［GC 2008＃35］アバターの実装で船内活動が可能に。「EVE Online」の大型アップデート「Ambulation」

　アイスランドのデベロッパ/パブリッシャCCP Gamesがサービス中の「EVE Online」は，地球から遠く離れた銀河の市民となって自由な暮らしを送るSF MMORPGだ。2003年のサービスイン以降，おおよそ年に2回ずつアップデートを行って規模を拡大し続け，現在では25万人近いプレイヤーを抱えるまでに成長している。

　本作では，宇宙船を直接操作する方式が採られており，通常のMMORPGに見られるようなプレイヤーキャラクターは表示されない。宇宙船のカスタマイズの自由度は非常に高いが，いわゆるアバターの着せ替えを楽しむといった要素はないのである。
　だが，現在開発が進められている大型アップデート「Ambulation」により，人型のプレイヤーキャラクターを操作可能となる。とはいえもちろん，生身のままで宇宙空間へは出られないので，このキャラクターの姿を見られるのは宇宙ステーションなどの施設に限られる。

CCP Games　Arend Stuhrmann氏

　Ambulationの実装が予定されていることは，すでに公になっていたが，今回Games Convention会場で，CCP GamesのAssociate ProducerであるArend Stuhrmann氏に，その詳細や開発の進捗などについて話を聞けた。
　まず，開発はとても順調に進んでおり，すでにテストサーバーにはAmbulationの一部が実装されているとのこと。残念ながら，今のところスクリーンショットは一切公開されておらず，11月6〜8日に開かれる「EVE Fanfest 2008」まで“おあずけ”だ。
　というわけで，今回Ambulationの画面写真をお見せできないことをご容赦願いたい。

　その代わりというわけではないが，Ambulationのコンセプトアートをもらえたので掲載しよう。これらに描かれているキャラクターや宇宙船が，どんなふうにゲームに実装されるか，いろいろと想像を膨らませてみよう。
　ちなみにAmbulationで用意される衣装は，本物の服飾デザイナーが手がけているとのこと。服として，しっかりした根拠のあるデザインに仕上げることを目指しているのだろう。



　また，キャラクターの体型自体のカスタマイズ性も高く，痩せ型から恰幅のいい体型まで，さまざまな調整ができる。そのキャラクターに服を着せることで，自分だけのキャラクターが作れるのだ。
　これからは，宇宙船でなく，キャラクターの外見で個性を発揮できるわけである。なんといっても，宇宙船より人型のキャラクターのほうが愛着が湧くし，ほかのプレイヤーと会ったとき，それが誰であるかを識別しやすいはずだ。

　人型キャラクターの実装によって，宇宙ステーション内を歩き回ったり，洋服店で服を買ったりできるようになり，EVE Onlineの世界に大きな変化をもたらす。
　宇宙ステーション内の施設としてクラブなども予定されており，プレイヤーの要望によって新しいものが追加されていくという。構想されている施設には，野菜などを栽培できる畑などもあるそうだ。
　各施設のインテリアはすべて，ゲームの世界観に合わせてデザインされるとのことだったが，畑ができるとしたらどんな雰囲気になるのだろうか。



　ちなみに，2007年のFanfestでは，ポーカーなどのテーブルゲームがゲーム内に実装されるとアナウンスされていた。Stuhrmann氏の話では，要望があればそれ以外のミニゲームも追加していくつもりとのこと。どんなゲームが登場してくるか，楽しみだ。

　Ambulationの実装は，これまでのアップデートと比べても規模の大きなものであり，ゲーム性に大きな変化をもたらす。CCP Gamesは，女性プレイヤー比率のアップを目標に掲げており，その意味でも大きな挑戦となる。
　ともあれ，EVE Fanfest 2008で明らかにされる新情報を楽しみにしよう。