今年(2022年),ニンテンドー3DSは発売から11年,Wii Uは10年を迎えた。多くの4Gamer読者にとって,さまざまなゲームの思い出が詰まっているハードだろう。
そんな3DSとWii Uの「ニンテンドーeショップ」は,
2023年3月28日9:00をもってサービスを終了する。
3DSとWii Uのニンテンドーeショップへの残高の追加は2022年8月30日に停止されているが,「ニンテンドーネットワークID」と「ニンテンドーアカウント」を連携することで,Webサイトなどからニンテンドーアカウントに残高の追加が可能だ。これを活用すれば,クレジットカードやニンテンドープリペイドカードを使用して,ソフトや追加コンテンツ,ゲーム内アイテムを購入できる。
なお,ニンテンドーネットワークIDとニンテンドーアカウント,残高をまとめる手順について,詳しくは任天堂公式サイトのアナウンスを参照してほしい。
つまり,3DSとWii Uのニンテンドーeショップでは,記事掲載時点からおよそ“3か月”,ソフトを購入できる。本稿では今後また入手機会が失われそうなタイトルを中心に,先々後悔のないよう,今のうちに
「3DSとWii Uで買っておくべきDLソフト」をまとめて紹介してみたい。
なお,3DSとWii Uのバーチャルコンソールには貴重なタイトルが多数あるが,近年ではフィジカル版があればプレイ可能な互換機なども登場している。そのため,本稿では中古相場が比較的安価,かつ入手困難ではないソフトを基本的に除外した。
また,WiiおよびWii U向けソフトのダウンロード版も販売を終了するが,こちらもフィジカル版を持っていれば遊べることから,今回は除外している。
あくまでも実態は「筆者が実際に購入した」なかでオススメしたいソフトである点はご理解いただきたい。
※紹介するソフトは50音順に掲載しています
「IN THE WAKE OF VAMPIRE」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:315円
※バーチャルコンソール:ゲームギア
“吸血鬼”つながりだからというわけではないと思うが,階段の昇降の仕方や,上キーと攻撃ボタンで特殊武器が使えるという仕様,破壊できる壁にアイテムが隠されているなど,ゲームシステムの随所に「悪魔城ドラキュラ」のテイストを感じるアクションゲームだ。
舞台は19世紀のロンドン。特殊武器に「銃」があるのが新鮮だ
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本作のロムカセットはプレミアソフトになっている。難度的にはなかなか高い部類だが,バーチャルコンソールの「まるごとバックアップ機能」があるので,ぜひ挑んでほしいタイトルだ。
「F-ZERO CLIMAX」
「F-ZERO ファルコン伝説」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:各715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
ゲームボーイアドバンス向けに発売された「F-ZERO」シリーズの2作品。ロムカセットの相場はどちらも値上がりしているため,バーチャルコンソール版のお得感が際立つ。ゲームボーイアドバンスで発売された「F-ZERO」シリーズには「F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE」もあるが,こちらはローンチソフトということもあってか,ロムカセットの入手は比較的容易だ。
「F-ZERO CLIMAX」にはコースのエディット機能があり,「F-ZERO」ファンにとってはたまらない1本
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なお,「F-ZERO ファルコン伝説」には「カードeリーダー+」を使った仕掛けがあるのだが,バーチャルコンソール版は残念ながら対応していない。
「F-ZERO ファルコン伝説」
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スーパーファミコンの「F-ZERO」と,ニンテンドウ64の「F-ZERO X」はNintendo Switch Onlineで遊べるが,ゲームボーイアドバンス向けの2作品は現行ハードで遊ぶ機会はないため,シリーズファンはチェックしておこう。
「Kid Icarus: Of Myths and Monsters(海外版)」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
「光神話 パルテナの鏡」の2作目にあたる作品だが,海外でしか発売されなかった(言語は英語のみ)。海外向けタイトルを国内でも配信したという珍しいケースだ。
