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ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
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印刷2024/10/15 19:34

イベント

ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?

 2024年10月3日から6日までの4日間,ドイツ・エッセンで世界最大級のアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」(以下,SPIEL'24)が開催された。世界各国のアナログゲーム企業・団体が集うこのイベントには,もちろん日本からも多くの企業・団体が出展した。
 本記事では,そうした日本発ブースの模様を写真とともにレポートしていきたい。

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 2024年10月3日から6日まで,世界最大級のアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」がドイツのエッセンで開催された。コロナ禍で縮小されていた規模も元に戻り,今年は20万4000人もの来場者が訪れたという。ボードゲーマーなら一度は行ってみたい夢のイベントの現地の模様をレポートしよう。

[2024/10/08 18:33]

 日本から出展を行っている団体は,「ボードゲーム」「TCG」「TRPG」の3ジャンルだ。
 出展が多いのは,会場の全体的な傾向と同様にボードゲームジャンルとなる。会場配置でも日本からの出展ブース同士は近くになるよう設計されており,密集感も相まって「あちらにもこちらにも日本ブースがある」という感覚を覚えた。

 個々のブースに関するトピックでは,インディーゲームや中小規模制作のゲームを紹介する日本ブースが多くなった。もとより日本発作品を海外に紹介する活動を続けていた「JAPON BRAND(ヤポンブランド)」はもちろん,今年は「アークライトゲームス&ゲームマーケット」ブースでもこうした紹介スペースが設けられた。
 2024年は「ゲームマーケット2024春」にて「海外挑戦プラン」が公募されており,同プラン出展者のゲームマーケット作品がSPIEL'24にて展示されていた。

アークライトゲームス&ゲームマーケットブース。ゲームマーケットの紹介はもちろん,「海外挑戦プラン」出展者の作品「ギフトクラフト」「キャットと塔」などが展示された
画像集 No.001のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
ヤポンブランドブース。多くの日本クリエイター作品が展示されているほか,ブースには商談のできる会議室が併設されていた
画像集 No.002のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?

 それ以外でも多くの団体が出展した。各団体ともに新作を用意してSPIEL'24に臨んでおり,日本発ゲームに親しむ来場者の姿が多く見られた。

画像集 No.003のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
ホビージャパンブース。今回の出展作「エスペライゼーション」はアメリカのアナログゲームイベント「Gen Con」でも大人気だった作品だ
画像集 No.004のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
オインクゲームズブースでは新作「海底探検深版」にちなんで潜水艦のバルーンがぶら下がっていた。昨年共同で出展していたitten・Saashi&Saashiとは隣同士のブースだ
画像集 No.005のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
itten・Saashi&Saashiブース。出展作「TOKYO HIGHWAY」と「BUS&STOP」にちなんで交通標識を模した装飾がブースにあしらわれていた
画像集 No.006のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
新作「ラピッドダンジョン」などを販売したGOTTA2ブース。尾州デニムを使ったポーチトレイなど,ゲームサプライ品を展開するDokkoi.JPの商品も販売されていた
画像集 No.007のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
家紋をモチーフにしたゲーム「MON」を大きく打ち出していたスタジオムンディブース
画像集 No.008のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
「どうぶつしょうぎ」の試遊・販売を行っていたねこまどブース。色でコマの種類を区別できる「カラー将棋」など将棋グッズの販売も
画像集 No.009のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
Engames,コロコロ堂,サニーバード,ClaGlaが共同出展。盛況のため売り切れる作品もあったようだ
画像集 No.010のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
JELLY JELLY GAMESブース。新作「トロッコタウン」の発表やクリエイターによるサイン会なども開催

 日本発TCGの存在感も大きい。TCG関連ブースはまとめて配置され1つのエリアを形成していたが,そのうちの大部分が日本発TCGのブースとなっていた。
 TRPGジャンルでも,昨年に引き続き「冒険企画局」がブースを出展していた。

TCGエリアでは各社日本発カードゲームブースが大盛況。プレスカンファレンスでは「ONE PIECEカードゲーム」の躍進が触れられていた
画像集 No.011のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある? 画像集 No.012のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?
冒険企画局ブースはTRPGエリアのあるホール2に今年も出展。TRPGオンラインセッションツールを運営するCCFOLIAとの共同だ
画像集 No.013のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?


