
イベント
日本オリンピックミュージアムにて,eスポーツ企画展を開催中。「グランツーリスモ7」「ストリートファイター6」など,6タイトルを体験できる
※障害者手帳をお持ちの方と付添人1名無料(要障害者手帳)
この展示会は 2026年9月19日より愛知・名古屋を中心に開催される大会の機運を高めるべく企画されたもので,とくにeスポーツに焦点を当てている。
本稿では,開幕に先がけて行われた関係者向け内覧会の模様をお伝えする。
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主催者を代表して登壇した日本オリンピック委員会(JOC) 常務理事 小谷実可子氏は,eスポーツが単なるゲームではなく,戦略とチームワーク,そして技術が求められる真剣勝負の場であり,世界中で多くのファンを魅了し,またeスポーツ選手は日々努力を重ねていると語る。また,第19回アジア競技大会を視察したときにeスポーツが強く印象に残ったと述べた。
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日本eスポーツ連合(JeSU) 副会長 越智政人氏は,アンケートにて80%以上の人が「eスポーツを知っている」と回答した半面,その約半数が「名前は知っているけれども,実態はよく分からない」とも回答している事例を挙げ,「歴史と伝統のあるオリンピックの名を冠したミュージアムでeスポーツを紹介する機会をいただけたのは,喜ばしく名誉なこと」と語る。この催しをきっかけに,多くの人にeスポーツを深く知り,ファンになってもらって,大会当日にはぜひ選手達に声援を送ってほしいと展望を示した。
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ゲストトークのコーナーには,eスポーツレーサー兼リアルレーサーの冨林勇佑さんと,元柔道女子金メダリストであり,現JOC 理事/愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会(AINAGOC) アスリート委員長 谷本歩実氏が登壇。谷本氏がリアルアスリートやゲーム好きの子どもを持つ母親といった観点から,eスポーツについて冨林さんに質問を投げかけた。
冨林さんはeスポーツレーサーではあるものの,現在は拘束時間の長いリアルレーサーの活動に重きを置いており,コンディションの保ち方などではリアルアスリートとの共通点が多いという話題で盛り上がった。
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冨林さんはeスポーツのいいところとして,老若男女を問わないこと,身体の不自由な人でも楽しめることを挙げ,「本当にやり続けられる気持ち」「負けたくない気持ち」「楽しめる気持ち」といったメンタルを持っていれば,センスは足りなくともトップを目指せると話していた。
谷本氏と冨林さんが「グランツーリスモ7」のタイムアタックに挑むコーナーも設けられた。内覧会の直前に初めてプレイしたという谷本氏にハンデを与えるため,冨林さんは救急車でチャレンジすることになったが,結果は谷本氏が3分3秒,冨林さんは2分58秒。僅差で勝利を収めた冨林さんは「負けたらレーサー引退」と宣言していたため,「こんなに緊張することになるとは……」とコメントしていた。
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質疑応答のコーナーでは,越智氏がリアルスポーツでは科学的なトレーニングが一般的になっている一方で,eスポーツはチームや選手それぞれが独自の手法でトレーニングしている状況に言及した。第20回アジア競技大会に向けて,eスポーツも統一したトレーニングなどの研究をきちんと進められる機会を得られたため,よりパフォーマンスを高められるのではないかと期待を寄せる。
企画展の展示は「実機を用いたeスポーツ体験」「日本におけるeスポーツの歩み」「アジア競技大会におけるeスポーツ種目の紹介」「誰でも楽しめるeスポーツ(障がい者・高齢者向けのアクセシビリティ)」という4つのコーナーで構成されている。
eスポーツ体験コーナーでは「グランツーリスモ7」をはじめ,「eFootball 2025」「ぷよぷよeスポーツ」「ストリートファイター6」「THE KING OF FIGHTERS XV」「鉄拳8」を実際にプレイ可能だ。この機会に,ぜひ会場に足を運んでみよう。
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■開催概要
名称:第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)特集展示「eスポーツ展」
会期:2025年4月29日(火・祝)〜8月31日(日)
会場:日本オリンピックミュージアム1階「WELCOME SALON」
入館料:一般500円 / シニア(要証明書)400円 / 高校生以下(要学生証)無料
※障害者手帳をお持ちの方と付添人1名無料(要障害者手帳)
休館日:月曜日(月曜が祝日または休日の場合,翌平日休館)他,年末年始及び展示替期間
主催:公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)
共催:一般社団法人日本eスポーツ連合
協力:公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会(AINAGOC)
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