若いゲーマーのなかには「スマブラ」で初めて「光神話 パルテナの鏡」を知った人も多いと思うが,本作は海外タイトルということで入手自体が困難。シリーズを網羅したい人は,今のうちに確保しておくことをオススメする。
なお,「光神話 パルテナの鏡」はNintendo Switch Online ファミリーコンピュータで配信されているので,まずはそちらをプレイしてみてもいいだろう。「光神話 パルテナの鏡」はWii Uのバーチャルコンソールでも配信されている。
「ゲームボーイギャラリー4」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
任天堂の携帯型液晶ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」のタイトル6本を収録したソフト。これも日本国内では発売されておらず,海外向けタイトルをバーチャルコンソールで配信した特殊なソフトである。
収録タイトルは「ファイア」「ボクシング」「レインシャワー」「マリオズ・セメントファクトリー」「ドンキーコングJR.」「ドンキーコング3」。それぞれに「いま」と「むかし」の2バージョンが用意されていて,ゲーム&ウオッチを再現したものと,キャラクターをマリオたちに置き換えたものが楽しめる
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ゲーム&ウオッチはいずれもルールがシンプルで,それゆえに取っ付きやすく,ハマる。筆者は物干し竿の洗濯物を移動させて雨の水滴から守る「レインシャワー」が好きだが,冷静に考えると「洗濯物を取り込めよ!」とツッコミたくなる
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本作への興味は「ゲーム&ウオッチ」に思い入れがあるかどうかで大きく変わると思うが,この機会を逃すとプレイが困難になることは間違いない。レアなタイトルを遊ぶ機会を逃したくない人はお見逃しなく。
「魂斗羅」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:838円
※バーチャルコンソール:MSX
「魂斗羅 アニバーサリーコレクション」には収録されていない,「魂斗羅」シリーズの一つ。MSXのKONAMIタイトルはプロジェクトEGGでも多数配信されているが,MSX版「魂斗羅」は未配信だ。さすがに「魂斗羅」シリーズを網羅したい人でなければ強くオススメはしないが,非常に貴重な存在ではある。
「魂斗羅ハードスピリッツ」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
こちらも「魂斗羅アニバーサリーコレクション」には収録されていない,「魂斗羅」シリーズの一つ。ロムカセットはプレミア化している。
ドット絵の魅力にあふれる「魂斗羅」の味わいは携帯ゲーム機版でも健在だった
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「魂斗羅」シリーズの例に漏れず,本作の難度は高い。ただ,バーチャルコンソールの利点として「まるごとバックアップ機能」があるので,高難度を敬遠していた人や,最近シリーズの魅力を知った人にもオススメだ。
「邪聖剣ネクロマンサー NIGHTMARE REBORN」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:838円
※ニンテンドーDSiウェア
あの「邪聖剣ネクロマンサー」に続編が存在したのを知らない人も多いのではないだろうか。「ニンテンドーDSiウェア」というカテゴリだったため,盲点になりがち。
戦闘のテンポはよく,魔物を倒した際に血が飛び散る演出は「邪聖剣ネクロマンサー」の系譜であることを感じさせてくれる。音楽は古代祐三氏だ
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本作は見下ろし型の画面を採用し,戦闘はエンカウント型。クラシックな手堅い作りのRPGだが,どこか悲壮感が漂う世界と,おどろおどろしさにあふれる魔物の姿はなるほど「邪聖剣ネクロマンサー」らしい。ニンテンドーDSiウェアなので,この機会を逃すと今後の入手は困難だろう。
「スーパーマリオアドバンス4」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
ファミコン版「スーパーマリオブラザーズ3」のリメイク作。ロムカセットの相場はそこまで高くはなっていないので,そちらで遊ぶのもいいが,バーチャルコンソール版では当時の周辺機器「カードeリーダー+」を使用しないと遊べなかったコースも開放されている。
「コースカード」を選択すると,専用ワールド「ワールドe+」の全コースが開放された状態になる。初代スーパーマリオのコースをはじめ,多彩なコースが多数追加される
