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「幻想水滸伝II」の世界をオーケストラで追体験。「MUSICエンジン 第四回演奏会」をレポート
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印刷2018/04/12 12:00

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「幻想水滸伝II」の世界をオーケストラで追体験。「MUSICエンジン 第四回演奏会」をレポート

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 2018年4月7日,「MUSICエンジン 第四回演奏会」が,東京の渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールにて開催された。

 MUSICエンジンは,“大好きなゲームタイトルの音楽をつきつめていく”をコンセプトに持つ演奏団体だ。これまで「エストポリス伝記II」や「ルドラの秘宝」,「ブレスオブファイア」といった名作RPGや,国内外で好評を得たインディータイトル「UNDERTALE」など,過去の名作から最近の作品まで,さまざまなゲームタイトルを題材とした演奏会を主催している。
 今回取り上げられたゲームタイトルは,1998年12月に発売され,20年近く経った現在も根強い人気を誇るKONAMIのRPG「幻想水滸伝II」。本稿では,同タイトルの楽曲がオーケストラで演奏されたイベントの模様をお伝えしよう。

photo by Studio Symgraph
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「MUSICエンジン 第四回演奏会」曲目一覧

M1 敵襲 - 疑惑 - 勝利への意欲 -回想
M2 働かざる者食うべからず - 平和山村人暮鳥声 - 郷愁 - 冒険の旅
M3 Beautiful Morning - 母への祈り
M4 王者の行進 - 救出
M5 子供たちは野に遊び - あの丘に登ろう - 不穏
M6 作戦 - 戦争 - 回想〜ストリングスバージョン〜
M7 彼方の星 - 過ぎた日々
M8 耳を澄ませば - 静かなお部屋 - ナハーラ・ヤン・クン
M9 パッサカリア合唱付き - フーガ「我があるじを讃えよ」 - 強敵出現
M10 彼女のため息 - 昔話
M11 なごみの時間 - もっと遠くへ
M12 さざ波に運ばれて - 2つの川 - 毎日がカーニバル
M13 囚われた街 - 誇り高きサラバンド - 平和の賛歌
M14 光のない戦場 - 追いつめる - Mad Luka
M15 儀式 - Gothic Neclord
M16 月夜のテーマ
M17 怒りの鉄拳 - 対決の時 - 銀狼
M18 回想〜ストリングスバージョン〜 - Chant〜あなたと出会い生をうけ,あなたを失い死を知った〜 - 悲しみのレクイエム - なごみBGM1 - なごみBGM2 - エンディングマーチ 〜我らは常にいつならん(108人のその後)〜Coda - La passione commuove la storia 〜情熱は歴史を動かす〜
En オープニングBGM

MUSICエンジン 公式サイト


 「幻想水滸伝II」のストーリーを追体験していくかのような構成になっていた今回の演奏会。編成は,1stバイオリンが6人に,2ndバイオリンが5人,ヴィオラが4人,チェロが4人,コントラバスが1人,管楽器が1〜2人で,さらにシンセサイザーが1名いるなど,少し特殊なものとなっていた。

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 原作ではハイランド王国の野営地で流れる「敵襲」から演奏がスタート。その後「疑惑」「勝利への意欲」と続き,シリーズファンからの人気も高い「回想」が,原曲と変わらずピアノを導入として演奏された。
 「回想」とは打って変わり,賑やかな打楽器隊が目立つ楽曲「働かざるもの食うべからず」,鳥の鳴き声のSEも使用された「平和山村人暮鳥声」,フルートが主旋律を奏でる「郷愁」,勇壮なアレンジの「冒険の旅」と続き,M3では「Beautiful Morning」「母への祈り」を披露。「母への祈り」で用いられたハープの音色は,ピアノ横に配置されたシンセサイザーでの生演奏となっており,今回の編成で不足しているパートを補う役割を担っていた。

 その後は「王者の行進」「救出」と続き,M5の「子どもたちは野に遊び」では,バイオリンをギターのように構えてストロークで演奏する姿も見られた。続いて「作戦」「戦争」を演奏。シリーズファンにも人気の高い楽曲である「戦争」は,トロンボーンによる勇ましいフレーズと,激しく打ち鳴らされる打楽器による派手なアレンジが印象的だった。

