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Appleが新型SoC「Apple M5」と,これを搭載する2025年モデルのiPad Pro,14インチMacBook Pro,Vision Proを発表
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各新製品は,いずれも予約受付を開始している。
Apple M5
新世代SoCであるApple M5は,新しい3nm製造プロセスを用いて作られるプロセッサで,とくにGPUとAI処理性能を大幅に強化したのが特徴であるという。
最大10コアのGPUは,各コアごとにAI処理機能「Neural Accelerator」を組み合わせており,第3世代に強化されたレイトレーシングユニットと合わせて,既存のSoC「Apple M4」よりも最大で45%高いグラフィックス性能を発揮するそうだ。
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高性能CPUコア×4と高効率CPUコア×6からなる10コアのCPUは,M4よりもマルチスレッド性能が最大15%向上。さらに,GPUやCPUから独立した16コア仕様のAI処理ユニット「Neural Engine」も備えている。
また,あらゆる性能に影響のあるメモリバス帯域幅は,M4の117GB/sより約30%も広い153GB/sとなり,ゲームグラフィックスからAI処理まで,高性能化に大きく貢献するだろう。
iPad Pro 2025年モデル
そんなM5を搭載して生まれ変わったiPad Pro 2025年モデルは,既存製品と同様に,11インチと13インチの2サイズをラインナップしている。
税込直販価格は,11インチのWi-Fiモデル,ストレージ容量256GBが16万8800円,13インチモデルが21万8800円だ。
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搭載SoCの変更により,AI処理性能は2024年モデルのiPad Proより3.5倍も高速であるという。内蔵のワイヤレス通信機能も「Apple N1」という新チップに更新されており,Wi-Fi 7とBluetooth 6に対応したのが大きな違いだ。
また,ストレージ容量256GBおよび512GBの製品は,メインメモリ容量が12GBに増えている(※従来機種は8GB)のもポイントである。
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一方で,ディスプレイのサイズや解像度,USB4 Type-C対応,内蔵カメラ,本体サイズや重量といった主な仕様は,まったく変わっていない。SoC変更によるアップデートモデルと理解してよさそうだ。
AppleのiPad Pro製品情報ページ
14インチMacBook Pro 2025年モデル
14インチMacBook Proも,プロセッサをM5に更新したアップデートモデルである。
M5による高性能化によって,「Cyberpunk 2077 アルティメットエディション」のようなグラフィックス負荷の高いゲームを,高速に動作させられるとのことだ。
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14インチサイズで解像度3024×1964ドットのMini LEDバックライトディスプレイ「Liquid Retina XDR」の採用や,最大32GBのメインメモリ容量,最大4TBの内蔵ストレージ容量,さらに約1.55kgの公称本体重量といった主な仕様は,2024年モデルから変わっていない。
内蔵ストレージ容量512GBのミニマム構成であれば,税込直販価格24万8800円なので,価格対スペック比ではかなりお買い得とも言えよう。
AppleのMacBook Pro製品情報ページ
Apple Vision Pro 2025年モデル
2023年に登場したXR対応HMD「Apple Vision Pro」も,M5搭載モデルが登場した。税込直販価格は,内蔵ストレージ容量256GBモデルで59万9800円である。
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2023年モデルのVision Proは,搭載SoCが2022年登場の「Apple M2」だったので,さすがにいささか古くなっていた。それがM5の採用によって,一気に3世代分のジャンプアップを果たしたわけだ。
この高性能化にともない,AppleがVision Proで大きくアピールしている用途のひとつがゲームだ。
Vision Pro 2025年モデルでは,iPad用に作られた「Sniper Elite 4」や「風燕伝:Where Winds Meet」,「POOLS」などに対応するほか,Vision Pro用のマルチプレイヤーRTS「Glassbreakers: Champions of Moss」といったゲームもプレイできるそうだ。
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また,新しいVision Proは,ゴーグル部分を頭に固定するためのヘッドバンドが大きく改良されており,後頭部側だけでなく,頭頂部にもバンドを用意して安定感を高めた「デュアルニットバンド」を採用するのも特徴である。
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価格を見てのとおり,Vision Proは一般消費者やゲーマーが積極的に買う機器ではなく,開発者やアーリーアダプタ向けの製品であることは,2025年モデルでも変わっていない。しかし,最新SoCを用いてアップデートしたことからも分かるとおり,AppleによるXR HMD開発は,まだまだ続いていくわけだ。
Vision Proの成果を反映した一般消費者向け製品の登場が待ち遠しい。