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今からロムカセットと「カードeリーダー+」と必要カードを揃えるのは非常に困難だ。本作の“全コース”を拝めるラストチャンスとなるかもしれないので,この機会を逃さないようにしたい。
「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
ゲーム機の「振動機能」を「ドリルでの掘削時」に使うという,新しいアプローチを見せてくれたドリルアクションゲーム。開発は「ポケモン」シリーズの開発元であるゲームフリークで,同社のドット絵に対するこだわりを堪能できる良作だ。ロムカセットの価格は高騰している。
「ドリルアクション」と聞くと,ドリルで何かを破壊しながらスピーディに突き進むゲームを想像しがちだが,本作はドリルによる「破壊の手応え」の快感に重きを置いている印象が強い。壁を壊すのもドリル,敵を倒すのもドリル,リフトにつかまるのもドリル,徹底したドリルゲーだ。そのたびにドリルを起動する必要があるため,ゲーム全体のテンポはどちらかというとゆっくり。ただ,ドリルで破壊するゲームにしては,どこかほのぼのとしており,キャラクターはいずれもかわいらしい。
すべてがドリル中心だが,素晴らしいドット絵も見どころ。キャラクターのちょっとした動き,背景,フォントにもこだわりが詰め込まれている
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ゲームボーイアドバンスのロムカセット版には「振動カートリッジ」が採用されており,カートリッジを通じてゲームボーイアドバンス本体が振動するという珍しい仕様だった(ゲームボーイプレーヤーの場合,コントローラが振動する)。この仕様と,ドリルの起動にL/Rボタンが割り振られているのが秀逸で,ゲームボーイアドバンス本体がドリルに取り付けられたハンドルであるかのように錯覚するという仕掛けだ。タイトルの「轟振」からも分かるとおり,とにかく「ドリル」と「振動」にこだわった異色のアクションゲームと言えるだろう。
発売当時は店頭でよく見る印象だったが,いつの間にかプレミア化していて驚いた。気になっている人は,今のうちにバーチャルコンソール版を確保しておいてほしい。
「タンブルポップ」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
掃除屋の主人公が不思議な掃除機を使い,エイリアンを吸い込んで吐き出しながら進むアクションゲーム。同名アーケードゲームの移植作だが,ロムカセットはプレミアソフトになっている。
ボタンの押しっぱなしで敵を吸い込み,ボタンを離すと掃除機から敵を吐き出して他の敵にぶつけられる。吸い込んだ後,ボタンを離すまでは吸い込んだ敵をキープできるのがポイント。ただし,キープし続けていると警告音が鳴り,せっかく吸い込んだ敵が掃除機から飛び出してしまう
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フィールドマップには山や砦のマスがあり,その中に複数のステージがある。ショップもあり,ステージクリアで得たお金を使って買い物ができる
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「ドラキュラII 呪いの封印」
●対応プラットフォーム:3DS / Wii U
●税込価格:524円
※バーチャルコンソール:ディスクシステム
昼夜の概念を取り入れ,町の人との会話や買い物といったRPG的な要素を持つ「悪魔城ドラキュラ」シリーズの異色作。2019年にリリースされた「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」に収録されているのは海外版だが,本作は日本語で遊べる。
町の人から情報を収集したり,稼いだお金で買い物をしたりできる。時間経過で昼夜が交互に訪れ,夜になると町にも魔物が現れる……
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原作はディスクシステムのソフトということもあり,他のハードと比べるとプレイ環境を整えるにはハードルが高い。「悪魔城ドラキュラ」シリーズのファンはチェックしておくべきだろう。
「トリップワールド」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
平和の象徴である「マイタの花」が奪われ,主人公・ヤコプは犯人を追って「トリップワールド」へと冒険の旅に出る。かなりのプレミアソフトになっている2Dアクションゲームだ。
主人公自体が不思議な生き物だが,敵もかわいらしい謎の生物ばかり。丁寧に描き込まれたドットと,ポップなBGMが堪能できる。陸上を歩いてキックで攻撃する「陸上ヤコプ」が基本スタイル,水中では魚のように泳いで泡爆弾で攻撃する「水中ヤコプ」,はばたいて空を飛ぶ「空中ヤコプ」といったモードチェンジを駆使して進んでいく
