三国志の醍醐味の一つは，なんといっても個性豊かな英傑達の存在だ。前作では，劉備や孔明，関羽，曹操など数多くの武将を登場させながらも，いまいちその素材を生かし切れていなかった印象が拭いきれないし，またユーザーの不満の多くもそこに集約されていたように思う。個人的な感想からいっても，やはり武将の無個性さは残念でならなかった部分だ。

　しかし今回の"赤壁の戦い"では三国志ファンプレイヤーの要望に応え，武将の個性にウエイトを置いた内容に仕上がっている。それは，単に能力値のユニーク化や「神通力（特殊能力）」の要素が強化されているからだけではない。武将が"軍隊を率いる存在"としてしっかりと位置付けられている部分がとても大きいのだ。
　つまり，孔明に代表される有能な軍師，あるいは万の軍勢を率いて無双の働きを見せた猛将などには，"味方の能力値を上昇させる"特殊能力が用意されており，その武将をリーダーとして軍団を編成（グループ化）すると，その軍団全体の士気，攻撃力，防御力などが上昇する。この指揮効果は絶大なもので，例えばレベルが上がって成長した孔明に率いられた軍勢は，倍する敵軍を打ち破ったりするほどなのだ。ユニットの頭の上にオーラのようなグラフィックスが見えれば，そのユニットが指揮効果を受けているということになり，見た目的にも非常に分かりやすい。

　"武将の恩恵"が顕著に感じることができる今回の武将システムは，武将の個性を引き立たせるうえで非常に重要な部分だと思うし，また三国志ファンにとっても嬉しい改良点といえるのではないだろうか。
　あと1か月弱と迫った発売日だが，三国志好きのゲーマーはチェックしておいて損はないだろう。（TAITAI）