話をベンチマークテストに戻そう。
 グラフ1は3DMark Wild Life Extremeの,グラフ2は3DMark Wild Life Extreme Unlimitedのスコアをまとめたものだ。

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 旧世代のiPhoneに比べると,順当なグラフィックス性能の向上を確認できる。ちなみに,iPhone 13 ProやiPhone 14は,3DMark Wild Life Extremeで「2600」あたりのスコアになると思われる。そう考えると,iPhone 14 Pro Maxに更新して大きな性能向上を体感できるのは,iPhone 12 Pro以前のユーザーであろう。実際,iPhone 13とiPhone 14 Pro Maxのゲームにおけるプレイフィールは大差がなく,厳密にfpsを計測して,ようやく差が分かる程度だ。
 そもそも,iPhone向けのゲームタイトルでは,最大フレームレート60fpsが一般的であるため,iPhone 12シリーズ以前のユーザーが買い換えれば,高画質設定で60fpsの快適なゲームプレイを楽しめるだろう。

 グラフ3は,Geekbench 5のCPUテスト結果をまとめたものだ。

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 Single-Coreのスコアは順当に向上しており,Multi-Coreスコアはさらに向上している。こうした性能向上は,写真加工や動画編集時に強く体感できるほか,ゲームの起動速度でも体感しやすい。
 余談だが,第3世代iPad ProのSingle-Coreスコアは,A15 BionicのiPhone 13と同程度であった。CPUコア自体の性能は,Apple M1と大差ないようだ。もちろんCPUコア数が多いため,Multi-Coreスコアでは第3世代iPad Proが圧倒する。

 Geekbench 5のComputeテスト(グラフ4)は,CPUとGPUに加えて,Neural Engineやメモリ性能も関わってくる総合性能テストなので,iPhone 14 Pro Maxと前世代で大きな差が生じている。とはいえ,ここでも第3世代iPad Proが強い。

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 この性能差を見ると,Apple M1もしくはApple M2搭載iPhoneの登場を期待する読者もいるだろうが,短期的な可能性は低そうである。

熱のテストで使用したESR製のiPhone 14 Pro Max用ケース
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 ベンチマークテスト中も熱で動作が遅くなる様子はなく,放熱はしっかりとしているようだ。裏面から触ると,SoCがあると思われる部分が分かりやすく熱を持つ。
 ケースを装着させない状態ならば放熱に問題はないが,スマートフォンにはケースを装備するゲーマーも多いだろう。そこで,ESR製のiPhone 14 Pro Max用ケースを装着して,室温28度の環境で1時間ほど「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,デレステ)で楓さんのライブを眺めてみた。フレームレートの落ち込みは発生せず,そのままゲームをプレイしても,タップの取得漏れは生じなかった。冷却性能をうたうスマートフォン用ケースはいくつか登場してはいるが,iPhone 14 Pro Maxは,見た目重視で選んでしまっても熱の問題はなさそうだ。


iPhone 14 Pro MaxのアウトカメラとLiDARを試す


 スマートフォンにおいて,カメラは重要視される要素だ。お出かけでのスナップ写真撮影に役立つといえば役立つが,ゲーマー的にはAR用途や,画像メモがわりの写真が主だろうか。
 iPhone 14 Pro Maxのアウトカメラは,性能としては順当なもので,光学系の性能とComputational photographyのバランスがいい印象に着地している。絵作りとしては,見たままの写真に近くなる傾向で,過剰な派手さはない。

日中のショットは,パッと見ではミラーレスデジタル一眼カメラとの差を感じにくくなった。とはいえ,拡大してよく見ると,AI処理が頑張ったであろう痕跡を確認できる(※クリックすると8Kサイズの画像を表示します)
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室内写真も同様に無難な絵になる。ところでX670Eマザーボードのチップセット,ちょっとホットじゃございませんこと?(※クリックすると4Kサイズの画像を表示します)
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 地味にゲーマーにも使えそうなものは,LiDARだ。直接LiDARをフル活用したゲームはない(はず)だが,LiDARを利用して3D間取り図を作って,部屋全体のゲーム環境を検討したり,自作PCケース内を3Dスキャンしてみたりといった使い方がある。
 3Dスキャンおよびフォトグラメトリ向けのアプリはいくつもあるが,まずは「Polycam」や「Scanivers」がお勧めだ。

Polycam(左)。RoomPlan APIを利用した部屋のスキャンは精度がよく,部屋にどんな家具をどこに置くかといったフロアプランの検討に役立つ。Scanivers(右)。Small,Medium,Largeからスキャン対象を選べるお手軽さが売りの3Dスキャンアプリ。iPhone XS以降のLiDAR非搭載スマートフォンにも対応している。開発は「Ingress」や「Pokémon GO」でおなじみのNianticで,今後のゲームタイトルにも活用されそうな気配がある
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120Hzのリフレッシュレートを生かせるゲームはあまりない


 iPad Proの一部端末が,最大リフレッシュレート120Hzに対応してから,5年が過ぎた。ただ,iPhoneが対応したのは2021年のiPhone 13シリーズからと遅れたこともあってか,対応ゲームはあまりない。iPhoneの場合,一部,リズムゲームやレースゲームが対応しているくらいだ。
 Appleの表記でいえば「アダプティブリフレッシュレート」となるが,iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxでは,リフレッシュレートを1Hzまで落とすことができるので,それを利用してバッテリー消費を減らして画面を点けっぱなしにする「Always On Display」(常時点灯)をアピールしている。また,実行中のコンテンツに応じて最大リフレッシュレートを変更する機能もあり,たとえば映画やアニメなら24Hz表示にできる。
 店頭で試すなら,iOSのホーム画面か「ブラウザ」,「マップ」あたりがお勧めだ。ゲームであれば,リズムアクションゲームの「Arcaea」で動きをチェックするといいが,対応しているタイトルのほうが珍しいくらいだ。