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主人公は「シャブブ族」の若者という設定だが,「マイタの花」「シャブブ」「トリップ」とはけっこう攻めている……。
「ネコジャラ物語」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
特別な理由もなく突然ネコにされてしまった主人公が,ネコだらけの世界でおつかいをさせられるRPG。冷静に考えなくても,けっこうひどい設定だ。ロムカセットはプレミアソフトと化している。
えんもゆかりもないのに……
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アドベンチャーゲームのような画面でフィールドを移動しながら,時折発生する戦闘をこなしてレベルアップしていく。開発元のケムコが1989年にリリースした「セレクション 選ばれし者」とシステムはほぼ同じだが,「ネコポン」と呼ばれるネコ世界におけるストレス要素があり,これが「ネコジャラ物語」のオリジナリティとなっている。
ネコポンは低すぎても高すぎてもダメ。29%以下は攻撃力・防御力・すばやさが低下し,80%を超えると「まほう」と「もちもの」のコマンドが使用不可能になる。ただし,60〜79%の間では会心の一撃が出やすいといったメリットも。ネコポンは戦闘時に「にげる」を選択して失敗したりすると上昇し,アイテムの入手などで低下する。
フィールド移動は「セレクション 選ばれし者」と同じく,アドベンチャーゲーム風になっている
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キャラクターはかわいらしいが,戦闘のバランスはやや厳しめ。試行錯誤が当たり前だった時代を感じさせる。バーチャルコンソール版は価格的にもたいへんお得なので,興味があればプレイしてみてほしい。
「はじまりの森」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:838円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
夏休みに帰省した少年が田舎の森で着物姿の少女と出会う,ボーイ・ミーツ・ガールな物語。書き換え配信サービスであるニンテンドウパワーの配信のみだったため,これが書き込まれたSFメモリカセットを手に入れるしか遊ぶ手段がなかった,入手難度の高いタイトルである。
昔ながらのコマンド選択式アドベンチャーゲームではあるが,ところどころにミニゲームが挟まっている。「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」と同様のスタイルだ
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「バルーンファイトGB」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:628円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
ゲームボーイ後期にニンテンドウパワーの配信タイトルとして登場した。「風船を背負った主人公を上下左右に操作し,慣性に翻弄されながら障害物を避ける」という基本的なゲームシステムは「バルーンファイト」そのままだが,主人公が女の子になり,ストーリーのある「1p game」が追加されている。ファミコン版にあった延々と障害物を避けていく「Ballon Trip」モードも楽しめる。
ペンシルバニアに住む少女アリスと,弟のジムが風船遊びをしていると,大量の風船を持ったジムが強風で空に吹き上げられてしまった。アリスはジムの残した風船を辿り,急いで追いかけるというストーリー。ステージに点在している風船にうまく説明を付けている
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本作独自のアクションとして,「背負っている風船を意図的に離して地上に降りる」「新たに風船を膨らませて背負う」ことが可能。これにより,風船を背負ったままでは通れない通路への進行や,空中での慣性をキャンセルして地上に退避するといったゲーム性が生まれている
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ニンテンドウパワーでの配信と,プリライト版のGBメモリカセットのみという販売形態が特殊だったため,今では入手の難しいタイトルだ。
「ファイアーエムブレム 封印の剣」
「ファイアーエムブレム 烈火の剣」
「ファイアーエムブレム 聖魔の光石」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:各715円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