 ストリングスが掛け合うようなフレーズから情緒的なメロディへと展開する「彼方の星」,プレイヤーだった当時を思い起こされるような,原曲そのままのピアノとチェロの伴奏が素晴らしかった「過ぎた日々」。続く「静かなお部屋」はハープシコードによる独奏が,情熱的なフレーズが特徴的な「ナハーラ・ヤン・クン」ではヴァイオリンが立って演奏する演出や手拍子による伴奏も見られた。「バッサカリア合唱付き」「フーガ『我があるじを讃えよ』」のあとは雰囲気が一転。7拍子の複雑なフレーズが登場する「強敵出現」が演奏された。

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 M10の「彼女のため息」「昔話」,M11の「なごみの時間」と,ピアノやフルート主体の安らかな楽曲が続いた後は,前半最後の楽曲となる「もっと遠くへ」が演奏された。この曲もやはり原作に近いアレンジで,管楽器隊の勢いのある演奏が見られた。

 15分の休憩ののち,後半は「さざ波に運ばれて」からスタート。ピアノとストリングス中心の伴奏にフルートとオーボエのメロディが絡んでいく同楽曲は,ゲーム本編ではレイクウェストで使用された楽曲だ。続く「2つの川」ではチェロとフルートのユニゾンが,「毎日がカーニバル」ではピチカート奏法による歯切れのいい演奏を聴くことができた。
 「囚われた街」は原曲通りのトレモロによる伴奏と,フルートの掛け合うような旋律が印象的で,「誇り高きサラバンド」「平和の賛歌」ではトランペットが主旋律を奏でる場面も見られた。続く「光のない戦場」「追いつめる」では鬼気迫る情景を表現。この2曲では弦楽器隊の巧みなダイナミクスコントロールが耳に残った。全員がプロの奏者であるMUSICエンジンの演奏力の高さがうかがえる。

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 バイオリンによる高速なフレーズが特徴的な「Mad Luka」の後,M15ではチャーチオルガンによって「儀式」が演奏された。続く「Gothic Necloid」はシリーズでも人気の高い戦闘曲。オーケストラにチャーチオルガンとドラムの8ビートが演奏が加わった豪華な一曲となった。
 その後は名曲「月夜のテーマ」を間に挟み,再び「怒りの鉄拳」「対決の時」「銀狼」という激しい楽曲が続いていく。金管の目立つアレンジで,ラスボス戦となる「銀狼」ではトロンボーンによる旋律が特に印象的だった。

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 M18では再び「回想〜ストリングスバージョン〜」が演奏されたあと,続く「Chant〜あなたと出会い生をうけ,あなたを失い死を知った〜」「悲しみのレクイエム」も主に弦楽隊中心の静かな演奏となった。その後は「なごみBGM1」「なごみBGM2」とイベントシーンの楽曲が続き,そのまま「エンディングマーチ〜我らは常にいつならん(108人のその後)〜Coda」「La passione commuove la storia 〜情熱は歴史を動かす〜」が続けて演奏された。後半はすべての楽器が出揃い,演奏会の終わりに相応しい盛り上がりを見せていた。

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 アンコールで演奏されたのは,同作品でおそらく最も有名な楽曲であろう「オープニングBGM」。エスニック風の歌声はフルートによって表現され,その後は原曲さながらの盛り上がりを見せてくれた。ひと仕事を終えた演奏者の笑顔と,鳴り止まない拍手。2時間以上にわたる演奏会が終わった。
 照明が上がり,辺りを見渡してみると,涙を流している観客の姿が多く見られた。ストーリーを追いかけるよう章立てされたセットリストや,生演奏の素晴らしさもさることながら,当時ゲームをプレイしていたであろう観客の人達の「幻想水滸伝II」に対する愛の深さを最後に見た気がして,筆者自身も少しほろりと来てしまった。

 MUSICエンジンは,「UNDERTALE」をテーマに取り上げた第五回演奏会を,5月19日に東京オペラシティ コンサートホールで開催予定だ。すでにチケット一般販売の予定枚数は終了しているが,追加販売となる昼公演チケットの抽選受付が,公式サイトのライブ情報ページで本日(4月12日)から4月19日23:59まで行われる。原作に対する愛とリスペクトが感じられる演奏会なので,テーマとなっているタイトルはもちろん,ゲームファンには一度足を運んでみてほしい。

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MUSICエンジン公式サイトのライブ情報ページ

MUSICエンジン 公式サイト

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