Arcaeaの「画面設定」で,「フレームレート」を「有効」にすると60fps以上で動作するようになる。譜面の動きで違いはすぐに分かるはずだ
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大画面の価値とデメリットを再認識したiPhone 14 Pro Max。iPhone 12以前からの乗り換えなら検討の価値あり


 筆者のiPhone遍歴を少し振り返ると,2年前に「やっぱデカすぎるんだ」とiPhone 11 Pro MaxからiPhone 12 Proに乗り換えたことがある。ただ,2年ほども外にほとんど出ない生活を続けると,また「デカい画面でもいいんじゃない?」と思うようになり,今回はiPhone 14 Pro Maxを選んだわけだ。……となると,2023年の今頃には「やっぱり小さいほうが……」と言っているかもしれない。ともあれ世情の影響は,スマートフォン選びにも大きいものだった。
 筆者の場合,iPhoneにインストールしているゲームアプリは激減してしまった。また,最近では「原神」のように,スマートフォンでもPCでも遊べるタイトルが増えている。よく言えば,そのとき都合のいいデバイスで遊びやすくなったわけだが,スマートフォンとPC,据え置き型ゲーム機の境界が曖昧になりつつあるということは,スマートフォンでゲームをプレイする時間が短くなることになるわけだ。

 そう考える筆者が,なぜiPhone 14 Pro Maxを購入したのか。それは,「iPhone 12 Proであと1年はいけるだろう」と思っていたら,2022年6月頃から「ウマ娘 プリティーダービー」やデレステが落ちやすくなったからだ。おそらくは,バッテリーの劣化によるピーク性能の低下によるものと思われる。バッテリー交換による延命も考えたが,ウマ娘の2周年に合わせて,「画質設定に『高品質』の追加が来るかもな」と予想した。楓さんも大事だが,アグネスタキオンのモルモットでもありたい。いつでも,どこでもだ。

目の前にPCがある生活が続くと,スマートフォンの操作は減ってしまい,もっぱらロマンシング サガ リ・ユニバース専用機となることが多かった。ところで,そろそろ零姫のスタイルをですね……,あとミルザさまのスタイルも……。バッテリー性能が「90%」になったあたりから,ピーク性能の低下からか,ソフトウェアキーボードのもたつきや,Safariのクラッシュなどの不都合も出始めた(右)
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 iPhone 14 Pro Maxを購入して,画面サイズが6.7インチになった。ゲームのプレイは単純に画面がデカいほうが楽しいし,リズムゲームにおけるタッチの精度も問題ない。iOS 16による3本指タッチ問題が解決したら,全面的にiPhone 14 Pro Maxへ以降してもいいくらいだ。画面の遷移もテンポがよく,画面をあまり見ることなく,手癖でデイリーの消化をサクサク進めたいというときに,iPhone 14 Pro Maxの快適さを強く体感できるだろう。

 サウンドの品質も向上しており,本体スピーカーでも雰囲気を楽しめるため,ゲームプレイ時は,音の遅延を気にせず済む。スマートフォンゲームを家でよくプレイする人であれば,スピーカーの品質向上は重要になる。
 一方で,移動中のゲームプレイ用と考えると,やはりiPhone 14 Pro Maxは大きすぎると感じる人もいるだろう。電車の中であれば,隣の人からも画面がよく見えてしまうので,気になる点が増える。なにより,重さはどうにもならない。寝ながら遊んでいるときに手を滑らせると,iPhone 14 Pro Maxは純然たる凶器と化す。

 Appleによるほぼ統一されたUI環境は,iPhone 14 Pro世代でだいぶ崩れてしまったが,無難なゲーム環境であることに変わりはない。そのため,iPhone 11以前の機種でスペック不足を体感しているのであれば,iPhone 14 Proシリーズへの乗り換えはお勧めできる。筆者のように,iPhone 12世代でも何かしら不都合と遭遇しているのであれば,iPhone 14 Proシリーズへの移行を検討すべきだ。

 問題は価格だ。最も安く入手するならApple Storeでの購入が妥当だろう。各携帯電話キャリアは,いわゆる残価設定での販売にシフトしており,2年で端末を買い換えるサイクルあれば,キャリア版のiPhone 14 Proも候補になってくる。このあたりは,お財布との相談になる。
 ベンチマークテスト結果からも言えるが,ゲーム用にiPad Proを用意しておき,電話や軽いアプリ操作はミドルクラスのスマートフォン,あるいは型落ちしたiPhone 13世代を選ぶという選択肢もある。リモートワーク主体の人と,定期的な出社に戻った人で,スマートフォンの位置付けが変わった人もいるだろう。自分のライフスタイルも検討に入れて,スマートフォンの買い換えとゲームライフを再検討するのがいいだろう。

AppleのiPhone 14 Pro製品情報ページ

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    iPhone本体

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