ゲームボーイアドバンスで発売された「ファイアーエムブレム」シリーズの3作品は,一度も移植やリメイクが行われておらず,ロムカセットの相場はどれも高値を維持している。
「ファイアーエムブレム 烈火の剣」
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シミュレーションRPGとバーチャルコンソールの「まるごとバックアップ機能」との親和性も高いため,「ファイアーエムブレム」未経験者にもオススメだ。
「ファイアーエムブレム トラキア776」
●対応プラットフォーム:Wii U / New ニンテンドー3DS
●税込価格:943円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
スーパーファミコンで発売された「ファイアーエムブレム」シリーズは「紋章の謎」「聖戦の系譜」「トラキア776」の3作だが,この「トラキア776」だけは,いまだにNintendo Switch Onlineで配信されていない。「聖戦の系譜」の外伝的な位置付けの作品で,同作に関連する登場人物が多い。「聖戦の系譜」の後にプレイすることが望ましいだろう。
ただし,シリーズ最高難度との呼び声も高く,気軽にオススメできるタイトルではない。「遊ぶ」というより,「挑戦する」くらいの気構えで臨んでほしい。Nintendo Switch Onlineで配信されている2作をプレイして,「FE楽しー! もっとやりたい!」という人に,おずおずと「じゃあ……これもどう?」と切り出したい1作だ。
ステージの作りが難しいことに加え,新たなパラメータ「体格」が登場した。ピンチの仲間を担いで移動することが可能になり,さらに戦略性が増している
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本作はニンテンドウパワーでの配信と,プリライト版のSFメモリカセットが販売され,その後にパッケージ版が発売となった。そのため,十分な数が市場に出回ったとは言い難く,現在はSFメモリカセット版やロムカセット版は高騰している。
最近の「ファイアーエムブレム」シリーズはプレイしたけど,昔の作品はまだという人も,シリーズ屈指の難度を誇る本作に挑戦してみてはいかがだろうか。
※2023年1月1日22:00,「ファイアーエムブレム トラキア776」の対応プラットフォーム情報を訂正しました。
「ファイナルファイト タフ」
●対応プラットフォーム:Wii U / New ニンテンドー3DS
●税込価格:838円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
「ファイナルファイト ONE」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
スーパーファミコン向けに発売された「ファイナルファイト タフ」は,事実上のシリーズ3作目。また,ゲームボーイアドバンスの「ファイナルファイト ONE」は携帯ゲーム機向けではあるが,1作目の最終バージョンと言えるデキ。どちらも強くオススメできる。
両作品ともにロムカセットはプレミア化していることもあり,シリーズ作品をフォローしたい人はこの機会にバーチャルコンソール版を確保しておこう。
「ファイナルファイト タフ」。1作目に登場したガイとハガーに加え,新キャラのルシアとディーンが登場している。1人プレイでも,パートナーに選んだキャラが自動で戦ってくれる「AUTO 2P PLAY」モードがある
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「ファイナルファイト ONE」。倒した敵の数に応じてスペシャルな要素が開放されていくという要素があり,「STREET FIGHTER ZERO 3」バージョンの「Z-ガイ」と「Z-コーディー」を選択可能になる
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カプコンの「ベルトアクション コレクション」や「カプコン アーケードスタジアム」,それから「メガドライブミニ2」など, 「ファイナルファイト」シリーズ各作品をプレイできる手段が最近増えてきて嬉しい限りだが,「ファイナルファイト タフ」と「ファイナルファイト ONE」は現行機向けにまだ登場していない。
バーチャルコンソールではスーパーファミコン版「ファイナルファイト」と「ファイナルファイト2」も配信されているが,これらはロムカセットがそこまで高騰していない。ただし,スーパーファミコン版「ファイナルファイト・ガイ」は未配信。
※2023年1月1日22:00,「ファイナルファイト タフ」の対応プラットフォーム情報を訂正しました。
「ファイナルファンタジーIV アドバンス」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
