2025年7月29日,
「Fanatec × ZENKAIRACING 正規代理店契約記念 PRイベント」が,東京・シティサーキット東京ベイにて行われた。このイベントは,シミュレーションレーシングデバイスを手がける
Fanatecと,レーシングシミュレータビルダー・
ZENKAIRACINGが正規代理店契約を締結したことを記念して開催されている。
Fanatecは,ドイツを拠点にシミュレーションレーシング用ハードウェアの開発を手がけており,ポリフォニー・デジタルが主催するeスポーツのトーナメントシリーズ「グランツーリスモ ワールドシリーズ」の公式ステアリングパートナーにもなっている。
一方,ZENKAIRACINGは,2020年に創業したコンシューマ向けレーシングシミュレータの開発を手がけるビルダーだ。両社が協業することにより,ZENKAIRACINGが日本国内におけるFanatec製品の正規販売およびマーケティング活動を担う。
ゼンカイレーシング 代表取締役 林 寛樹氏
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Fanatec シニアディレクター トビアス・ステルツァー氏
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ZENKAIRACINGの事業内容は「ドライビングシミュレータの開発・販売」「ECでのデバイス販売」「イベントサポート/eスポーツレース運営」である。会場では,今回の契約によりFanatecとその親会社であるCorsair,そしてZENKAIRACINGの3社が協業し,日本のユーザーにレーシングシュミュレーターを楽しめる価値提供・環境提供を実現すると紹介された。
また,ZENKAIRACINGの事業はこれまでBtoCが中心だったが,BtoBも強化していくとのこと。
ZENKAIRACINGがパートナーを務める企業
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ZENKAIRACINGの強みが紹介された
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新たに加わるFanatec製品
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ZENKAIRACINGの今後の展望としては,ドライビングシミュレータ事業とEC事業の売上拡大を目指しているという。
また,団体・個人に向けたドライビングシミュレータトレーニング事業としてZENKAI D-LABを新たにスタートし,若手ドライバーの育成を軸に,レーシングチームやカートチームと連携していく。
リアルレースの参戦・サポート,eスポーツの運営・配信などの活動も強化する。さらに国内の大型モータースポーツイベントや,地方自治体,日本レースプロモーションなどと連携し,業界を盛り上げていく。
今後,BtoC・BtoBを強化していくための施策があらためてアナウンスされた。
Fanatecは1998年以来,シミュレーションレーシングデバイスを開発しており,ゲームIPやゲームプラットフォーム,モータースポーツ団体,カーブランドとパートナーシップを構築している。
Fanatecのミッションは,より多くの人に究極の没入型シミュレーションレーシング体験を届けること。それを実現するために,細部までこだわり抜くモノづくりを心がけており,非常に頑丈,防水・防塵,軽量,エルゴノミックデザインといった特徴を実現している。
Fanatecは優れた製品を開発し,ブランド力を培い,数々のパートナーを得てきたが,今後はそれに加え,Corsairのバックアップのもと,サプライチェーンと物流の強化,そして顧客サービスの充実を図っていく。
実際,顧客推奨度や顧客満足度は向上しているとのこと。さらに高品質な新製品の開発や,コミュニティの育成,選りすぐれたサポート,製品の入手性の向上にも努めると紹介された。
今回,ZENKAIRACINGと協業することを決めた背景には,技術の進歩などに加え,日本やアジア太平洋地域におけるドライビングシミュレータ市場の成長があったという。とくに日本では,モータースポーツとシミュレーションレーシング文化が独自の地位を確立し,工学技術やeスポーツも高く評価されていることから,Fanatecが進出するにはピッタリの市場だと感じていた。
その一方,日本は独特な市場であり,Fanatecが顧客に最大限のサービスを提供するにはローカルなパートナー,すなわち「おもてなし」の精神を持つパートナーが必要とも理解していたという。ZENKAIRACINGと協業することで,より没入感のあるバーチャルドライビング体験を日本に提供していくとアピールしていた。
ZENKAIRACINGがサポートするプロドライバー,大湯都史樹選手,イゴール オオムラ フラガ選手,冨林勇佑選手によるエキシビションマッチも行われた
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