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印刷2024/04/19 12:00

イベント

ゲムマ2024春の注目タイトルはこれだ! アナログゲーム“試遊”専門イベント「フォアシュピール」で見かけた7タイトルをピックアップして紹介

 2024年4月14日,アナログゲーム体験イベント「フォアシュピール2024春」が,東京・錦糸町のすみだ産業会館で開催された。

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 このイベントは,4月27日と28日に開催される「ゲームマーケット2024秋」に先駆け,同イベントに出展予定のタイトルをいち早く体験できるというもの。会場には125の出展者と協賛企業がブースを構え,会場に足を運んだボードゲームファンに新作をアピールしていた。
 自分に合ったアナログゲームを選ぶには,なんといっても実際に遊んでみるのが一番だ。とはいえ,いざゲームマーケットの会場で試遊しようと思っても,遊べるタイトルは時間的に限られてしまう。そんなジレンマを解消するために開催されたのが,試遊に特化した「フォアシュピール」というわけだ。

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 本稿においては,会場で遊びまくったタイトルの中から,筆者がとくに面白いと感じたものをいくつかピックアップして紹介する。「ゲームマーケット2024春」で購入するゲーム選びの参考として,活用してもらえたら幸いだ。

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 フォアシュピール実行委員会は,アナログゲーム体験イベント「フォアシュピール2024春」を,4月14日にすみだ産業会館で開催する。会場では,遊んだゲームを5段階で評価して投票し,その結果を発表する企画「フォアシュピアクション」も実施される。

[2024/03/25 14:36]

「フォアシュピール2024春」公式サイト



オインクゲームズ「ゆくカバくるカバ」


 揃えて嬉しいオインクゲームズによる小箱シリーズの最新作は,Chris Priscott氏が2022年に発売した「Zuuli」のリメイク作「ゆくカバくるカバ」だ。自然公園の建設をテーマにしたシンプルなドラフトゲームで,コンポーネントはほぼカードのみだ。

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 収録カードには,自然公園に招き入れる動物が描かれた「動物カード」と,動物が住むエリアを示す「場所カード」があり,この場所カードに適した動物カードをセットすることで勝利点が生み出される。
 ただし場所カードにはスロットが設定されていて,空きがない場合には動物カードはセットできず,また肉食動物はほかの動物カードと同じ場所カードに配置できないといった制限もある。場所カードのスロットや動物カードが余ると失点になるので,すべての場所と動物を綺麗に使い切るようにカードを選択しよう。

配られた手札からカードを選択し,余ったカードを隣のプレイヤーにわたす一連の流れを本作では“ドラフト”と呼んでいる。まず手札8枚からドラフトを開始し,カードを使い切ったら得点を計算する。これを3回繰り返せばゲーム終了だ
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 特定の条件を満たすことで性質が変化する動物カードや,環境やスロット数を拡張する場所カードなどもあるので,考えることは意外と多い。カードを並べると絵が噛み合う仕掛けも可愛らしく,広がっていく自然公園を眺めるのも楽しいはずだ。ビジュアルとシステムの噛み合った,秀逸なカードゲームと感じられた。

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ゆくカバくるカバ
価格 通常価格 2970円(税込)
イベント価格 2500円
プレイ人数 1〜6人
プレイ時間 約20分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-02
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/183034
公式リンク:https://oinkgames.com/ja/games/analog/moving-wild/


ForGames「じゃんけんノーボーダー」


 ぽんこつファームが「ゲームマーケット2017春」でワンコインゲームとして発表した,同名作品のリメイク版が「じゃんけんノーボーダー」だ。1対1の対戦型カードゲームであり,さまざまな形の“手”が描かれたカードを使って全5回のじゃんけんを行い,より多く勝ち星をあげたプレイヤーが勝利となる。

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 使用するカードは,1〜16までの数字が書かれた全16枚で,1に近いほど「グーっぽい手」が,16に近いほど「パーっぽい手」が描かれている。2〜15までの数字のカードは,それが「グー」「チョキ」「パー」のどの手に当たるか定まっていないため,カードを出した段階では勝敗が分からない。
 実は各プレイヤーには7枚のカードが手札として配られるのだが,勝負に使用するのは5枚だけ。残った2枚のうち低いほうが「グーのボーダーライン」,高い方が「パーのボーダーライン」となって,これにより手が確定する仕組みになっている。つまり5回分の勝負を先に行うが,勝敗が決するのは残った2枚が公開されてからなのである。

最後に残す2枚で勝敗が覆るので,後半のカード選びはかなりの緊張感だ。イロモノっぽい見た目に反して,かなり真剣な読み合いが楽しめる
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 なお新バージョンでは,最大4人での対戦が楽しめるルールが追加されたとのこと。この追加ルールを含むルールブックが公式サイトに掲載されているので,以前のバージョンを購入した人もチェックしてみよう。