「ファイナルファンタジー」シリーズの1,2,4作目はPSP向けにリリースされていて,追加要素も充実しているのだが,原作とグラフィックスが大きく変わっている。「ドット絵のFF」が好きな人にとって,ゲームボーイアドバンス版は貴重な存在だ。ロムカセットはどれも高値を維持しており,シリーズファンを自負するならば全作品(「I・II」「IV」「V」「VI」)を今のうちに入手することオススメしたい。
「ファイナルファンタジーIV アドバンス」
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「ファイナルファンタジーV アドバンス」
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「ファイナルファンタジーVI アドバンス」
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今回,「IV」を挙げている理由は,カートリッジの初期出荷版には致命的な不具合(
リンク。web archiveより)があったため。後期版では修正されているのだが,バーチャルコンソール版は後期版だ。
FFの1〜6作目と言えば,「ピクセルリマスター」シリーズが記憶に新しいところだが,追加ダンジョンなどの要素はピクセルリマスター版にはない。バーチャルコンソール版は貴重な存在なのだ。
「ファミコン探偵倶楽部 PART II うしろに立つ少女」
●対応プラットフォーム:Wii U / New 3DS
●税込価格:838円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
ニンテンドウパワーによる配信のみのタイトル。2021年に「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」とともにリメイク版が登場しているが,音も映像も全面的に刷新されているため,スーパーファミコン版は新鮮にプレイできると思う。ロムカセットでは発売されなかったこともあり,現在は本作が書き込まれたSFメモリカセットを入手するか,バーチャルコンソール版しかプレイ手段がない。
推理ものとして素晴らしいシナリオなのは言うまでもないが,スーパーファミコン版はグラフィックスやサウンド,ストーリーが高水準でまとまっており,少ない色数と音数で“怖さ”が引き立つディスクシステム版より作品全体に漂う雰囲気や空気感が理想に近いと思える
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ディスクシステム版,スーパーファミコン版,リメイク版では映像や演出がすべて異なる。「うしろに立つ少女」のすべてを知りたい人は,この機会に確保しておくといいだろう。
「ファンタズム」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
悪の秘密結社に拳銃で撃たれて幽霊になった主人公が,「敵に乗り移り,その体を使う」という能力を駆使してヒロインを救うアクションゲーム。「倒されるだけの存在でしかなかった敵キャラが,プレイヤーの使用キャラに変わる」という一点突破のシンプルな発想自体はボーステックの「レリクス」が有名だが,「ファンタズム」以降には似たようなゲームがなかなか出てこない印象だ。
アーケード版の移植だが,原作と比較しても遜色ないデキ。ゲームボーイに合わせて完璧に落とし込まれている
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「ファンタズム」のアーケード版は2022年7月,現行ハード(PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PS4 / Xbox One)向けに復刻された。そちらをプレイした人も,「ゲームボーイでここまでできるのか」と驚いてほしい。
ちなみに,PS5 / PS4版は「Phantasm PS4 & PS5」,Xbox Series X|S / Xbox One版は「Avenging Spirit」という海外版のタイトルで配信されているため,「ファンタズム」と検索してもヒットしない。ストアでの検索時には注意してほしい。
「マイティファイナルファイト」
●対応プラットフォーム:Wii U / 3DS
●税込価格:524円
※バーチャルコンソール:ファミコン
「ファイナルファイト」シリーズのキャラクターが2頭身になった異色の作品。現行ハードには移植されていないからか,ロムカセットはプレミア化している。
頭身が下がっていることから,「くにおくん」「ダブルドラゴン」に近い印象を受ける。敵を倒すことでレベルアップし,技の威力やライフゲージの上限値が上がるなど,本家にはないシステムもある