数字から見る,SPIEL全体から見た日本ブース


 さて,SPIEL'24で日本発ブースはどの程度存在感があったのか,数字も見ていきたい。
 以下の表はSPIEL'24出展ブースのうち,登録しているブースの出身国を多い順に並べたものだ。932団体中576団体と4割程度が未登録であるし,他国のブース経由で出展している企業やクリエイターもいるため,これをもって正確な数字とは言えないが,全体の傾向を見ることはできるだろう。出展ブース数が10を下回る国については省略したが,これ以外にも30か国以上の国が出展している。

地域 出展団体数
ドイツ ヨーロッパ 181
アメリカ 北米 47
スペイン ヨーロッパ 36
フランス ヨーロッパ 26
イタリア ヨーロッパ 25
オランダ ヨーロッパ 24
ポーランド ヨーロッパ 23
イギリス ヨーロッパ 20
中国 アジア 19
ベルギー ヨーロッパ 13
日本 アジア 13
ギリシャ ヨーロッパ 12
スイス ヨーロッパ 11
タイ アジア 11
カナダ 北米 10
チェコ ヨーロッパ 10

 このうち,日本からの出展を登録している団体は13団体。同数のベルギーと並んで10番目に多い国となっており,その次点にギリシャ,スイス,タイ,カナダ,チェコと続く。
 日本よりも多くの団体が出展している国では,開催国のドイツが最多の181団体。それ以外でも欧州諸国が多く見られる。イギリスを除けば,ほとんどがドイツと地続きとなっている国であり,物流面・渡航面で便の良い国々が多く参加していると考えてよいだろう。
 それ以外の国ではアメリカが全体で2番目と大きな存在感を放っている。アメリカも多くのアナログゲームファンを擁し,世界最大級のアナログゲームコンベンション「Gen Con」を開催していることを考えると納得の数字だ。
 次いで中国が19団体を出展し,日本はその次点となっている。欧州外の地域,特にアジア地域の中では出展数が多く,積極的に出展している国にあたり,存在感も増しているのではないだろうか。

画像集 No.014のサムネイル画像 / ドイツのアナログゲームイベント「SPIEL Essen 2024」に,日本発ブースはどのぐらいある?

 出展者の活躍とは異なるが,SPIEL'24では日本語の会話を耳にしたり,日本からの来場者に会ったりする機会がとても多く感じられた。
 筆者が見聞きした範囲に過ぎないが,一般来場者もとても多くなった印象だ。事前にSPIEL'24参加を連絡してくれた拙著「Essen SPIEL Guidebook 2023」読者の方,SNSで参加表明をされている方,現地でお話した方を数えると,一般参加している来場者は1人や2人ではない。もとより日本ではSPIEL Essenを知っているアナログゲームファンが少なくなかったが,現地に足を運ぶ人も増えてきたということだろうか。
 今後,SPIEL Essenにおいて日本からの出展・一般来場ともに盛り上がっていくのが楽しみだ。

著者紹介:
Im Karton
 海外アナログゲームイベントを訪ねて旅する3人組。読み方は「イム・カートン」。これまでに世界最大のアナログゲームイベントであるドイツ「SPIEL Essen」(シュピールエッセン)をはじめ,アメリカ「Gen Con」(ジェンコン),フランス「Festival International des Juex」などを訪問。昨年はSPIEL Essenに行きたい旅行者向けのガイド「Essen Spiel Guidebook 2023」を同人誌として刊行。

Omochicard
 Im Kartonメンバー。SPIEL Essenの訪問は今年で5回目。訪問時は旅行の計画や日本へボードゲームを送る宅配便の発送などを担当。海外ボードゲームが大好き。好きなボードゲームは「アーク・ノヴァ 新たなる方舟」や「Kemet: Blood And Sand」。
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