じゃんけんノーボーダー
価格 イベント価格 1500円
プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 10〜20分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-71
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/183242
公式リンク:https://forgames.jp/game05/


OKAZU brand「キチキチキッチン」


 「キチキチキッチン」は,さまざまな食材や調理方法が書かれたカードを組み合わせ,回答者に「なんの料理を表現しているか」を当ててもらう協力型パーティーゲームだ。

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 まず回答者に選ばれた1名以外の全員に,作るべき料理を指定する「お題カード」がそれぞれ配布される。そしてお題を受け取ったプレイヤーは,乱雑に積み上げられたカードの中から,そのお題を連想しやすいヒントカードを探していく。カードは何枚取っても良いが,砂時計(約1分ほど)が落ちきったら強制終了なので,誤解を生む組み合わせにならないように気をつけよう。
 カード集めが終わったら,出題者全員のお題カードにノイズとなるお題カードが混ぜられ,回答者に手渡される。回答者はその中から当たりの料理を見つけ出す方式なので,料理に詳しくなくてもなんとかなるはずだ。

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 ただヒントのカードはとにかく種類が多く,しかも両面仕様なので,わずか1分で適切なカードを揃えるのは容易ではない。プレイヤー同士で「これ使えるんじゃない?」「こっちに肉あったよ!」などと声を掛け合いながら遊ぶのは,慌ただしくも楽しいポイントだ。
 ノイズとして混ざるお題カードによって回答の難度が変わるのも面白い。絶対に無理そうなヒントから正解が出たり,逆に完璧に思えたヒントから意外な勘違いが起こったりで,一喜一憂できるはず。パーティーゲーム好きには,ぜひオススメしたい1作といえる。

ちなみにこれは正解の組み合わせ。「焼く」以外に何もわからない状態だが,お題カードの引きが良ければ消去法で正解が出ることもある
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キチキチキッチン
価格 イベント価格 3500円
プレイ人数 2〜8人
プレイ時間 約30分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-H24
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/183016
公式note:https://note.com/okazubrand/n/n472691b63c4b


ゲームNOWA「モンスターへクス」


 「モンスターへクス」は,モンスター軍団を率いて共有マップを攻略していく,エリアマジョリティ(陣取り)系のボードゲームだ。3月31日に開催された「名古屋ボードゲーム楽市」にも出展され,「楽市フレッシュドラゴン大賞2024大賞」を受賞した話題作でもある。

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 ルールは非常にシンプルで,手番ごとに自軍のモンスターを1枚ずつボードに配置していくだけ。六角形タイルで表現されたモンスターには,ほかのタイルに隣接する“辺”ごとに出力できるパワーが記載されている。新たにタイルを置くときは,このパワーの数字を隣り合うタイルと“少なくとも一辺は”合致させなければならない。

 またボード上には大小の「魔石」タイルも置かれていて,これを獲得すると勝利点が得られる。魔石を獲得できるのは,魔石に隣接するモンスターのうち,最も(あるいは魔石に数字が2つあれば2番手まで)多くのパワーを魔石に出力した者だ。さらにプレイヤーカラーと一致する魔石からはボーナスが得られるので,積極的に取りに行きたいところ。

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 なお1対1の対戦では,第三勢力にあたるNPCが登場する。NPCの手番はプレイヤーが持ち回りで担当することになるので,自分が取れそうにない場所をNPCに潰させたり,相手が置こうとしている枠を弱いNPCで埋めたりと,また一風変わった読み合いが楽しめる。

モンスターへクス
価格 BOOTH販売価格 5900円
イベント価格 5000円
プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 30〜45分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-J09
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/183020
公式ブログ:https://gameno-wa.seesaa.net/


妄想ゲームズ☆「妖怪百奇八光」


 「妖怪百奇八光」は,妄想ゲームズ☆の過去作である「セブンヴァイス」をベースに調整を施し,2人対戦ルールを追加したというセルフリメイク作品だ。妖怪伝承をモチーフにした「妖怪カード」を使い,誰よりも早く8種類の妖怪を場に揃えることを目指すカードゲームである。

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 遊び方は非常に単純で,手番が来たら山札から妖怪カードを1枚引き,その後に手札から1枚出すだけ。妖怪は種類ごとに固有の能力を持っているので,それを使ってアドバンテージを稼ぐのが基本となる。

 本作の特徴は,手札の上限が2枚,かつ手札に干渉する効果(相手からカードを奪う,場のカードを手札に戻すなど)が複数存在することだ。さらに相手の手札の把握が比較的容易なため,工夫次第では大逆転も起こりえる。