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「メタルスレイダーグローリー ディレクターズカット」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:943円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
近未来を舞台にしたSFアドベンチャーゲーム。ファミコン版,スーパーファミコン版ともにプレミアソフトとして有名なタイトルだ。どちらもロムカセットの入手難度は高く,移植やリマスターも行われていない。興味のある人は,バーチャルコンソール版を確保しておこう。
緻密なグラフィックスは本作の代名詞。とくにファミコン版は「この時点で,ここまでやっていたのか」と驚かされるはず。ファミコン版も配信されているので,比較してみるのもいいだろう
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昔のアドベンチャーゲームではよく見られた,キャラクターが話す際の「ポポポポ……」という音にもこだわっている。男性は低音,子供や女性は高音といった分け方だけでなく,一つのセリフの中でもイントネーションを意識するように音の高低が変化する。キャラクターのまばたきや,ちょっとした動きにもこだわりが伝わる,アドベンチャーゲームとしては非常に豪華な作りと言える。
「メトロイドII RETURN OF SAMUS」
●対応プラットフォーム:3DS
●税込価格:419円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイ
その名のとおり,「メトロイド」シリーズの2作目にあたる。ロムカセットが高騰している傑作だ。
3DS向けの「メトロイド サムスリターンズ」は,この作品にガッツリと手を入れたリメイクである。原作のゲームボーイ版とは大きく異なっているため,同作をプレイした人にもオススメしたい。
「メトロイド ゼロミッション」
「メトロイド フュージョン」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:各715円
※バーチャルコンソール:ゲームボーイアドバンス
ゲームボーイアドバンスで発売された「メトロイド」シリーズ2作品だが,「ゼロミッション」はシリーズ1作目のリメイクで,「フュージョン」はシリーズ4作目にあたる。
「メトロイド ゼロミッション」。シリーズ1作目はNintendo Switch Online ファミリーコンピュータでも配信されているが,「ゼロミッション」はグラフィックスをはじめ,ストーリーも補強されている
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“追われる恐怖”と言えば最新作「メトロイド ドレッド」だが,実は「メトロイド フュージョン」でも近い状況が発生する。ぜひ,元祖“追われる恐怖”を体験してみてほしい
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「ルドラの秘宝」
●対応プラットフォーム:Wii U
●税込価格:838円
※バーチャルコンソール:スーパーファミコン
スーパーファミコン後期にスクウェアから発売されたRPG。滅びの時を迎えつつある世界で主人公たちの奮闘を描くストーリーと,プレイヤーが自由に魔法の名前を付けられる「言霊システム」,そして笹井隆司氏によるカッコいいBGMが特徴だ。現在は箱・説明書なしの状態でも,中古市場では1万円近い値が付いている。
美しいドット絵で描かれた世界と,サイドビューの戦闘。プレイフィールはファイナルファンタジーシリーズの「V」や「VI」に近いだろうか。戦闘中は敵も味方もドット絵がよく動く
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「言霊システム」は実に思い切ったシステムで,文字によって魔法の効果が変化する。適当に名付けた魔法が,そこそこ燃費のいい魔法になったり,ワケの分からない謎の文字列がメチャクチャ使える魔法になることもあり,序盤でも言霊システムで作れる魔法に制限はないため,有効な魔法が作れると進行がラクになって嬉しい。
魔法「フォーゲーマ」を作ってみた。無属性ダメージを複数の敵に与えるという微妙に“使える”性能だが,消費MPがちょっと高いのが難点
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同じ世界を舞台にしているが,異なる境遇の主人公3人のシナリオをいつでも交代してプレイ可能。終末感あふれる世界を3つの角度から眺めつつ,世界の謎と危機に迫っていくストーリーには魅力があり,3本のRPGを同時にプレイしているかのようなお得感もある。
気分転換を目的にしてシナリオを切り替えてもいい。主人公3人の下にはスペースが空いているが……
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スーパーファミコン後期は良質なRPGが数多く発売されたことに加え,ソフトの価格が上昇していたため,傑作であっても埋もれやすい状況だった。「ルドラの秘宝」もプレイした人の絶対数が少ないのではないだろうか。本作は間違いなく名作RPGであり,HD-2Dによるリメイクも期待したいところだ。
さらば,バーチャルコンソール。
一つの時代の終焉とクラシックタイトルに眠る未来
本稿で紹介したタイトルたちは筆者の趣味が多分に入っており,紹介できる枠にも制限はあるため,貴重なタイトルを網羅したというわけにはいかない。たとえば「レアなタイトル」「ROMが高い」という理由で選ぶなら,ファミコンの「サマーカーニバル'92 烈火」(3DS/税込524円),スーパーファミコンの「すってはっくん」(Wii U/税込838円)などもチェックしてほしいところ。
ただ,Wii Uと3DSのDLソフトは購入したからと言って,永遠に遊べることが保証されるものではなく,ハードの寿命と共に消え去る運命にはある。その点は十分に留意しておこう。
2022年7月,Nintendo Switch向けに復活を遂げた「ライブ・ア・ライブ」。原作(スーパーファミコン版)が気になる人は,バーチャルコンソール版を買ってみるのもいいだろう(画像はバーチャルコンソール版)
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ここ数年,クラシックタイトルを現行ハードでプレイする手段が増えている。例えば,ファミコンの「熱血高校ドッジボール部」は友だちとのローカル対戦が楽しかった記念碑的な1本だが,
「くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション」の登場で手軽に遊べるようになった。
同様にファミコンの「悪魔城伝説」は有名なプレミアソフトの一角だが,こちらも
「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」に収録されている。また,「ロックマン エグゼ」シリーズのバーチャルコンソール版も貴重な存在であるが,シリーズ10作品を収録する
「ロックマン エグゼ アドバンスドコレクション」の発売が2023年4月14日に予定されている。
冒頭で触れたとおり,本稿ではディスクがあれば遊べるWii向けソフトを除外している。ただ,ディスクドライブを酷使したくない人には,ダウンロード版の購入も検討の価値がある。なお,1本で4GBほどというタイトルも珍しくないため,USBメモリや外付けハードディスクの準備を視野に入れることになるだろう。
2023年3月にはリマスター版「月蝕の仮面」の発売を控えている「零」シリーズ。2作目「赤い蝶」のリメイク版にあたる「眞紅の蝶」は,現状,Wiiでしか遊べない。ダウンロード版を買うなら今のうちだ。画像は任天堂の公式サイトより(リンク)
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そして,忘れがちなのが追加コンテンツだ。
「ファイアーエムブレムif」のDLCも販売終了が告知されているので,シリーズファンはお忘れなく。
画像は任天堂の公式サイトより(リンク)
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そのほか,バーチャルコンソールには「がんばれゴエモン」シリーズや「ツインビー」シリーズに加え,最近では「
いっき団結」の登場により再び注目を集める「いっき」も配信中だ。また,ファミコンの「チャレンジャー」「迷宮組曲 ミロンの大冒険」「マドゥーラの翼」など,なぜか3DSのみの配信となっているソフトもある。
本稿では紹介し切れなかったタイトルもタイトルも多い。Wii Uと3DSを持っている人は,それぞれのストアのラインナップをチェックしておいてほしい。
「チャレンジャー」。画像はKONAMI公式サイトより(リンク)
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最近はNintendo Switch Onlineの配信タイトルが充実してきて,気になっていたタイトルが追加され,一安心したりもする。「夢幻戦士ヴァリス」「コットン」「ワンダーボーイ」といったシリーズ作品の復刻は明るいニュースだったし,ハムスターの「アーケードアーカイブス」シリーズも心強い存在だ。
今後も現行機で遊べるクラシックタイトルはどんどん増えていってほしい。「昔のゲームが今さら売れるか」ではなく,「昔のゲームを遊べる」ようにしておくことのメリットは大きいはず。何かの拍子に過去の作品が注目されても,遊ぶ手段がなければ話題は広がっていかない。メーカー各社におかれましては,
「可能性」への投資を何卒お願いします!
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