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 多人数戦ではパーティーゲーム感が強いものの,1対1ならカード運に左右されない深い読み合いも楽しめる。ルールが簡単で遊びやすいこともあり,短時間で手軽に遊べるゲームとして秀逸なタイトルとなっている。

妖怪百奇八光
価格 イベント価格 2000円
プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 10〜20分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-H16
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/182369
公式Xアカウント:https://twitter.com/mousougames


コスメボックス「タコパチ」


 「タコパチ」は,たこ焼きをモチーフにした厚紙タイルをはじいて竹皮船(紙皿)の上に乗せ,先に2枚の占領を目指す,アクション要素を加味したエリア・マジョリティ系ボードゲームだ。ピックに見立てた棒をうまく使い,効率的に竹皮船を占領していこう。

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 なかなか面白いのは,たこ焼きタイルに“表裏”の概念が存在することだ。同じ竹皮船に6枚のタイルが乗ると占領の判定が行われるのだが,具が見えている面で竹皮船に乗った場合は1点,焼けた生地の面が上になっていれば2点で換算される。
 厚紙タイルは表裏で“フチ”の形状が異なるため,棒でフチを上から押すような形で弾くと,表裏を入れ替えながら竹皮船に着地させられる。また,具の面を表にすることで特殊効果が発動するタイルもあり,あえて裏返しにして形勢逆転を狙える場面も用意されていた。

タイルをはじくときは,表裏も考えながら手先を調整する必要がある
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 ルールだけ見ると一発ネタに思える本作だが,力加減によるタイルの飛び方と,具による特殊効果の設定が絶妙で,かなり熱中できる作品と感じられた。アクション要素を楽しめるボードゲームファンにはとくにオススメしたい一作だ。

タコパチ
価格 イベント価格 2000円
プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 15〜30分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-H37
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/183064
公式Xアカウント:https://twitter.com/cosmebox55


遊飲チャンネル「紙ペンデュエル」


 フォアシュピールで体験できたゲームの中で,最も尖っていたのが本作ではないだろうか。「紙ペンデュエル」はカードの効果に従って紙に線や円を描き,そこに発生する“閉じた領域”(以下,領域)を駆使して戦う,文字どおり紙とペンを使った対戦カードゲームだ。

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 カードにはコストが設定されており,この支払いは領域を塗りつぶすことで達成される。また指定された条件を満たしたうえで対応するカードを使えば,特定の領域を「モンスター」に変化させて戦わせることが可能だ。
 自陣にモンスターが存在しない状態で攻撃を受ければ即敗北。またモンスターには能力差が存在せず,攻撃側が一方的に敵モンスターを撃破できるため,先に攻撃した側がかなり優位に立てる仕組みだ。ただし,モンスターの召喚にも攻撃にもコスト(領域)が必要なので,まずは効率よく領域を増やすことが肝要となる。

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 低価格かつアイデア寄りのシステムということもあり,やや荒削りに感じる部分もあったが,可能性を感じるタイトルなのは間違いない。いわゆる「お絵かきチャット」を使えばオンライン対戦も可能そうだったので,今から適切な図形の描き方を研究してみてもいいかもしれない。

紙ペンデュエル
価格 イベント価格 500円
プレイ人数 2人
プレイ時間 20〜30分
ゲムマ2024春
ブース番号
両-G18
リンク 紹介ページ:https://gamemarket.jp/game/182343
公式Xアカウント:https://twitter.com/YunoCafeBar



 冒頭でも触れたとおり,今回のフォアシュピールにはこの記事で取り上げたタイトルのほかにも数多くのタイトルが出展されていた。筆者としてもそのすべてをプレイできたわけではないので,ゲームマーケット出展タイトルをもっと探してみたい人は,今回のイベントと並行して行われた投票企画「フォアシュピアクション」を参考にしてみるといい。

 これは会場で体験したゲームについて5段階で評価を入力し,その集計を事前評価として発表するというもの。結果はファンコミュニティサイトの「ボードゲームベア」で公開されており,下のリンクから確認できる(要アカウント登録)。
 もちろん気になるゲームを見つけたら,ゲームマーケットのカタログにチェックを入れておくのもお忘れなく。来たる4月27日と28日のゲームマーケット2024春に向け,万全の準備を整えておこう。

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 アークライトが主催するボードゲームやテーブルトークRPGといったアナログゲームをテーマにした展示即売会イベント「ゲームマーケット2024春」が,2024年4月27日と28日に東京ビッグサイトで開催される。今回は,無料プレイスペースの開放や,全身を使って挑戦する巨大ゲームも楽しめる。

[2024/03/29 19:38]

ボードゲームベア内「フォアシュピアクション2024春」結果ページ

「フォアシュピール2024春」公式サイト

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